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助けたい。

池から
「助けて!」と声が聞こえました。

池のそばまでいくと、
女性がバシャバシャと溺れています。

手を差し伸べようとしましたが、届きません。

そのうちに
「助けて!」と声がしたので、

今度は
ロープを降ろしてみましたが、
彼女は
「ちょっと待って。」といいました。

どうしよう。と困っているうちにまた
「助けて!」
と声がしたので、

今度こそ!と
ロープに浮き輪をつけて投げてみました。
「よってきて、浮き輪を付けて!」
と言いました。



でも、彼女は、
「"そのうち"に行く。」と言いました。



私は、"そのうち"にやってくれるだろうと
彼女を信じようと思いました。

待っていたら、

"そのうち"が来る前に
「助けて」
と声が聞こえました。

私には、助ける方法が思いつきません。

助かりたいと思っていない彼女の心に気づいてしまったのです。

彼女は、
溺れて、
苦しい、苦しいと言っている自分に、

溺れているのです。

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