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「大巻伸嗣  真空のゆらぎ Interface of Being 」展@国立新美術館


今年秋、弘前のレンガ倉庫美術館まで行って見てきた大巻伸嗣さんの展覧会。
同じ年で、あまり時間を空けずに今度は東京で個展を開く・・・って、もしかして巡回展的な?と失礼な・・・思いを抱いてしまったのですが・・・

いやぁ、ほんまに懺悔です!!
めっちゃ懺悔!!

今回の東京の国立新美術館での個展は、なんとなんと無料展示
それでも驚きなのに、出てきた作品のクオリティが高くて、もぉ、こんなのを無料でやっちゃっていいのか?  もし、そこに「展覧会は無料ですが、募金箱あります」ってことなら(外国の美術館・博物館ではよく置いてありますが)、私は、もう、ちゃんとした展覧会入場料に見合う金額を投入したでしょう。

それぐらい、圧巻の展覧会でした。

入場していきなり、巨大な作品。「Gravity and Grace」
一面、動植物たちの透彫が入ってる巨大なステンレスのツボ・・・形は、原子炉を思わせるフォルムです。内部にゆっくり強烈なライトが上がったり下がったりする。女性スキャットの声がゆっくり響く中、黒く塗られた床、白い壁に影が映る。
ずっとずっと見ていて、見惚れていて、見入っていて、気がつくと、その強烈な光の動きに引き込まれて、違う世界へと誘われていく・・・重力がない世界へと誘われていくような・・・
後から写真を見て気づいたのですが、床にも壁にも、何か言葉が書かれていたんです。

舞台美術も手がけられているとのことで、その舞台の映像も紹介されていた。
そういえば、金沢21世紀美術館での最初の展示、デザインギャラリーの小さい空間に無数のリリアンのような糸を垂らしての展示、雲の中に入り込むような体験型の作品だったけど、そこで、ダンサーの白井剛さんがパフォーマンスをされたことがあった・・・再び、映像だけど、白井剛さんのパフォーマンスに再会できてうれしかったし、懐かしかったなぁ。
  大きな作品と作品の間に、写真作品やドローイング作品、水彩画作品があり、大巻伸嗣さんの原点ってやっぱり、絵の世界なのかなぁとも感じたり。
そして、弘前レンガ倉庫美術館でもあった、半透明の布が風によって、まるで生き物のように、大きな波のように揺らぐ作品「Liminal Air Space - Time 真空のゆらぎ」
ここでもまたずっとずっと見入ってしまう、作品とず〜っと向き合って没入していく時間を過ごせた。
作家が作りだす作品・・・というよりは、現象なんだろうけど、でも、それを作品として見せていく・・・世界観をも持たせて作品として存在している・・・・圧巻でした。

こういう余白がたっぷりの作品、ず〜っと見入っていく作品って大好きです。
時間も重力もない世界に浸る・・・
素晴らしかったです。

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