記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

「Life gallery(人生書廊)」 プレイ感想 一問一答 その2


※盛大なネタバレと自己解釈を許せる方のみどうぞ。


~ここからは完全に余談 ~

9 「Life gallery」の舞台設定っていつどこを意識していると思う?


作中にカメラ、望遠鏡、電話、テレビが登場するので私たちの時代基準で言うなら最低でも19世紀か20世紀程度かと。作中で戦争は起きたかは特に明記されていないですね。
それが書いてあれば「単眼くんたちの一家は疎開のために田舎に来た。田舎かつ戦時中なので娯楽も無く、外にもあまり出ていけない。我が子(ほぼ隻腕くん)の退屈をまぎらわすために、両親は西洋画を買い集めて飾った」とかいう10000%妄想が補完できますね(誰が得する妄想なんだ)。
舞台になった土地は都会と田舎、どちらかと言えば田舎でしょうか。単眼くんや隻腕くんのような子を育てるならできるだけ人目につかない場所のような気がします。
公共の施設として、公園はあるのに警察は無いという不思議。これもフィッシュヘッド教団の力が強いせいかと思ってしまいます。
この時代、文明レベルでの教団の立ち位置はどうなっているのか、規模はどれくらいなのかと考えると想像が膨らみます。

10 フィッシュヘッド教団ってC教がモデル?


限りなくC教に近いですが、別物の集団だと思います。中盤でのお棺に十字架とは別で教団独自の印が入っていますので。魚はC教でもよく出てくるモチーフだそうです。
「民間劇場」で彼らの本来の姿を見ると、最初は身体的欠陥による社会的弱者を救済するための集団だったのかもしれません。
ちなみに作中で登場する動植物たちは猿と豚以外、全て私たちの現実世界とはかけ離れた姿をしています(カイガラ虫、胞子嚢等)。突然変異で生まれたものを持ち込んだのか、品種改良を重ねたのか。それは不明です。

11 まだ「Life gallery」でわからないところってある?


単眼くんが人形に蛾を詰めるシーンの意味ですね。昔から蝶は人の魂の象徴と言われてはいますので、「単眼くんが自分の心の一部を置いてきた」と解釈していますが、いまいち納得ができていません。
単眼くんが両親の呼びかたを「パパとママ」から「みんな」に切り替えた理由も知りたいですね。私としては自分が蘇らせたと思った両親が彼らそのものではなかった、と認めたからだと思っていたのですが。
「今度は僕がみんなを着飾ってあげる番だ」で自分の思考を放棄しました。解釈難しい。

12  作中のミニゲームで苦労したところを教えて


基本全部苦労しました。

えーと、あえて言うなら「集結(ドリームキャッチャーのようなもので蛾を集めるところ)」と「ママの鏡台(タイミング合わせ?)」ですね。法則が見つけられず、1回完全に挫折して丸1日放置しました。
「生贄の儀(パズル)」も地味に手間取り、私が教団員だったら単眼くん一家に「儀式は失敗だ帰りなさい」と言っているところでした。
今となってはいい思い出です。

13  単眼くん隻腕くんの両親ってどう思う?


良くも悪くもごく普通な中流家庭の人たち、という印象です。彼らを人でなしと罵るのは簡単です。しかし、客観的に見れば人一倍世話に手間のかかる隻腕くんと、彼らにとっては生理的嫌悪感が勝る単眼くんを抱えて生活することを考えるとそう非難できるものではないとは思います。

ただしプレゼントを捨てたことと生贄にしようとしたことは許さん。


14 単眼くんと隻腕くんってどう思う?

単眼くんの手先の器用さが突き抜けてる。
テレビを見る時の姿勢と時々瞬きしてるところがかわいい。
隻腕くんがやたらでかいペンギンの心臓(申し訳程度のハーブ)を食べる音が世界一かわいそうな咀嚼音。
おもちゃを出し入れするたび、宝箱をくすぐっているのかと思うとかわいい。
この二人が互いに協力していたらこの家から出られたかもしれないのですが、大変残念ながらそれはかないませんでした。

15 「Lifegallery」で印象に残った言葉があれば教えて

両親を迎える言葉が「おかえり」ではなく「久しぶり」という微妙な距離感。
終章「ダンス」の哀切な言葉ですね。単眼くんが隻腕くんのことを作品にする日は来るのでしょうか。

16「Lifegallery」をプレイして連想した作品ってある?


「mother3(ゲーム)」「悪童日記(小説)」「アザーズ(映画)」などですね。「ラスティレイク」はアプリ版でプレイしましたが、序盤で詰んだので未クリアです。あしからず。

17 本編に関わらない程度のネタを教えて


「Life gallery」各章終了後に出てくるイラストの背景に「cat museum」を思わせるパロディ絵画がしばしば見られます。近代までは西洋絵画の世界でわりと雑な扱いを受けてきた「猫」があの作品ではどう描かれるのか、気になりますね。
孤独な生い立ち、蛾、植物から生える顔や単眼という題材から照らし合わせると、単眼くんのキャラクター造形はルドンに影響を受けたものと考えています。単眼くんの作品に色彩がつく日は来るのでしょうか。

18 751 GAMESの好きなところを教えて


・むやみに状況やキャラクター心理の説明をせず、現代アートのように我々プレイヤーに考えさせるところ。
・グロテスクな題材を扱いながら、露骨に死や戦争をモチーフにした絵画を出さないところ。
・短髪の単眼少年という私にとってはニッチかつぶっ刺さる分野を見せてくれたところ。

19 ラスト。まだ言いたいことがあれば言って

トータルで完クリに1時間、話の内容を理解するまでに1ヶ月。「Life gallery」はとても奥深いゲームです。この1ヶ月、絵一つ言葉一つをどう解釈しようかとあれこれ考え、興奮でドーパミンが出っ放しでした。この記事を書くために各章のイラストをスクリーンショットに収めましたが、その数の多さに驚きました。壁紙のバリエーションも多い。制作スタッフさんの努力に頭が下がります。
ついでに単眼くんが印象派の故郷、日本に来るという話を……いえなんでもありません。
最後に一言。

解釈間違ってたらどうしよう。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。それではまた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?