カレンダーガール8 ♂達こわい

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カレンダーガール8 ♂達こわい

      公開処K

「よお、無事によく生き延びられたな」
そう私に声をかけて来たのはさっき吹っ飛ばされたはずの『弁護士さん』
ビル火災窓破る爆風、フラッシュオーバーだっけ?そんな感じのやつでビルの外に吹っ飛ばされたはずなんだけれど。
「あんたってターミネーターだったんだね」
私は実直な感想をの出ただけだった。
「ウソを言うな」
「いや、嘘は言っていないよ?バズーガ砲で壁ぶっ飛ばしたんは事実だけど」
と私。
「それがフラッシュオーバーを誘発したとは考えないのか?」
と奴。
「いやあ科学的根拠も関連性も認められないし」
と私。
「お前らの党の議員どもが得意な詭弁だな、まあ貴様の連れのあいつもそうだが」
あいつとは私の宿敵の倶名尚愛のことだろう。
多分時間的にはもう名古屋には着いているはず。
「名古屋に着いているなら無事だろうか?」
私の言葉に奴は首を傾げた。
「何を言っているんだ?」
「いや、あんたが言うところの私の連れ合い、いや本当は宿敵なんだけど」
変な誤解をされては困るので実は愛と私は仲が悪いと言うことを説明しようとした矢先奴はとんでもないことを口走った。
「彼女ならもう死んでいる、その時間に南アルプストンネル中心地付近にいるようにわざわざ30分近く列車の発車を遅らせたんだからな、今頃リニアモーターカーの中でぺっしゃんこだ」
思わず私の手からスマホが滑り落ちた。
なんとか君を落としてしまうミスを重ねてしまう事は防げたけれど。
「嘘よ、あいつの強運は化け物レベルだから無傷で生き残っているよ、きっと」
私の顔は少し青ざめていたかもしれない、でも奴はさらに追い討ちをかけた。
「党が用意した席は後ろから五両目の半ばくらい、もしも運良く生き延びたとしてもあれでその一両先までは撃ち抜ける」
ちょっとこいつ何を言い出しているの?
「貴様の連れ合いが所属している党がバリバリの改憲派だと言うのは知っているな?」
まあそれくらいは、なんせ設立者があのやばい弁護士だったから。
「では奴の指導のもとあいつが所属している党が国民の目を欺いて憲法第9条に反する先制攻撃専用兵器を開発しているのは知っているか?」
「なにそれ?そんなの聞かされていないし」
「中央新幹線」のいくつか、いや無数にあるトンネル内に緊急整備用の待避線と工場があるのは知っているな?」
まあそれくらいは知っている、つもりだった。
「実際その工場には何があると思う?」
???
「レールガンを搭載した移動出来る砲台だ、これがあれば軽量スカスカのリニア車両など数百メートル先から打ち込んでも12両は簡単に打ち抜けられる」
「ちょっと待って、そんな話聞いていない」
私は混乱した頭で否定した。
「で、電源は?この大地震で停電しているんじゃ?」
「前もって大容量バッテリーに充電しておけば2〜3発は撃てる、やり損じはないよ」
「じゃあ何?この地震も倶名尚愛と言うたった1人の人間を殺すために仕組んだことなの?」
私は怒りで震えが止まらなかった。
「ああ、貴様らの党はたった1人の邪魔者を排除するためなら数百万人の命さえ惜しまない連中だよ」

ーーーーーーーーーーーーーーー

「やらないか」
日本特有の仕切りもカーテンすらないこの集団避難所でもあるどこかの小学校の体育館の中で奴は突然に言い出した。
「貴様はかなりに重傷を負って出血だってしている、体力的にも風前の灯びだろう」
奴は突然に私の耳元で囁くと熱い息を吹きかけて支給されたばかりのピンクのパジャマの上着を少しだけ捲り上げると背中側に左手を、胸と胸の狭間に右手を突然に入れて来て右側乳房を揉みしだくきはじめた。
「だめぇ、みんなが見ているぅ」
私は周りの人たちに聞こえないように小声で囁いたつもりだったが帰らない家族や帰れない家を失い悲しみに包まれて静まり返った避難所の中だ、かえって大きく響いてしまったような気がする。

「やめてよ、こんなところで、隣の小さな男の子やら女の子が興味深げに覗き込んでいるよ」
私は自分でもわかるほど乱れた呼吸に混じった小さな声で言ったつもりだったが奴や君には全く聞こえずに今度は周りの大人達まで目を覚ましてしまう始末だった。
「だから、はぁはぁ、人前だからあぁ、はぁはぁやめて、はぁはぁ」
声にならない喘ぎ声がむしろ体育館の中中に響き渡った気がした。
「だから何?俺のバットはいつもビンビンだぜ」
突然に馬乗りになって来た彼が自分のチャックを下ろすと黒光をして太く長くそそり勃った逸物を取り出すと私の毛を剃って剥き出しになったピンク色に染まったアケビの中の穴にいきなり深く差し込んできた。
思わず私は「ああーぁ!」と叫んでしまう。
私の穴に深く突き刺さったそれはパンパンに固く膨れ上がり胎の入り口まで達するとそれをこじ開けんとばかりに何度も突き出しと引きを繰り返していた。
「やめてぇ」
そう言っているはずなのに口から出るのは荒々しい喘ぎ声だけ、避難所のみんなが見ているからかなぜか興奮がおさまらない。
抑えようがなくなっていた。
隣の男の子が興味深げに私と彼の結合部を覗き込んでいるぅ。
5〜6歳の可愛い女の子が紅葉して息を荒げている私の顔を覗き込んでいるぅ。
そしてまわりの大人達が冷ややかな目をして私を睨みつけている。
ー『ちょっと待ってよそんなことしていないでこの子達を私から引き剥がしてよ、見させないようにするのがあなた達大人の仕事でしょ』ー
私はそう言いたかったが相変わらず口から漏れるのは熱い喘ぎ声と自分でも臭いと思える息だけだった。
『ほうらごらん、人前でこんなことができるような大人になっちゃダメだよ』
『いけない大人だね、このアバズレお姉ちゃんは男の人のあんな汚いものをお口で咥えてしゃぶっているよ』
だから見せ物じゃ無いから何故教育に悪いとか言いながら見せつけようとする?
そう考えつつも私の興奮はさらに昂まり息が出来なくなってしまった瞬間に私の穴を押し広げていた熱い棒が激しく脈打ち始めて私の胎の中に熱い体液を何度も『ぴゅっ、ぴゅっ、ぴゆっ』と打ち込み始めた。
思わず叫び声をあげそうになるが私の口に深く突き刺さった肉棒が邪魔で声どころか息も出せないそれどころかその肉棒も熱く脈打ち始めてて喉の奥にドロドロとした液体を次々と流し込み始めていた。
何なの?なにかの拷問?何で人前で私はこんなことさせられているの?
そう思う間も無く彼は再び激しく腰を振り始めて、私はそのあまりの激しさに意識を失った。

気がつくと珍しく奴が心配そうに覗き込んでいた。
「やっと気がついたか?すまんないきなりショックなこと言ってしまって」
私は相変わらず避難所のクッションの上で横に寝かされていた。
そして着ている服は夢で見たのと同じピンク色のかぶりのパジャマ。
「わたしは・・・」
そう呟いた私に奴は暖かな飲み物が入ったカップを手渡してくれた。
どうやら支給のミルクらしい。
「ありがとう」
思わず素で返す。
すぐ隣では君がブルーのパジャマを着て小さな寝息を立てて眠っていた。
よくよく見れば奴も同じ色のパジャマを着ている。
「何か嫌な夢でも見ていたのか?激しくうなされていたぞ」
そう言われた私は思わず口に含んだミルクを危うく吹き出しそうになった。
流石にこんな場所で人に言えた内容の夢ではない。
「着替えさせてくれたのはあんたなの?」
少し身構えて聞いてみた、もしかしたら私に着替えをしている最中に、あんなことやそんなこととかすけべな行為をやり尽くしているかもしれない。
「いやさすがに着替えはボランティアの女性の人にお願いをした、さすがにアレだったんでな」
少しほおを赤く染めながら奴は言った。なんだ、結構常識的なところもあるじゃん、私が少し見直し始めた瞬間奴は笑いながら言った。
「ボロボロのガウンの下が素っ裸な俺たち三人を見れば誰だって命からがらラブホから逃げ出して来た3人組の愛人f関係だと思うだろうよ」
「はい?」
思わず私はそう返してしまっていった。
そのすぐそばをボランティアの綺麗なお姉さん達が「ププププ」と妙な含み笑いをしながら通り過ぎて行った。
「もしかして私って3P大好きなヘンタイさんだと思われている?」
関係ないが一応奴に聞いてみた。
「ああ、地震に被災した時の状況を訊かれたのでなそう言うことにしておいた」
奴でも少しは恥ずかしいと思う感情があったのか少しほおを染めながら答えが返って来た。
それでもやっぱり。
「ここにいる人たちの大半は家族や友人を亡くしているんだよね?」
聞かずにはいられなかった。
「いや、大半の人たちは無事医療施設に送られたらしいがな」
奴の一言で私は一安心をした。
人の命が失われることに比べたら私がエッチなことを覗かれるくらい瑣末なことだ。
「ところで貴様は無機質な物体の動きだけでも止められる魔法でも使ったのか?」
「何で?」と私。
「いや崩れる建物の中から何故か自分だけが動けて無事に逃げられたとか言っていたご老人もいてな」
いやそれ多分気のせいだから。
オレ様が貴様に中央新幹線の事故の事を話している最中体のあっちこっちから血を吹き出していて今にも倒れそうだったし。
「そんなバカな、私こんなにも健康だし」
そう言いながらも自分の体を再チェックしている私の目に入ったピンク色のパジャマの胸あたりの膨らみは
「な、何じゃこりゃあ、Jカップじゃねえか!」
思わず叫んでしまった。
てえことはあの夢の内容は?
「すまんが緊急事態ゆえにそこにいるエリート商社マンと一緒に公衆の面前でやってしまった」
おおい、私の尊厳とプライドと恥を返やがれ!

     ちょっとつまみ食い

「君の妹さんとはまだ連絡は取れないのかな?」
私は妹さん拉致されたショックから覚めやまらぬ君に問いかけてみた。
どっちの方面に連れ去られたかは定かではなく、スマホも反応しないためにGPSによる位置特定も難しそうに感じる。
ただ彼女を連れ去ったのが例の私と付き合いのある彼、自称ミュージシャンとなると話はややこやしくなる。
「えっちなおねーちゃんおはよー」
いきなり見知らぬ男児に声をかけられて狼狽えてしまう。
さすがに避難所で大勢の人前で盛大にアッハン、ウッフンどころか激しくやりまくってしまったのはマズイだろう。
「あら奥さん、あの、方でしょ、子供の教育に悪いからさっさとここを出ていってほしいわね」
自分達はこっそり耳打ちをしているつもりなんだろうけど、しっかり聞こえているっつうの。
「それにしても気の毒ね、あの弁護士さんと商社勤めのお兄さんの2人さん、お疲れにになっているのに合計30回もやらされるなんてね、すっかりやつれていて見てられなかったわ」
しっかり回数まで数えていたんかい!
あーあー、私が誘惑したことになっているのですね、確かに大勢の人たちが命を落として家族や知人を喪った方達もいていて、深い傷を負って苦しんでいる方もたくさんいらっしゃって、帰る家を亡くした方も多いって言うのに不謹慎でございましたよ。
「余震で子供達がおびえているのに不謹慎もいいところだよな、あんなにも激しい喘ぎ声を避難場所中に撒き散らして強烈な匂いで俺たちなんてボッキして眠れなかったぜ」
ハイハイ済みませんでしたよ、土下座でもしましょうか?死んで詫びましょうか?

それにしてもうちの党の上層部はいったい何をしているんだろうか?GPSで私がいる場所は把握していそうなものなのに。
国会の緊急招集もないのかい。

「私は少し疲れたんでこの辺を散歩してくるね」
私は連れ合いの2人、弁護士とエリート商社マンにそう告げると避難所の体育館を出て裏側の人気のいない倉庫の扉を開けた。
中から鍵がかかっていたようだったけれどそんなの私には関係ない。鍵穴に人差し指を当てればなんとでもなる。
中では呼吸を激しく乱した若い女の子が4、5人といかにも暇と精力を持て余していそうな殿方が数十人はいる感じだ。
「あ、お楽しみの最中だったかごめんよ、邪魔ならすぐ立ち去るから」
そう言った私の目には口に布を押し込まれて両手両足を縄で縛られ着ている服や下着を上も下もひん剥かれて涙目で助けを求めている女の子の姿がやはり予想どおり5〜6人暗闇の中ぼんやりと見えた。
年頃はどうみても10代半ばくらいか?
「んー、なんとか間に合ったかな?」
私は呟いた。
それぞれに馬乗りになってご立派な肉棒を彼女達の股間に突き立てようとしているいる若い男が8人以上、彼女らの両脇にも同様にご立派な肉棒を剥き出しにしてそれを彼女達の手に握らせようとしている男達がやはり十数人
「どこから湧いてきたのかしらねぇこの雑魚達」
私は小さな声で囁いた。奴らは少女たちの身体から離れてこっちに向かって歩いて来る。
まあ普通のヒーローものアニメとかの場面なら全員を殴り倒しして助けられた女の子に感謝されるパターンなんでしょうけれどね。
私が彼女達を一人一人見つめると縛っていた縄が弾け飛びその手にはプラスチック製のカードが握られていた。
「訳ありなんだろうけどさ、それさえあれば避難所に入れるから」
私がそう言って右手の親指と人差し指を擦って『パチン!』と鳴らすと彼女らの服はここの避難所で支給されているパジャマに着替えさせられていた。
そして次の瞬間この体育館の中から彼女達の姿は消えていた。
「テメェ何をしやがった非国民が」
1人が吐き捨てるように言った。
「あー、なるほどね、やっぱりあっち関係の人ね」
私は納得して呟いた。
男の中の2〜3人が再び入り口の扉を閉めて見張りに立つ。
まあ『逃す気はないよ』ってことらしい。
逃げる気なんて毛頭ないけれどね。
「これなーんだ?」
私は一枚の画像を表示したスマホ画面を提示した。
「てめえ、誰だかは知らんがその党に所属する議員のくせに在日を護る気か?」
1人が叫んだ。
おーおー、ちゃんと所属政党だけじゃなくて顔写真と共に衆議院議員である証明印と名前も明記してあるって言うのに私の知名度は低いのかな?と思った。
「じゃあこれから君たちを食べちゃおうかな?」
私は微笑みながら素早く彼らの間をすり抜けながら一人一人の股間にそびえ立つご立派な肉棒に触れていった。
そして最後の1人のそれに触れてから私は振り返り微笑みながらパジャマズボンをパンツと一緒に引き下ろして毛を剃り上げてパイパン状態になったピンク色の割れ目ちゃんを彼らに見せつけながら宣言した。
「では、頂きまーす!」
と、彼らの股間の肉棒は激しく脈打ちながら大量の白濁液を放出し始めて止まらなくなった。
そしてそれは全て私の割れ目ちゃんの開いた穴の中に吸い込まれていった。
「な、何故だ、と、止まらねぇ?」
1人がうめくように言った。
「無理よぉ〜、それ、あなた達のそれが干からびるまで止まらないから、睾丸だって全力で頑張って生産し続けるからね、あなたの中の水分が切れるか、タンパク質が欠乏するか、睾丸が死に果てるかどっちが先かなぁ?」

私は数分後自分で倉庫の扉を開いて外に出た。
自分で言うのもなんだけどとても肌がつやつやになった気がする。
まああいつらには金輪際あんなことはしないと約束させたし。
もしそんな気を起こしたとしてもトラウマで勃たなくなっているだろうからね。
体育館に戻るとさっきの少女達がめざとく私の姿を見つけて駆け寄ってきた。
何やら興奮しているのか日本語じゃない言葉で喋られてもなあ。

私、英語どころか日本語さえ怪しくなる時があるし。
適当に愛想笑いをしていたら中の1人がダリアの花を一輪私にくれ
て頰にキスをして去っていった。
「お前、いったい倉庫で何をしていた」
奴は私を見つけるなり問い詰めて来た。
「何もしていないよ、ただお食事をして来ただけ」
私がそう言うと奴の顔が引き攣った。
避難所の受付を見るとまださっきの娘が両手を振ってはしゃいでいた。
「貴様、あの子達一人一人にこの国の国民である身分証明と一人一人のスキルを証明したカードを渡したな?」
いーや、なんのことかな?
「ボランティアとして働ける推薦状もカードにインプットしただろう?」
まああの娘達は元々努力家だし日本語だって下手な日本人よりは流暢だし、看護師とか医療に関する知識とか色々最初から持っていたのは一目で分かったからそれぞれに彼女らが欲しがっていたスキルを一つずつプレゼントはしたけれど。
「私、何もしていないよ?」
そう言った私を奴は怪訝そうな目で睨みつけた。
「この体育館」
ボソリと奴は呟く。
「なあに?」
と私。
そこら中の鉄骨の継ぎ目のボルトが折れて崩壊寸前、いやもう既に潰れていてもおかしくないはずなんだがそうなっていないのは何故なんだ?」
「気のせいだよ、それは」
私は顔を引き攣らせながら言う。
「あれだけ男の精液を吸い尽くしておきながら貴様がいまだにAカップアンダーなのは何故なんだ?まあ、感謝はするが、その貧乳に」
倉庫のアレを見てたんかい!
奴のその一言に私はブチ切れ大声で叫んでしまった。
『感謝するなら乳をくれ!』
そして最後の『乳をくれぇ!』の最後の一言だけが何度も繰り返し、やまびこのようにそれはもう何度も何度も繰り返し、体育館中に響き渡った。

     いわゆる腐れ縁ってやつ

党の本部からはいまだになんの連絡も入ってこない。
私がここにいることくらいはGPSで判明していそうなものなのに。
「はぁ〜、あいつらマジで政治する気あるのかしら?」
私はエリート商社マンである君がトイレに用足しにこの場を離れた隙に奴に愚痴った。
一応国選弁護士を名乗ってはいるけれど何者か正体が不明な胡散臭い奴だけれど、私が今付き合っている3人のうちではただ1人私の正体が某極右翼、もしくは「威神の悔」とも揶揄されている党に所属の衆議院議員であることがバレている。
おそらくはこの国の一番勢力のある名前と政策が一致しないあの党のメンバーがトップを支配していると言われている公安警察の人間なんじゃないか?と私は怪しんでいるのだけれど。
それにしては私の悪友、と言うか、宿敵である倶名尚愛の暗殺計画をあんなにもペラペラ喋ってしまうような人間が優秀な公安警察の人間とは思いたくはなかった。
「『恋人?この国、日本さ』、とかキメ顔で行ってみなさいよ」
そう言ってやったことがあるけど
「俺様はガングロじゃないし愛車も白いRX-7じゃないから」
とはぐらかされた。
まあ私のエネルギー補給はこの体育館のすぐ裏にある例の倉庫でやらせてもらえれば良いことはわかっては来た。
結構防音性に優れていて、先日のレイプ被害者達が泣き叫ぶ声さえ外には漏れていなかった程だから私と奴、そして私と君が何回絶頂到達するほどやりまくってもここの体育館まで聞こえることはなかった。
はずなので私は遠慮なく彼らを交代で倉庫に誘ってやりまくりたい、と言うのが本音だったのだが正直言って栄養価が十分とは言い難い配給食の塩おにぎりと水では2人とも干からびて遺体安置所送りという、洒落にならない事になりそうなので自重している。

それでも2日に一度くらいの割合で少女や若い女性を拉致して来て己の性欲を満たそうとする馬鹿がいたりするので私がとことん相手をしてやって精力を吸い尽くしてやっているのでなんとか上手く私の胸はAカップアンダーを保っているというところか?
まあこの体育館の崩壊寸前な骨格を支えていなければ楽勝でJカップくらいは保てそうなんだけどね!
「あー男30人くらいまとめて喰いたい」
そう言った私を奴は怪訝そうな目で見た。
「なんでそんなに憐れむような目で私を見るのよ」
私は奴を睨み返しながら言ってしまった。
「いや、貴様は親友の安否は気にならんのか?」
多分私の宿敵、倶名尚愛の事だろう。
「別にあれは親友なんかじゃねぇし、レールガンとやらで吹っ飛ばされたとしたらそれはそれでおめでたい事だと思っている。
もっともあれはギガトンクラスの核爆発の爆心地にいてもケロッとした顔で立っていそうなイメージがあったけれど。
とにかく悪運だけは悪魔ルシファーも裸足で逃げ出しそうな気しかしない。
それにあれには今は『椎奈』とかいう名の最終兵器的なアンドロイドが女秘書としていつもそばに付いているはず。
確かそれを開発したのは前田リナと愛知県警小田井署の世界最悪のマッドサイエンティスト葉類知恵の共同開発だと聞いた。
「まあ確かにその暗殺部隊があんたの部下だったら彼らの生息を心配した方がいいんじゃないの?」
私は奴に一応警告しておいたが、多分今ひとつ理解できていない気がした。

「貴様と奴の関係は一体なんなのだ?」
唐突に奴は訊いてきた。
まあ奴には身バレはしているし、いつもエネルギー補給をしてもらっているから馴れ初めくらいは話しても良いかと思う。
「昔のことだけど確かどっかの市長さんが市に在住の中学生達に意見を訊く特別番組があったよね」
「ああ、あったな、確か市長が『政治に文句があったら良い大学出て政治家になってから物を言え』みたいなことを言って女子中学生を泣かせちゃった奴、まあその時の話題が親が貧乏で高校の学費さえ払えないって言っているのにそれよりもさらに学費のかかる大学に行けと言い切ったとんでも発言」
一応覚えてはいたようだ。
同じ悪徳弁護士仲間ということであの悪夢弁護士を擁護するかと思っていたので少しだけ意外な気がした。
「実はそれから十数年後東京でも似たようなことをやっていてね、その時のゲストはその当時の総理大臣だったんだけれど似たような流れになってさ」
私は当時のことを少しずつ思い出しながら話し出していた。
「バイトでのやらせ出演者として中学生6人を3人ずつ、別の事務所が集めて、私が応募した事務所には15人ほど集まっていてその中にあれはいたんだ」
そう、あの番組は総理が2チームに高校進学の学費控除や貧困家庭に対する学資支給制度(実質は学費ローン)などに関する討論をさせて学生達の意見を訊くという設定にはなっていたのだが。
「どうせやらせ番組のバイト出演者だったというオチだったんだろう、それくらいは承知の上での応募だったんだろ」
まあ奴もその手のバイト出演は経験済みというわけだろうか?
まあそうなのだけれど奴のセリフをいちいち挟むのは正直言ってうざいんで私語りで進行させてもらうことにする。
なんでも作者がいちいちカッコ(「」)でセリフを囲むのはめんどくさいというのでな。
「でも貴様らの事務所は3人選出して出演させてもらえたんだろ?どんな事をヤラされたんだよ?」
奴はどストレートに訊いてきた。
まあ素直に答えるとすっか。
私達の事務所は女子中学生2人と男子生徒1人を要求されていたらしい。
人選のキャラはまず男子生徒はメガネをかけていかにもオタクっぽく口癖は「論破しました」とか「それはあなたの自己責任です」と言いながらねちっこく相手を責めるキャラクタを要求されていたわ。
そして2人の女子中学生に要求された条件は目も眩むほど家柄の良い美少女。
「なんて設定はなかったよな、貴様ら2人じゃ」
いきなり失礼だな、おまえ。
確かに金持ちそうだけど性格もアタマも悪そうなメスガキだって条件だったですよ。
あれ(倶名尚愛)は適任なんだろうけれど私は美少女だし性格もいいから絶対に不採用になると思っていたんですよ?
「面会で即決採用されたんだな」
と奴。失礼な奴だな。
「ということはシナリオありきだったんだな」
そう、私たちが言うセリフは最初から決められていた。
私達のセリフは「自己責任論」、つまりは、今学費などで苦労している家庭は親が若い頃苦労しないでやってきた結果だと言う事を主張していればなんとか仕事は終わる、と思っていた。
相手の中学生チームも私たちと同じ女子中学生2人、と男子中学生1人だった。
相手は1人の女子中学生が父親は非正規雇用で収入が少なくて高校進学を諦めざるを得ない状況。
もう1人の女子中学生は小さい頃に難病を患い医療費で高額な借金を抱えている上に病院に何度も両親が呼び出されたせいで仕事に穴を開けた末に父母共に職を失いやはり貧困。
そして最後の男子生徒は男親が不倫で駆け落ちして親権放棄して行方不明に、当然ながら超大貧困。
言うまでもなく経済的に進学が困難な子達を集めた演出だ。
「すごい出来すぎなシナリオだな」
奴はそう言うと頭の毛をかきむしった。
私達の嫌味ったらしい発言に追い込まれて涙ぐむ可哀想な貧困層の中学生達、そこで現総理が温かな言葉をかけて救済策、もしくは「努力します」とか「私はあなた達を見捨てたりはしない、この子達を救えるのは我が党だけだ」といつもの口約束で「優しい総理」を演出する気が満々なのは目に見えていた。
「要は貴様達はその子達の引き立て役だったんだろう、よかったじゃないか、バイト代も弾んでもらえたんだろう?」
奴はそう言うと配給の塩おにぎりを頬張った。
確かにその日のバイト代は破格だった。
リハーサルを含めて5時間程度の時間給で欲しかったブランド物の服を5着も買えたのは有り難かった。
しかも昼は焼肉弁当、仕事が終わった後の晩飯は高級料亭の鰻重弁当だった。
しかしあいつはそれの受け取りを拒否してその番組は企画ごと無かったことになった。
高過ぎるバイト代は私たちに対する口止め料でもあった。

「どう言うことだ」
奴は訊いてきたがなんのことはない、収録の最中に愛の奴がブチギレて総理にケンカを売り始めたせいだ。
早い話しが台本をガン無視して愛は話し出したのだがそのきっかけを作ってしまったのはむしろ総理の方だ。
愛の顔色が変わったのは相手側の女子中学生の状況が悪くなって苦し紛れに「総理が私立高校の私たちに対する助成金を減額しなければ」と言った一言だった。
それは私たちに与えられた脚本には無かったセリフだ」
明らかに相手のエラーだと私は思っていたが愛の判断は違っていた。
「あのこ達に与えられた脚本はあたし達に渡されたものと微妙に、いえ、決定的に違う点があった」
その時に私たち3人には机の下から改訂版の脚本が渡された。
「そんな事をいうなら君が頑張って勉強して良い大学出て政治家になれば良いだけの話だ」
総理はそう言うとせせら笑いながら続けた。
「努力もしないで良い学校に行くなんて考えが甘すぎやしないか?」
その後も総理は何か言い続けていたようだったが私の耳には入っては来なかった。
ただ目の前で立ち尽くし、俯いて大粒の涙を流している女の子と両側から慰めている2人の姿が見えていただけだった。
「総理の言う通りですよ、我が国の財政難では出来の悪い子の面倒までみる余裕はない、ですよ」
ゲストのお笑いタレントのセリフが追い討ちをかけた。
慌てて私達は改訂版の脚本に目を通した。
さらにエグく彼女達を責め立てるような私たちのセリフに変更されていた。
「自分の努力不足を棚に上げてよく言えた物ですな」
別のお笑いタレントが冷笑を浮かべながら言った。
「それを聞いた時に愛がぶつぶつ呟いていたのが聴こたんですよ、『そもそも金がなくて私立どころか公立でさえ行ける余裕がないって話しなのに大学行って政治家になれって?ざけんなよ、テメエは親の有り余る金でいい大学、裏から出て親の金と人脈で立候補した苦労知らずがよく言う』てそれはもう怨念を込めて」
そして突然に席を立ち上がって言ったんですよ、
「政治家にならないと物が言えないなら、政治家になれる歳にはもう高校や大学を卒業している年齢じゃないですか!」
予定外の愛の行動に大人達は驚き数人の係員が制止に入ろうとした。
その大人達の体が一瞬にして吹っ飛んだ。目にも止まらない速度で繰り出されたパンチで殴り飛ばされたんだよね。
その次の瞬間にはあいつは目の前の机を飛び越えて総理の腹に蹴りを入れていた。
そして仰向けに倒れた総理のネクタイを掴んで締め上げる。
「ああ言ったからにはあたし達にもくれるよね!被選挙権」
全くやれやれとしか言いようがなかった。
今度は5人くらいのテレビマン達が愛を取り押さえようとする。
今度は私が素早くその5人を仕留めた。
私だって奴らには言いたいことが山ほどあったのだ。
「それと選挙の支度金もね、それさえ叶えてくれるなら、あたし、あんたの党から立候補してあげる」

「それマヂな話か?」
奴は確認してきた。
嘘みたいな話だが事実だから仕方がない。
そこにいたサクラの観衆も同席した中学生4人もあれに魅了されてしまったのは確かだったから。
「ちゃんと確約の書類書かせて血判を押させて入党契約書も取ったからね」
「よく総理もそんな案を認めたな」
奴は言ったが実は総理、ひいては党にとっても美味しい条件だった。
まああれも結構見た目も良くってしかも若い娘とくれば宣伝効果もある。
比例区の上位ではなく微妙な位置に置けばあれを当選させるための組織票も集まるってものでしょう。
もちろん小選挙区でも厳しい地区に立候補させるけどね。

「それで奴はいつも偉そうなのか?」
奴は言ったがそれは違う。
あれはすっかりその件に関してほとんど忘れてしまっているらしい。
被選挙権の年齢制限の低下を含む選挙法の改正をお願いしたことだけは覚えているようなんだけど。
本人は頭を下げて丁寧にお願いした認識らしい。
そんなこともあって私はそんなに簡単に行くものかとタカをくくっていたのだけれど・・・
それからわずか数日で閣議決定は通り意外にも世論やマスコミの後押しもあってなんの議論もなく本会議も衆議院参議院共にあっさりと通ってしまった。
そうして私はあれに対する敵対心もあって威神の怪とも呼ばれる党から立候補して、あっちの泣かされた方の娘2人も総理に詫びを入れさせて愛と同じ党からの将来的な立候補を認めさせた。
「まああの総理にしてみたら過半数を割る心配さえあった状況をひっくりかえして2/3に迫る勢力をとりもどしたのは大きな成果だと思う。
「なるほどね、ただ一つ、総理にとって計算外だったのはきさまら女子高生達がそれまでのタレント議員のようにただ議会に出席するだけじゃなく意外と自身で考える頭を持ちてめー達の自由にならなかった点か、それに刺激されてそれまで死んでいた中堅議員までやる気を出して国民のことを考えた政治をし始めたってことだな」
私は奴の言葉を聞きながら自分に配られた配給の塩おにぎりをつかもうとした、しかしそこにそれはなかった。
横を見たら奴が私の塩おにぎりをうまそうに頬張っていた。
「お、おのれぇ!私のおにぎりを」
私は奴の後頭部を思いっきり強くスリッパで叩いていた。

カレンダーガール8 終わり

奴「おい、貴様、そのスリッパどこからもってきた?」

秋子「トイレだよ」

奴「汚いだろうが」

秋子「失礼な、ちゃんと洋式便器でゆすいできたぞ」

奴「ほう、でその洋式便器とやらは綺麗だったのかな?」

秋子「あ、そういえばその前入っていた美少女が激しく喘ぎ声をまき散らしながらシコっていたよ、あの様子だと大量の」

私がそういうやいなや、奴は私の手からスリッパを奪い取りクンクン匂いを嗅ぎ始めていた。

もちろん制裁は忘れない。

「あ、間違えた大量に下痢していたわ」

そう言っても奴はスリッパの匂いを嗅ぐのをやめなかった。

恐るべし、脳内美少女!


終わり

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