私は誰?4

私は誰4改

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濃厚な女性同士の性行為描写を含みます 

目の前では風間先輩が何か言いたげに私を見ている。
右手を机の上に置き、人差し指で『トントントン』と叩いている。
私はあえて視線を合わせないようにして斜め上の時計をさっきから気にしている振りをしている。
いや気にしていた。この緊張感から解放されるまであとどれくらいかかるんだろうか?
刑事に取り調べを受けている犯人になった気分だ。
これでカツ丼でも提供してもらえるのなら割りが合うのだけれど・・・。
「お前は最初からあれがスピード違反の取り締まりが目的ではなかったということを知っていたのか?」
と彼。
「さ、さあ、なんのことかなぁ」
と私。
私なんかに説明を求められても困るし。
ただ風間先輩の自宅が崩壊した件で葉類知恵先輩(警部)と話し合っているうちにそういう方向に話がいってしまっただけのことだ。
そう、その当日の私と風間先輩に下された自宅謹慎に関する事実の確認だった。
私と先輩は凶悪犯を逮捕する際に硬式野球ボールを犯人の額にダイレクトで命中させて頭蓋骨陥没の重体になり、それが夕方の定時ニュースで大々的に報道されたのが問題視されてしまった。
当初、県警本部は「近所の子供とキャッチボールをしていて、その流れ球に運悪く私が投げた弾が命中してしまった」という設定にしておこうとしたらしい。
だが運悪く一部始終をスマホで録画していた人がいたらしい。
それがそのニュース番組で全国ネット放送されてしまった。
それでより厳格な重罰を下さなければならなくなったようだ。
そもそも論としてキャッチボールの投球が命中した程度で頭蓋骨陥没なんて滅多にありそうもない事だが。
それは事実だし、私の犯人捕獲方法に問題があったかもしれないけどその時にに私が気になったのはその後の自宅謹慎の内容に関する事実。
その時は単に風間先輩の現時点での状態を確認されただけだった筈だった。
その自宅謹慎中に風間刑事が原因不明の局地的な地震(のようなもの)に襲われて先輩しか住んでいなかったアパートが倒壊して危うく命を落としかけた。
というニュースにならなかった事件に関する私の違和感を葉類警部に報告した時に先輩の目の色が変わったことがきっかけだった。

「仕方がない、だけど知っていることしか言えないよ」
私はゆっくりと先輩に語り始めていた。
「まず私とあなたがなぜ個々の住宅で自宅謹慎になったと思う?」

そう言いながら私は部屋の隅のベッドに寝かされて小さな寝息を立てている幼女をちらりと見ながら話を続け出した。
それは私が謹慎前に見たホワイトボードに書かれていた私たちの自宅謹慎に関する私の記憶の中での謹慎内容と現実のそれが全く異なっているという点だ。
一応表向きは『二人を一緒にしておくとろくなことがない』ということになっていた。
葉類警部に私は『自宅謹慎の日にちと内容はいつ決まったのか?』と尋ねた。
すると葉類警部は『二人を一緒にしておくとすぐ淫交に走るから』と返してきた。
淫行って何?とはさすがの私でも聞き返したりは出来なかった。
私は葉類警部の自宅である豪邸の客室で謹慎。
風間先輩は葉類警部の所有しているボロアパートの一室、とはいえ風間先輩しか住んでいないのだが、そこで謹慎ということになっていた。
けれど先輩はともかくその日に、私は葉類警部の自宅にはいなかった。
理由はいうまでもなく私が約束を守るような良い子じゃなかったから。
こっそり抜け出して近所の喫茶店にフケっていたからねぇ。
しかし風間刑事襲撃事件直後に私がそれを電話で報告した時に驚愕の事実を伝えられた。
「私が待機していたはずの部屋は一階の洋間だったが何者かに襲撃されて荒らされていた、そして雇い家政婦は全員一人残らず銃殺や鋭利な刃物により刺殺されてたらしい」
誇張して言ったわけじゃない、事実直ぐに葉類警部自宅のセキュリティシステムをハッキング、じゃない、アクセスして確認してみたが凄惨な室内に何人かの血の池に浮かぶ遺体が転がっていた。

とりあえずそこまで説明して風間先輩の反応を見た。
「それは初耳だな、犯人は見つかったのか?」
意外なほどすぐさま風間先輩は反応を示して来た。
「見つからなかった、いいえ、見つける必要がなかった、なぜなら翌日には事件そのものが無くなってたからね」
私がそういうと風間先輩は眉間にしわを寄せて変な顔をいていた。決して誇張でもなんでもなく私にとっての事実を言ったまでだった。
それにしても彼の反応は妙な気がする。
「命からがら部屋を飛びした先輩はそのあとで何者かに追われて命を狙われる、私が助けに行かなければ何者かに銃殺されていた、そこまではOK?」
あくまでも確認をするための質問だ。
「いや、なんの答え合わせのつもりか知らんけどおまえの言っていることは間違いだらけだからな、だいたい俺は誰からも命など狙われていない、それに自宅が壊れたのは確かだけど地震とかじゃなくて単純に俺のボロ屋が老朽化していたのとシロアリに食い荒らされていたのが原因で突然崩壊しただけのことなんだけだが」
「じゃあその日に喫茶店で私と一緒にお茶をしていた筈だけど、どう待ち合わせをしたの?」
思わず口にしてしまっていた。
「お前が電話をかけてきて誘ってくれたんじゃないか、何を言っているんだ?」
と先輩は言う、やはり整合性が取れていない、私は先輩を銃で狙っていたフルフェイスヘルメット男を倒した後に駐在所のおまわりさんにそいつを押し付けて喫茶店で起こったことの検証をしたはずだ。
実は先輩に事の発端を説明することをためらったのはそういった事情があったからだ。
これでは私と彼の間で過去の事実を共有できない。
それでは話が進まなくなるからだ。
「つまりお姉さんの過去の記憶とそこにいる風間達也さんの記憶を含む現実のそれが一致しないと、そう言いたいんでしょ?興味深い話ね」
突然幼くて甘い声が割って入ってきた。
声の方を見るとついさっきまで眠ていたはずの幼女が起き上がってまっすぐこちらを見ていた。
「なるほどそれなら私たちがあれだけ車を全速で走らせても先回りされた説明がついちゃうか」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
私はしばらくの間言葉を失い、幼女を見つめた。
いやいや、どう見ても4、5歳の幼女が口にするようなセリフじゃないでしょ。
「えーと、あなたは一体?」と私。
すると幼女はにっこり笑ってベッドから降りてくるとテクテクとこっちに向かって歩いて来た。
「まずは助けてくれてありがとう、すごく乱暴な救出方だったけどね」
そう言いながら彼女は長テーブルにたどり着くと風間先輩の隣の椅子を引きちょこんと座った。
「ちょっと、おじさん、ぼんやり見ていないで椅子を前に出しなさいよ、使えない人ね」
彼女は口をとんがらせて言うがきっと甘やかされて育ったわがままなまま育ったお嬢様なんだなと私は思った。
「はいよ」
そう言うと先輩は椅子を思いっきり前に出してテーブルの縁が彼女の顎に激突した。
無言で先輩を睨みつけて抗議をする幼女、にそっぽを向く彼はやはりとても機嫌が悪そうだった。
「とりあえず名無しだとお互い不便だろうから、名乗るけど私は『前田リナ』、リナでいいわ、ちゃんづけもさん付けも不要、よろしく」
彼女は左手を差し出し私も思わず反射的に左手を差し出して握手をした。
「私は・・・」と私が言いかけると彼女、いやリナは右手でストップを表現した。
「葉類亜希さんね?つい最近まで名無しさんだったのかしら?」
語尾に疑問系がつくのは気になったけど一応は合っていた。
合ってはいたけど何こいつ?
「気にしないで話を続けて」
と高飛車にリナ。
「ま、いいか、じゃあ続けまぁす、今言った通り私の記憶は混乱しちゃっているんです、実際に会ったことを覚えていなかったり、記憶にある出来事が実際には起きてはいなかったり」
「例えば?」
とリナ、続けて言う。
「今、私のようなお子ちゃまに赤裸々なエッチエッチ描写をしていいものかどうか考えたでしょう?そういう遠慮はいらないから」
そんなこと急に幼女に言われても流石にはいそうですかとありのままの事実を話し始めるわけにはいかない。
それを聴いているうちにいつまた先輩が暴走を始めるかわからないというのもある。
「あえて身内の恥を晒していうけど私たちの葉類智恵警部はまともな神経の持ち主ではなくて、この町の病院のオーナー兼院長もやっているんだけど、私と先輩がとある事件が原因で入院していた時にわざわざ私とこいつを同じ部屋に放り込んで、私がこいつにしつこく何度も何度も何度も何度もレイプされるシーンを隠し撮りしてそれを病院中の看護師や医者たちと一緒に楽しく鑑賞するど変態さんだったの」
「おい待てよ両肩を大型拳銃で撃ち抜かれて上半身をぐるぐる巻きにされた俺がなんでお前を下半身のマグナムで射ぬけるんだよ、お前が最初に俺のチンボをしゃぶりつくして一回抜いてそれから俺の上に馬乗りになって中出しをさせたのが原因だろうが」
と突然先輩は猛烈に抗議をし出した。 
「それでもそのあと私に馬乗りになって先輩が激しく腰を振って何度も中出しをしたのは事実だしぃ」 
「それも嘘だ、両肩を包帯でぐるぐる巻きにされて、何本も点滴をぶら下げた身体でそんな事が出来るか!」
「ちょっと、さっきよりも声がでかいし、先輩は私に恥をかかせたい気ですか?白い目で見られていますよ」
と私。
「それで、そのペッパー警部、じゃない、デバガメ警部さんが自宅豪邸に防犯カメラを設置しておいた部屋が荒らされて、警報が鳴り響いていた、そしてそれをすぐにネット経由で亜希さんが数人の死体と共に確認したにも関わらず次の日に再確認したらそんな事実は全くなかった、ということなのですか?」
『最初はクソ生意気そうなガキ』
というイメージだったが年上に対する口の聞き方は心得ているようだった。
しかしそう思った途端彼女の眉毛がピクッとつり上がったような気がしたのは気のせいかな?
「家政婦の死体どころか全員ピンピンして何事もなかったかのように働いていたし、窓ガラスはおろか屋敷内が荒らされた形跡さえ全くなかったわ」
「そして防犯カメラにも怪しげな人物さえ写っていなかったというわけですね」
とリナ、なんだか呼び捨てにするのは気がひける気がしてきた。                        
「それはそうだけど私が後日確認させてもらったところ確かに異常を感じさせるような映像は残ってはいなかった、だけどほんの一瞬だけガラスや部屋の中の備品が散乱した部屋の中で血まみれになって倒れている家政婦の姿がサブミナルのように私には視えたんだよね」
それを聴きながらリナはしばらく考えて言った。
『実に興味深い』
リナちゃんあなた一体何歳ですか?
「それはそうと風間レイプ犯、じゃなかった風間刑事さんの家が局地的地震で崩壊した件はどうなりましたか?」
と続けた。
すかさず風間先輩は間を置かずに言い返して来た。
「だから俺はレイプ犯じゃねえし、家だって地震じゃなくてただ単に・・・」
そこまで言いかけて急に先輩は黙り込んだ。気がつくとリナちゃんにきつい目で睨まれていた。
「JKに寝取られたキモいおっさんは黙っていてください、私は亜希さんのお話を聞きたいんですから」
と断言する。
意外と辛辣な面も持ち合わせているのか?
それとも単に男に対して容赦がないのか?
思わず苦笑いをしてしまう自分がいる。
「この件に関しては私の中にはっきりと記憶に残っている、彼(先輩)が何者かに狙われていたのは事実だし私が駆けつけなければフルフェイスのヘルメットを被った男に自動小銃で殺されていたのも確かなんですけど」
私がそう言うと先輩は『ププププ』と吹き出した。
やはり失礼な奴だ。
「お前また何を寝言言ってるの?自動小銃ってどんな銃か知っているのかよ?結構デカいぞ、それを構えて狙いを定めているフルフェイス覆った男なんかがいたら目立ってしょうがねぇ・・・・・御免なさい」
先輩はまた睨みつけられていた。
「銃とか詳しくないし型番を言えとか言われても困るけど三白眼の角刈り頭の男とか同じく三白眼の黒髪おかっぱ頭のドイツ人男が使ってそうなやつかな」と私。
なんか後者の方は少し違うかもだけど大体そんなイメージであっていると思う。
「まあフルフェイス被って頭部は完全武装っぽかったし背中向けていたけどライダースーツの背面にも何か仕込んでいそう、鉄板とかね、だったから〇玉(〇丸)に少年漫画誌に掲載されていたテニヌ漫画か何かで覚えたばかりの必殺技をぶっつけてみたんだけど。
そこでなんでそこならいけそうかなんて思ったかというと。もし仮にその男がTST(貞操帯)みたいなのを装着していたら、とても動きづらくなって、先輩を走って追いかけることなんてできなくなるし、もしできたとしても摩擦とかでその中の逸物さんが急激にそのTSTの中で膨れ上がって、追いかけている途中シコシコ擦れちゃって性的に興奮し出して、『ドピュピュピュ』とたっぷりと濃厚な精液をTSTの中で発射しちゃって、それがTSTの中から外に溢れ出して股間から股の間を伝って気持ち悪くなって、その場にへたり込んで大変なことになっちゃうから、流石に股間はノーガードだと踏んでいたのよね」
長々と思わず語り倒してしまったように感じたかもしれないが全て私の頭の中に思い浮かんだ妄想であり出鱈目に過ぎない、まあ人は嘘をつくとき饒舌になるというけどまさにその通りだと思う。
「それもなかったことになっていたというわけね」
なんかこの幼女リナちゃんの冷静な分析力ももなかなか半端ない。普通の人間なら耐えきれずにブチキレるところだろう。
「要するに局地的な地震が自宅の老朽化とシロアリによる侵食になって、その上に銃殺された可能性もなかったことになり、おまけに亜希さん自身が襲撃されて命を失っていた可能性もなくなっていたということかしら、ちなみにもしその通りになっていたとしても亜希さん自身は助かっていたと思うけど、それはあなた自身が身の危険を感じたから外に出かけたということでいいかしら?」
それは正直言って家政婦さんたちに見張られているような気がしてきたから、窮屈になって、こっそり抜け出しただけ、なんだけど、そういうことにしておきます。
私が黙って『うんうん』と頷きながら聞いているとリナは周囲を見回した。何か気になることでもあるのだろうか?
「何してんの」
と風間先輩、また睨まれる。
「ここからが本題なんだけど『何故あなたたちはあそこでスピード違反の取り締まりをしている振りをしていた』のかしら?」
どうしてかは判らないけど見抜かれているような気がしてきた。
でもいくら何でもあんな時間にあんな場所でネズミ捕りをしている方が不自然としか言いようがないのは確かだ。
「実は葉類警部に最近の風間先輩の様子を尋ねられた時に無駄かもしれないと考えつつも私自身が感じていたその違和感を打ち明けてみたのが始まり、なのかな?」
「そうしたらそのペッパー警部、だっけ?上司さんが何故かその話にのってきてくれたわけですね」とリナ。
そう、まさか私もそんな根拠の『こ』の字もない話に葉類警部が乗ってくるとは思ってもいなかった。
だいたい状況証拠を大事にするはずの警察関係者が状況証拠はおろか全ての事象を含めてほとんどの人たちの記憶が私の記憶を全否定してきているのにそれはあり得ないことだった。
「あなたも随分と面白い人だけどその葉類智恵って警部さんもかなりぶっ飛んでいて面白いわね、あいおねえちゃんほどじゃないけど別のベクトルで」
あいおねえちゃんという人物が誰のことを指すのかはわからなかったけど今は関係ないと思った。ただ少なくともまともだらけな自分と比べたら葉類警部はかなりの確率で異常な部類に入るだろう。しかしその時に警部に言われたセリフはなぜか『自分の記憶を信じろ』だった。
そしてその時に命じられたのが今回の『速度違反取り締まり』だった。
「亜希さん自身もその時は変だとは思っていたけどまさか後になってこんなことになるとは思っていなかった?」
なんか私のセリフを先取りされてしまったような気がした。
「ところでその警部さんは?」とリナちゃんは訊いて来た。
「他の三人を見ているけど、助手席の子はフロントウインドウのガラス片をもろにあびて重傷だったし後部座席の二人もピラーなどで頭部を打ちつけている可能性があるからって検査に行ってると思う」
私がそういうとリナちゃんはほんの一瞬だけホッとしたような顔になったが今度は困惑をした表情に変わった。
「実を言うと私たちは5、6人以上の敵に追われていた、車を飛ばしまくってなんとか逃げ切れていたと思っていたんだけどなぜか先回りをされて拉致されてしまった」
「それは知っている、赤いスポーツカーに続いて走り去っていった白いセダンを見かけたときは確かに運転席に立ってすごいスピードで走らせていたよね、でもなぜか帰り方向では、行きに赤いスポーツカーの助手席に座っていたケバいおばさんがその白いセダンを運転をしていて、行きに白いセダンを運転していた子、つまりあなたは赤いスポーツカー助手席に男の人に抱きかかえられるようにしてシートベルトでくくりつけられていた、普通その時点で誘拐拉致などの犯罪が起きた可能性を疑うでしょ?」
でもそれは私がその時になってようやく知り得たことで事前に葉類警部から与えられていた情報ではない。
「私たちが葉類智恵警部から与えられていた情報は3つ」
私はリナの前に手を出して人差し指を立てて見せた。
「まずは国会議員が三人も大事な審議の最中に夕方5時ごろに国会議事堂から忽然と行方をくらませていると夜9時過ぎに本庁からの連絡、そしてそのうち2人は今、テレビや週刊誌などを始めとするマスコミで騒がれている初の女子高生議員だということ、そしてもう1人はこの国の最大政党の中でも比較的中堅クラスの議員であることが警部から伝えられた」
それを聞いたリナはかなり驚いた表情をした。
「私たちは確か国会審議が終わるまでいたし、はっきりと時計で確認したわけじゃないけど少なくとも午後8時近くまで議事堂にいてそれに加えて愛理ママは上層部の偉いさんたちに呼び出されていて9時過ぎまでは身動きできなかったはず」
リナはそういうと右手の親指を噛んだ。そして何か私に言いたげな表情をするが話を続け出した。
「私たち三人、女子高校生議員の山崎秋子さんともう1人の同じく女子高校生議員、倶名尚愛は審議が終わってからの帰り際に複数のマスコミ関係者から襲撃を受けていた、それが少なくとも午後8時過ぎ、それも取材攻勢ではなくて物理攻撃、音もなく飛んでくる砲弾による攻撃を受けた、しかし私たち三人は相手の隙をつき逃走を謀はかり議事堂の駐車場に停めておいたレクサスセダンに戻ると後部座席に凛、後部席右側にすわっていた娘、爆乳の女の子、私の知り合いのマスコミ関係者なんだけど、その娘が車の後部席に身を潜めていてなりゆき上一緒に逃走を始めた。国道やバイパスを随分かっ飛ばして逃げたはずなのに、まさか愛知に来た時点で先回りされていたなんて」
「音もなく?」
風間先輩が口を挟んだ。
「Yes、火薬が爆発する音はなく、圧縮空気による砲弾の打ち出しでもない、私は超伝導コイルを使用した射出速度のコントロールさえ可能にした日本独自の技術によるレールガン、2本のレール強い直流電流を通す旧来のレールガンではなくて、いわゆる超低温による超伝導砲を亜音速以下の速度範囲で打ち出したと思っているわ」
そんなことが可能なのか大いに疑問だったが砲弾を超低温に冷却した超伝導コイル内の磁場に砲弾を挿入してやるだけで勝手に連射出来る上に旧来のレールガンほど電力を消費しないのが特徴らしい。
「それの使用を認めるかどうかが昨夜本会議が遅れに遅れた原因なのよ」
リナはボソリと言った。
それの開発にリニアモーターカーの技術が応用されているのではないか?という疑惑が何処からか漏れて野党の厳しい追及を受けることになったために議会を一方的に打ち切ればさらなる疑惑を招きかねないという判断から審議を延長せざるを得なかったということらしい。
しかも打ち出し速度も自在にコントロールが可能となれば軍事力信者には喉から手が出るくらい欲しい代物だろう。

「そして二つ目」
私はリナの目の前に左手を差し出して人差し指と中指を立てて見せた。
「静岡県中部の国道を考えられないほどのスピードで西に爆走している白いセダンが目撃されてそのナンバーが行方不明になった中堅女性議員の所有するそれと一致するってことがわかったの、ちなみにその時点では赤いスポーツカーの目撃情報はなかったみたい、というかどの国道上のどのオービスや監視カメラもその姿を捉えてはいなかった」
私はそこで一旦話を区切ってリナの顔色を伺った。
確かこの子ってあの2人の娘なんだよね?ここから先彼女にとって多分辛い事実を告げなければならなくなるんだけど。
「まあ、結果的にはその赤いスポーツカーが行方不明になっていたはずの中堅女性国会議員である前田愛理さんの所有車だと判明したのは今朝になっての事だったんだけど、問題なのは実際に私が目撃た、捕獲直後に突然白骨死体化した前田愛理国会議員と赤いスポーツカーを運転していた彼女のご主人である、前田進マネージャーさんなんだけど」
言うんじゃなかったと言う後悔はもちろん先には立たない。
と気付いた時にはすでに時遅し?だった。
リナの顔色がみるみる青ざめてゆくのがわかった。
「あ、でも確かに顔はよく似ていたけど男の方はチャラい雰囲気だったし女の方はケバい感じだったし、きっとなりすましで変装していた別人よ、別人」
そういうとリナの顔色はさらに青ざめてゆき下をうつむいた。
本当にチャラいパパでケバいママだったようだ。
しばらくは痛まれない雰囲気が続いたがリナは「もう少し寝る」といって椅子から降りるとトボトボとベッドに向かって歩き出した。やはりショックなことを言ってしまったという後悔が残った。
「泣かせたな」と先輩。
別に泣かせたわけじゃない、わけではないが心が痛む。
その時、風間先輩は葉類警部に院内放送で呼び出された。
「当病院で御入院中だった12歳少女を強姦した風間刑事様、12歳少女を何度も何度も強姦レイプした、女の敵の風間刑事様、いらっしゃいましたら至急当病院院長室に自首してください」
それを聞いて風間先輩は真っ青な顔をして部屋から飛び出して行ってしまった。
これで当分は先輩に対するいわれなき中傷誹謗は後をたたなくなるだろう。
しかし私には助手席に座っていた娘の方が気がかりだった。成り行きとは言え私が投げつけた特殊なボールによって割れたフロントガラスの破片を浴びて顔面や腕などにひどい傷を負わせてしまったからだ。
実はもう一つ葉類警部から伝えられていた事があったが今伝えるのはやめておいた方が良いかもしれない。
内容が内容なだけに。

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突然話し相手がいなくなってしまった私は急に自分が傷つけた倶名尚愛さんの事が気になり出していた。
白いセダンの助手席に座っていて私が投げた特殊なボール、とはいえほとんど鋼鉄に近い硬さだったが、それのせいで割れたフロントガラスの破片で顔や手に裂傷を受けていた少女のことが急に気になり様子を見に行くことにした。
葉類警部にあらかじめ教えられていた1人部屋に入ると彼女は少し大きめのベッドに寝かされていて点滴などはなかったものの右の頬に医療用テープで貼られた大きめ目のガーゼと右手の上腕をぐるぐる巻きにした包帯が目に入った。
見た目の身長は私と同じくらいの140㎝前後、体重は50Kg前後か?間違えると失礼なのであまり言及しないでおこう。
まあ体の起伏もそこそこだね。
見ようによっては中学生どころか小学生高学年に見えてしまうかもしれない。その辺り2人はよく似ている、違いと言えば私の髪の毛の長さが胸乳首よりも下まで伸びていて前髪が左分けなのに対して、彼女のそれは肩よりも少し伸びる程度で前髪が右分けな点だろうか?
病室の隅のゴミ箱に血まみれのTシャツとデニムのジーンズが捨ててあった。Tシャツは元の色は水色だったのだろうか?私は事件当時の記憶を呼び出そうとしていた。
脳裏に事件当時私が彼女を最初に見た映像が蘇る、右頬と右手の上腕に深々と突き刺さった指の長さ程度のガラス片と水色のTシャツを真っ赤に染めながら胸から腹部をつたい、股間に流れ込むおびただしい出血。
彼女の胸の谷間には手のひらサイズのガラス片が突き刺さっていた。

今、目の前の少女の胸には包帯が何重にもぐるぐる巻きにされていてその姿は見ていてとても痛々しい。
苦しそうな彼女の吐息は喘ぎ声を連想させる、苦痛に歪む顔はある意味セクシーかもしれない。
私の唇は彼女のそれに思わず吸い寄せられた。
痛々しい彼女の右頬に貼られたガーゼをそっと撫ぜると激痛が走ったのか顔をしかめた。
私は構わずに近づけた彼女の唇に自分の唇を重ねた。
すごく柔らかい感触が帰ってくる、その感覚を愉しみながら私の左手は彼女の右乳首あたりを模索していた。
包帯の厚みはその辺だけは薄くて私が彼女の右乳首の位置を探り当てると『ぴくっ』っと反応する感触が伝わってきた。
ちょっとだけ息が荒くなるのを感じると私は自分の舌を彼女の唇に軽く当ててゆっくりと舐めまわす。
互いの息が荒くなり始めそれが互いにうまくシンクロした時に彼女は少し口を開いた。
思わず私の舌をその中にそっと差し込み彼女の舌に触れると彼女も私の舌を舐めるように絡めてきた。
私は自分のスカートをまくりあげて自分のパンティに左手で触れると股間の丘をゆっくりと撫で始めた。
自分でもわかるくらい私と彼女の唇から漏れる呼吸は激しくなり気がつくと彼女の口の中は私の唾液で満たされていた。
むせて咳き込むかと思いきやそれを彼女は『ゴクリ』と飲み込みさらにお代わりを求めるかのように舌を私の口の中に差し入れてきた。

ー時間を自由自在に操れる敵に追われているー

私はくちびる同士を重ね合わせたままベッドの上にのぼり、彼女のすぐそばに横たわると腰に手をかけて、ゆっくりと引き寄せて彼女の体を横向きにした。
その時に彼女の左手が私の右わきの下に潜り込んだ。
その腕が吸い付くかのように私の背中にまとわり付いてきて刺激的な感触をもたらし、
私は思わず喘ぎ声を出してしまう。
彼女自身も感じたのか喘ぎながら『ぴく、ぴく、』とその腕をふるわせながら強く抱きついてくる。
私は彼女に軽く左腕で抱きつと彼女の背骨付近の緩やかなくぼみが腕の肌を刺激して重わ指先でその背中の溝を上から下にさすってしまう。
『ぴくぴくっ』っと彼女の体が一瞬痙攣して私の唇と舌を震わせた。
彼女が着ているパジャマズボンの上端から私の右手を侵入させた。
そしてパンティの中で眠っている小ぶりな割れ目をゆっくりとさすると抱きついた彼女の両乳首が『ピクピクッ』と反応して抱きついた私の胸に伝わって来た。
刺激的な衝動が私の全身を駆け抜けて私の息はさらに荒くなる。
私はその行為を繰り返しながら彼女の身体を少しずつベッドの端に押してゆく。
なおかつ私の右手で自分の乳房を左右上下に揉みほぐしながら彼女の両乳首と彼女の両乳首がぶつかり合うポイントを探し出した。
そして乳首どうしが触れ合った瞬間に彼女は急に息を止めて割れ目の中のつぼみを思いっきり膨らませたかと思うと急に強く両腕で抱きついてきてパンティと私の左中指と人差し指をサラサラの液体で濡らせた。
ほんのわずかな瞬間だったかもしれない、しかし、日が昇り沈むまでの時間彼女の呼吸が止まってしまったような気がした。
だけど私が彼女の柔らかな唇からそっと息を吹き込むと再び呼吸を始めて私を安心させた。
彼女の股間に忍ばせた私の左手でその右太腿を持ち上げて私の股間に落とした。
私のパンティを通して伝わってくる熱さが心地よい。
私は右足を曲げて彼女の股間に自分の太ももを当ててから左手を抜くと彼女の背中に手を回して一気に私の上半身も彼女の下に潜り込ませた。
それから私は右足の角度をサイン波のように起こしては寝かしを繰り返す。
再び彼女は息を荒げ初めて小さな両乳首を勃起させ始めた。
声にならない吐息が唾液と一緒に私の口の中に注ぎ込まれて私は思わずそれを飲み込む。
私は思わず彼女を強く抱きしめて腕を通して伝わってくる鼓動を愉しむ。
彼女も吸い付くように左手で抱きついてきてその手のひら、そして指先は私の背中を弄っていた。

ー君達はただ単に採決の時だけ仕事をしてくれればいいんだよ、我々が提出した法案に賛成の意を表明するための起立とか挙手をね、余計なことは何もしなくていいんだよ、増してや我ら閣僚に意見するなんてもってのほかだねー

国会議員なんてのも上下関係が厳しくてつまんない仕事だね、まあうちら警察官も人のことは言えないかもしれないけど。せめて今だけは・・・・・

ーあの新交通システムの技術が先制攻撃兵器の礎になっていたなんて、あたしは聞いていないー

今度は私が彼女の口の中に熱い吐息を吹き込んでいる。
彼女は腰を軽く振り出し彼女の熱い太ももで私の股間を刺激して興奮させる。
彼女もまた私が起こした右太ももでさらに股間のつぼみを刺激されたのか吐息を熱く、荒げ始めた。
私の口の中に再び暑い唾液が流れ込んできて私はそれを飲み込むとお返しに彼女の口の中に自分の唾液を吹き付けた。
それを何度も繰り返して2人は呼吸の速度を速めたり緩めたりしながら互いの速度に合わせようとし始めた。
そして2人の呼吸がシンクロして絶頂感に達した時『ガラッ』と引き戸が開く音がした。
「おまえら何やってるんだ」と風間先輩の声。
「おまえさん、まさか両刀使いだったとはな」と葉類警部の声。
「あいおねえちゃんに手を出すとは命知らずですね」とリナの声。
え?これは一体どういう状況?私は自分でも状況がつかめない状態だった。気がつくとさっきまで私の唇とくっついていた少女の唇の右端がつり上がり怒りに震えているかのように見えた。
「この変態!どすけべ!バカァー!」
そう叫ぶと彼女は両手をフルに使って私の両頬を何度もなんども何度も平手で強くはたいてくれた。
「あたいに少し付き合ってくれないかい」
葉類警部はそういうと私と風間先輩とリナは顔を見合わせた。
三人とも首を縦に振る、やはりこのババア、じゃない警部殿に聞きたいことは山ほどあるのだろう。
「倶名尚愛さんはどうかね、これから山崎秋子さんと楓凛さんの見舞いがてら調書をとりにいくとこなんだけど」
そう言われた倶名尚さんの顔は見事に真っ赤に染まっていた。
まあほとんど私のせいなのだけど。
「あ、ちょっと2人とも汗書いちゃったんで着替えてからそちらに向かいます」
と私。
心なしか倶名尚さんに睨まれているような気がするんですけど。
3人が出て行ってから私は彼女の着替えを手伝い始めるつもりでいた。
おそらくは彼女の右腕は激しい痛みで思うようには動かせないだろうと思っていた。
「触らないで!あたし1人で着替えられるから!」
彼女は自分の左手でベッドのすぐ横になぜか置いてあったボストンバッグから着替え一式を取り出して着替え始めようとしていた。
私は彼女に強く拒絶されてしまった。そして彼女は激痛で顔をしかめながら・・・・
顔をしかめながら・・・、いや平然とした顔でパジャマズボンを下ろして脱ぐと続いて同様にパンティも下ろして脱いだ。
『え?ものすごい裂傷で激しく痛いんじゃ?それとも私の見間違いで傷は本当は浅かった?』
そう思ったがなんとか口には出さずにいた。
「ジロジロみんといて、エッチ」
彼女はそういうと右肩にかかった髪の毛を右手で後ろに払いのけた。やはり私の気のせいではなくて本当に痛くないのだろうか?
私も着替えたいのはやまやまなんだけど着替えを持ってくるのを忘れていたのに気がついた。
「あたしのバッグの中のを使えばいいじゃん」と彼女は軽く言った。
でもなんで彼女は着替えを持っているんだろうか?すごい疑問である。
「私のでサイズが合うかどうかわからないけど」
と言われて渡されたパンティは白色にいちご柄だった。
私がしばらく固まっていると今度はクチナシ妖怪ネコちゃん柄のパンティ、続いて出てきたのは某有名なくまさん柄。
「えーい!これならどうだ!」と言って彼女が最後に出してきたのは私がいつも愛用している生理用の大きめパンツでした。
「あんたも可愛い顔して意外とやるもんだね」と私が呟くと彼女もつられたのか
「いつも楓凛に寝込みを襲われているから」と返してきて思わず両手で自分の口をふさぐ動作をした。
いやいや、そもそも女同士でどうしてそうなる?そんな疑問が湧いてきた。『どんなプレイをしたらそうなるんだ?』といった質問は敢えてしないことにする。

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着替えを済ませて院長と風間刑事たちが待っているはずのふたり部屋病室に入ると山崎秋子なるJK国会議員と楓凛と名乗るグラマスな美少女が怪我の状態の説明を受けている最中だった。髪の毛は軽いウェイブのかかった栗色で肩より下まで伸ばしていた。お腹丸出しのタンクトップにデニムのホットパンツはかなり露出度が高い。
「オメー愛に手を出したんだってな」と言って「ププププ」と急に吹き出し笑いを始める。
「葉類先輩、風間先輩、話しちゃったんですか?」と抗議するように私。
「いや、オメーの顔を見れば一目瞭然なんだがな」と楓凛。そう言ってからボソッと付け加える。
「俺もあいつにはボコられているけどさ」と言ってニヤリと笑った。
なに?この人、見かけはすごくボン!キュ!ボン!している美女なのに中に中身はひょっとしていい歳こいたおっさんなの?
「というわけで楓凛はCTとMRI共に異常がなかった、問題ない」
院長の話し方ではなくて警部の口調で喋っている。性格的に気が合うのだろうか?
「あの子は反応が面白すぎるからいつもからかいたくなるだけですよ」
って山崎秋子さん、彼女はショートカットで顔は丸い系のビ、ビ、コメントは控えさせていただきます。
グレーのスーツ姿は国会議員というよりはどちらかというとどこかのSPみたいに見える。ここに来てから着替えたらしい。
「秋子さんは軽い脳震盪がみられたけどこちらもCTとMRI共に問題ないわね、でも念のために倶名尚愛さんはもちろんのこと2人もゆっくりしていってもらいますね」
楓凛の時と対応が違いすぎです、うちの警部、じゃなくて院長。
もちろん、ゆっくりしていってというのは別の意味があって、要は事件の関係者として聞きたいことがあるということなんだろうね。
院長は私に視線で合図を送ってきた。
「OKだよぉ」と私。妙な揺らぎや危険そうな残像は感じられなかった。
私たちはお互いの経験を共有することにした」

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「志乃さんは何故殺されなければならなかったのか?」
それは警察組にとって共通した疑問だった。
しかし東京の国会議員組に言わせるとそれはシンプルな理由に過ぎないという。
「まず気の毒だけど志乃さんは風間刑事を呼び出すためのエサにすぎなかった」とリナはいう。
「彼らの最大の目的は風間刑事の殺害だった、そしてそれを成し遂げるためには彼から平常心を奪う必要があった、ということだな」と葉類警部。
「しかしそいつらに時間をさかのぼるような能力があったとしたらそのような回りくどいことをしなくても良いのではないのか?」と凛はいう。確かにそうだわな。
次の疑問は「なぜ風間刑事は命を狙われたのか」だったがこちらも答えが出ているそうな。
「亜希さんは意味も無く発情して欲情的な行為に及んだわけじゃないみたいですね」とリナ。
「それは買いかぶりすぎですよ、私は単に己の欲望のままに行動しているだけですから、私は1人でいる時でも1人エッチ、じゃなくてオナニーしますから」と私。あれ?変だぞ?
「それが自己メンテに該当するってことかな?」と秋子。
と言いながら彼女は長テーブルの下でこっそり手を伸ばしてきて私の右膝に触れる、全身を電流が流れたかのような衝撃を覚えると同時に私は失禁したみたいな快感を感じる。
『あ、また私のパンティ濡れたかも』そう思うと同時に信じられない言葉を聞いた気がする。
「次はあたしの番ですからね」
こんな声が聞こえたかと思った瞬間腕に絡みついた力が強くなった。
な、なんであなたたち、秋子さんと愛さんは睨めっこしているんですか?
「あきちゃんはあたしのものですよ」
そんな声を聞いたような気がした。
そんな私達を見て凛は『クスクス』とおかしげに笑い出した。
「お前らそうやって1人の男を取り合いっこするの久しぶりだな、というか今回は男じゃないか?」
それを聞いて秋子は思いっきりほっぺを膨らませる。
「あいつに孕まされた凛に言われたくないです」
「胸糞悪いからそいつの名前は出さないでよね」
と愛、心底不快な印象がしがみついた腕を通して伝わってきた。
「まあ君たちの過去の痴気情事な話はどうでも良いんだが、時に愛くん、傷の具合はどうかね?」
唐突に葉類院長はきいた。警察関係者としての言葉じゃなくて医者として訊いているんだから院長でいいよな?
しがみついている愛の腕が一瞬『ぴっくっ』と反応したような気がした。
けれど少し間をおいて平常な声で「痛くなんてないよ」って愛が答えているのを聞いた。
「ならばよし!」と院長。
いやいや事故から1日も経っていないんですよ、あれだけ大きなガラスの破片が突き刺さっていて、時に胸の谷間付近のが一番大きなガラス片で、それが深々と突き刺さっていて、心臓に穴を開けていたり太い血管をぶった切っていたりしたかもしれないのにそれはないでしょう。
「昨日の国会にかけられていた審議の内容はなんだったのですか?」と葉類警部。
「さあ、あんまりよく覚えていないけど、あたしの生活に一ミリも関係なさそうな感じだったし」
愛は本当に覚えていようだ、それに対して秋子が口を開く。
「愛はいつも色欲、食欲、睡眠欲の三本セットだものね」
本当はこの二人、仲がめちゃ悪くない?
「だって地殻変動をコントロールするだなんてめっちゃおかしくないですか?しかも地震を予期して最小限に抑えるなんてできっこないですよ」
やはり肝心な部分は隠していた。
愛は大きなあくびをして私の右肩に頭を押し付けてスリスリしてきた。
「それが問題のあるような議題とは思えないのだが」と葉類。しかし斜向かいの凛の顔はすごく青ざめていた。
「愛、もう少し思い出せないかな?一体どんな内容だったか」
それを聞いた愛はこともあろうかさらに両腕で私の体に抱きついてきた。お向かいさんの視線がさっきからすごく怖いんですけど。
「んー、ちょっとだけ思い出したかな?地震の原因って移動するプレート同士がこすりあって歪んでいきそれがあるとき限界に達して『ポーン!』と跳ね上がった時に発生するんだよね?」
「あったりまえじゃないですか?何を今更」と秋子。
「で、そん時に野党の誰かが質問していたんだけど実はぶつかり合うプレートの面は均等にザラザラしているわけじゃなくって、部分的に大きな爪鍵のような突起がいくつもあってそれがたまたま互いに引っかかって歪みがどんどん溜まっていってある日突然に『どーん!』ってなるのが地震だって」
愛はそう言いながら私の耳たぶ裏を舐めてきた。なんなんだこの元ヒロインは主役を奪った私への嫌がらせのつもりか?
「それでその爪みたいな突起の片方がぶっ壊れてというか折れてまたスムーズに流れていくんだけど先日の大きめの地震でその沈み込む側のプレートにあったその突起は残っていてそれが、列島側の別の突起に引っかかっていたんじやないのか?って疑惑が生じてきたんだけど」
「それぐらいは知っていましたよ、要するのその地震の原因となるような突起を早期のうちに小型の核爆弾などで破壊しておけば地震の規模も最小限に抑えられるんでしょ、それのどこに問題が」と秋子。
「その核爆弾が核兵器三原則や憲法の第9条に抵触するということですね」とリナ。
「いや問題はそこじゃないんだ」と凛。
しばらく天井を見上げて考え込んでから続けた。
「そのくさびを破壊して除去できるということはその真逆の『プレート間にくさびを打ち込んだり、くさびを成型したりする』ということも可能なんだよ」
う、どうゆうことなのかな?私にもわかるようにちゃんと説明してほしい。
「意図的に地震を特定の場所と時間に引き起こすことも可能になるということだよ」
ようやっと風間先輩が重い口を開いた。
「でも場所を選ばずに仕掛けられるという訳にはいかないんだろう、敵国近くにそのくさびとやらを打ち込みに行くのはほとんど不可能そうだし、結局は使えない兵器なんじゃないのか?」
葉類警部はそういうと私を見た。私に発言をしろということか?でも私は何も知らないし考える頭もない。
「風間刑事、あなたは娘を銃殺された、その経緯を覚えていますか?」
私は先輩に尋ねてみた。あの事件後ずっと気になり続けていたことだ。
「それは今でもはっきりと覚えている、志乃は付き合っていた男に騙されて公園におびき出されて取引の材料にされた」
やはり間違って記憶している、いや、今の彼にとってはそれが正しいのだろう。私は次の質問を投げつけた。
「ではその取引の内容は覚えていますか?」
風間先輩は黙り込んだ、娘の志乃さんが射殺された当時のことを必死になって思い出そうとしているのが見て取れた。
「覚えていませんか?ではもう一つ質問しますね、娘さんはどんな仕事をしていましたか?」
先輩はしばらく考え込んだ、思い出せないのだろうか?いや娘さんの職業にはさして意味がなくなっていた。
「あなたの娘さん、志乃さんは高校での部活を引退後、野球ではなく地学を専攻していました」
先輩はキョトンとした顔をしてこっちを見ていた。
身に覚えがないということか、記憶が改竄されたというわけではない改竄されたのは現実の方だったのだ。
「志乃さんは地震に関する情報を集めていました、でもただそれだけのことだったんです、そんな彼女に近づいた人がいました、あ、先輩、そこは引っかからなくていいです、もうなかったことになっていますから」
私はそこまで言うと一息ついた。ここから先は私自身確証がもてないことだらけだ。
「その人の名前は元の先輩自身も知らなかったと思います、正式に紹介されたわけでもなければすれ違ったことさえなかったのですから」
私は席を立ちホワイトボードに黒色の水性マーカーで「風間志乃」と書いてばつ印をつけた。そしてそのすぐ下に風間先輩の名前を書きその上から大きく赤い水性マーカーで丸を囲う。
「おいー!俺は娘を殺した殺人犯かい」
抗議の声は聞かなかったものとする。そして再び水性マーカーを黒色に持ち替えて志乃さんの名前から少し離れた右にクエスチョンマークを大きく書いた。そしてその二つを直線で結ぶ。
「ここからさらに仮定だらけの話になるけどまずこのクエスチョンが誰だかわからない、携帯電話にさえそれらしき履歴も残っていなかったのだから」
私はそのクエスチョンマークと風間先輩の名前を黒い線で結ぶ。
「そのクエスチョン氏は志乃さんと個人的な付き合いがあることは明言していませんでしたが知り合いであることはそれとなく匂わせていたようです、そんなある日そのクエスチョン氏から依頼がありました」
私はホワイトボードの左端に上から三つばかりの波形図を描いた。私にはちんぷんかんだがどれも風間先輩の頭の隅に残っていたものだ。もちろんそれをどうやって入手したかなんて言えるはずが無い。
「それきっと亜希ちゃんがその刑事と寝た時に読み取った情報でしょ!」
と大声でいきなり愛、なんでそうなるんだ。
「いやあ、亜希ちゃんの能力って本当に特殊すぎるよね、あたしなんかは足元にも及ばないよ、肉体関係を保っている最中相手の記憶の転送や読み書きはもちろんその相手の一度過去にさかのぼって、そこからいくつかに枝分かれをした並行世界での記憶なんてのも読み書きできるなんてとてもじゃ無いけどマネ出来ないものね」
私は思わずマーカーを床に落としてしまい慌てて拾う。
落ち着け、私、そんなことで動揺するんじゃない。
しかし何故この娘は私とエチエチをしている最中のことをこうも明細に記憶しているんだ。
私でさえ都合よく忘れかけているのに。
しかしそれは私が彼女とついさっきエッチエッチをして得た情報をバラしちゃっても構わないという意味だろうか?
イヤイヤそんなことをしようものならきっと彼女はブチ切れて大暴れをし始めるだろう、この病院を廃墟にしたくはなかった。
「わたしもこれがなんであるかははっきりとは言えないのですが地震の波形らしくって一番上が一般的な地震の波形、二番目と三番目がつい最近発生して大きな被害を招いたもの・・・なのかな?S波とかP波とかありえない波形だそうで・・・」
私は風間先輩の頭を思いっきり強く小突いた。本当はいま頭を押さえて私を睨み返しているこのこの男にこの資料をどこで入手したのか聞きたかったけど覚えていないんじゃ仕方がない。
いやエチエチの最中のそれを覚えている愛の方が異常なのだけど。
「うちの先輩はこれをとあるやばい筋から入手されたそうで、これだけならともかく別件のやばい情報までついでに入手して彼らに渡してしまったんですよね、それがさっきの地震のメカニズムに対する介入だったんですよ」
「それはよくわからないんだけどその連中ってその情報で何をする気だったのかな?」
愛が口を挟んだ。あんた本当は理解できているんじゃないの?
「その件に関してはクエスチョン氏も先輩に平謝りをしていたようです、『そんなつもりで志乃さんに近づいたわけではない』と、本意かどうか今となっては知りようもないですが」
まあそれは嘘ではない、先輩とのえちえちの際に先輩の前で平謝りをしている若い男の姿が見えたからだ。ただ問題なのは。
「本当にその人が志乃さんの彼氏だったかどうか今となっては確認をしようがないということですね」と秋子。なんかこの娘も苦手だなと思った。
その時の『核爆弾による人工地震は時代遅れ』の件はあえてスルーすることにしよっと。

「そしてこのクエスチョンから風間刑事の携帯に電話がかかって来ました、これがまた意味不明な内容で『志乃さんが何者かの手によってさらわれた』という内容でした」
私は再び先輩の顔をチラ見すると首を傾げていた、やっぱり記憶にない様子だった。
私は軽く咳払いをして続けた。
「さて、続けますがこの時電話をかけてきた男性が仮に志乃さんの彼氏だったとすると志乃さんを誘拐して殺害をした犯人は誰だったのでしょうか?」
私はクエスチョン氏の下に『ダブルクエスチョン』マークを書きまず志乃さんを赤マーカーでバッテンをして続いて風間先輩の名前にもバッテンをつけた。
「おーい!俺を殺すな」先輩は抗議してきたが無視をしてダブルクエスチョンの方に大きなバッテンを描いた。
「あ、間違えましたその時先輩は本当に殺害されていたはずなんですが私の大活躍によりそれは見事に回避されたんです」
それは事実だ、間違いない。
その証拠に誰も反論しない、そうだろ!
「それでですね、志乃さんを殺害した犯人は何者かに殺害されたわけなんですが」
「こら、犯人はあんたが殺害したんじゃないか」
私は葉類警部に睨まれていた。
彼女は何故かその後に始末書を100枚近く書かされたらしい。
まあその時点より前から彼女の部下であったという設定が必要となり、どういった設定か知らないけど『過剰防衛』というわけのわからないパワーワードを警視庁に押し付けられたらしい。
大型拳銃に小石二個で挑んだ行為のどこが過剰防衛なのか教えて欲しいくらいなんだけど今ここでは関係ない。
「そしてここからが問題なのですがその犯人に関するデーターが警視庁はおろか公安警察にも存在しなかったという事なんです」
それは葉類警部に聞いた話なんだけどそれには続きがあった。
「事件から数ヶ月経ったある日に『ポーン』とその犯人に該当する人物データーを含むファイルが見つかったんです、そしてそのファイルの最終更新日が風間志乃さん殺害事件の数日前でした」
「つまり事件直後のはもう犯人に関する情報はあった、にも関わらずそれが見つからなかったということ?」とリナ、年齢の割に少し理解力が高すぎなくない?
上のクエスチョン氏とすぐ下のダブルクエスチョン氏を黒いマーカーでつなぐ。
「この二人の関係ですね、どういった関係だと思いますか?」
「どういった関係と聞かれてもアカの他人じゃねえの?女子高生」
唐突に発言する風間先輩、その場にいた先輩を除く全員がフリーズする。
あのですね、確かに『女子高生』も『JK』と省略されるんですけどこの場合の『JK』は『常識的に考えて』の略なんですよ、みんなに白い目で見られていることに気づいてください。
「続けます、まず考えられるのは同一人物説なんですけど、これはすぐに否定されました、なぜなら風間刑事の家が崩壊する前に彼の携帯に警告の電話をかけてきたのも志乃さんと関係を持っていたクエスチョン氏だったからです、まあ誘拐殺人犯と同一人物なら生きているはずがありませんよね?過去の一部だけ変えることは出来ませんから」
「いやそんな奴からは電話なんてかかってきていないし、お前は何を言っているんだ」
私はさっきから文句ばかりを言っている風間先輩の口を差し出した左手のひらで封じた。
「お聞きの通りこの事件の重要参考人であるクエスチョン氏は最初からいなかったことにされているために殺害、もしくは始末された可能性が高いです。そうなると一つの疑問が生じます」
「風間刑事が集めた人工地震のデーターや技術の資料をどうしたかったかということだね、そしてそれを利用できるように憲法や法律を変えたかった、そのために今回の前田夫婦みたいにして邪魔になりそうな議員を片っ端から始末して替わりのbotにすり替えさせている、ということか?」と楓凛。
「そう、内閣調査室が集めていたそれらは外部に漏れていなかったことになり風間先輩の殺害こそ失敗したけど志乃さんは殺害できて人工地震を起こす技術の存在がこれから先、外に漏れる可能性がほぼなくなった、要するに人工地震の存在を隠匿したかった、そして本来ならこの件に関わる人物は全員始末出来ていたはずなんだけど、たった一人の人間を除いてね」と葉類警部。
「確かにその能力は歴史改竄者、いやタイムトラベラーにとっては厄介な代物でしょうね」とリナ
「じゃあ次に狙われるのは亜希さんということでしょうね」と秋子。
「でもどうやってそんな敵と戦う気だ?」と楓凛。
次の瞬間私はふわっと何かに抱きつかれた、今までこんなことはなかった、いつも気配で感じ取り対処出来たから。
「じゃあ今度はあたしたちが守る番だね」
後ろから愛の声がした、ベッドの上でのすごい一体感を再びその時に感じた。

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「本当に大丈夫なわけ?」
私は倶名尚愛に再三の確認をとった。
「かゆくもないわ」と即答が帰ってくる。
包帯はまだ取れていないけど彼女は替えのTシャツ膝上までのジーンズに着替えていた。山崎秋子はスーツのまま、凛のそのままの衣服で来ていた、前田リナは・・・戦闘に加わるわけじゃないので普段着の・・・普段着のナース衣装って何よそれ!
葉類警部と風間先輩はいつものスーツ姿。そして本命の私は白い半袖のワンピースに青いタータンチェックの超ミニスカート!『主役は私だ』
「あんたあたしよりもメンタル強いじゃない」と愛、私の背後からいきなり右腕で抱きついてくると左耳に息を吹きかけてきた。さっきの仕返しのつもりだろうか?
目の前では葉類警部と風間刑事が拳銃に弾丸を仕込んでいるのが見えた。
私にとっての武器は腰にぶら下げた小物入れに入れた数個の特殊ボールとこの部屋にある数個の投げられるものだけだった。しかし私はこの倶名尚愛なる人物がどのような戦闘能力を所有しているかは私は知らない。おそらくそれは愛も同じことだろう、私が出来ることは把握していないだろう。
ただ私自身も自分の能力を正確に把握していない。ただわかっているのはすごい豪速球を狙ったマトに投げられるということだけだ。
そして凛と秋子は武闘派と言うべきか?私にはよくわからないが戦闘力はすごい・・・・・と言う話は愛たちから聞いた。本人たちに自覚はないだろうけどこちらは心配はなさそうだ。
そして葉類警部と風間先輩のコンビだが2人ともバリバリの現役刑事、不安はあるまいと思っていたがリナに言わせるとこの2人が作戦の要だと言う、脳筋と天災警部の組み合わせではひと波乱やふた波乱どころじゃ済まないだろう。
そしてリナは私の背中におんぶ紐で背負われているってぇ、『ちょっとぉ!思いっきりボールを投げにくいんですけどぉ!』
私は強く抗議したが彼女の額が私の後頭部に押し付けられた時にその理由を知ることになった。


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今回で終わる予定だったけどあと一回


あとがき


亜希「楓凛に二股ぺ〇〇を開発してもらったんだけど使ってみる?」

愛「誰が使うか、エロ女!ひとりでオナってなさい」

亜希「いっぺん試してみようよバイブ機能はもちろんだけど人口精子生成機能付きだよ?ちゃんと受精するか試してみようよ」

愛「それってどんな機能?」

亜希「えっとね、エッチなこと考えると愛〇がたくさん出るじゃないその〇液の中のDNAを解析して人口精子を作っちゃうの」

亜希、まだ完治していない愛の胸の傷を人差し指で「ツー」とさする。

愛、声にならない喘ぎ声を亜希の唇に塞がれた唇から漏らす。

愛「あんた、確か卵子作れない体じゃなかったっけ」

亜希「だから愛に受け取ってほしいの、私の愛〇から生成した人口精子を勢いよく噴き出す人工性液と共に」

亜希は自分のオ〇〇と愛のオ〇〇にそれを挿入してスイッチを入れた。

2人は息を荒げて腰を振り始めて喘ぎ声をだすとその二股ぺ〇〇は激しく脈打ちながら愛のマ〇〇の中に大量の人口精子を放出した。

ここから先は

35字
お代は読んでからの(以下略

女子高校生国会議員と合法ロリみならい刑事のエロエロドタバタSFです。

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