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船越桂さん、逝去

その表情、雰囲気、佇まいは、作られる作品の雰囲気そのままの静かな、でも、何か内に秘めているものの強さ・・・
金沢21世紀美術館の収蔵作品の作家さんであり、以前、「ヤン・ファーブル&船越桂」展で、たくさんの作品を展示されて、アーティストトークもなさった船越桂さん・・・お亡くなりになったというニュースが流れてきて、びっくりです。

膵臓がんだった・・・とのこと。
大きな楠の塊にノミで刻まれていく彫刻・・・確か、以前、NHKだったかでその制作風景の取材があったっけ。
クスノキは樟脳・・・つまり独特の香りを持つ木で、その作品も新作のスフィンクスの作品は特に、展示室に入った時、特に朝、芳香がふっと漂ってくるのを感じたのを憶えている。目の部分には大理石が入っているため、どこを見ているのか空を見つめているような、神秘的な不思議な表情を見せる作品で、とても好きだった。
また、スフィンクスシリーズは、特に「人間・・・なのか? 神なのか? それとも何かの感情の化身なのか」と思わせる中性的なボディで強い印象でありながら静謐感が素敵で・・・

大きな木の彫刻を扱うことで、船越桂さんご自身は、とても肩幅ががっちりしていて、表情はすごく柔らかくてたおやかだけど、体格がしっかりしてるなぁって印象もあったなぁ。

天童荒太さんの小説の表紙に船越桂さんの作品がよく使われていた。
「悼む人」・・・主人公は見ず知らずの人の亡くなった現場で祈りを捧げる・・・という人物だった・・・
その表紙を思い浮かべながら・・・ご冥福をお祈りします。

そして3月が終わる・・・桜は大阪ではだいぶ咲いていたけど、黄砂が酷くてとても霞んでる風景だった。


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