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おむの戯言 モチベーション5

モチベーション投稿について第五弾の投稿になります。「おむ」です

今回はモチベーションのあらゆる二面性についてアウトプットしていきます。鹿毛雅治著 モチベーションの心理学-「やる気」と「意欲」のメカニズム(中公新書)を参考にしています。

エネルギー×方向性

一般的にモチベーションの要素には「エネルギー」と「方向性」の2つがあるといわれています。

皆さんがやる気のある学生を思い浮かべるとすると「講義の中で何度も教授に質問している」とか「真っ先に手を挙げて提案している」などいわゆる外見的な部分で活発な人を想像するのではないでしょうか。

もちろんモチベーションを説明する上で必要な要素である「エネルギー」には該当しますが、ただそれだけだとモチベーションを説明していることにはならないのです。

「エネルギー」を量的な側面だと捉えるのなら、「方向性」は質的な側面であると言えます。

例えば、何度も教授に質問している学生はなぜそのような行為を行うのかによって、それぞれモチベーションの方向が変わってきます。自己アピールで質問する人もいれば、理解を深めるため質問する人もいるでしょう。こう言ったようにそれが「何のための行為であるのか」を表しているのが方向性であり、このエネルギー×方向性の合力によってその人のモチベーションが決定していると考えられているのです。

プッシュ-プル・モデル

シンプルなモチベーションの考え方にプッシュ-プルモデルがあります。個人内から押し出されるようにして行動するのが“プッシュモデル”、環境から引っ張られるようにして行動するのが“プルモデル“と呼ばれるそうです。

これはよくレジャーや観光領域で取り上げられる事が多く、旅行のモチベーションという観点から例を挙げるとすれば、プッシュ要因すなわち能動的な行動に「日常的な逃避」、「休養とリラックス」「名声や富を得る」といったようなものから「年齢や性別」などの人口統計的要因までが関わってくるそうです。個人の中で休養がしたいと考え、○○温泉に行く、みんなからすごいといわれたい(名声を得たい)から遺跡を見に行く。これらはプッシュモデルの一つといえるでしょう。

それでは反対にプルモデルは何なのか。プルモデルの言い換えは受動的な行動といえますが、例に「景色の美しさ」「歴史的名所」「目的地の商業的イメージ」などがあげられます。

例えば某テーマパークに行きたいから大阪に行くといったような状況こそプルモデルといえるのです。

この対照的な2つをまとめると“プッシュモデル”は願望に当てはまる場所に行こうとする、反対に“プルモデル”は目的地に願望がある状態であると区別できるわけなんです。図にするとこのような感じです。

前述したようにこのプッシュ-プルモデルはシンプルな考え方にすぎません。一個前の投稿でお話した始発、持続、方向づけについて触れられておらず、二元論的な部分があるためモチベーションを説明する上では不十分といえます。そこでこれをより発展させたのが、動因モデルと誘因モデルです。

動因モデルと誘因モデル

人の行動には動因によって押す力が、誘因によって引く力が生じていると考えられています。まず、動因を深く理解しようとすると「メカニズム」と「動因」を知らなければいけません。

これらは区別して考えられていて、メカニズムが「一連の行動はどのようになされるのか(how)」に対する答えなのに対し、“動因“は「そのような行動はなぜなされるのか(why)」に対する答えをいうのです。

好奇心旺盛な子供の興味は動因の例の一つと言えて、そこからいろいろなものを触ったり、質問してきたりするような行為が活性化されるのです。また、触ることや質問することで知識やスキルの向上にもつながり、動因は人間の学習や発達のプロセスにも影響を与えると考えられています。
 この動因の典型的な例として挙げるならば「欲求」になるのではないでしょうか。欲求は個人の内側から行為を引き起こす心理的エネルギーのことであり、代表的な欲求が「生理的欲求」でしょう。無意識のうちに欲求によってモチベーションが左右されているという点がここのポイントだと考えることができます。例えば息を吸うのにモチベーションはないように思えますが、みなさんはこれまでの年月一度も止めることなく続けていることですし、言われて見ればこれも動因なのかとハッとしますね。
動因の反対として考えられているのが誘因です。先ほど出てきたプル要因は誘因と総称されます。一般的にボーナスや報酬など「インセンティブ」といった形で頻繁に用いられている誘因ですが、「ご褒美」といった形だけではなく、例えば旅行の例でいうなら北海道旅行を動機づける「北海道の食」といったように当人に特定の行為を要求する環境側からのシグナルということができるそうなんです。したがって誘因は行為を引き出す目標対象全般を意味するともいえるのです。

また、誘因の特徴としてボーナスのような「ご褒美」で行為を促すだけでなく、遠ざける力を持つ誘因も存在するのです。例えば、学生が落第するのを恐れて授業に出るというもの、ほかにも罰金を避けて行動するというものも誘因のひとつだといえるのです。これの細かな話についてはまた次回、お話したいと思います。

おわりに

ここにきてまた専門的な話に一歩踏み込んだ感じがしました。文字ばかりを見るのが大変かもしれませんが、今まで体験したことが言語化されているのは皆さんの中でも共感を生むことがあるかもしれません。自分の経験と重ね合わせながら少しでも楽しんでみていただければと思います。内容に関しては自分なりに落とし込んでいる部分もあるため多少、認識がずれている箇所があるかもしれません。温かい目で見ていただければありがたいです!それではしーゆーれいたー

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