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青森旅行 その③ ~金平成園と盛美園~

弘前をはじめ、津軽地方には「大石武学流」という様式の庭園が多く残されています。今回は私が訪れた2か所をご紹介します。どちらの庭園も厳かな雰囲気を感じる庭園(建物)でした。観光シーズンではなかったこともあり、人も少なかったのですが、ぜひ多くの方に見ていただきたいなと思います。

① 金平成園
 黒石市にある庭園。平成18年に名勝に指定されています。公共交通機関でアクセスする場合は、弘南鉄道黒石駅から徒歩10分程度。
 加藤氏の住居と庭園を見ることができます。庭園は最盛期は今よりもずっと大きな庭園だったそうですが、個人的には今でも個人の邸宅の住居としては十分大きな庭園だと思います。

 母屋から蹲踞と礼拝石に続く飛石がきれいなY字を描いていることや、大きな遠山石、離れからも楽しめるように庭園右側にも築山を築くなどの特徴がありますが、大石武学流庭園の特徴を守りつつ、魅力ある庭園だと思います。ひと頃は荒れていて、そばにあった小学校に通うため、小学生が抜け道にしていたという庭。

ボランティアの方の案内を聞いた後、自由に見て回ることができます。そばには、鳴滝醸造店の国登録記念物(名勝地)の鳴滝氏庭園や、重要文化財の高橋氏住宅や、雪国のアーケード「こみせ」が残る通りなどの見どころがあります。

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② 盛美園
 平川市にある庭園。東北地方の庭園としては屈指の名園。昭和28年に名勝に指定されています。この盛美園は、京都の無鄰菴、清風荘と並ぶ明治三大名園といわれています。
 近年では、ジブリの映画である、借りぐらしのアリエッティの舞台イメージとなった場所としても知られているようです。(私は映画を見ないので、映画は見たことがありません。。。)
 
 ここは建物も特に見どころが多く、まずは目を引く外観は、当時国内各地で人気のあった和洋折衷の形式の中でも日本で唯一という、和館の上に洋館が乗るスタイル。2階は残念ながら通常は立入禁止ですが、外観だけでも強烈なインパクトがあります。どこかのHPで洋が和を押しつぶすように見えるその形はまるで明治の時代を表しているようだというようなフレーズを見かけましたが、個人的には、押しつぶすというよりは、バランスの悪さも含めて、受け入れていくことの難しさも感じました。

 庭園はこちらも、大石武学流で、基本の構成は守りつつ、盛美園には、3つの中島があり、それぞれ仙人が住んでいるという島を表しているそうです。枯池と池を並べた表現など洗練された構成は明治三代名園とされるだけの迫力を感じました。

 なお隣には清藤氏書院庭園もあるのですが、私は時間がなく立ち寄ることができませんでした。(清藤氏書院庭園は事前連絡が必要なようです。)  津軽地方にはまだまだ魅力的な庭園がたくさんあるので、次の機会にはぜひ他の庭園にも行きたいと思います。

 京都にあったら、たとえ真夏でもすごく多くの方が来ているであろう庭園ですが、ものすごくのんびり見ることができました。それは個人的にはすごくありがたいことですが、もっともっと多くの人にこの素晴らしい名園を見ていただきたいなと思いました。
 便利な場所ではないですが、わざわざ行ってみる価値は十分すぎるくらいあると思います。

 津軽地方にはほかにも名勝に指定されている庭園がたくさんあるので、次の機会にまたぜひ行きたいと思います。

 弘前城の記事を書く余裕がなくなってしまったので、別の記事で記載するはず。。。?


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