半ば閑人

なんぞ駅で看板を掲げて何やら政治的主張をしている人がおった。何か文字が書いてあるのだが、看板の大きさの割に文字が小さくて読めん。何と書いてあるんだろう、とちょっと目をこらすと、看板を持ってる男性が目線を合わせてきて、なぜかニコリと笑顔で会釈をしてくる。たぶん、通行人全員にやっているのだと思うが、主張を売り込みたいのか、自分を売り込みたいのか、よく分からんな。そもそも、どういう人なのか分からん。議員とは思えないし、どこかの政党に属している党員とかが勝手にやってたらまずいだろうし。役人でもなかろうし、政治家の秘書でもなかろう。半ば閑人だろう。今さらながら、ガリヴァー旅行記を読み終わる。てっきり主人公はスウィフトで、途中でガリヴァーが出てくるのかと思いきや、違った。主人公がガリヴァーなのだが、誰もガリヴァーと呼ばないし、終始、一人称で進んでいくので、本当に名前がガリヴァーなのかどうか、よく分からない(笑)始めに小人国、リリパットの国に行き、巨人扱いされるのだが、次にはすぐさま大人国、ブロブディンナグの国に行くので、今度は自分が小人扱いされてしまう、という、なかなか忙しい筋立てだ。まぁ、いずれにせよ、これはイギリスへの諷刺を目的とした作品と言われる。スウィフトはアイルランド系なのだが、宗教的にはイギリス国教会のプロテスタント系で、どうも出世レースから外れたので、イギリスをディスっているようだ。小人国では、まさしくイギリスをなぞらえているし、大人国では、英明な大人国の王の口からそのまま批判が加えられている。特に火薬を使った戦争、さらに軍事費の為の国債の発行など。当時は、軍事費の為に国債を発行するかどうかが最もホットな政治イシューだったようだ。小人国では、イギリスと対立するフランスの手引きで、ガリヴァーが逃げおおせる、という、なかなか直戴な筆である。もちろん、フランスとは言わず、フランスっぽい名前だが、たぶん、当時の知識人はニヤリとするのだろう。しかし、岩波少年文庫では、注釈でこれはフランスのことを指す、と言ってしまっているのだが、果たしてそれは要るのかどうか(笑)やはり、こういうものは原典の魅力を失わずに翻訳するのは難しいのかも知れない。しかし、ガリヴァー旅行記は、全部で四篇あり、後は飛び島編と馬の国編があるようだ。まぁ、所さんは芸能界のガリヴァーか(笑)よ!我利婆旅行記!😁💨💨

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