映画「高野豆腐店の春」


directed by三原光尋
starring : 藤竜也、麻生久美子、中村久美、徳井優、山田雅人、竹内郁子、菅原大吉、桂やまと、赤間麻里子、宮坂ひろし

広島尾道の町の一角に店を構える高野(たかの)豆腐店。
大豆と水と「にがり」だけでコツコツ、毎日作られる豆腐作り。
妻に先立たれ、職人気質で頑固な父・高野辰雄(藤竜也)と、明るく気立の良い娘・春(麻生久美子)もまた、一度結婚に失敗して父の元に帰ってきたのだが、毎朝、太陽が出る前の暗いうちから工場に入り、豆腐を作っていく。
  毎朝、朝の光と動き出した外の音を聞きながら、熱い豆乳をコップ一杯飲むのが二人だけのほっとする時間だった。
  商店街の仲間たちは気の置けない、明るい連中で、辰雄も軽口をたたきながら、辰雄は自分の年齢を思い、春の行く末を案じていて、仲間たちに見合いの相手を探してもらっていた。
父娘にそれぞれ訪れる新しい出会い、変わっていくもの、変わらないもの・・新しい道を見つける二人・・・

丁寧に丁寧に、まずは豆腐作りを丹念に撮っていく・・・
この工場のシーンだけで、もう藤竜也さんの「本物感」が伝わってくる。この辺がもう「さすがのさすが」である。
麻生久美子さんは、テレビドラマでも映画でも、他人の芝居を邪魔しない女優さんだなぁといつも感じてたけど、ここでも、藤竜也さんの作り出した雰囲気にしっかり寄り添っていて、二人で豆乳を飲むシーンが繰り返されるんだけど、それがなんとも雰囲気よくってね〜

偶然の出会いで、たぶん、辰雄さんと今後も寄り添っていく相手となる・・・という女性を中村久美さん・・・言いたいことも言って、柔らかさもあって、でも、寂しそうという表情もすごく良かった。

「柔らかくて、甘くて、でもちょっと豆の苦味、にがりの苦味もある、豆腐はなんだか人生に似ている」というキャッチコピー
そして、何度も繰り返される、手作りの豆腐・・・
令和の今で、小さなワゴン車で豆腐を売りにくる姿を見かけるので、やっぱり、苦味がちょっと感じられて「豆から作ったんだ」と感じ取れる豆腐を食べてみたくなる時って、きっと、誰にでもあるんだよなぁと。

日本人のソウルフードっていろいろあるんだろうけど、豆腐、そうだよなぁと感じました。

ところで・・・春の見つけた人生の伴侶というのが、父・辰雄の思惑とは全く違う相手で、父と娘の大げんかに発展するんだけど、その辰雄がいう「ちんちくりん」の相手ってのが、ちょっと、私自身がすご〜くよく知ってる人とそっくりなもんで・・・その知ってる人と顔を合わすたびに「あ!」と思い「くすっ」と笑ってしまいそうになる・・・それを相手に気づかれないように・・・という苦労を毎日しております(苦笑)

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