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ある一人のプロとチームに人生を救ってもらった話

麻雀に出会った学生時代

 高校を卒業後地元の大学へ進学した。残念ながらサボってばっかの学生生活だった。毎週飲み会、バイトの繰り返しで単位は疎か。そして友人の影響で気付けば麻雀を覚えていた。
 麻雀といえば小さいころ雀鬼シリーズが好きだった父親に一方的に話を聞かされていたくらいで役も知らない。なので知識もほとんど無かった。
 話を戻す。麻雀にドはまりした大学1年、毎日が楽しかった。手摘み麻雀から雀荘デビューを果たし雀荘に通い続けた結果、学校の単位は年間で4。『あー大学辞めるんだな自分・・・』そんなことを思いながら大学2年生が終わった。

忘れられない日

 大学を辞めるか3年生になるか悩んでた春休みに私の地元を大震災が襲う。東日本大震災である。筆者は宮城県仙台市生まれの仙台育ち。震災で相当数の友人を失った。その中には麻雀を教えてくれたセット仲間も犠牲となった。今後について沢山悩み、自分で出した結論は酒・麻雀を一旦やめ学校に真面目に通う決意をした。結果3年生と4年生で単位を取り無事大学を卒業した。

社会に飲み込まれ病気に・・・

 就職先は学生時代バイトをしていたアミューズメント施設だった。月の休みも実質3日程度、言わばブラックな職種だったのかもしれない。ただ一生懸命働いた。もちろんこの期間も麻雀には一切触れてなかった。(触れる時間も無かった)
 5年近く働いたある日私は仕事中に倒れ入院した。少し重い病気だった(今は無事に完治)。3週間の入院を経て退院したが仕事を続ける体力も気力もなく結果退職した。将来への不安に押しつぶされそうな中、療養という名のニート生活が始まる。

 そんな絶望に陥ってるとき一人の男性に目を奪われる。

内川幸太郎プロの存在

 毎日病院に通いリハビリをするくらいしかやることがなく長い時間を過ごしてた自分がある日ふとアベマを開いた。チャンネルをいろいろと回しているうちに麻雀中継を見つけた。そして一人のプロのオーラと打ち方に衝撃を受けた。

RTD2018の内川幸太郎プロ

 言葉では説明が難しいが6年も7年も離れていた麻雀への思いが急に蘇った。失礼ではあるがずっと麻雀から離れていたためこの時初めて内川幸太郎プロを知った。そしてすぐにネットで検索した。
 今考えても一線で活躍し続けるプロが出場していたRTDリーグで内川プロだけに引き込まれたのか理由は分からない。ただひたすら内川プロの試合を観た。ここまで何かに熱中したのは学生以来だったのだ。

第35期十段位を獲得された内川プロ (後にチームメイトとなる沢崎プロも)

Mリーグの開幕

 Mリーグというプロリーグが出来る!とても興味深いニュースが出た。
ワクワクしてドラフト会議を観ていたが内川プロは指名されなかった。チーム戦で選手が野球やサッカーのようにユニフォームを着て麻雀を打つという画期的な企画に驚いた。Mリーグは開幕戦から観たが素直に面白かった。この頃にはいろんな団体の選手も覚え始めてて毎日が楽しみだった。ただ不思議と特に応援するチームは無かった。

2019年2月1日 内川プロMリーグ初解説(亜樹さん桃さん可愛い照)

 私自身、この時期に内川プロと麻雀に元気を貰いながらリハビリを続けてた矢先、病気の再発と人間関係のもつれから人生のどん底に落ちた。正直生きていくのがもう辛い。病み続けて前が見えなかった。

KADOKAWAサクラナイツが誕生

 生きる意味を自問自答する日々が続いてたある日サクラナイツが新規チームとして発表された。小さい時から桜が好きで男性なのに好きな色がピンクな私にはその当時唯一言っていいほど楽しみな話題だった。
『どういう選手を獲得するんだろう?』『どういうユニフォームかなぁ?』毎日何回も考えた。
 運命のドラフト会議で内川プロの名前が呼ばれ、岡田紗佳プロと沢崎誠プロも指名された。この時私はもうKADOKAWAサクラナイツのファンになっていた。

サクラナイツのおかげで自分との闘いに勝てた

 病気と闘って辛かった自分にサクラナイツという光が差した。サクラナイツの試合がとにかく楽しみで、内川プロの勝利に興奮し沢崎プロの熟練の技に魅了され、若き特攻ガール岡田プロの逞しい打ち方に熱狂した。私も気付けば病院の先生が驚くほど病気が回復し、社会復帰をすることが出来た。病院では『サクラナイツが出来て本当に良かったね。』そう言われた。
 これは大袈裟ではなく、もしサクラナイツに出会ってなければ私は生きていなかったかもしれない。

これからもずっと・・・

 今この文章を書いているのは5/20。先日23-24シーズンが終了した。内川プロは調子がなかなか上がらず今季は苦しいシーズン送り私も本当に悔しかった。ただチームは岡田プロの大活躍、至極の1局を繰り出し続ける堀慎吾プロ、抜群の読みで魅せた渋川難波プロ。チームのみんなで桜騎士団をファイナルに連れて行ってくれて3位を勝ち取った。(本来は21-22で優勝した時の喜びやいろんなドラマを語りたかったけど長くなるので割愛します)
 
 あのとき内川プロに出会っていなければサクラナイツにも出会えず、今私の周りにいる麻雀仲間とも知りあえなかった。5年ほど前に苦しんだ自分も病気は再発せず今では信じられないくらい明るい性格になった。

 Mリーグ、麻雀がある限り死ぬまでずっと楽しんでいくつもりだ。来たる24-25シーズンでチームが2度目の優勝を果たし、大好きなサクラナイツの選手全員がMリーグ・自団体等で大活躍する姿を想像しながら私は自分なりに精一杯楽しく生きていこうと思う。

 あの時生きる希望くれた内川プロ、サクラナイツ本当にありがとう。これからも全力で桜援します。


23-24シーズン壮行会にて

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