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燈す(ともす)」 橋本雅也展覧会@白鷺芸術

知る人ぞ知る、なかなか素敵なギャラリー&バーの「白鷺芸術」
基本、夜に開いていて、飲み会の二次会とかで行くことが多いけど、いつも大きな画面にモノクロの古い映画が流れていて、静かに語ったり、熱く語ったり、飲んだり・・・
ここの2Fのギャラリーに、橋本雅也さんの個展を開いているので、先ほど書いた「二人だけの女子飲み会」の帰りに誘って行ってきました。

いつもはすごく静かなところなんだけど、なぜかどこかのグループの二次会が開かれていて、1Fのバーは賑やかでした。
今回の個展は、ドネーション制・・・能登半島地震への募金ともなる・・という形式。
鹿の角や骨を素材に、植物の彫刻作品の橋本雅也さんですが、やっぱり、明るい時間に見るより、夜に見ると、ものすごく雰囲気がいい。抒情的、神秘的、幽玄美がなんとも妖しくも美しい。鹿の角や骨という「屍(しかばね)」・・・つまり、死のイメージがつきまとう素材を使っているから、昼間の明るい光で見るより、断然、夜の暗闇に浮かび上がるような感じの鑑賞が似あう。

水仙・・・・儚くも凛としたイメージで、いつまでも見惚れてしまう。

が・・・・ここまでは序章に過ぎないと思ってしまったのが、次の作品・・・
これは・・・どうにもこうにもあまりに凄過ぎて、近寄れない・・・怖い・・・
どこにでもありそうな、枯れた草が風にカラカラ音立ててて、河原にこんなん、よく見かけるよね~っていう作品だ。
今にも揺れそう・・・風にカラカラと鳴る乾いた音が聞こえてきそう。
名もなきありふれた、見向きもされないような、こんな枯れ草を作品にすることで、時を止めて、死の世界のように、静かにそこに存在し続けている・・・
目に焼き付いて寝てるときも瞼に浮かんでくるほどでした。

橋本雅也さんの展示は、金沢21世紀美術館でデザインギャラリーで展示したときも思ったけど、陰翳礼讃・・・・そんな言葉が自然と浮かんでくるほど、夜の闇の中に浮かび上がる禍々しさがすごいと感じます。

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