リリイ・シュシュのすべて

私のバイブルである。
青春という名のバイブルであるのか、はたまた精神的な支えという名のバイブルであるのかと問われれば後者である。
1年に1度は観たくなる作品である。
思春期の衝動、葛藤、青春、何より思春期の対人関係のあのもどかしさを感じる。
私は思春期は音楽に救われていた。
主人公もリリイ・シュシュというアーティストに執心している。
彼もきっと音楽に心を救われていたのだろうと推察する。
そのアーティストの歌声とともに物語は進んでいく。
主人公のほかに、もう一人私から見たらこの子も主人公だろうという子が出てくる。
何らかのきっかけですぐに壊れていく関係性、心、容易く折れていく精神。
全てが凝縮されていて、自分の思春期を彷彿とさせる。
この映画にはもう一つ、ドビュッシーの曲が使われている。
アラベスクの曲が美しく響く中、少年少女たちはもがき苦しみ壊れていく。
その姿が見ていて辛くなり、儚く感じてしまうのだ。

まだ、御覧になっていない方にはお勧めはしない。
気になった方が手に取っていただけたのなら、私は嬉しい。

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