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エルデンリングDLC考察 ミケラ黒幕説

 ミケラが自分の律を完成させ、黄金律の代わりとしていたらどうなっていただろうか? ミケラの時代は優しく、争いのない世界になっていただろう。なぜならこの世界に生きる者たちは誰も彼もがミケラに魅了されているのだから。これは魅了というより洗脳と言っても差し支えない。それは自由意志の剥奪されたディストピアだ。そして争いのない世界は遠からず停滞するだろう。死を取り除いた黄金律と同じように。

 色々取り逃がしたNPCイベントを見ていくと、ミケラって純粋無垢の精神で他人の尊厳を平気で踏み躙るタイプなんだあ、とドン引きしました。本人がそれを悪いと思ってないのがまた罪深い。そう考えるとミケラの魅了って本編でどこまで悪さしてたんだろう?と疑問が湧きました。そして改めて振り返ってみると、事件の影にミケラの魅了ありって感じでこれも怪しい、あれも怪しいと推定無罪ならぬ推定有罪!

1、黒き刃の刺客
 黒き刃はマリカの同郷なので、裏切るのは考えづらかった。つまり陰謀の夜はマリカとラニの共謀か?とDLC前は考えていたのだが、黒き刃がミケラによって魅了されていたとしたらどうだろう? 話は変わってくる。そういえばオルディナ街にも黒き刃がいたし、未だ魅了されたままってこと?

2、マリケス
 黒き刃が死のルーンを盗む際、魅了あるいはトリーナの睡眠の力を使った。そしてマリケスが眠っている間に死のルーンの一部を盗み出した。死のルーンをマリケスから盗む計画を立てたのはラニ(とライカード)だが実行したのは黒き刃、そして力を貸したのはミケラである。ラニとミケラは利害が一致していたので協力していた。

3、ゴッドウィン
 陰謀の夜において、あまりにもゴッドウィンが無防備すぎないか?と思ったが、これもミケラによって魅了、あるいは眠らさせらていたとしたら? 黒き刃を魅了し、ゴッドウィンを深い眠りによって無抵抗にさせた。そして起こったのが陰謀の夜である。そしてマリカは黄金律を壊し、破砕戦争が始まるのであった。

4、マレニア
 自分の矜持を捨ててまで腐敗の花を咲かせた。盲目的なまでにミケラを尊敬していたのかもしれない。あるいはミケラによって魅了させられていたのかもしれない。洗脳というのは本人に洗脳されているという自覚がないのが厄介である。魅了もまた然りである。ミケラは良かれと思って行動するが、それは相手の尊厳を踏み躙る行為なのである。もうひとつ考えられるとすれば、ミケラの願いを叶えるためにマレニアは自ら進んでミケラに魅了をかけてもらった。腐敗の力を使うために、矜持を捨てるために、マレニアはミケラにあえて魅了されたのだ。己の心的障害を排除するために。

 一応ミケラの陰謀の夜に加担していた可能性は考えていた。だが納得できる動機がないので却下していた。だが全てラダーンに王になってもらうために行動していたとすれば納得できるのである。
 ミケラが最初ラダーンに王になってくれと頼んだ時、ラダーンは断ったと思う。なぜならミケラの手を取るということは妹(姉?)であるラニと敵対することを意味するのだから。兄弟仲が良好そうなのに、わざわざラダーンがラニを裏切ってまでミケラの王になることを了承するとは考えにくい。性格的にも。
 だがミケラは諦めなかった。対抗馬であるラニを蹴落とせばラダーンは自分に靡くと考えたのだ。ちょうどラニも二本指の傀儡になりたくないと画策していたようなので、利害が一致した。どちらからどういう風に接触を持ったのかは不明だが、ラニとミケラは協力関係になった。ゴッドウィンが死んだのはラニの婚約者だったからと考えている。ミケラとしても折角ラニを退場させたのに、今度はゴッドウィンと結婚させられては意味がない。かくして陰謀の夜は起こったのである。そう考えると黄金の墓標に書かれたゴッドウィンに向けられたであろう言葉「正しく死んでくださいな」って生き返って来ないでね、ラダーンと結ばれたいからって意味になる…うーん、ドン引き。

 マリカが黄金律を砕き、破砕戦争が起こることはミケラにとって想定外だったと思う。でも目的は変わらず新しい律を施き、ラダーンに王になってもらうこと。再びミケラはラダーンに王になってくれるよう要請する。それに対して了承したか否かは分からない。しかしマレニアとラダーンの一騎打ちは起こった。王になる条件として自分を打ち負かすことを言ったのかもしれないし、自分を王にしたいなら覚悟と気概を見せろという趣旨かもしれない。個人的には後者かな。
 ラダーンとしては混乱した世情を安定させたいと思っただろうし、マレニアがよっぽど無様な戦いをしなければミケラの王になってやるつもりではあった。しかしラダーンに勝たなければという強迫観念に囚われたマレニアは禁じ手を使った。最初から殺すつもりだったかは分からない。しかしケイリッドにてエオニアの花は咲いた。ラダーンは正気を失い、マレニアは瀕死でエブレフェールに帰還した。

 モーグを魅了し自分を拐わせたこと、神になるため影の地へ向かったこと、これらがどういう時期にどういう順序で行われたかは分からない。モーグを最初からラダーンの体として使うために接近したかは分からないし、最初は別の目的があったのかもしれない。角人の文化に触れ、勇人に神を降ろす獅子舞を見てモーグの体にラダーンの魂を降ろすことを思いついたのかもしれない。

 ミケラの願いによってモーグの体にラダーンが宿るシーン(直接の描写はない)と、角人の神人の願いによって勇人の体に神を降ろすシーン(神獣獅子舞戦冒頭シーン)は似通ったところがある。ミケラによって降臨したラダーンに意識があったかどうかと言われるとないと思う。あったとしてもかなり希薄だと思う。要は肉体のある遺灰のようなものである。遺灰だとすると霊クラゲのクララちゃんやしろがねのラティナみたいな例もあるので思い出深い場所や人物に対しては反応を示すのかもしれないが。


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