日本講談協会定席@お江戸上野広小路亭(2022/05/28)【講談編#11】

こんばんは。飯山大五郎です。

昨日は講談界の年に一度のビッグイベント「NHK講談大会」がありました。その頃私は、講談界の「秘宝」、神田愛山先生が主任の日本講談協会定席に行ってきました。

日本講談協会定席は、当日券のみ。10:30に整理券配布が開始になりますが、場合によってはその前に満員御礼が出ることもあるので、様子を見ながら列に並びます。(朝の前座勉強会については【講談編#10】をご覧くださいませ。)

今日の演目と演者は、以下の通りです。

○ 「川中島の戦い」 神田梅之丞

開口一番は、前座の梅之丞さん。川中島の戦い、初めて聞いた。見ていてハラハラするなんてことはなく、どんなお客であっても堂々と修羅場を聞かせてくれる。これからどう変わっていくのかが楽しみな方。梅之丞さんの修羅場、好きです。

○ 「伊達家の鬼夫婦」 神田紅希

続けて、前座の紅希さん。朝の前座勉強会でも思いましたが、前に聞いた時よりも声が大きく、はっきり聞こえるようになっていました。紅一門の決まり文句もしっかりと。お貞が直人の首根っこを押さえつけるときの口調と身振りがなんとも可笑しい。

○ 「暴君ネロ」 神田桜子

次に、二つ目の桜子さんの「暴君ネロ」。これ、二代目山陽先生の作なのだそう。これも初めて聞いた。歴史の授業で聞いたことのある人物の読み物は自然と興味が湧く。海原へと投げ出された母や女中を見殺しにしてしまうところなんかおっかない。

○ 「振袖火事」 神田紅佳

お次も二つ目、紅佳さんの「振袖火事」。これまた初めて聞いた。恋煩いの女の子が、恋の相手と出会って元気になる…わけではないのか。女の子がねだった振袖と火事とがどう繋がっていくのか気になるところで持ち時間いっぱい。うむむ、続きが気になる。

○ 「もったいない善兵衛」 神田紫

ここから真打、紫先生の「もったいない善兵衛」。まくらでSDGsと聞こえた時は驚きましたが、こういう読み物は講談師が「先生」と呼ばれる所以だよなあ、と。「物を大切にすること」でいいことが起こるんだよと。これ、子どもたちに聞かせると勉強になるかも。

○ 「延命院」 神田紅

仲入りは真打、紅先生の「延命院」の序開き。またまた初めて聴いた演目。娘が歌舞伎役者とお坊さんの二人を、旦那として代わる代わる相手をしてお金をもらうという、ここまででもイカれているのに、お坊さんにあったはずのブツがなくなっているという衝撃的な展開。これも気になるじゃんか。

〈お仲入り〉

休憩です笑(15分)

○ 「赤穂義士銘々伝 神崎の詫び証文」 神田鯉風

お仲入りを挟んで、真打、鯉風先生は「神崎の詫び証文」。夏に入りかけのこのタイミングでも、赤穂義士伝はいいですね。鯉風先生の丑五郎がいい。悪酔いしただる絡みをする感じがピッタリ。神崎の名を聞いた時の丑五郎の雰囲気もいい。ト書きの部分は、松鯉先生のエッセンスも感じられる読み。

○ 「花川戸助六伝 斬られの藤次」 神田愛山

待ってましたと拍手に込めて、真打、愛山先生登場。花川戸助六伝の1席目、「斬られの藤次」。助六が元締めとなっていくきっかけとなる部分。藤次の母親が助六に○してと頼む気持ち。どんなに憎くたって子どもは子どもなはずなのに。助六が元締めとしてデカくなっていたら、結果も変わったのかもしれない。

充実した時間でございました。それではまた。

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