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歌詞集

11
Kazue自作詞集。
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記事一覧

「 サンゴ•タンゴ 」

「 サンゴ•タンゴ 」

月夜の海のサンゴを盗ろうと
着のみ着のまま飛び込んだら
爪の先まで溺れてしまった
骨の髄まで凍ってしまった

タンゴ•サンゴ•タンゴ•サンゴ•タンゴ
海の底
タンゴ•サンゴ•タンゴ•サンゴ•タンゴ
裸足で踊る

あたしの影と
それから靴は
失くしちゃいけなかったのに

三途ノ川で小粋に踊ろう
片一方はサンゴの靴よ
次のターンで逃げて!と
月の悲鳴があたしを揺さぶり起こす

タンゴ•サンゴ•タンゴ•

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「 再会 」

「 再会 」

暗く深く
星も降らぬ夜
心を閉じて
ただ耳を澄ませる

闇夜の狩人
音無く降り立ち
そっと口ずさむ
遠い子守唄

左の踵に刺さった月の破片が疼くよ
石の壁にもたれ
誰の肩を夢見る

凍ってはまた溶ける心臓を飲み干した
思い出はいらない
誰の顔も知らない

暗く深く
星も降らぬ夜
心を閉じて
ただ耳を澄ませる

闇夜の狩人
眠りにつくまで
始発の電車
動き出すまで

暗く深く
星も降らぬ夜
懐かしい

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「 西風シャッフル 」

「 西風シャッフル 」

ねえ
浮ついた夢なんか見てちゃ駄目だと
遠い昔誰かに言われたキミの
瞳にまだ光る何か

ねえ、あたしの本音に
エールを送って
帽子が逃げたのは西風のせい
でもカーテンはそのままで

ココロ委ねないで
キミを叩く社会のこどもたちに

自業自得だね
自己責任でヨロシク!
そして自分のご機嫌は自分でとれよと
氷のスローガン!

独りでいるほうが淋しくない
なんて、少し寂しいね

優しくズルい嘘にまみれて

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「 桜 」

「 桜 」

何か忘れてる
どうにも思い出せない
気付かないフリして
初めて聞いたって顔して

とても大事なようでいて
あまり大事じゃなかったね

旅した街も
新聞の切り抜きも
あの子の名前も
記憶の彼方

桜の花より
香る桃のほうが好きだと
つまらなそうに呟いた
あの横顔

ああ
風にほどけて
舞い降りた花弁(カケラ)が
地面に貼り付いて

ああ
自転車に
タクシーに
私に、踏まれてちぎれてく

アリガトって

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「 猫とロクデナシ 」

「 猫とロクデナシ 」

あたしの名前を
まだ覚えているなら
忘れないうちに
ここへ来て耳元で囁いて

いつもの調子で
枕元までジャンプして
眠れるあたしを起こしに来てね
消えないうちに

嵐の夜、雨降る朝
いつだってキミは自由気まま
一瞬を永遠に変えて
生きてる

命は時間
楽しい時間
キミは大きく背伸びして
星降る夜の空にキスをした

命は時間
足りない時間
長い尻尾をピンと立てて
ここにはない大事な何かを探しに行くよ

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「 サイコロ 」

「 サイコロ 」

投げられたサイコロは転がり落ちて
君の足元に着地した
と思いきや、蹴飛ばされ
子猫の水皿に飛び込んだ

いつの間にあたしアザだらけ
素直でいられないゲームは苦手

この宇宙の塵ですらない僕らは
瞳を凝らして星を観るだけ
太陽系(ココ)の摂理(ルール)はここだけの約束
イカサマも逆さまの頭脳戦

いつの間に君もアザだらけ
素直でいられないゲームは終ろう

硝子の嘘が喉の奥で
あたしの呼吸の邪魔をする

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「 風の吹く日」

「 風の吹く日」

重たい風に背中を押され
ゆるい坂道駆け下りる
こんな風の吹く日が好きさ

見えない翼生えたみたいだね
鼻の先までくすぐったいね
でも少しだけ、胸が苦しくなる

もっとずっと遠く
遥か時の果てへも
行ける気がしてたんだ
君も同じ夢を見ていたね

僕らの世界は
こんなにも変わってしまったのに
何故まだドキドキするんだろう
何故まだ転がってるんだろう

もっとずっと遠く
遥か時の果てまで
行ける気がして

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「 白色吐息 」

「 白色吐息 」

いつものことだし
驚きも呆れもしない
もはや感心してるよ
こちらが話してることを、返答を、
必ず聞き返すその律儀さに
それでもほら
何も聴いちゃいない
右から左へと抜けてく才能

ただね
同じ話をまた繰り返さなきゃいけないのって
うんざり!
白い溜め息に気づかないで
君は今どこにいるの

この唇からこぼれる言の葉すべて
乾く暇もなくすべり落ちてく
ふたりの指の間を

透きとおるペルソナ
大事なのは

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「 archives 」

「 archives 」

雨の匂いは
気まぐれなあの夏の残り香よ
濡れたベンチで
痩せた子猫が
雫舐めてる

あなたが棄てた傘の
骨の部分が
曲がってるのに無理やり
歪なままで差して
帰る

銀の糸がまとわりつく
跳ねる不快指数
ここにはもう居たくないわ

昨日(過去)も未来(明日)も
記憶の図書館に
返し忘れてる本が山積み
片づけなくちゃ
整理しなくちゃ
だけどそれは
誰のため?

雨の匂いは
気まぐれなあの夏の残り香よ

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「 月が笑う 」

「 月が笑う 」

キミにそっと打ち明けようか
この列車の行く先を
すやすやと眠る耳もとに

駄目だよ、ほら起きなさい
悪い奴にさらわれちゃうよ
喉が乾くね、カラカラと

窓越しに月が笑う
これはただの冗談だよ
キミをきっと困らせる内緒話は
口にはしないから

もうとっくに死んだはずの星屑が
踊りながら
ボクらの成りゆきを観ている

でもボクは何もしない
頭の上に手をかざして
伸びた爪先眺めてるだけ

蒼い月、蒼い星

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「 覚めたい夢 」

「 覚めたい夢 」

始発前ひと気のない街  響く靴音
銀色のアスファルトロード  独り歩いた

目を閉じても迷わない真っ直ぐな道

ポケットの缶コーヒーはすっかり冷えて
甲州街道には星が降ってた

ふと気づく、見慣れない歩道橋がある

目を凝らすと道路の向こう側にキミ
「渡っておいでよ、待ってるから」

見た目は普通の橋だけど、どこかオカシイ
戻ってはまた逆戻り
辿り着けない

いつのまにこんなにも彷徨うなんて

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