映画「デューン 砂の惑星 パート2」

原題:Dune:Part Two

directed by Denis Villeneuve

starring : Timothee Chalamet, Zendaya, Rebecca Ferguson, Josh Brolin, Austin Butler, Florence Pugh, Dave Bautista, Christopher Walken, Lea Seydoux, Charlotte Rampling


砂の惑星DUNEの砂に生きる民族・フレイメンと共に生き延びたポール(ティモシー・シャラメ)とその母(レベッカ・ファーガソン)。ハルコンネン家と皇帝が裏で結託してのアトレイデス家は全滅させられた。密かに砂漠に隠れ、砂の中に生きるサンドワーム(砂虫)を操る術を身につけ、また、フレイメンの女性・チャニとの恋に陥る。しかし、運命は彼らを放ってはおかない。ポールの母は教母としての役割につき、ポールは自身の背負う運命の大きさに苛まれながらも、彼らを率い、ハルコンネン家、ひいては裏で糸を引く皇帝との戦いの先頭に立っていく。ハルコンネン家の最強戦士との一騎打ちを制したが、同時にそれは、皇帝を後継に座ることを意味し、皇帝の娘との政略結婚も受け入れることになり、次に待っているのは全宇宙を巻き込む戦闘に入っていくのだが・・・


 以前見たデヴィッド・リンチ版(主演:カイル・マクラクラン)のクライマックスの戦士の一騎打ち・・・がこのヴィルヌーヴ版のクライマックスになってるので、1本を2本に分けて描いたってことになるが、今回の方が、ポールの置かれた複雑な立場をより丁寧に描いていて、彼の背負う運命の大きさと苦悩がより際立った。

ただ、デヴィッド・リンチ版でも見せ場だった、「命の水を飲む」というシーン・・・女には耐えられても、男には耐えられない・・・と長く言い伝えられてきた「試練」をポールが耐え切ったという見せ場・・・なんだけど、カイル・マクラクランが血の涙を流すシーン・・・本作のポール、ティモシー・シャラメでは、割とあっさり・・・というかヴィジュアルに訴えかけるシーンじゃなかったので、ちょっと拍子抜けしたかな。

 反面、サンドワームを乗りこなすシーンは、かなり画面作りも迫力もすごくて、臨場感たっぷりでした。

  サンドワームの神秘性がちょっと薄れちゃった感はあったけど、サンドワーム3体が正面から波打ってやってくる姿、圧巻でした。

  

  今回は、IMAXで鑑賞して、なかなかの見応えでしたし、音がすごかった。ハンス・ジマーの重低音が響く、響く!!

 パート1の方は、「これで三部作って全部公開してくれるんかな?」って危ぶんだぐらい客の入りが良くなかった記憶があるんだけど、パート2の方はストーリーの単純性、わかりやすさも受けがよかったのか、3時間という長さであっても、かなり客の入りもよかったし、やっぱり、IMAXで見れるってのは大きいなぁ。

  無垢な青年だったポールが精悍な顔立ちへと変わっていくと同時に、便りなさげだった表情も固く厳しくなっていき、あんなに拒んでいた「自身がリーダーとなって戦いへ挑む」役目を受け入れていく・・・砂の惑星のサラサラとした神秘的な色調のスパイスを全身に浴びながら、突き進んでいく姿、ティモシー・シャラメの素敵な笑顔が全く封印されてしまってるのは、痛々しさもあるけど、これまた「美」でもある。


 しかし、まだ、妹が誕生してないんだよね。

パート3になって、皇帝の娘を娶ったポールと、愛し合ったはずのチャミ、そしてフレイメン・・・原作小説は挫折したけど、確か「リーダーとなった者は必ずしも正義ではない」という主張が解説に書かれてたのは覚えてる。


 随所に、後々のSTAR WARSや、その後のSFアニメの原型と言われた部分、大切に再現というか、具現化してくれた・・・ヴィルヌーヴ監督の今後に大いに期待!!


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