アダルト版JC淫魔刑事獣鬼編4『伊良衣良と咲』

JC淫魔刑事獣鬼編4『伊良衣良と咲』
2023/05/02構成訂正

この話はストーリーの都合上過激な性描写や暴力描写、及びグロテスク、パクリな表現を多く含みます。
20才未満の方の閲覧はご遠慮ください。

ここから先は『瑠璃』さんがわたしたちを巻き込んだ陵辱事件が無事解決?してからのエピソードになる。

激辛選手権王『ルシファー』
前髪に癖毛のある方まで髪の毛を伸ばした少女、というのが最初に会ったイメージだったが擬態能力を持っているらしくて何とも言えない、
【この娘が全くもって正体が不明だとしか言いようがなかった。
私が推測したところあそこにいた淫魔の中でもずば抜けた能力使いだった。彼女は私とあつしが『瑠璃』さんの正体を伝える前から彼女の正体を知っていたようだったし、奴らに種子を撃ち込まれて肉体と精神を凌辱されながら獣鬼に肉を喰らい尽くされ自我を失うという演技をやってのけていた。】

伊良衣良『博多ラーメン』
それにしてもひどいコードネームだ『瞬足娘』とかまともな名前を考えられなかったのだろうか?
【未来の世界では『あつし』 こと『ニナ』を始めとする6人姉妹(とはいえ全員クローン)の長女『イカロス』である、あ、念のために断っておくが某アニメのような超巨乳の美少女を思い浮かべないように、それこそ失望しかしないから!】

名前 不明 『刈り上げくん』
前髪以外は刈り上げのボーイッシュな女の子
【この子は今のとこ正体不明、まあ未来世界におけるわたしたち6人姉妹(クローン)の1人。能力は今のところ不明】

名前 不明 『ツインテール』
某進学塾のCFあたりに出て来そうな見た目は可愛い子、しかし性格は結構卑しい。
【あの忌まわしき未来世界では私の妹であり、末っ子だった『ヘナ』だった。彼女達は研究所の職員たちから陵辱、輪姦をされて大量の獣鬼の種子を子宮を通じて脳髄に撃ち込まれている、この娘の場合はその影響もあって今から9年前にタイムスリップしてから約3年間は若い女性を襲って彼女たちの生肉を生きながらにして喰らっていたらしい。
しかし彼女の前に突如として現れたふざけた幼女夏乃花奈がその卓越した肉体再生能力を駆使して『ヘナ』が飽きるほどにおのれ自身の肉を喰らわせて正常化させたとのことだ。今は3才の女児と5才と7才の男児を拾い食いやら万引きをしたりして養っている。】

草薙敦子『あつし』
私の同級生であり、隣の席の男子
【未来世界での『ニナ』、本来は女子ではあるが諸事事情により男子を演じている、とはいえ『召喚、送還能力によりどんなものでの出したり送kんだりできるありがちなパクリ能力、自分の肉体の一部に対しても行える、『送還女の身体、召喚男の身体』と念じれば男になれるし『送還男の身体、召喚女の身体』と念じれば女になれる。後色々細かい設定もできるので擬態化と違い気を失ったり死んでもそれは解けない、生みの親(仮胎)は『あつこ』、だが彼女は『ニナ』を出産後銃殺されている。その彼女が『ニナ』の中に生きていた。その後、『ニナ』が9才になった頃こっそり覗きに行った『かなえ』の部屋で彼女が多人数の男性職員に強姦されているところを目撃してしまう、その時『ニナ』自身も強姦され、幼かった身体故に瀕死の重傷を受けながらも這いずって逃げ出す。その後『かなえ』が人が変わったかのように職場放棄を始め彼女が姉妹のひとりを突き飛ばした現場を見てしまい逆上して初めて召喚能力を使い斧を出して惨殺をしてしまい他の5人の保母も惨殺をして自己嫌悪から逃げるようにして過去の世界に行き現在に至る】

名前 不明『瑠璃」
ルポライター
あつしたちを誘惑して私たちを輪姦させたにっくき女、しかし実は・・・・・

彼女たちはこれまで私が関わってきた少女たちだ。まあハルサメなら身長とかバストのカップサイズとかも嬉々として書き込んでやれとろけるような完熟マンゴーとか男をトリコにする黄金マンゴーとか言い出しそうだけど私そんなのに時間割くの面倒なので茶々っと話を進ませてもらうから夜露死苦。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

下界(パラレル)13、14より抜粋します。

ー富士山のマグマ溜まりがね、結構やばい事になっているのよー

聞き覚えのある思念が突然に入り込んできた。

ー今までがどの程度のマグマ溜まりだったのかがわからないけどその膨らみ方が尋常じゃないのー

誰だか思い出しにくいが金髪の爆発ヘアのイメージが浮かんだ。

ーそれ透視して確認した結果なのか?ー
ストレートの黒髪を胸まで伸ばした娘。

なんじゃそりゃあ、と言いたかったがそれが誰かは明確にはわからなかった。

ーそれで私たちのスパコン様は何時くらいの噴火を予想しているのかしらねー

毛根から毛先までレインボーに変化する輝くストレートの髪を腰まで伸ばした美少女に対して外側に跳ねた赤髪を肩まで伸ばした少し目つきの悪い子がいじわるそうに訊いた。

ーそんなことわかるわけないじゃない!心臓みたいに脈動しているマグマ溜まりなんて私だって初めて聞いたわよ!ー

それは小田井署で亜希とハルが聞いた話とよく似ていると思った。
それは決してあのJK国会議員秋子の言っていたことはハッタリとはいえなかったという事なのか?

ーそれだけじゃないのよ!この辺の火山帯が人間の内臓や血管みたいに繋がっているのよ!伊豆諸島の火山帯、箱根山、遠いからはっきりとは確認はできなかったけど御嶽山も同様に激しく脈動しているのが確認出来たわー

ほぼ間違いなく『日本列島生物化計画』、火山のマグマ溜まり同士がつながり心臓のように脈動していると秋子に聞かされたアレだ。

ーそれは私の勘が間違ってなければこの日本列島での実験段階、何が目的か知らないけどさー

「ハル、この声たちの主が今どこにいるかわかる?」
亜希は目を覚ましてハルこと春雨の頭を撫でながら訊いて見た。

ー 富士インターチェンジから東名高速に入って浜松方面に移動中
、車は元々は滋賀県警の護送車シビリアン、今は静岡インターあたりを走行中、清水インターチェンジの少し向こう辺りから、黄色い車に追われてるー

「もう既にすれ違っているのか?1番近いインターはどこだ?」
亜希が言うとハルはむっくりと起き上がって両手でハンドルを握って運転に集中し出した。
「あきねえ、ちょっと飛ばしますからね」
ハルはそう言うとアクセルペダルをグッと踏み込んでハンドルを巧みに操ってジグザグ運転で次々と先行車を追い越して行った。
速度計は60から100くらいの間を行ったり来たり繰り返していた。回転数計は・・・もう知らん!
「ヤバいですね」
唐突にハルはつぶやいた。と同時に空から見たシビリアン、護送車のイメージを送って来た。
通常走行でも120km/hがやっとの非力な車を1台の黄色いスーパーカーが追いかけていた。さっきから執拗にシビリアンを追いかけ回しているようにも見える。

亜希の手はパーカーのポケットからスマホを取り出して画面を操作していた。無意識のうちに操作を始めて8人にグループ送信をしていた。

『今、あんたたちの後ろにピッタリつけている黄色い35GT-R、めっちゃヤバだから気を付けて』

少し間を置いて返信が入った。

『防弾仕様でロケットランチャー持っているとか?』

まさかいくらなんでもそんな事ないだろう、と思いながら亜希がハルの横顔を見ると真顔で首を縦に振っていた。それだけでなく左手で素早く亜希の手からスマホを奪い取ると瞬殺で返信をした。

『それもあるけど対エスパー仕様、念動力も、透視も、花奈のエネルギー化能力の直接攻撃が出来ない、ちなみにそこにいるお腹の大きな亜希や『G』が投げる鉄球も簡単に弾き返されちゃうよ?対戦車砲でさえ弾き返す特殊車両だからね』

え?っと疑問に思った。なんでそんな奴らに追われている?と言うかなんでそいつらの事情に関して亜希より知っている?

ー 間も無く後ろから追突をされてシビリアンは大きく尻を振り危うく中央分離帯のガードレールに激突しそうになるー

助手席の窓を全開にして身を乗り出してロケットランチャー構えている男がいた。

火を噴いて真直ぐにシビリアンを目指して飛んで行く飛翔物が見えた。
ほぼ命中かと思われた時にコンクリートの塊が斜め横から降ってきてロケットはそれに命中して爆発した。

ー なるほどねあの車自身に対しては念動力とかは効かないけど一旦離れて仕舞えば何とかなりますってことなー

ー 香織、時間操作であの車から少しでも離れられないかい?ー

ー ムリ、運転で精一杯!ー

「切羽詰まっているんじゃね?」
亜希はインター入口で窓を開けて発券機から通行券を受け取るハルに向かって言った。

確かに追い詰められている感じはしている。
速度計はほぼ一瞬にして180km/hの上限を簡単に振り切っている。

ー どうやら時間を遮断するシールドがかけられないみたいー

ー 急接近してきた35GT-Rに追突されて大きくケツを右に振って走行車線側のガードレールに左フロントを激しく擦り付けた。今ので左側のヘッドライトが死んだようだ。ー

ー 視界の左半分が失われてしまった。ー

ー ねえ、これって一般道だったら絶対に殺されているよねー

「シビリアンのエンジンがミッドフロントシップで良かったようだな」
確かに、リアシップエンジンなら火を噴いていたかもしれない。
亜希がつぶやいている間にも春はジグザグ運転を繰り返しながら次々と先行車をごぼう抜きにしてゆきして黄色いスーパーカーに迫りつつあった。
やはり近くで視認してもいわゆる35GT-Rだ。
ノーマルの初代シルビアでは出せない領域、恐らくは250km/h越えの視界が私を圧倒していた。
シビリアンも35も共に右レーン、追い越し車線を走っていた。
「おいおい、左からの追い越しは道交法違反だよ!」
注意する間も無く亜希たちが乗った初代シルビアカスタムは意図も容易く35GT-Rを追い抜くとシビリアンに横付けにした。
「ハル、窓を全開にしてハンドルとアクセルは私がなんとかするから」
亜希はハルにいうとシビリアンの連中にメッセージをグループ送信をした。

『スライドドアを全開にして、運転手をそっちに乗り込ませるから!』
送信ボタンを押す前にハルが叫んでいた。
「あたしが飛び込むと同時にスライドドアをを閉めて」
ハルはハンドルから手を離すと身を乗り出してシビリアンの中に飛び込んだ。
私はアクセルを緩めながらハンドルを軽く右に切り35GT -Rの前に飛び出すとさらにフルブレーキングしながらシビリアン車内にテレポーテーションをした。

「月輪、念力でエンジンキル、それから花奈は搭載している残り少ないガソリンをエネルギー化して」

ハルは叫ぶとシビリアン内にテレポーテーションして来た亜希とアイコンタクトを交わした。
私は急激にスピードダウンして追っかけてくるGT-Rに激突する瞬間を見届けるとどんどん離れながら火球に包まれていくまで確認していた。

「驚くようなことじゃないよ、あれにエスパー攻撃は効かないけど物理攻撃は有効だからね」
私はそう言ってからさらに補足した。
「もうちょっとシルビアがGT-Rに近づいていたら花奈のエネルギー化も無効にされていたかもだけどね」
もちろん後悔に近い感傷がないわけじゃない。
結構入手するのには手間と知り合い、とは言っても国会議員の娘なのだがJR国会議員の倶名尚愛と同じ党所属前田愛理の娘の前田リナという幼女のつてで入手して彼女の手によってさらなる改造が施されていた。

「にしてもシルビアにロータリーエンジンを搭載した試作車をオシャカにしたのはもったいなかったかな?」

そこで私に幾つかの疑念が生じ始めていた、何故私は会った事もない倶名尚愛なるJK国会議員や前田愛理、そして娘の前田リナをよく知っている気がするのは何故だろうか?
他にも十数人知っている人がいる気がする。

まず最初に銀髪の爆破ヘアの少女が目に入った。赤い瞳を持っていて透視能力がある。
そして透視で見えたものに対して念動力攻撃ができる。名前は文月輪。

続いてストレートの黒髪を胸まで伸ばしているGカップクラスの巨乳だが同時に股間にAV男優も真っ青な立派な巨根を持っている点が特徴だがこれといって大した能力はない。強いて言えば本来なら睾丸がある位置に女の子の穴を隠し持っていることだがこいつはブラックホールなったりホワイトホールになったりしているので触れないでおこう。
名は冬河銀(とうか ぎん)、

そして肩より少し伸びた栗色のストレートボブカットヘア、見た目にはおとなしくて優しそうな女の子。
ただし彼女が持つ能力はかなりエグい。
狙った物体を好きな量(人体も含む)エネルギーに変換する能力を持っている(E=失った質量×光速の二乗)
まあ平たく言えば人間核融合兵器みたいなもの。
名前は確か夏乃花奈(なつの かな)

続いては胸まである、黒髪ストレート、身長時間を自由自在に操る能力があるらしいが詳細は不明。
名前は春香織(はる かおり)

そしてサディスティックな目つきをした少女、肩までの外に跳ねた赤髪、花奈と同じく物質をエネルギー化、その逆のエネルギーを物質化できる。核爆発のエネルギーを質量に変換して固有の相手にぶっつけたり転送に使う事も出来る。要するに夏乃花奈と真逆の能力を持つ。
名前は秋種加世。

そして亜希が1番気にかけている少女、性に関しては影の人格上では実年齢の13才(25才以上)以上の知識と実体験あり、とは言ってもここにいる少女達が全員非処女だと言われても驚く気はさらさらないが、彼女達はそれほどまでに危ない橋を渡って生きてきたと思える。ショートカット、名前の逆さ読みを気にしている。

願望実現達成能力(倶名尚愛の40倍、こいつに死ねと思われたら〇〇〇〇に秘孔を突かれたやつとか変なノートに名前を書かれた奴のように確実死んでしまう、機械に対しても可能、上記の能力により自由自在に身長や体格、顔、などを変えられる。カメラなどにもそのように映るのでセキュリティもフリーパス。ただしこれらの能力は排卵期には全て無効、使えなくなる。肝心な時に使えない役立たずな能力とも言える。(強制的に妊娠させられる可能性があるから。
本人曰く一度妊娠させられてしまったらその胎の中の子が生まれるまで排卵期の状態は続くという。
ちなみに名前は可奈野椎(かなの つち)

今まであげた彼女達は普通に女子中学生らしい身長だし歳もおそらくはそれくらいだろう、だが以下のふたりはその限りじゃないんだ。

まずそのひとり、胸までの黒髪ストレートヘア、細い目が鋭くて怖い、物理を無視した念動力、最大重量12トン以上の物を音速22以上で飛ばすことができる。身長170cm、高校生どころか社会人。
彼女の名前は水無月海

そして最大の問題児が佐原観萌(さわら みもえ) を名乗る少女。
身長175cm、Dカップ、眼が大きく緑がかったハーフ、
しかしそのほかにも人外的な能力を多数持っていて電車に轢かれてミンチになった状態や高熱で焼却されて灰にされた状態でも短時間で蘇生してしまう。その場合は毛根から毛先までレインボーにグラデーションがかかったかのように滑らかに変化する輝く髪の毛が無制限に伸びてしまう。眉毛やまつ毛も同等だ。
実は他の7人の姉妹の能力を全て持ち合わせているとも言える。私が彼女に対して違和感を感じているのはそこなんだよね。

彼女達は私と一緒に九州中の火山のマグマ溜まりとその活動を調べてきた仲だったがこのシビリアンには亜希と一緒に乗り込んできたハル、こと春雨の他にもう5人乗り込んでいた。

そしてあと3人、会ったことがないと言うべきか、亜希の記憶にない5人が乗車している。
5人のうち三人ともどう見てもお産間近の妊婦さんにしか見えなかったが衝撃的だったのはそのうちのひとり、亜希にそっくり、いや、亜希そのものとしか見えない女性が腹を臨月間近並みに大きくしていることだった。

「あの、実に言いにくいことだけど、あなたは私ですか?」
すごくバカなことを訊いていることくらいは亜希も自覚ぐらいはしている、でも声に出して訊かずにはいられなかった。
「見れば、はぁ、はぁ、分かるではぁ、はぁ、しょうが」
と冷たく言うお腹の大きな亜希。でも何だか苦しそうな小さく呟くような蚊の鳴くような小さな声。
「あなた達は、はぁ、は同一人物であって、はぁ、はぁ、同時に全くのはぁ、はぁ、はぁ、別人だから」
髪を肩よりも少し下まで伸ばした利発そうな女性が言った。
見た目は利発そうだが頭は回転していないように見えた。
「もうしばらくはぁ、はぁ、休ませてもらってはぁ、はぁ、はぁ、からでいいかな」
ショートカットの少女がやはり苦しそうに口を開いた。
3人の年齢は分かりかねたが3人が3人とも体調がかなり悪いのは事実なように見える。どうやら臨月に近いからではなさそうだ。
全くしゃべれないことはなさそうだが床に転がってお腹を庇うように丸まっている。

「えーと、私によく似た奴も含めてお腹が大きい人が3人いるのは何で?」
たまたま近くにいた少女ふたりに聞いてみた。
「まずはあんた、亜希の記憶が曖昧、というかほとんど消えている理由だけど、並行世界を何度も移動してきたからだと思うよ」
少し小柄だけど髪の毛の短い褐色の肌をした気の強そうな美少女が言った。
彼女は私の額に左手の人差し指を突き立てると何やら呪文のような言葉を呟いた。
その時私の中に彼女の名前が閃いた。
「あつこ」

『かなえ』と『あつこ』である可能性だってある。もしかしたら私が途中で拾ったハルこと、『春雨』だってそのひとりかもしれない。

「亜希、もしかしたら佐原観萌は『G』の娘じゃないかもいれませんよ、むしろ春雨さんでしたっけ?むしろ彼女の方が『G』の娘じゃないのかと思うけど」
『あつこ』が唐突に指摘してきた。
確かに言われてみれば彼女のいう通り観萌はあまりにもスペックが高すぎるとは思う。
そしてもうひとり、謎の人物として『さとみ』が存在する。

いかん、いかん、話が脱線し過ぎた。
どこまで行ったっけ?
「今、私たちの目の前にいて腹を大きくして苦しんでいる3人の妊婦もどき『G』と『B』、そして私のそっくりさん、いや、私自身なんだろうけど恐らくは他の並行世界から来たと思われる3人はなぜ今、私たちの目の前にいるかどうか?だろう。

「ごめんなさい、私はずっと今までウソをついていました、私、佐原観萌は佐原観萌ですが『さとみ』でもあります」
え?ここで今カミングアウトする?
私を含めて全員がそう思った事だろう。
「まず目の前にいる3人のお腹の大きな方達は他の並行世界からやってきた『B』と『G』、そしてあなた自身、並行世界の亜希です」
「えーと、さすがにそれは話が飛躍しすぎ」
私がいうと観萌改め、さとみは構わずに続けた。
「あなたの時間線、並行世界ではほとんど、事はうまく運びました、いろいろな偶然が良い方向に働き、由紀と有希はあなたの中に取り込まれそれによりこの寄生体の存在が明らかになりました」
そう言われたらそんな気がする。
「あなたが無責任にも彼女達をふたりの人間に分けて異世界の姉弟と意識を重ね合わせて人体改造してふたり共に男と女の生殖機能を持たせて姉妹同士でバッコンバッコンと子作りに励めるようにしてしまったのは誰でしたっけねぇ?」
いや私そんな記憶ないし、それとこの3人と何の関係が?と思ってから私はハッとした。
あれは全てが私たちに都合がいいようにことが運び過ぎた。
山崎秋子は愛人さんたち3人によって暴走してモンスター化はしたが常に私たちの味方となってその結果、偽さとみを始末してくれたり悪魔、いや人類よりも前から存在する12体のモンスターの始末(殺戮)にも成功して異世界からやって来たミミズメカのプロトタイプを始末(破壊)する事で南海トラフ大震災も数多くの原子力発電所事故、そして国民のほとんどの生命を保護するために彼らをお腹に抱え込んだ3人もそれらがなかったことになり3人とも元の容姿に戻れた。
「しかしその他の時間線、並行世界ではそんな幸運がひとつでも欠けた場合は悲惨な結末しか待っていなかった、そして今目の前にいる彼女達は1番最悪な結末を迎えた世界の彼女たち」
観萌、いや正しくはさとみは自分の目前に巨大な半透明のスクリーンを出現させると幾つかの文字列を数行表示させた。

『1、ミミズメカの一部反乱も起きず日本は周囲の大国の基地や都市を含む主要施設を破壊し続けた。その中には麦軍の在日基地なども含まれていた、その結果、全世界大戦戦勝国は日本に対して敵対国条約を発動してほぼ全部の核兵器保有国から核弾頭を備えた弾道ミサイルが日本に向けて発射された』
『2、そのため日本にある54基の原子力発電所の原子炉及び燃料備蓄施設が全て破壊され日本を2度と生命が住めない国に変えてしまった』
『3、日本の人口のほとんどを自分達の胎に収めた亜希と『B』『G』だったが能力のほとんどを彼らの保護に使い果たした彼女達に自分らを即死レベル放射線量から身を守る能力がほとんど残っていなかった』
『4、保護した国民の中には今だに周辺国を敵対視するものが多く、同胞である同じ胎にいる国民に対してさえ敵意や殺意をむき出しにするものが多くそれが毒となり3人の免疫力と体力を著しく奪ってしまっている』
『5、モンスター秋子は暴走するだけで味方になるどころか攻撃を仕掛けて来た』

「つまりこのままいけば彼女達3人の命は勿論のこと、日本国民が全滅するであろうことは確かなんです」
さとみはそう説明したが『かなえ』はさらに付け加えた。
「この国の歴史に100のルートがあるとすればほぼ95%に当たる95のルートが絶滅であり、あなたが勝ち取ったたったひとつのルート以外はいくつかの国に分割支配されたり、人口の90%を失ったり、ろくな未来がないです」
「まあこの国の国民が選挙でろくでもない連中を選んだ結果だから仕方がないよね」
『あつこ』は皮肉たっぷりに言ったが笑える話ではないのは当然だ。

「それで他国にケンカをふっかけた連中はどうなった?どうせ他国の軍事産業の保護のもとでのうのうと生きているんだろうけどな」
月海が苦々しく言ったが『かなえ』は首を横に振って言った。
「彼らが逃げ込んだ先は銃社会であり、決して黄色人種に優しい国じゃないわ、それどころか今回の件で日本人に対して敵意を剥き出しにしている麦国やその他元同盟国の人たちも数えきれないほどいるはず、何も関わりも持たない普通の日本人には気の毒だけど殺害や暴行の対象でしょうね」
しばらく沈黙が続いた後に月輪が口を開いた。
「でもどうせ奴らは国民から搾り取った金を大量にばら撒いて護衛を雇って守ってもらえるんでしょ?それに下手をすれば同じ周辺国の黄色人種も狙われることになるんじゃないのですか?」
それに対して『あつこ』は思わず失笑してしまったようだ。
東洋人はみんな区別がつきにくいというのは都市伝説だよ、喋り方、体の動きやクセなどで簡単に見抜けてしまう、しかもそれまで支配階級にいた彼らは独特な雰囲気を醸し出しているからね、どこにも逃げ場はないよ金を受け取るだけ受け取ったら後は放置だね」
「まあそれが今の自称愛国者の成れの果てだけど今の問題はそこじゃない」
口をはさんださとみにハルはつぶやいた。
「それよりもこの3人の手当の方が優先というわけですね」
「うん、火山帯のマグマ溜まり同士の結合と脈動は気になるけど今はこの3人を死の淵から引き戻すことが先決ね、念のために聞いておくけど富士市を出るまではまだちゃんと動けて喋れていたんだったよね?」
いたんだよね?ってあんた観萌としてその場にいたんじゃないのかよ?と私はツッコミたかったがどうやら観萌とさとみは別人格と見るべきかもしれない。
「そして日本の火山帯のマグマ溜まりの脈動化と各火山のマグマ溜まりの結束化は残った最悪のケースのひとつかもしれないですね」
「あ、香織さん、そろそろ私と運転代わりましょうか?私ならノーライトでも運転できますから」そう言ったさとみはいつの間にかいつもの観萌に口調が戻っていた。

「う、さすがにキツなってきたけどそれよりも3人の妊婦さんの手当の方が優先じゃなくないですか?」
花奈が口を挟んだ。
「それが私にもどうにもならないの」と観萌はいい、そして続けた。
「これが銃弾に撃たれた傷とか感染症ならいざ知らず根本的な問題は彼女達の胎の中に抱え込んだひとり当たり3,000万人を超える人達にあるの」
珍しく観萌が苦悩する表情を隠そうともしない。解決できる方法に未だに辿り着けていないのか?
「彼女たちの胎の中のひとりひとりがとっくの昔に数時間の致死量の放射線を浴びてしまっている、それにその元凶となる放射性物質を彼女ら3人は肺などの内臓に大量に取り込んでしまっている、3人が彼ら汚染源(要するに3,000万人越えの命)を胎の中から放出したとしても彼らは数時間で絶命をしてしまう、それをやったとしても3人が被爆した放射線量がチャラになるわけじゃない、それを防ぐにはどうしたらよいか?」
月海は観萌のセリフを聞きながら考えていた。
「彼らの体内からそれをすべて取り除いて自分の胎の外、身体中の血管の中に循環させるしか方法はない、しかも外に漏らさないように、そんなことは可能なのか?」
月海の言葉に観萌は首を縦に振った。しかしその顔色はますます曇ってゆく。
「可能ではあるのですが血管を通して体内を循環している放射性物質が彼女達の内臓や脳髄、筋肉や骨を被曝させ続けることになります、余命は想定不可能ですが長くは生きられないかと」
「でもそれって数ある分岐のうちの3人でしょ?大して問題にはならないのでは」
月輪が言ったが観萌は首を横に振った。
「私たちは様々な並行世界を渡り歩いて今現在に至っています、もしも彼女達がほぼ始祖に近い存在だった場合、私達も存在しなかったことになってしまう可能性だってあるわけですよ」
「まあ深く考えても仕方がないね、今はこのマグマ溜まり同士の繋がりと脈動をどうするは考えよう」
亜希が言っても他の全員はうつむいたままだった。
あの小田井署附属病院襲撃事件の時、あの老人が言っていたセリフが気になって仕方がないからだ。
その記憶は私の孫の代までも引き継がれていたようだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『待って!あなた達は何者なの?』
私の声にならない声が老人を呼び止めた。
『それはワシらに対する問いかけかな?それとも自分自身に対する問いかけかな?』
老人は振り返ることなく言った。
もちろん亜希だって自分が何者か知らない。
でも確かにここにいる。
『本当にここにいると言えるのかな?ワシはこの世界の時空を何十回と見続けてきたがお前はこの一年くらい前は存在しない、いわば幻のようなものではないのかな』
そう言われると自分の左腕が透き通ってくるかのように見えた、半年も経つというのに亜希は自分の過去を取り戻せていない。

ーあたしは車の中で風間しのさんが銃殺される映像 をみたときに思わず『生きて欲しい』と強く念じてしまった、するとそれが彼女自身の願いに、時と場所を超えてシンクロしてあなたを過去の現実世界に生み出してしまったー
愛の思念だろうか?それが亜希の心を激しく動かした。

老人は振り返るとニヤリと笑った。
『なるほど、ならば我々にとっては脅威ではないですな、やはりあなたは幻想のようなもの、いずれは消えて無くなるでしょう』
不安が亜希をさらに掻き立てる、左腕どころか両足、胴体まで透けて見えるようになってきた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「結局はすべて幻だ、そんな結論に達する気がしてきましたね」
月輪も心なしか衰弱した中年女性のように見えてきた。

「あたし、ある晩にとても恐ろしい夢を見たんです、全員が何者かに操られて殺し合いをしている夢を・・・」

一同が発言の主、夏乃花奈を見ていた。
彼女は予知夢の能力も持っている。
そしてそれに対してなんの対策も施さなければほぼ100%の確率で的中してしまうことも事実だった。
「策はあるの?」
銀は聞いた。
巨乳だが同時に下半身には女性のそれと一緒にAV男優も真っ青になるくらい立派なモノを持っているのが特徴だ。
「あたしはこの夢は数えきれないほどの数をそれぞれ別のパターンで見てきました」
悲しげな表情で言った花奈の顔は溢れ出している涙で濡れていた。
「その全てが全員死亡という救いのない結末です」

彼女の話を聞いているうちにわかってきたことだけど誰が暴走したとしてもこの地球は愚か銀河系さえも破滅するらしい。

「取り敢えずは3人の生命力に希望を望むしかないですね」
沈痛な表情で観萌が言った時にただひとり3人を見つめて信じられない事を言ったものがいた。

「この方達はどこの時間線、並行世界からやってきたんでしょうかね?もしもその世界での問題点を解決できたら・・・」、亜希の後ろから声を掛けてきたのはハルだった。
「でもどうやってその時間線、並行世界を割り出すの?手がかりを聞き出そうにも本人達はこんな状態だよ?」
半泣き状態で花奈が言った。
確かに目の前で苦しみ、のたうち回っている3人はとてもじゃないが喋れるような状態じゃない。
「でも少なくともこのバスに乗り込んで来た時はまだ元気そうだったんでしょ?」
ハルが確認するように訊いた。
「確かに、みんなから見てどうだった?」
亜希は特にかなえとあつこを見て言った。
「いや、特に、変わったような・・・」
そう言いかけたかなえにあつこはハッとしたような表情をうかべた。
「黄色い車に追い回されてから、ぐったりし始めた気がして」
「それはあまり関係がない気がします」
ハルがそれを否定した。
何故?、とみんな。
しかしハルはそれに対して全く答えようとしなかった。

このシビリアンに乗り込んでからの亜希もかなり体調が悪いのかもしれない
あまり気分の良くない睡魔に亜希は引き込まれつつあった。

「わかった、全ての謎とは言えないけど、私たちの始祖が一体誰だったのか?」

突然に誰かの夢の中に割り込んでいるような気がした。
「あ、ごめん、私よ、私、葉類亜希、わかるでしょ?」

椎奈4 より引用します。

それから間も無く全員が深い眠りに堕ち、アンドロイドの椎奈でさえ夢を見ていた。

ー初めまして、じゃないよね?私は風間志乃ー
夢の中の少女は椎奈に語りかけてきた。
しかし彼女の姿は見えない、声だけだ。
ーこうすればわかりますか?ー
彼女はそう言うとひとりの幼女が姿を現した。
さっきまで椎奈が胸に抱いていた志乃ちゃんだ。
椎奈と観萌、愛、そして冴子さんと志乃ちゃんはオンボロアパートの1室でひとつの箱を取り囲んでいた。
それは一見、パソコンにも見えるグリーンがかったメタリックブラックの箱だ。
「これはなんですか?」と椎奈が訊くと志乃ちゃんの代わりに冴子さんが答えた。
「これは昔、いえ、正しくは志乃ちゃんが今の姿の見た目通りの年齢の頃、彼女の家に忘れ去られていたかのように放置されていたホビーパソコン、バツ、と言っても今のハイエンドPCが買えるくらい高価な代物でしたが、それをモチーフに彼女が再構築した電子論理演算機器です」
冴子さんはそう言ったが椎奈

にはそれがどう見てもいわゆるPC、パソコンと呼ばれる部類のものには見えなかった。
ー他の周辺機器と接続するインタフェースはどこにあるの?ー
観萌が訊いた。
ー 一応USB2.0が2つ端っこに装着してありますー
中身はがらんどうに近い状態にしか見えない回路を差し込むソケットもたったのふたつ、いわゆる「PCI Express ×
16」スロットを2基備えて備えているだけにしか見えない、それは彼女の家にあったホビーPCとは全く逆の設計思想による代物にしか見えなかった。
彼女の家に放置されていたそれは今のPCとは比較にならない程部品数の多い基盤をいくつか繋いでいた。
椎奈 が検索した資料のどれを漁ってもそんな結論にしか達しなかった。
それは機能を欲張り過ぎたせいもある、しかし当時のLSIの技術では大した機能をひとつのLSIに凝縮することが出来なかった、それが回路をより大量部品化、そして複雑化させた要因でもあった。
それが最後まで足を引っ張りひとつの部品に高度な機能を詰め込める事を可能にした海外主体の互換性重視規格であるPC規格に対抗出来なかった要因でもあった。
そしてそれは麦国のリンゴ系PCにも同じことが言えた。なるべくPC規格の部品を多用してコスト面で対抗しようとしたが独自のCPUに拘ったばかりにソフトウエア面で不利を被り、結局は主流だったPCと同じCPUを選択せざるを得なくなってしまった。
それが今まで使えていたアプリケーションに影響を与えてますますリンゴ系のPCは不利な状態に立たされた。
そして今もまた目の前の利益に目が眩んだのか自社のタブレットやスマホと同じ系列のCPU+GPUに乗り換え始めた。
ーそれは過去の失敗を省みない自傷行為にしか見えないのよねー
そう言った志乃ちゃんはどう見ても3歳の幼女には見えない。
ーまあ部品点数の大幅な削減には貢献するだろうしタブレットやスマホからのアプリ移植は容易にはなるでしょうけど、今まで同社のノート型パソコンを使用していたユーザーは付いて来てくれるかしらね?そしてあの天才が生きていたらそれを認めていたかしらー

しばらく沈黙が続いたのちに志乃ちゃんは続けた。

ーこれにはVLSIを3個と通信用LSIを3個しか搭載しいていないの、ふたつのVLSIは画像処理兼汎用数値演算用、あとひとつはメモリやストレージを含めたCPU周りそれぞれが数百GByteクラスのメモリを持っているー
「まさかメモリの拡張とかは出来ないんじゃ?」
愛が尋ねると志乃ちゃんは即答で『不可能よ』と答えた。
ー設計思想はPCよりもゲーム機に近いかしら、欲張り過ぎたバツの真逆をいく設計かもー
そう言った志乃ちゃんは少々自信がなさげに見えた。
ーひとつのLSIはWi-Fiや青葉、そしてG5、G6などのキャリア通信用、もうひとつは2基ある「PCI Express × 16」スロットとの共有メモリを含めた通信用、そして最後はUSBと画像、音声どの入出力用ー
ーこれを志乃ちゃんはひとりで考えたの?ー
観萌が問いかけた、がすかさず彼女は首を横に振った。
ーこれは彼女、冴子お姉さんとの共同制作よ、当時の地球にはこんなものを作る技術はなかった、彼女、異星から来た者の力を借りて造るにしてもひとつ条件を満たす必要があったー
「それがWi-FiやG5、G6などの通信技術や『PCI Express × 16』スロットなどの当時にはなかった規格との互換性ですね?」
椎奈の確認に志乃ちゃんは首を縦に振った。
この時点でタイムトラベラーの関与を必要としたはず。
ーこれは一体どのような目的で作られた代物ですか?ー
ーもちろん至高のゲーム機よー
志乃ちゃんは言い切ったがそんなはずはなかった。たかがゲーム機であれば観萌や愛、そして亜希たちにこっそりと預けるはずがなかった。
ーこれはゲーム用なんかじゃない、ある目的の為のシミュレーションに特化した量子演算装置とも言える、私はこれが将来的に必要になると感じてたまたま近所に住んでいた亜希ちゃん、観萌ちゃんと花奈ちゃん、そして椎ちゃんたち9人に預けたー
ーちょっと待って、それでは時系列に矛盾が生じてしまうわ、亜希がこの世界に出現したのは大人、高校を卒業して大学に入学をしてあの侵略者である男に射殺された時からのはずー
それを聞きながら椎奈はあらゆるネット上の情報を検索していた強固な鍵がかかったサーバーもあるにはあったが容易く解錠して必要な情報のみを取り出すと再び元通りに施錠した。
確かに大人になる前の志乃ちゃんが生存している間には葉類亜希、彼女に相当する少女も女児も存在しなかった。
ーそれから冴子さん、あなたは何度も何度も殺害されています、私が今の見た目と同じ歳くらいの頃、小学生半ばごろ、中学に入りたての頃、そして私が高校を卒業する直前に部活を引退して地学に再び興味を持ち始めた時最後は私が射殺された直前と直後としばらく月日が過ぎてから、全てがあの男たち3人組、あなたと同じ星系のそれぞれ別の人種によって破壊的なまでの性的暴行を受けた挙句、物理的に破壊されて死にました。ー
ーマヂかよー 愛が呟いた。
ー彼らは冴子さん、あなたを拷問する目的で何度も殺戮的なレイプしました。その目的はこれのこの箱のありかを探し出すためでした。あなた達、特に観萌や椎、花奈や月輪達も性的暴行事件に巻き込まれたのもそのせいです。意図したわけじゃないけど本当にごめんなさい。ー
重たい空気が車内を包んでいた。
「あ、外で休憩していいかしら」
椎奈はその重さに耐えきれずにそう口にしてしまった。
ーまあ私って結構美人だしそういう逝かれた男に狙われることなんてザラだしさ、それに関しちゃ椎も花奈もやたらとロリコン野郎を刺激する魅力あるし、それはあなたのせいじゃないと思いますよ?ー
サラッと観萌は志乃ちゃん、彼女の謝罪をあっさりと容認すると別の事を訊いてきた。
ーその箱の本当の用途の方が気になるかしら?それと冴子さんに訊きたいのは志乃ちゃんの生い立ちなんだけどもちろん彼女はこの時代の人間じゃないですよね?しかも葉類智恵警部と風間達也刑事の間に出来た娘でもないー
その途端に冴子さんの顔がみるみる青ざめてゆくのがわかった。
ー彼女は地球人を模倣して造られた人造生命体、この星で言うところの染色体加工人間でしょうか?ー
ーはい、知っていましたー
志乃さんはあっさりとそれを認めて容認した。
ーでも私の身体は地球人のそれとほぼ互換性を持って作られていた、生理と呼ばれるものがあったり、妊娠可能な機能があったり、未来の私は自分でもすっかり忘れているんじゃないかと思うんだけど中学の時に3回ほど性的な暴行を受けて全て妊娠していて短期間の間に3人の子供を産んでいるみたいー
それを訊いた途端、観萌の顔が青ざめた。
ーひとりがかなえ、ふたりめがあつこ、そしてさんにんめが私、観萌、ですね。ー
ー彼女は肉体的には男性のプロ野球選手以上の運動能力と並外れた頭脳を持っていましたがほぼ完璧なホモサピエンスでした。ただ一点、彼女が一度の跳躍で数千年過去と未来、そして数万光年の距離を瞬時に跳べる事を除けばですが、私はそれを奴らに気づかれてはいけなかった、でもある時思わず口にしてしまっていた、アイツらに襲われて固いものに貫かれて絶頂に達した時に。ー
冴子さんが懺悔の口調で語った。
「その直後、彼女は3人の男達の暴行を代わる代わる受けたと言うことですね」
私の頭の中でピースがひとつひとつ組み上げられてゆくのがわかった。
ー私自身が時間跳躍をして確認したことです、1度目は中学1年生の時に公園の女子トイレの中で筋肉質の男に強引に何回も乱暴に中に出されて胎を破裂させられました、それでも私は身籠もりその子に守られたかのように異空間でその子を産み3才になるまで育てました。ー
ーでも私はその子から逃げるようにして元の中学1年生の頃まで戻り何事もなく学生生活を続けていました、しかし今度は学校の帰り道サラリーマン風の男に後ろから羽交締めにされてクロロホルムを染み込ませたハンカチで鼻と口を塞がれて人通りの多い歩道の上で私は白昼堂々と好奇の目に晒されながら人前で数時間レイプされていました。この時も何度も何度も胎を破裂させられて何度も何度も死んでいたはずです、しかしたった1個の受精卵が私を生き返らせました。ー
ーその時も当然のように妊娠して異空間で子供を産み3才くらいまで育ててまたしても逃げるようにして中学1年生の時の私に戻り普通に暮らしていたのですが今度は家族のものが大型商業施設の中で買い物をしている間にオールバックの男に留守中の自宅に侵入されて力づくで襲われて家族のものが帰ってくる直前まで数時間に渡って犯されて何度も何度も胎を破裂させられて、それでもたった1個の受精卵に命を助けられて3人目の子供を。ー
志乃ちゃんは懺悔するように観萌に語った、もしも彼女の知能が人並みの知能しかなかったら、時間跳躍の能力がなければこんなにも辛い思いをすることもなかったかもしれない。
しかも3才児の身体では未来での一般中学生の彼女がどんなに乱暴を働かされても怯えるだけで何も出来なかっただろう。
椎奈は夢の中の幼い志乃ちゃんをそっと抱きしめることしかできなかった。

ーわかった、全ての謎とは言えないけど、私たちの始祖が一体誰だったのか?ー

突然に夢の外から意識が割り込んできた。
と言うか名乗りもしないで突然に割り込んでくるなんて失礼なやつだな。椎奈は憤慨していた。

ーあ、ごめん、私よ、私、葉類亜希、わかるでしょ?ー

いきなりそんなこと言われてもわかる筈がない。
「あの、私椎奈というアンドロイドですがあなたは一体何者ですか?」
ーあ、愛のマネージャーの椎奈ね、でそこに愛はあるんかいー
突然に意味不明な事を言い出した。

ーはあ?あんた誰よお?葉類亜希?そんなやつ知らんわー

いきなり亜希なる人物は半年以上過去の倶名尚愛によって存在を全否定されてしまった。

ー9月に起きた小田井署附属病院襲撃事件を覚えている?

ー9月に起きた小田井署附属病院襲撃事件?そんなもん知らないよ、あたしはまだクソ暑い8月にいたはずなのに気がついたら翌年のまだ肌寒い4月って聞かされてこっちがびっくりだよー

ーいったいそこには誰と誰がいるのよー

この時代の亜希が問いかけて来た。

「まず私アンドロイドの椎奈です、よろしく今年いっぱいというか12月まではみならいで他の議員さんのマネージャーをやらせてもらうことになってます。私を開発した冴子さんとその娘さんの志乃ちゃん、そして今隣の運転席に移ったのが佐原観萌さん」
そう言った途端に外の亜希から驚きの反応があった。
ー何でそこにも観萌がいるのよ!こっちにもひとりいるんだけど?ー
そんなに強く反応されると頭の論理演算回路に響くのですが、と言いたいのをこらえて説明をすることにした。
「彼女も去年の8月から飛ばされて来たみたいであなたの事は知らないと思いますよ?」
椎奈がそういうと観萌はハッと気がついたように言った。
ーあ、もしかして私と月海がクソ教師を殴り飛ばして退学になりかけた時に校長との仲裁に入ってくれて2人の仲も認めてくれた小田井署のクソガキ婦警さんですね?ー
あまりにも率直すぎる意見に私は愕然としたが相手はもっとブチギレていた。
ーあの時の核爆弾でも殺せそうもないカラフルな超ロン毛ロンまつ毛とロン眉毛、トドメが凶器のような鋭く尖った爪を持った不良少女だったわね、今思い返せば、ー
ーいらないお世話です、ところで今の私もそこにいるんですか?ー
なんかあまり関係ない事で話が弾み出した。
ー今のアンタなら寄生体を裸にして干瓢で縛り上げて大事なところに赤しょうがの汁を垂らしてヒイヒイ言わせてサディスティックに微笑んでいるわよー
ー私はそんな趣味の悪い事はしません、それに寄生体って一体なんですか?寄生虫の大きいヤツですか?ー
ーあ、半年以上前のアンタが知るわけないか、ところでアンタのセフレ、じゃない相棒はどうしたのよ?確か月見うどんとかいう名前の気が短いヤツー
ー水無月海です、わざと間違がえないでください!それが一緒にウインドウショッピングしていた筈なのにこの時代に飛ばされたのは私ひとりだけ、どうしてこうなったのかわからないですー
観萌は考え込んでいるように見えた。

ーまず大事なことだけ伝えておくね、志乃ちゃん、あなたを襲った3人組はまだこの世界では生きている、そして今もあなたをつけねらっているー

ー観萌、愛、彼女を守れるのはあなた達だけよ、あいつらは自分達のホームグラウンドにあなた達を招待しようとしているー

突然に周りの景気が一変した、月面のような荒地に私たちの乗ったハイエースは停まっていた。

ー急いで、奴らは・・・・

そこで椎奈達は夢から覚めた、目の前のフロントウインドウを革ジャンとジーンズを身にまとった筋肉質の男が右ストレートパンチで粉砕した、普通の防弾ガラスじゃない、対戦車砲にさえ耐えられるガラスだ。もちろん観萌はガラス片で血塗れ、というか無数の肉片となっていた。志乃ちゃんも椎奈が咄嗟に抱きかけたまま背中を向けていなければ全身に秒速3000メートルで飛んでくる無数のガラス片で全身を貫かれていただろう背中に激痛が走るが反撃しようがなかった。同時に両サイドのスライドドアがこじ開けられたかと思うと冴子さんはオールバックの男に足下から引きずり出されて、愛もサラリーマン風の男に右足を高々と持ち上げられて犯され始めていた、みるみる彼女達の下腹部が風船のように膨れ上がり大量の白濁液の混じった血と内臓を撒き散らしながら破裂した。
と同時に彼女達の身体は犯されている体位のまま元の状態に戻り再び膨れ上がり始め、また限界を越えると大量の白濁液の混じった血と内臓を撒き散らしながら破裂した。
そして再び、そんな事を繰り返されたらどんなに精神が強い人間でも狂ってしまうだろう。
観萌も完全に再生する前に何度も筋肉質の男に犯されて下腹部を破裂させられると同時に両腕で抱きしめられて肋骨ごと心臓と肺を破裂させられていた。もう反撃の余地さえ与えられていない絶望が襲って来る。
「ごめん、結局私は誰も守れなかった」
私は気を失っている志乃ちゃんをそっと助手席に置くと左腕で筋肉質の男を運転席のドアごと殴り飛ばした。
オールバックの男の尻の穴に右手をねじ込むと全指先からロケット弾を発射させて体内で爆発させた。
さらに左腕でサラリーマン風の男顔面に渾身の一撃を与えた。
たと考えたのが甘かった筋肉質の男はいつの間にか戻って来て何度も観萌の腹を膨らませて身体ごと破裂させている。
オールバックの男もなにごともなかったように冴子さんを再び犯し始めていた。
それどころか今度は目の前のサラリーマンに自分の胸に手をねじ込まれて動力源を握り潰されていた。椎奈は全ての論理演算回路に送られる電源と人工筋肉のエネルギー源を失い意識を失ってしまった。

「去ったかな?」
愛の声が聞こえた。
「もう大丈夫みたいよ」
観萌の声。
「相変わらず趣味の悪いゲス野郎達」
「冴子さんの声?何でみんな無事なの?私ひとりだけ空回りして戦っていた?」
「いや、むしろ椎奈がマジモンで戦ってくれたおかげであたしがあいつらに暗示をかけていたのがバレずに済んで助かったよ」
愛は言うがどういう事だろうか?
「ムキムキがフロントウインドウを粉砕するまでが現実であとは愛がここにいる全員にかけた幻想、そういう事でしょう?」
観萌の質問に愛はうなづいた。
「しかし冴子さんも今まで何度もこんな事をリアルでやられてよく平気だったね」
愛の問いに冴子さんは『平気なわけがないでしょ』と答えた。
「志乃がいなかったら私は今ここにはいない」
彼女はそう続けた。
「あいつらの戦力の分析はできた?」
愛が観萌に問いかけた。
「絶望的になる戦力差よ」
観萌はため息まじりに呟いた。
まず彼女は左手の人差し指を立てて言った。
「あの弱そうに見えるサラリーマンでさえ椎奈の人工筋肉の10倍の力がある、ムキムキマンに関してはその3倍以上、いえさらに10倍はあると見るべきはあると見るべき」
そして中指を立てて続けて言う。
「ピストン運動の速度もだけど一回の射精における圧力と精液の量がハンパじゃない、2トン以上の圧力で一回に10リットル以上最大恐らくは30リットルは放出できる」
そしてくすり指を立てて言う。
「肉体の再生能力が私の3倍以上の速さで行われている」
そして小指さえ立てて言った。
「時間操作能力、彼らは時間を好きな時点まで巻き戻せる能力がある、私たちの身体が何度も破裂させられる前に引き戻されるのはそのため」
そして5本目の指、親指を立てた。
「これはあまり考えたくない事実だけど彼らのうちの1人、あるいは最悪全員が私達の能力を封印出來る能力を持っている可能性がある」
そう言ってから観萌は続けて言った。
「誰でもいい、自分達の下着と、その辺りの匂いを確認して、私はあの男の出した精液の匂いを感じているわ、つまり愛の能力は完全に封印されていたのよ」
つまりあの殺人的な性的暴行は現実に行なわれていたと言う事だ。

そして最悪な事に私達は志乃ちゃんを拐われてしまっていた。

「ごめん、志乃ちゃん」
椎奈は謝ることしかできなかった。

その瞬間、私たちの目の前で砕けたフロントウインドウがみるみる戻ってゆく。
椎奈が男ごと吹っ飛ばした運転席のドアが元通りにボディに収まった。も左右共に復元されていく。

「ごめん、わたし、今まであいつらにヤられてあつことかなえ、そして観萌、いえさとみを産み落とした事を悔やんで自分自身を呪っていた」

ハイエースの前に立っていたのは3歳児の志乃ちゃんではなく14才くらいの少女、志乃だった。
そして彼女の向かって左には癖毛でショートカットの花色の肌をした美少女、そしてその隣りには肩まで伸ばした少しグラマスな眼鏡っ娘が立っていた。
「いいえ、わたしは志乃ママが私、あつこを産んでくれた事を恨んだ事なんて一度もないよ」
褐色の美少女が言った。
「そうですねあいつらには恨みしかないですが」
少しグラマスでちょっと大柄ななメガネっ娘がまだ幼い志乃を抱き抱えて言った。
彼女の方がかなえのようだ。

「あいつらは取り逃したけどさとみの的確な分析のおかげで無事に幼いさとみを取り返せた」
恐らくはかなえであろうその娘に言われた観萌はキョトンとした顔をしていた。
「私がさとみ?」
「正確に言うと観萌さんは自身の身体の中にさとみのエネルギー体を吸収した、今こっちの方に向かって来ている亜希と同行している春雨、ハルなんですよ」

「でもあいつらの目的は一体何だったのでしょうか?」
椎奈は疑問を投げかけた。
「ごめん、しばらくはあいつに何度もやられた恐怖から立ち直れそうもないわ、いや永久に再起不能かも」
かなり弱気になった愛がボソリと言った。
「私も同じよ、今まで肉体再生が不可能になる程攻撃され続けた事はないから」
観萌も同様に全身にダメージを受けていた。
「冴子さん、あなたは大丈夫ですか?」
椎奈は冴子さんにも訊いてみた。
「私はもう何度奴らに同じことをくりかえされたかおぼえていないくらいですからね」
彼女もまた全身から力が抜けているように感じていた。

しかしその安らぎもほんの一時に過ぎなかった。

次の瞬間、かなえもあつこも突き飛ばされて地面に押さえつけられていた。

「俺たちが逃げたって、バッカじゃねえのか?」
ムキムキマンの男が言った。
「全員揃うまで待っていたのさ」
リーゼントの男が馬乗りになってかなえの髪の毛を引っ張り上げて言った。
「みんなまとめて始末するためにな、それまでは十分に楽しませてもらうさ」
サラリーマン風の男があつこの腰を持ち上げながら言った。椎奈がその男の頭部を左手拳で殴ると首から上が引きちぎれて大地の上を転がっていった。
案の定その頭部はすぐに戻ってきて胴体とくっついた。恐るべき再生能力だ。
「ふん、貴様如きロボットが俺たちに勝てると思うなよ!」
奴が言った一言が私の副論理演算回路に怒りの炎をつけた。
「私はロボットなんかじゃない」
そう言ってもう一度奴の頭部を殴り飛ばして引きちぎる、と同時にジャンプしてその頭部を踏み潰すと同時に急接近して来た本体のパンチを避けながら奴の胸に右腕を突っ込み中の心臓を握りつぶした。真っ赤な血が首から大量に吹き出すのを見ながらも椎奈はそのままの状態で腕を急激に加熱させて約1,000,000度の熱で奴の体全体を焼き尽くした。
「私はアンドロイド、椎奈、今からたっぷりとあなた達にロボットとの違いを教えて差し上げます」
椎奈はそう言うとリーゼントの男のけつ穴に自分の左手拳を奥まで捩じ込むとその指先から濃硫酸を流し込んだ。
「ふん、似たような手口が通用すると思うなよ、俺たちの再生能力を知らないわけじゃあるまい」
奴はそう言ったが私はその言葉を無視して言った。
「私はこの少女達にあなたがどんな酷いことをしたか知っています、私の心は今にも張り裂けそうです、しかし少なくとも今のあなた達にそんな人間らしい感情は1ミリも感じられません、さようなら」
そう言って椎奈はさっきと同様に加熱させると奴の体は木っ端微塵に吹っ飛んだ、だが椎奈の拳には奴の心臓が残っている、さっきと同様に1,000,000度の熱を加えながら握りつぶした。
「私の体は機械だけど私のここには人の心がある、それは何故か?あなた方に理解できますか?」
椎奈は言いながらムキムキマンに歩み寄っていた。
「貴様如き機械仕掛けが我ら優等生物に勝てると思うな!」
奴はそう叫びながら私の胸に腕を捻じ込んできた。
「ふん、こうして貴様の動力源を握り潰して仕舞えば貴様も終わりだ、ここにいる連中が全員、俺様に惨殺される場面を見られなくて残念だったな」
ムキムキマンの言う通り私の動力源は潰されかけていた、しかしそれよりも奴の腕の方が切断される方が早かった。
左手の親指から放たれたレーザー光線が奴の腕を切断していた。そして椎奈は奴の胸に腕をねじ込むと心臓を握りつぶしながら左手の拳で奴の頭部を殴ると首から上が引きちぎられるようにして飛んでいった。
「残念だったわね、もうあなたが戻る胴体はない、1,000,000度の熱で炊き尽くしたから」そう言って私はジャンプして奴の頭を踏み潰すと胴体と同様に焼き尽くした。

「もう私に近寄らないで」
闘いを終えた私は100メートルほど飛び退いて彼女達に向かって叫んでいた。
やはりどう言い繕うが私が大量殺戮マシーンである事に違いがなかった。
「どうしてそんな事をいうの?」
幼い志乃ちゃんが椎奈を見つめて言う。
「今の私に近づけばあなた達は瞬時に燃え尽きて死んでしまう、そんな事になるくらいなら私は孤独を選ぶ」
そう言ったにもかかわらず志乃ちゃんは瞬間移動をして来て私に抱きついて来た。
「やめて、私はあなたを焼き殺したくない!」
そう叫んだ椎奈に唇に彼女は人差し指を立てて当てた。
「ほら、何ともないでしょ椎奈さんは自分自身の身体を自分自身の意思でクールダウンさせたのよ?あなたがアンドロイドだからこそ出来る事でしょ?」
彼女はそう言うとさらに強く私に抱きついて来た。
「やっぱり変ねえ」と冴子さんが言う。
「どこが?どう言う理由で?」
ぐったりした表情で観萌が言った。
「やっぱりあんな機能は私、あの娘に与えた覚えはない、それが志乃に関わっているうちにどんどん機能が増して強くなっていく、どういうことかしら?」
冴子さんは首を傾げていうがもちろん椎奈にもそんな理由はわからない。
だけど今日彼女達は奴らに酷い暴力を何度も受けて絶望を味わっていた。
そんな彼女達を見て志乃ちゃんはすごく悲しい表情をしていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

椎奈5 貝合わせからの引用です

あつこさんとかなえさんは「先に行く」とだけ言って去って行ってしまった。
椎奈と志乃ちゃん以外の3人は昨夜の3人組異星人による奇襲、性的暴行のダメージが大き過ぎてほとんど意識がない状態だった。
だからというわけで今、ハイエースのハンドルを握っているのはこのアンドロイドである椎奈である。
「ほら、見てください、若狭の海が綺麗ですよ」
声をかけても全く反応がない。
それは無理もないことだろう、人間とは思えない力で永遠とも思える時間にわたりレイプされ続けて胎を何度も何度も
何度も破裂させられる拷問のような体験をさせられ、もう身も心もズタズタな状態に違いがない。
後ろの席でぐったりしている志乃ちゃんの状態も気になるところだ。
椎奈ははともかく4人ともどこかで休息をして何かを口にしないと精神的にも体力的にもかなり衰弱していて良くない状態と言える。
特に助手席の観萌とセカンドシート右側の愛は時折発作のように息を荒げて身をよじらせながら虚な目をして口から大量の唾液と下半身からおりものを噴射して服や下着を濡らしている。
志乃ちゃんも未来にトリップして自分自身があいつらにレイプされている場面を回想してしまっているのか呼吸が弱々しくて顔色が悪い。
こんな時に椎奈が彼女達にしてやれることは一体何があるのか?
椎奈は一旦、若狭国定公園のダイヤモンドビーチに車を停めてすぐに異常に気が付いた。
周辺の放射線量が尋常でない量だった。
椎奈はてっきり3人の体調不良の原因、それは彼女達が何回も乱暴に中出しされて精神的なダメージによるものだとばかり思っていたが精液による子宮の破裂は何度もリセットされているとばかり思っていた、だが精液に含まれていた大量の放射性物質は車内に残り確実に何度も何度も彼女達の肉体を蝕んでいたようだ。
ひょっとしたらあの男達がモンスター化したのもこの一体に拡散されている放射性物質が原因だったのかもしれない。
椎奈はためらわずにこの場を離れる決心をした。自分自身の論理演算回路もその強い放射線の影響を受ける前にこの場を離れる必要があった。
どこでもいい。とにかく椎奈は車を走らせようとエンジンをスタートさせようとした時にハイエースの荷物置き場から強いエネルギーを感じた。
確か観萌がボロアパートから持ち出したボストンバッグからそのエネルギーは発生していた。
椎奈の論理演算回路内に一つのイメージ映像が浮かび上がって来た。

「SystemVer.12.45緊急事態発生と判断して起動します。」
椎奈の視界に仮想コンソールが表示されて直接言語でも語りかけて来た。
「放射線量が過大に増加しているためこの車両に搭載されている放射線変換器のプログラムを起動して量産タイプ23号『椎奈』のシリコンバッテリーに充電します、よろしければパスワードと同時に「yes」の信号を送ってください」
そう送られて来た椎奈はその文面をそのまま口にしていたのかもしれない。
「satan2356ign」、後ろの席で冴子さんが小さな声で呟いているのが聞こえた、椎奈はそれに続いて『yes』と仮想コンソールに打ち込みしばらくの間待った。
ハイエースの後ろに搭載されていた大きな木箱の中の医療機器が突然稼働を始めて大きな金属音を車内中に響かせた。
「なにこれ?何が始まったの?」
いちばん最初に反応したのは観萌だった。
続いて愛が、冴子さんが頭を両手で押さえて苦しそうに意識を取り戻した。
ただ志乃ちゃんだけは何故か安心したような落ち着いた表情を取り戻して眠り始めていた。
「私達どうかしちゃっていましたか?」
観萌が頭を両手で押さえながら起き上がると周囲を見回した。
観萌は突然、助手席のパワーウインドウスイッチを押すと窓を全開にして胃にあるものを全て吐血と共に嘔吐した。
「当分トラウマになりそう」、彼女はそう呟くと再びぐったりしたようにシートにもたれかかった。
もう当分どころの状態じゃなさそうだ。
「ところでここはどこ?」と弱々しい声で愛がきいてきた。
「若狭国定公園」とだけ椎奈。
「あちゃー、あいつらやらかしちゃったかもね」
愛は呟くと絶望的な表情に変わってきた。
「何をですか?」と椎奈。
「あいつらはここらの原子力発電所の原子炉の一次冷却水の配管を壊して回って来たということよ」
「一体何の目的で?」と椎奈。
「さあね、あんな事をする奴の気持ちはあたしには理解出来ないけどここら一体の原子炉のほとんどがメルトダウンしているのは確かだよ」
そう言いながら愛は顔に両手を当てて表情を見せまいとしていた。
「そういえばここに来るまで1台でもすれ違った車や前後を走る車を見かけましたか?」
冴子さんに言われて椎奈はハッと気が付いた、確かに途中で止まっている車や何かに衝突して止まっている車は見かけた、しかし歩いている人は見なかった。
「防護服を着込んだ人たちが血まみれの人を運んでいる姿を見なかった?」
冴子さんが指摘するまで椎奈はその事実を見落としていた。
「もしかして私達があいつらに襲われた事も、原子炉の一次冷却水の配管が破壊されまくったのも最初から仕組まれたという事ですか?」
私が言うと観萌は首を縦に振った。しかし愛はそれを真っ向否定した。
「度重なる稼働期限の20年単位の延長、原子力発電所には簡単にメンテナンスが可能で部品交換も容易に済む箇所もある、だけど原子炉内の一次冷却水の配管などのように劣化が激しくて放射線の影響で交換はおろかメンテナンスも点検も困難な箇所もある」
愛がそう言っただけで私達の脳内に原子炉内の構造がイメージとして浮かび上がった。
「もちろんそれには莫大な予算が投入されるんだけどそのお金はどこから湧いてくる?」
税金?月々の電気料金?
「それとも足長おじさんが払ってくれるのかしらね?」
愛はそう言ってから原子炉内の燃料棒と制御棒を浸している冷却水を二次冷却水に熱伝導させなきゃいけないんだけどこれを少しでも効率よく伝えるためには二次冷却水を潜らせる配管は極力長く、厚みも薄くしなくちゃいけない、そのためにはU状の箇所が大量に発生するんだけど、これ何を意味するかわかる?ちなみに一次冷却水の配管にかかる圧力は水道管の比じゃないよ」
配管のU字部にはとてつもない圧力がかかるのはわかる。
「しかしそれは想定内なのでは?」と私。
「それを川の流れに例えたら?ほんの大雨の激流でも堤防は削られて最悪決壊するよね?使用期限内なら確かに想定内だよ?」
そう言って愛は原子炉内をくまなくクローズアップさせながらスクロールさせて見せた。
「これはシンプルな方だよ、もっとややこやしいのもあるけど今回は割愛ね」
「でも稼働期限更新や一定期間に原子炉を停止して総合点検はするんでしょ?だったら」
観萌は口を挟んだ。レイプショックから立ち直ったわけではないだろうけど関心がよそに逸れて忘れて去ることとが出来たらそれはそれでいいことかもしれない。
「数十年稼働を続けた原子炉内の放射線量がどうなっているか考えたことある?放射性物質の半減期で減ってゆく放射線量よりも後から追加で発生する放射線量の方が多いんだよ?防護服を着込んでいても長時間の点検作業は十数分さえ難しいよ?」
役割分担を決めてくまなく細管の肉厚点検をすれば良いのではないのか?と思ったが。
「どう手分けしたところで数千本ある細管の点検、U菅部の肉厚ををくまなく行えと言うこと自体が無理ゲーなのよ、しかも毎秒10トンもの圧がかかるんだから正直言っていつ破断してもおかしくはない、エアコンの熱交換器とは比べ物にならないくらいの精度と耐久性を必要とするんだからね、確かに原発に関わった電気メーカーはいずれも熱交換器に関しては実績も技術力もあった、でも彼らは自分たちの技術力をを過大評価していたんよ、自分たちのエアコンの熱交換器レベルの技術ならやってけるとね、それがそもそも思い上がりもいいところだった、特に1次冷却水から2次冷却水への熱交換機はエアコンで使うそれとは2桁や3桁どころじゃ済まない高度な耐久性と精度を必要とするとは思ってもいなかったんだろうね、しかもその技術力とやらも経済団体の過保護の元、衰退の一途をたどっていた」
でもマルっと全部交換したら済む話じゃ
「それが簡単に済むような作業じゃないってあれほど」
愛は言ってからさらに付け加えた。
「燃料棒はもちろん核反応が進む事でどんどん内部に放射性物質は増えていく、さっき言った通り半減期で減るよりも倍以上の速度でね、それによって制御棒や1次冷却水を通す配管もその中を通る1次冷却水だって加速度的に放射線による汚染は進んでいく、一次冷却水を2次冷却水に熱交換させる熱交換部だって同じ、原子炉内よりはゆるやかではあるけど確実に放射線汚染量は増えてやがてに海に垂れ流す2次冷却水でさえ無視出来ない汚染水と言って良いくらいの放射線量になる、もうそんな頃には原子炉内の通常点検はおろか稼働期間延長のための点検も不可能になっているよ、そしていつかは1次冷却水の配管も破断してメルトダウンの原因になる」
「でもそれを防ぐための稼働期間延長メンテナンスなんじゃ?」
と誰かの声。
「こないだも不正点検記録の改ざんが発覚したばかりでしょ?しかも他の原子炉の計測記録を流用してまで誤魔化そうとした!交換はおろか計測もできないとなればまた必ずやるよ!そういう連中なの!」
苛立ちを隠せなくなっていたのか愛は叫んでいた。
「となると今の放射線汚染は一次冷却水配管を破断された可能性もあると」
あくまでもあの男達のテロ行為だと観萌は思い込みたいようだった。
「あいつらのテロ行為はその延長線上よ、あいつらはもっと強い放射線量を求めるように原子炉を襲撃し始めた」
「過去に54基あった原子炉の内1/3にあたる18基が廃炉決定、残り36基の内の18基が既に再稼働もしくは再稼働決定、残りの16基が再稼働認定待ちってどう言うことよ!ってあたしが言いたいわ、それの大半が再度にわたる稼働期限延長って、言っておくけど問題は一次冷却水の配管だけじゃないのよ制御棒だってそれを動かす操作稼働部だって寿命はあるし使っている間にも精度に狂いは生じてくる」それだけ一気に言い尽くすと愛は付け足した。
「もしもこの辺りの稼働中の原子炉がメルトダウンしていたといても運悪く3~4年前に前倒しで起きたと言うべきかもしれない、だけど十年以上前にあの大きな事故がなければ全国の原発の稼働時間はもっと増大していてもっと早く今日みたいな事態になっていた可能性はあると思う」
観萌はそれを聞くと同時に本当に気持ちが悪くなったのか再び助手席の窓を開けて大量に吐血をした。
ここ位いる全員が血の気失いもはや誰も生気を感じられるものはいなかった。
「どうせ助からないなら、最後にみんなで貝合わせをしない?」
愛が言い出した。そして服を脱ぎ全裸になる。
「それ、いいかも」
観萌も服を脱いで全裸になった。もちろん正しい意味での貝合わせじゃないのは確かだろう。ただ2人とも怪物のような男に何度も乱暴されて胎を破裂させられる事を繰り返された嫌な経験を最後に人生を終えるのが嫌だっただけに過ぎない。
愛は左側スライドドアを開けてセカンドシートから降りるとフラつく足取りで周りに車の周りを回って助手席側にたどり着くとドアを開けて観萌の身体の前に覆いかぶさるようにして抱きついいた。
そして唇と唇を重ね合わせて、乳房同士を擦り合わせて双方股を少し広げて柔らかで滑らかな丘同士を何度も擦り合わせた。
観萌は堪えきれずに嘔吐混じりの吐血をする。
「気持ち悪くない?」と観萌、愛はためらう事もなくそれを飲み込んだ。
愛の丘からも不正出血が妙なかたまりと一緒に観萌の丘に降り注ぐ、観萌も愛の腰をグッと強く引き寄せると嬉しそうに微笑みながら何度も自分も丘と愛の丘をすりあわせている。
後ろの席でも冴子が自分の服を脱ぎ全裸になり志乃ちゃんも自ら服を脱いで全裸にになってセカンドシートの家で横になっている冴子さんの腹上に乗って抱きついていた。そして冴子さんの心音を確かめるように志乃ちゃんは冴子さんの胸の谷間に耳を当てると彼女のそれがどんどん弱まっていることに気がついたのか弱々しく泣き出していた。
「あなたもいらっしゃい」
椎名にも冴子さんは蚊の鳴くような声で誘ってくれた。
椎奈の身体だとて万全ではない、さっきから論理演算回路は何度もエラーを発生しているし、動力源も不安定に時々止まりかけている。
私も運転席のドアを開けると外に降りて彼女達と同様に全裸となって前席と助手席の間に身体を横たえた。エンジンの出っ張りがきになるがここは辛抱すべきだと思った。私以外の4人は椎奈なんかよりももっと苦しい思いをしているのは確かだからだ。
ー逝かないでー
かすかに志乃ちゃんの声が聞こえた気がした。
まず愛の心音が聞こえなくなり少しして観萌のそれも聞こえなくなってしまっていた。
その前から彼女達の動きはほとんど止まっていたのだが、今は完全に心肺停止の状態になっていた。
あいつらにあんな過酷な暴力を振るわれていなければ彼女達ならこの程度の放射線量なんて余裕で降りこえられていたのに。
椎奈は目の周りが異常に加熱している自分に気がついていた。
続いて冴子さんの心音も聞こえなくなっていた。彼女もまた心肺停止状態だろう。そして志乃ちゃんもまた。
愛と観萌の脳細胞の壊死はもうすでに始まっていた、ほかっておけば他の臓器や筋肉などの細胞も死んでゆくだろう。
それは椎奈の前の冴子さんと志乃ちゃんも同じだ
ーみんな逝かないで!ー
脳死が始まっていたはずの強い意志が椎奈の停止していた副論理演算回路を再起動させた。
椎奈は無意識のうちに冴子さんから志乃ちゃんの身体を引き摺り下ろして彼女の貝と私の貝を重ね合わせていた。
と同時に私の動力源が再び安定した出力を発生し始めて私の胸のふたつのシリコンバッテリーに電力を供給し始めていた。
ふたつの論理演算回路もフルに動き出して私は自分が何をすべきか理解していた。強力な電磁波を発生させて観萌、愛、冴子さんそして志乃ちゃんの心臓を再稼働させた。どうしてそんなことが出来たのか自分でもよくわからない、だけど肺から取り込まれた酸素と栄養素が再び彼女達の心臓の働きによって脳細胞に供給されると同時にまず観萌が意識を取り戻した。続いて愛、冴子さんが意識を取り戻したが何故か志乃ちゃんだけは意識が戻らなかった。
ー逝かないでくださいー
今度は椎奈が叫ぶ番だった。
ースペシャルハイエースall door close、all windows close、空調循環も外部導入をシャットダウンしてタンクから汚染されていない空気を排出して汚染された空気を外部に排出しますー
車載のスピーカがそう告げると荷物スペースの医療機器が稼働を始めていた。
「私、夢を見ていたのかな?」と観萌。
「あたし死んだはずじゃ」と言ったのは愛。
「頭痛と吐き気が、でも今まであいつらに犯されて何度も殺されてから生き返ったときとは少し違う感じが・・・」
冴子さんがそう言ってから上体を起こした時にようやく眠りの姫が目を覚ました。
「私はいままで・・・・」
そう言いかけたと思うと志乃ちゃんはとても幼女らしからぬ口調で喋り始めた。
「まず私たちのリーダーかつ医療担当、佐原観萌さん、意識はしゃんとしていますか?」
その勢いに押されてか観萌は思わず「はい!」と答えた。
「次にこの国における政治分野での次世代リーダーを担うべき倶名尚愛さん、自分の望む運命を切り開く力は復活しましたか?」
愛もまた志乃ちゃんの迫力に押されて「はい!」と答えた。
「そして私の永遠の友であり恋人でもある冴子、もう体調は完全ですか?」
年上の人をいきなり呼び捨てとは何事かと思ったが彼女はむしろ微笑んで嬉しそうに「はい!」と答えた。気のせいか両方の目尻から涙が溢れている気がする。
最後に椎奈さん、私はあなたにすごい迷惑をかけてしまいました、悔やんでも悔やみきれません、ごめんなさい」
何故か彼女は椎奈にだけは私のお腹の上でこうべをたれて号泣して謝ってくれていた。
「いえ、私はあなたにむしろ何度も助けられました、お詫びとお礼を言わなければならないのは私の方です」
私がそう伝えると彼女は少しだけ微笑んで宣言した。
「今からこのハイエースごと仲間のいる場所に飛ばします、全ての原因がわかった以上ここにこれ以上とどまるのはかえって危険と判断します、発車オーライ」
バスじゃないんだからさ、そんなツッコミを入れたかったがハイエース内の全員が強烈な眠気に襲われていた。

周囲を光り輝く渦が包んだと思ったら椎奈も意識を失っていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

以下 下界(パラレル)15から引用です。(まあマルっとですが)

シビリアンが上郷サービスエリア下り側の駐車場に停まった時に下車してから観萌は亜希にこっそり耳打ちをした。
「亜希さん、その件に関しては当時の愛にとっても冴子さんにとっても一生記憶から消し去りたかった忌まわしき出来事です、そう簡単に忘れてはいません、でも反撃の手がかりはつかめそうです」
観萌はそう言ってから曇り空を見上げた。
「あのガラクタの山の中に答えはありました、あれが、私たちはもちろんのこと、椎奈さんも救いました」

サービスエリアのフードコートから持ち帰りでカレーパンを大量に買って来た亜希と観萌、そして香織と月輪が出て来た。
観萌は手にしていたカレーパンがたっぷりと入ったビニール袋をシビリアンに入れると「先に食べていて」と言って少し離れている場所に停められているハイエースをチラリとみて怪訝そうな顔をすると同時に複雑な笑みを浮かべた。

「なんか突然サービスエリアの駐車場に見覚えのあるハイエースが出現したと思ったら知った顔が5人も乗っているな」
亜希はそう言いながら観萌に続いて車内を覗き込んだ。
愛の現マネージャーであるアンドロイドの椎奈ちゃん。
中央新幹線でのタキオン脱線事故の時に彼女が同席していなければ今頃、愛はこの世にはいなかっただろう、人工地震による意図的な脱線事故の上に後方からの超電磁砲による殺害計画事件。
そして、彼の隣にいる女性は冴子さん、しかし亜希はこんな大人の彼女は知らない。小学生くらい、中学生、いや亜希の記憶にはないが自分の中にいる、志乃さん、風間志乃が幼い頃の記憶にある女性に似ている気がしていた。
彼女は歳を変え、姿を変えて、時々男装までして彼女の前に現れた。でもそのたびに彼女は奴らの罠に嵌められ、殺戮的な性的暴行を受けた挙句に遺体を物理的に処分されている。水爆や原子炉内に転送されることにより、ある時は分子レベルまで、ある時は素粒子よりも細かく粉砕されていた。
もっとも亜希がそれを知ったのはカレンダーガールに関する事件に関わった時だったが、亜希たちはあの山﨑秋子の愛人でもある3人組、そいつらが冴子さん、時には冴子ちゃんの殺害、陵辱をした連中だった。
「私がもうひとりいるのを見るのは妙な気分ね」
そう言ったのはまごうことなき今の佐原観萌。まさか彼女も、そして愛までもが奴らの餌食になるとは思いしなかった事だったが。
「やはりあの出来事は白昼にみた悪夢じゃなくて現実だったのね、バッテリーは十分にありそうだから椎奈さんと私がハイエースの荷室に持ち込んだガラクタが協調作動することで室内は完全に安全でクリアーな状態になる筈です」
観萌はそう言うと裸で愛と抱き合っているいる自分の顔の表情をみて『クスッ』と笑った。そして言う。
「まんざら悪い気はしないわね」
「確かあの床に転がっているのは愛さんのマネージャーの椎奈さんだよね?」
月海が興味深そうに言った。そういえば彼女は初対面かもしれない、おそらく報道番組か何かで知ったのかもしれない。
「うんそうだね、セカンドシートの上で横になっている女性は冴子さんんだっけ?あまり覚えがないんだけど」
スライドドアの窓越しにあつこが言った。
「あつこったら物忘れが激しすぎ、ちょっと前に時空間移動して助けに行った子達じゃない、確か冴子さんとか言ってなかったっけ?そしてお腹の上の娘はまだ幼い頃の志乃ちゃん」
確かに彼女達の時系列的にも私の時系列的にもそれは正しいのだろう、しかし。
「かなえったら記憶力良すぎ、でもこの椎奈ってアンドロイドがいなかったらあたし達もここにはいないだろうね、今考えても身震いがするほどヤバいくらいに強い敵だった」
「あの場で私たちに協力してくれたのがその後凶悪犯に銃殺されることになった志乃さんが若かった頃?でもそんなメンツが揃っていて何故あそこまで徹底的にやりたい放題にされたのよ?」
かなえがあつこに対して疑問を挟んだ。
問題はそこにあると亜希も考えていた。いくら奴らが強いとしてもこのメンバーで圧倒的な力の差で捩じ伏せられるどころか惨殺される付近まで責め殺されるとは考えられにくかった。
「でもどうしてみんな裸になって向かい合わせで抱き合っているの?」
花奈が興味深そうに言った。むしろ彼女は男にそういった行為を強要されて性的被害者となった事は何度かあったがこういった女性同士の行為は・・・
「花奈ったらジロジロ見ない、あれは貝合わせと言って女の子同士の求愛行動よ」
とかおり、『いや、あなた達、銀と3人で川内の海辺で同じ事をしていたでしょうが』と思わず突っ込みたくなったが自粛することにした。
「ちょ、香織、馬鹿なこと言わんといて、なんであたしが観萌に求愛しなきゃいけないのよ」
JK国会議員倶名尚愛が背後から突然に抗議の声をあげていた。
「なんで愛さんこんなところにいるんですか?」
「椎みたいな、いつ能力を暴発しかねない馬鹿がいるから月海にここまで念動力で椎奈と一緒に運んでもらって来たのよ、全く観萌ったらどんな色仕掛けを使ったのやら」
と愛とアンドロイド椎奈がそこに立っていた。
「愛だってしたくてしたんじゃない筈です、あの時あのハイエースの中にいた全員がそれぞれ自分の死を確信して互いの肌の温もりを求めていた、それだけのことです」
椎奈はそう言うとみんなにシビリアンの中に移動するように促した。
「あのハイエースの中の人たち、そのまま放置しておいて良いんですか?」
椎が訊いた。
それに対しての答えは簡素だった
「時が来れば自分達自ら出てきます」
「はだかで?」
「まさか、着替えは大きなボストンバッグに選び放題入ってますよ?」
観萌が言った。
椎奈が椎に訊いた。
「椎さんに訊きます、あなたが排卵期の状態になったのはいつ頃からですか?それはどれくらい続いていますか?」
椎に答えられるはずがなかった。
「車は、シビリアンはいつから運転していない?」
椎はしばらく考えたが答えられない様子だった。
「確か観萌の暴走で4ヶ月以上前の栃木県に飛ばされてからは運転していないと思う、いろいろあり過ぎてよく覚えちゃいないが少なくともお腹が大きな3人組が乗り込んできてからわからなくなった感じもする」
月海が言うと観萌は少し考え込んでから言った。
「今までの時系列をまとめようじゃないでしょうか?」
月海が言いながら周囲を見回した。
「このバス、いや護送車シビリアンには元々9人乗っていた。
途中で亜希が降りて『月輪、香織、花奈、銀、加世、月海、椎、観萌』の8人が残った」
その後を月輪が引き継ぐ。
「そして佐世保署に寄り、『かなえ』と『あつこ』のふたりと合流した、この時点ではまだシビリアンはモンスターマシンだった」
「しかし」と香織は引き継いだ。
「佐世保でふたりと合流した際にその場にいた警官によって観萌は頭を拳銃で撃ち抜かれてしまった、しかも普通は警察関係者が使わないような軍用のホルダー式拳銃によって、その結果も観萌は暴走してシビリアンは前の年のおそらくは10〜11月あたりの栃木県に飛ばされていた」

「ここに来てすぐに『かなえ』さんと『あつこ』さんに『さぬきがわ学園』に事件解決の為の応援をお願いをして、その間に数ヶ月を費やして私達は伊豆火山帯や富士火山帯の調査をしました」
それによって信じがたい事実が発覚したのは確かだ。
「それぞれの火山のマグマ溜まりが連結して、しかも脈動しているって奴か?」
月海が続けた。
「そして私、観萌、佐世保での事後処理を済ませて帰って来た、その前にそれらの事実が発覚、その頃には月輪、花奈、加世、香織、月海、銀、そして私、観萌でマグマ溜まり検証を始めていて、あら?その時の椎ちゃんは?」と観萌。
それに対して椎自身も続ける。
「何もしていなかったわけじゃなくてVRMMORPGに没頭していたわけじゃない、ただ今回の『さぬきがわ学園』事件やそこで干瓢に縛り付けられている『寄生体』と人類の関係に関して熱弁を振っていたらしいのだけどよくあたしも覚えていないのよ 」
そのあたりにカギがありそうな気がしてきた。
「確か『かなえ』さんと『あつこ』さんがノートパソコンを使ってワイヤーフレームで男女のエッチな行為を表示しながら『寄生体』が伝染、増殖してゆく過程を説明していたような気がしていた」
加世が口を挟んだ。
「やけにAV的な描写でしたよね、男女がエッチをしてその『寄生体とやらが増殖する過程、ふたりが立ったままで、女性の片足を高々と持ち上げて、普通ならそんな体位で生殖行為をするか?とツッコミたくなりましたが、まるで男子生徒が考えそうなシチュエーションだと思ってました」と香織さん。(下界[パラレル]4を参照してください)
観萌が指摘した。と同時に2人の表情が青ざめる。
「それは確かに変ですよね?本物の『あつこ』さんと『かなえ』さんは今どこにいますか?」
と加世。
「それにふたりとも3人組に押し倒されているはずなんだけど破裂させられてないどころかレイプもされてないなんてとっても変だおぉ〜」
と花奈、擬似サイコメトラーの真価を発揮した。
「いやですね、誤解ですよ、私たちが偽物のわけがないじゃないですか?」
『あつこ』がさっそくボロを出した。
完全にキャラを取り違えている。あつこの一人称は「あたし」だったはずだ
『では訊きます、私の未来世界、こちらの世界に転生してくる前の名前を言えますか?」
栗色のカールがかかった髪の毛をぴょんぴょん跳ねさせながらふたりの少女、『かなえ』と『あつこ』を両肩に抱えながら敦子が突然にシビリアンの車内に出現した。
当然答えられるはずががなくふたりはボロを出した。
「えっ?えーとニラさんだよ」と自称かなえが言った。
「ちがうよ、姉さん、ニキビちゃんだよ可愛いだろ」
もはや自分達のキャラ設定さえ怪しくなっていた。
もちろん『ニナ』が正解だ。
「このふたりの親の処置をお願います」
そう言って敦子は観萌の隣にふたりの少女を座らせた。
「一応放射性生物は処理しておきましたが用心してください」
そう言って敦子はふたりの偽者に宣言した。「召喚本当の姿のあんた達」
その瞬間にふたりの少女は『こじろう学園』の制服を着た男子生徒の姿に変わっていた。
「ふーん、まだ残党がいたんだ、でもあんた達が『寄生体』に関して詳しすぎるのも気になっちゃうけどさ、あんた達留守番の椎ちゃんに何をした?、正直に言わないと〇玉ひとつひとつ潰していくよ」
それでも彼女の脅しとしては控えめな方と言える。なんせ彼女は斧を召喚して親代わりの・・・
『そこ、余計なことを言わない!』
未来での出来事はほじくり返されたくない気持ちはわかった。
「て、てえしたことはしていねえよ、喉が渇いていたみたいだったんでミネラルウォーターをな」
「ああ、コップいっぱい飲ませただけだ」
それを聞いた敦子は「召喚!お手頃な万力!」と言ってそれでふたりの〇玉を挟んでぐるぐる回して潰しにかかった。
「ふーん、放射性生物をたっぷりと含んだ天然水をね、それで彼女の能力を奪っておいて判断力さえ奪っておいて、彼女、椎ちゃんにあなた達は何をしたのかな?」
「あ、」っと花奈は小さな声を出した。さっきも紹介した通り彼女は擬似サイコメトラー使いだ。それは未来予知演算の応用だったが当時は理解できなかったが今ならわかる。
「このふたり、卑劣にもふたりがかりで椎ちゃんを陵辱しました、無理矢理幼女化させて寄生体の種を植え付けて、」
「ふーんなるほどね、それで彼女に銀を誘惑させて犯させて、彼を足がかりにほぼ全員を陵辱して能力を奪い取ったと、興味深いじゃない?寄生体なんかよりもその『放射性生物』って」
男子生徒の〇玉を万力がキリキリと締め上げ続けた。
潰れるのも時間の問題だろう。
一部の仲間、追跡者に対して月海の能力が効いたのも花奈の能力や後から乗り込んできた亜希とハルが自在に能力を使えたのもそのせいかもしれない。ちなみに銀は九州での一件以来花奈に対しては手を出せないように彼の心に強力なロックがかけられている。
そして後から来た3人の体調が急激に悪くなった理由も説明がついた。
元々能力を一杯一杯に使っていて余裕のない彼女達に『放射性生物』の混じったミネラルウォーターを与えて弱らせた上に時間操作能力を使いレイプを実行して何度も何度も『放射性生物』の混じった精液を注入していたせいだろう。
香織も能力を奪われていなければ時間操作能力が奪われていた事に気がついていたかもしれないし、観萌だって気づいていた可能性もあった。彼女達も男子生徒に陵辱されて放射性生物をたっぷりと含んだ精液を胎の中にたっぷりと注入されて能力を封じ込められていたからだろう。
しかし彼らにとって想定外だったのは亜希とハルの乱入、そしてある程度事情を知っている愛と椎奈の参加、そして敦子の存在だった。
「あんた達が何を企んでいるかは知らないけどさ、あのモンスター3人組の復活、火山のマグマ溜まりの連携かそして相次ぐ原発事故とは関係があるよね」
愛はふたりを睨みつけると急にぐったりとし始めた。
「アレの除去は貴様ら如きじゃ不可能だ、あの3人組も復活させた事だしこのシビリアン内を地獄に塗り替えてやるさ」2人の男生徒が忽然と姿を消すとあの3人組が忽然と姿を現していた。
「復元するまで時間がかかり過ぎてしまったがな」
学生のひとりが言った。
まっさきに奴らが手を出したのはまだ能力を封印されていない花奈と月海、そして亜希だった。そしてその時にハルと観萌の姿ない事に誰も気が付かなかった。
一瞬にして捻り込まれて体全体を激しく揺さぶられ中に勢いよく大量の放射性生物を含んだ精液を洪水のように解き放たれ胎の中に出されて何度も何度も何度も胎を破裂させられすぐに修復されまた破裂させられる行為を繰り返された亜希たち3人は永遠とも思われる時間の中もう動く気力も失い、ただ次に『あつこ』と『かなえ』、そして『敦子』も陵辱されて胎が何度も何度も繰り返し破裂させられる姿を何回も見せつけられるのが精一杯だった。
もうシビリアンの車内は鼻を突く異臭とそこら中に飛び散った肉片と血の混じった白濁液の鼻を突く異臭で充満していた。
「やめてぇ!」
誰かが叫んだ声がシビリアン内に響き渡った。
その時、亜希が声の聞こえた方向を見たらそこにはまだ3才の志乃ちゃんが立っていた。極度に怯えた表情で。
「はぁ?貴様如きガキに何が出来る!」
危ない!次に破裂させられるのは彼女だ!
そう思った時に他にも4人立っていることに私は気がついた。
あちらの世界から来た観萌に愛、椎奈と冴子さんの4人だ。
「いいえ、破裂させられるのはのあなたがた3人ですよ」
無表情に椎奈は言うと「これは最終通達です」と付け加えた。
「何を馬鹿なことを、もう俺たちは貴様如き『1,000,000度攻撃』など対応済みだ」
そう言ってムキムキマンは志乃ちゃんのうでにつかみかかった。
「銀、active hole、allfull open」
志乃ちゃんはそう宣言するとムキムキマンを銀のあの穴の中に転送した。そして続ける「fly to the center of the sun」と宣告をした。ムキムキマンはどこに消えたのか?
続けてリーゼントもサラリーマンも銀の穴の中に転送した。
「銀、active hole、all close」
「うん私もやったような気がするけど太陽のど真ん中に放り込んだね」と敦子は言った。
「はい、はい、シビリアンの中もきれいに掃除しますからね、全員服脱いで全裸になってくださいよ」
観萌に言われてもう1人の、こちらの世界の観萌も妙に大きな箱を両手でぶら下げていた。そこからコードを引っ張り出すとシビリアンの中に飛び散った肉片や血の混じった白濁液を吸い込み始めるとものの十数分でシビリアンの中はクリーニングしたように綺麗になった。
「それはどうする気?」と亜希
ふたりの椎奈はこじろう学園の生徒を縛り付けて入ってきた。
「もちろん拷問」
「といきたいところですがね、こいつらもある意味被害者なんですよ」
と愛。
「あの寄生体に操られてやったことですからね、それよりも問題はあの『放射性生物』をどうやって彼女達が、何の目的で開発したか?なのですが」
「あんた達は何か勘違いをしている」
干瓢に縛り付けられた寄生体の一匹が口を開いた。
「あれは原子炉の中で自然に発生した物、最初のうちはただの放射線エネルギーに過ぎなかった、しかしそれは微生物、いや、身近な耐熱性のあるウイルスを海中の排水口付近の海洋上で汚染させた、そしてその汚染されたウイルスが取り付いたバクテリアや微生物なども汚染して自我と耐熱性、そして放射線に対する耐性と吸収性を持ち始めた」
今度は別の寄生体が喋り出した。
「それらはさらなる放射線を求めて原子炉の一次冷却水が通る金属パイプに群がるようになった、自分達の増殖のためにそれらはそのの金属パイプを侵食し始めていた、そして薄くなった配管から漏れた放射線をエサに彼らウイルスは増殖を続けた」
また別の寄生体が語り出した。
「それらは再び放射線を吸収して放射線そのものが生物として微生物の中で活動を始めた、それらは特殊な生物であるがゆえに外部には放射線を漏らさずに当然ガイガーカウンターなどにも反応しなかった、原発による放射線漏れの事故は起きていなかったんじゃない、とっくの昔に起きていたのよ、あなた達、愚かな人類が気がつかないうちにね」
また別の寄生体が語り出した。
「その細かいものは私たちの食糧でもある微生物にも取り憑いていた、それが私たちの暴走の始まりでもあった、あなた達が知っているカレンダーガール事件、その首謀者という事になっているあの大手芸能事務所の社長に住み着いていたあの寄生体もなかに棲む放射性生物に操られるがままに種を増やす行為を繰り返していたに過ぎなかったわ、そして、彼ら3人組も社長と同様に放射生生物に侵略されたもの達だった」
観萌はそんな彼らをにらみつけるとさらに問い詰めた。
「あの『こじろう学園』の生徒もそれで操られていた、その説明はついたとしてあの3人組は一体何なの?放射性生物に身体中が感染していたとしてもあり得ないほどのパワーと肉体の再生能力、そして特殊能力を身につけていたんだけれど、私たちはあいつらに何度も何度も殺された挙句時間が戻されることにより強制的に生き返らせられた、しかも体の一部、意識だけはその間中ずっと生かされたままね、何の拷問かしら?私にしても愛や亜希その他のメンバーに関してもずっとその能力は封印されていたわね?それはどういうことか説明してくれないかしら?」
亜希の目から見ても観萌の怒りようは尋常ではなかった。
「彼らは元々地球に一応は調査を命じられてやってきただけの異星人だった」
寄生体は観萌に対して淡々と語った。そも観萌が過去の世界から来た観萌か、それとも、今現在の観萌かなんてどうでも良いことのように感じられた。
「彼らは同じ星系から派遣されて来た、理由はみんな同じで特定の地球時に干渉しすぎた同じ星系の個体、SAe-Co、つまりここでいうところの冴子の暴走を監視するために」

「冴子は禁じられた禁忌を犯してしまっていた、本来はこの星の性犯罪者によって陵辱されて命を落とすはずだった幼女『志乃』、冴子は過去に遡って彼女を監視するだけの任務だった、しかし冴子と交友を深めてゆくうちに志乃自身の内なる力に気づいてしまっていた」

「志乃は未来においても過去においても警戒される存在だった、自由自在に数万年単位で未来にも過去にでも跳び、それも尚且つ自身の老化や幼児化といった代償もなくやってのけた、そしてその能力はそれに留まらず数万光年もの瞬間移動さえ身につけていた、それだけでなく彼女、志乃は何度も何度も冴子の身体も意識も自分の近くに復活させる能力も持ち合わせていた、そしてそれらは放射線生物の干渉さえ一切受け付けなかった」

「3人は元々そんな危険因子を始末するために改造された改造生命体だった、志乃は幼女の時点で3人に始末されることが確定していた、志乃は素粒子よりも細かなエネルギーに還されて消滅するはずだった」

「それは妙な話ですね」
突然に椎奈が話に割って入って来た。
「実際には暴走を始めていたのはその改造生命体の方じゃなかったのではないですか?」
そう言って彼女は怯えている志乃の身体をそっと抱き寄せた。
「彼らは本来の目的を忘れてまだ幼い志乃を陵辱しようと考えていた、それがかえってあだとなってSAe-Co、は冴子の姿を借りて本来は志乃を監視するだけのはずだった彼女は監視の保護対象として志乃の親代わりとなり3人組に話をつけるために対峙して話し合うことを決意した、しかし残念なことに3体の改造生命体は放射性生物の影響を受けて暴走を始めていた、そう、目に見えなかったこの国の原子力発電所内で起きていた微生物の事故によって」
椎奈はゆっくりとシビリアンの中央に立ち亜希の目の前に立って宣言した。
「その放射性微生物の増殖には寄生母体となる生命体の増殖が不可欠だった、だからそれに1番うってつけだったのがあなた達、寄生体だった」
そして椎奈はチラッと干瓢に縛り付けられた寄生体を見た。
「本来は愛のキューピットであったはずのあなた達が暴走をし始めたのはこの国や世界中の原発が乱立して建設されて稼働を始めてからです、最初はウイルス単位の汚染でしたがそれらは放射線を外部に漏らさずに技術者はもちろんのこと科学者にも存在を知られることもなくあらゆる生き物の中で増殖をし続けました」
そして椎奈は干瓢に縛られた寄生体のひとつに触れると呪文を唱えてから続けて言った。
「見てください、これが本来の彼女達の姿です」
と言われてもなあ、と亜希は思った。そこには寛平しか残っていなかったからだ。
「放射性生物によって彼女達の身体の構造に変化が起きてしまいまいました、花粉にも満たない彼女達の身体は巨体化して人間や動物達の生殖器に直接潜り込むようになり本来の姿であるべく『愛のキューピット』どころか人類を含む哺乳類の生殖活動にまで関与する生物、寄生体に変わってしまいました」
「ねえ、それまた大きくなって暴れたりしないよね」
敦子が恐る恐る尋ねた。
「今のところは、しかし原子力発電所が稼働をし続けて、その周囲から放射性生物が誕生し続ける限り同じ事は繰り返されるでしょうね、それが彼ら、放射性生物の本能、と言うか基本機能ですから」
それを聞いてから銀は深くため息をついた。
「まあそれでその寄生体とやらの説明はついたとしますよ、でもあの化け物3人組の異常な強さはどう説明する気ですか、それと火山のマグマ溜まりの連携化や脈動化の説明にはなっていませんよね?」

「はっきり言ってあの放射性生物自体には意識や思考力、思想はありません、ただもっと増えたいという本能みたいな物です、では冴子さんにお尋ねします、あの3人組の本能は一体なんですか?」
椎奈は冴子に尋ねた。
「私達星系の人類は元々1回や2回の性行為によって妊娠したりしない造りに変わっていた、人口が増えすぎたというのもあるけど1回の行為で満足感が得られるように性行為そのものが激しくなり乱雑になっていった、1度に排出される精液の量も増える様に自らを改造するように自らの身体を改造する男性も現れ、女性側もそれに少しの刺激で頂点(エクスタシー)に達するようにやはり自らを改造するようになっていった」
「つまり子孫を残すためのセックスはほぼご法度となって快楽を求める事が主な目的に変わっていったというわけね」
珍しく加世がツバを吐き捨てて毒づいた。
男性も最初は20ccの射精で満足していた、しかしそれもだんだん満足がいかなくなって40、80と増えていってとうとう殺人事件になるまで発展していった、女は性感帯を弄って自分の身体を感じやすくする方に改造していったけれどそこで男女の性に関しての認識は決定的にも乖離してしまっていた、女性は触れられることにより快楽を得たが、一部、いえ、結構な割合の男性が女性の胎内に大量に勢いよく何度も脈打ちながら解き放つ射精による快感と女性を乱暴に扱い苦しむ姿と表情を見ることに快感を得る、いわゆる性的なサディズムのめり込むといった乖離がますます大きくなり社会的な問題にまで発展していきました」
冴子はそういうとくちびるを噛み締めた。
「男性のみんながみんなそういった逝かれた方向に向かったわけじゃない、でも女性の死亡、いえ、殺人案件が増大するにつれて性的な暴行犯専用の収容所に収まらなくなり政府も対応に苦慮していた、その時ある科学者によっておぞましい発明が行われてそれを自らの身体に取り込む外道たちが現れ始めて女性に対する暴行殺人事件は激増というのも生やさしいくらい増加しました」と冴子が付け加えた。
「それが異次元からの物質転送による精液の尋常ではない増量とその勢いと排出時間及び回数の激増による男性側の快楽を満たしたってことかしら?」と過去の観萌。
「はい、もう彼らにとっての性行為は愛すべき子孫を残すためのものではなく、ただ女性の身体を破壊して快楽を得るための行為に変化してしまいました、結果女性の人口は激減して種族の滅亡の危機さえ訪れた時にやっと政府は重い腰を上げました」
そして続ける。
「それが異次元からの転送能力の禁止とそれらを使用したものに対する処刑です」
それを聞いた途端今の愛が激昂し始めた。
「ふざけんなよ!お前らの星の連中はそんなあぶねー奴らを調査員としてこの地球に送り込んだのかよ!」
いまにも冴子に殴りかかる勢いの今の愛を過去の椎奈は後ろから抱きしめて制止した。
「違いますよ、この星に送り込まれた3人組は最初はまともな人たちだったのです、でもこの星に長く棲んでいるうちに彼らもまた、放射性生物の影響を受け始めてしまっていました、あの異星人達にはそんな過去も記憶もなかったはずなのです、でも自分達の宇宙船の端末を見ているうちにその情報が残っていたことに気がついてしまいました、自分達が棲んでいた星の過去にそんな重大な事件があったことに」
「今となっては宇宙船に何故そんなものが残っていたのかわからない、だけどその時に彼らの中にそれを実現させたいという欲望が生じたのかもしれない、でもあの放射性生物はそんな彼らの欲望を満たすために彼らの体のつくりをその忌まわしき生物に変化させてしまいました」
過去の愛が今の自分の正面にまわり右肩にそっと左手を置いた。
「たったひとつだけこの星が助かった時系列、並行世界は彼らの面倒を一手に山崎秋子さんと彼女を胎の中に取り込んでいた『G』が引き受けてくれたからです、あの3人の相手の能力を封じ込める能力も放射性生物の能力も彼女達には通用しませんでした」
過去の椎奈が言うとその後は今の椎奈が引き継いだ。
「あの世界も偶然に偶然が何重にも積み重なって人類、いえ地球の存続ができたのにすぎないんです、一つでもピースが欠けていたら救済のない世界でした」

「ではこの火山活動はどう説明する気だい、ふたりの観萌ちゃんよ」
珍しく月海が観萌をちゃん付けして呼んだ。

「それはここにいる寄生体さん達がいちばんご存じなのではないのでしょうか」
そう言った今の観萌の語尾に疑問符はついていなかった、何か思い当たる節があったのかもしれない。
「もちろん今の状態は私たちが望んだ事ではないわ、でも事は全て裏目に動いた、人間達は反原発に進むどころか反原発派の始末を始めて原発推進派の加勢をし始めた、だから私たちは一つの並行世界の日本で原子力発電所の津波による事故で世界中が原発に否定的になり全ての原子炉が停止する事を期待したのよ、でもこの小さな島国の指導者や経営者達はその事故の後始末も終える前でさえ愚かにも原発の再稼働を叫び始めて国民の多数がそれに遺憾の意を示さなかった、もちろん反対派の声も聴かずに再稼働を強行、しかも他の国も似たり寄ったりだった」
「それで思いついたのがこの惑星、地球のリセット計画ですかぁ」
寄生体話に反応を示したのは意外にも花奈だった。
「そうよこの並行世界でも今はまだ良いけれど指導者が核エネルギーに対す依存を諦めない限りそのうち冴子さんの星のように男の暴力的なセックスに対する欲望は強くなってやがて種族そのものを攻撃的にしてしまう」
それを聞いた途端に冴子さんの顔が急に青ざめた。
「冴子さんの棲んでいた星ではまたその禁忌とされた技術が復活してまた暴走を始めた男達によって性的被害を受ける女性が増えた、しかしそれも彼らが固執し続けていた核エネルギー発電にあるとは考えずに彼らは国同士で罵り合い攻撃をしてやがて全面核戦争に突入した」
さらに続く寄生体の言葉が冴子さんに追い打ちをかけた。
「今思い出しましたが私たちがあなたの船の電算機に残された記録を見た時の記憶によるとあなた達が派遣された真の目的は惑星調査なんかじゃなかった、もう二度と自分達と同じ運命の轍(てつ、わだち?)を踏まないように警告しに来たという事でした、私たちは自身の意識を奪われる前にその記録を消去しましたが既に手遅れでした、あなた達のメンバーの誰かが既にそれに目を付けていました、あなた達、調査隊のメンバー構成が男3人に対して女性がたったひとりだったのはその時点であなたの星の女性がほぼ絶滅しかけていたからです」

「それはわかりましたでもそれがどうしてこの惑星、地球のリセットにつながったわけ?」
まだほとんど理解できていない亜希は訊き直した、よほど物分かりが悪い馬鹿に思われただろう。
「私たちはあのミミズメカを稼働中に偶然、マグマの中でも生息をしている生物を見つけました」
「それにあの放射性生物を植え付けたらどうなるのか?それが富士火山帯にあのミミズメカを向かわせた目的だったのか?」
冷ややかに月海が言った、ヤバい、ぶちぎれる寸前だ。
「結果は想像以上でしたマグマの温度は急上昇して膨張して生物のようにうごめきだしました、その生物はマグマそのものを生物化して触手を伸ばすようにして近くの火山のマグマ溜まりと繋がり、それらは次々と近いマグマ溜まりとつながり合って素晴らしいことに生物のように脈動を始めました」
うっとりとした表情で言う寄生体をわしづかみにして月海が叫んだ。
「俺が知りたのはそんな事じゃねえ!聞いた話だとそのミミズメカとやらには貴様ら一対2体を植え込まれた少年少女がひとりずつ無理矢理に搭乗させられていたと聞いたがそいつらはどうなった?と訊いているんだよ!」
しばらくの間沈黙が続いたが寄生体は言った。
「機械の温度がマグマの熱上昇に耐えきれずに瓦解した」
寄生体が口にしたその言葉は中に搭乗させられていた少年少女の死を意味していた。
「そんなめでてえ結果を残して計画はどうなった?まさか人類は絶滅するんだから些細な犠牲だ仕方がない、なんて言う気じゃねえよな?」
月海は笑いながら涙を流していた。
「やがてその脈動するマグマ溜まりは膨張をし続けてプレート自体を溶かす、それは世界中の火山帯のマグマ溜まりでも発生し始めています、それを行うにはあんなにも大掛かりな装置は要らなかったんです」
さらに別の寄生体が付け加える。
「全てのあらゆる地球上のプレートは溶解して地球は原初の姿、炎の球体に戻り、目的を終えたマグマの中の生物も長い、長い期間を過ぎて死に絶えまた地球の歴史は一から始まる」
そう言った寄生体は月海の手のひらの中で完全に潰されていた。
「ふざけんじゃないよ、今の世界がまた戻るってえ保証なんてどこにあるんだよ」
それを見た別の寄生体は悲しげに微笑んだ。
「少なくとも星ごと跡形もなく消し飛んで小惑星帯になってしまった冴子さんの星よりは救いがあるんじゃないかしら?」
どっちの転んでも私たち人類に未来は無さそうだった。

その時に過去から来た3人、観萌と愛、そして志乃ちゃんの姿が薄く、半透明になり始めていた。

「少し待って」
寄生体の一つがかすかな声でつぶやいた。
「私たちは全員全て、常に意識を共有していると言ったことがあるかしら?」
今の観萌は首を縦に振ったが今の私、亜希にとっては初耳だった。
「一度だけ私たちの仲間の一体が志乃ちゃんに寄生した時があった、その時には気にもとめていなかったけど彼女の記憶には見知らぬ惑星の風景と今の冴子よりも少し若い彼女の姿があった」
そしてもう一度ふたりを見比べて言った。
「まさかとは思うけど、志乃ちゃん、冴子さんの跡を追って時間と空間を超えて破滅寸前のあの星からやって来たなんてジョークでも言わないよね」
それだけを言うとその寄生体は寿命が尽きたかのように動かなくなってしまった。
それを聞き遂げると過去の観萌、愛、志乃の3人は陽炎のように姿を消した。
亜希には志乃ちゃんが消える間際に「うん、そのまさかだよ」とちいさくつぶやいて首を縦に振ったような気がしたのは気のせいだろうか?

亜希、愛、そして観萌らの回想を聞いて一同は第5惑星の末路を思い出していた。
確かハルサメとナッツたちが聞いた第5惑星の末路と今現在の第4惑星の状況によく似ていると。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「通常なら十月十日はかかるがこの娘なら3日とかからないはずだ。この子は本来とても他人に優しくていい子だったのだから」
と花奈は意味不明なことを言っていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【あれ?】と観萌。
【あ〜!『瑠璃ちゃん』と『ハルトくん』ね、あの人たちならもう生まれて今生後1ヶ月くらいで可奈と花世のいいおもちゃになっているぉ〜】と花奈、つうかどんないい加減な親だ。
【花奈は気が付かなかった?彼女の中に私たちと同じ匂いを】
【そうか瑠璃さんは6人目の姉妹だったんだね?】と今更のように人間核融合兵器、てか気づくの遅すぎない?まあ私も他人のこと言えないんだけど。
あれ?でもそれだと瑠璃さんはいつここに来たんだ?未来を10才で旅立ったと仮定して、今から13年前に暴徒達に輪姦されて種子を打ち込まれている、その時点で彼女は22才だった。
つまり『22-10+13=25』、つまり25年前に来て25年間もこの国の変化を見て来たわけだ。

【それで彼女から何か聞いていない未来での世界の話とか?】
せかすように亜希はきいた。花奈はしばらく考えたのちに言った。
【さっきあたしは彼女の事を生後1か月と言ったけど肉体的には3歳児と変わらないんだ、彼女何を急いでいるのかは知らないけど精神的には6才くらいになっている。そんでうちの可奈と花世の面倒を見てくれるのは嬉しいんだけど問題はどこで入手したのか知らないけど二次性徴促進剤を大量に添加したコオロギパンを食べている事なんだ、早く成長たいんだろうけどどうしてそんなにあせっているのか疑問に思っていたけどそう言うこともあったのかと】
【それって気をつけないとやばくない?】と楓凛さん。
【そうなんだよね、また自ら種子持ちの男に陵辱されて・・・・・】
そこまで言いかけて花奈は言葉を詰まらせた。
【13年前の事件はむしろ瑠璃さんが男たちを誘った可能性があるって事?なんのために?】と観萌は言って顔を青ざめさせた。
【もしかしたら自分をモンスター化させるために?】と秋子さん
【了解、そんなこともあろうかと、彼女は私とナッツと加世で見張っているよ】
ハルサメから割り込み連絡が入った。意外と言ったら失礼だけど頼りになる奴かもしれない。
【私もナッツもだけど400年くらい前の、まああそこで言う200年以上前の第4惑星での記憶がおぼろげながら少しだけあるんだよね、確かここ第3惑星を6月ごろにみんなといっしょにシビリアンという名の護送車で亜希さん達といっしょに崖信介と堀恵萌も一緒に連れて第4惑星に亜希の能力で向かったんだけどその亜希が実は観萌さんでポニテだと思っていたのがカヨちゃんで、確かカナもいっしょにいたんだけどあいつ、今思えば激辛選手権王に過去の第4惑星に飛ばされていたんだ。でもそこで崖信介と堀恵萌は何回も惨殺されて恵萌はうじ虫にされて崖信介は生首をお持ち帰りにされたんだけどその激辛選手権王が未来の第3惑星を見に行ったとことやっぱり炎に包まれていたって言っていた】とハルサメ。

【というわけ、ねえ、亜希、あんた本当に記憶にないの?モンスター秋子より大事なことだよ?放射性物質の中に発生した微生物がカレンダーガール事件を上書きしてあたしを暴走させようとしたムキムキマンミュージシャンとサラリーマンスパイとヤクザ弁護士を凶暴化させて、ほぼ全員を凌辱してあんたの大好きなシビリアンを強い放射性物質で汚染された〇液まみれにした】
そう言うと愛は亜希のひたいに自分のひたいを押し付けた。
【そうか、なるほどだね、確かに、片付いたはずのミミズメカとあいつら3人組が復活していて驚いた、私と『G』と『B』が何故か臨月状態が続いていて、内部被曝が酷くて死にかけていた、でもそれが今回の獣鬼が打ち込む『種子と何の関係があるの?】と亜希、要領を得ないようだった。
それをきいて観萌はハッと何かに気がついたようだった。
【そうか、大体読めてきた】そして続けた。

【ありがちな話だけど両方の計画を同時に進めている可能性もあるからね】と
【それと出来れば由紀と有希にも戦列復帰して欲しいんだけど、ところで堀恵萌の能力ってわかる?】と亜希。
【どうやら恵萌が強力な時間操作能力者で未来も過去も自在に行き来できるみたいだよ】とナッツ
【つまりその『日本列島生物化計画』にも恵萌が関わっていた可能性が大ってことだね?それ何年くらいかわかる?】と亜希。
【それがわかれば苦労はないけど、どちらも最終的には2030年以降なのは確かよ】と加世。
花奈〜!何でお前じゃなくって加世が返事している?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ハルマゲドン、アルマゲドン、アーマゲドンと色々あるらしいが宗教的には善と悪との最後の戦いの場であるらしい。間違ってもマグロやカツオのたたき、イクラやエビ、鯛やヒラメ、カジキなどをのせた海鮮丼の事ではないのは確かだ。

話が逸れてしまったようですね。私は2032年、突然に狂ったように暴れ出した『ニ』、こと私たちの間でしか通用しない名称だったが『ニナ』が大好きだった『かなえ』さんを召喚能力を使って出現させた斧を投げつけて彼女の頭を頭蓋骨ごと割って殺害をした。その後、次々とその斧を使って他の5人の保母達も殺害をして研究所のコンソールを勝手にいじっていたら研究員らしき男が現れて嬉しそうに拍手をしながら『ニナ』を称えた。
私たちは怯えながらその男の首が落とされるところをただ見守ることしか出来なかった。
それから入れ替わるようにして様子を見に来た他の研究員達が急に興奮をし始めていた。そこに現れた褐色の肌を保つショーカットの美少女が次々と彼らを惨殺していった。
私たちはそれをただ怯えながら見守ることしかできなかった。
ただ彼女は私たちに対してはとても優しかった。
固かった床をふわふわのベッドに変えてくれたり健康状態をチェックしてくれたりしてくれたりしてそれまで6人の保母さんたちがやってくれた仕事をたった1人でこなしてくれた。
そこに4人の大人の女性たちが訪れて何やら褐色の肌を持った美少女と話をしていたようだったが話の内容はよくわからなかった。
ただ褐色の肌を持った美少女は見た目よりは大人で、その逆に大人組の中のひとり、倶名尚愛だけは他の大人と違って心がとても幼く感じていた。
そこに施設の天井を突き破り先の尖った銀色に輝く円錐状のものが突っ込んできたがそれは床に突き刺さることもなく途中で静止した。
そこで私は何故か歴史がふたつに分岐したような気がしていた。ひとつは何事も起こらず大人組とが話あっていた自分が体験した歴史。そしてもうひとつはその銀色に輝く円錐状のものがが止まらずに床に深々と突き刺さりながら先頭がひしゃげて灼熱のエネルギーをばら撒きながらそこにいた全員が巨大な光球に飲み込まれて死滅する最悪の展開だった。

私が今いるのは前者のルートを選んだ、いや、単にそのルートを辿った結果だろう。
大人達と褐色肌の美少女はその後別々の道を選び、褐色肌の美少女は過去に遡りこれ以上この国、いやこの星に厄災をもたらすであろう自分の娘達を始末するために過去に遡り、大人達はそこに残って私たちを育てる事にしてくれた。
端末コンソールのタイム表示が『2033』年を迎えた頃に再びこの国の諦めの悪い支配層は世界に対して喧嘩をふっかけた。大義名分は『この地球の平和を守るため』だった。この国ジポンは次第に孤立化してゆきかつての1900年台と同じような境遇に陥っていた。もともと資源の乏しい国だったからそんな状況になれば資源も食糧も不足なんてレベルではなくなっていた。

「いや、『ジポン?』そんな国は第3惑星にはなかった気がするけど」
ナッツさんが口を挟んだ。そう言われれば似たような国の名はあった気がするけど思い出せなかった。それにしてもこの第4惑星地球と第3惑星の国の配置などには似た部分があるような気がした。過去はこの第4惑星地球も北半球に大国や大都市が集中していたと聞く。それが先々回の世界大戦で大量の核融合兵器によって灼熱の炎によって溶かされて今は真っ平らな地形になっていると聞いた。
しかし私は何故そのようなことを知っているのだろうか?

話を戻そう、ジポンという国自体が孤立して資源も食糧も不足なんてレベルではなくなっていた。
そうなればどうなるのか?
結果は分かりきっている。
軍事力をカサにしての近隣諸国からの強奪だった。
かつてその国の愛国者達は『隣の国が攻めて来たらどうする?』とか『国を守るためには隣の国よりも強大な軍事力が必要だ』『お前らは家に鍵をかけるだろう、防衛力を高めるのはそれと同じだ、それを否定するものはC国のスパイか反ジポンの危険思想の持ち主だ』などと叫んでそれに異議を唱える彼らの声を封じ込めた。
その裏でジポン政権は『マスコミや識者に煽らせて軍事化を進め』、その時の総理大臣は『積極的平和外交』と言って自分の正しさをアピールしていたが結局それら軍事力は近隣の弱小国に対する侵略行為、つまり『隣の家の鍵をぶっ壊すため』に使うこととなってしまった。
この国はかなり昔から一度閣議決定をして仕舞えばなんの国会で議論も行われなくとも押し通せる国となってしまっていた。
それから4〜5年経過した頃には私たちは18歳を超える成人となっていた。と同時に私たちを育ててくれた大人組の能力が低下をし始めていた。特に倶名尚愛の『願望達成能力』の低下は著しかった。
それを待っていたかのように『国立K学園』から研究応援増員と称して数十人の男性が、いや獣たち、獣鬼が派遣されて大人組の彼女達や私たちは激しく蹂躙されて輪姦されてくたくたになるまで犯されながら精神体としての肉を喰らわれ大量の精液と共に無数の種子を撃ち込まれて私たちは私たちではなくなっていった。
そのわずか数時間、いや数分後だっただろうか?愛さんや秋子さん、凛さんと敦子さん達は獣鬼化して獣のような暴走が始まって破壊活動と共に殺し合い、私たち5人も同様に獣鬼化して狂ったように暴れ始め殺し合いを始めていました。
それとほぼ度同時にジポンの国防軍内でクーデターが起きて上層部は奴ら、つまり獣達、獣鬼によって支配されていた。もちろん、まともな人間の国防軍兵士は誰1人として獣鬼とは戦えずシビリアンコントロールなんて絵に描いた餅でさえ無くなっていた。獣鬼たちは己の欲望のままに暴れ回り世界中の大都市で若い女性や少女を強姦してその精神の肉を喰らい始めていた。そして彼女たちが男、特に各国の兵士たちや政治家たちを誘惑して彼らが射精する直後の隙に精巣に種子を打ち込み、どこの国の軍人たちも政治家も狂わさせられ始めていた。
そして世界中で核融合弾頭を装着したICBMが無数飛び交い第3惑星地球は火の玉となってしまった。それがその時点で新たに更新された『カナ』の未来予知演算の結果だった。
それがきっかり2041年になったばかりの新春だったと記憶しています。

私の言葉を聞いて驚いていたのはむしろ『カナ』さんだった気がする。、
彼女に言わせるとそれはシビリアンで450年ほど過去の第4惑星にルシファーによって飛ばされて軟着陸するまでは99.99%ありえない未来だったらしい。
私たちはオールウェイで合流した『ユーキ』こと『樋口有希』と共に最深深層を走るハイウェイをエアカーに分乗して走り、この第4惑星の3大大国のひとつ『ヨネスケ合衆国』から『ローレンス連邦』に移動している真っ最中で彼女達に伝えた内容だった。
本当なら『チャイコ共和国に先に行きたい』とミモエなる痴女は言っていたがどの道『ローレンス連邦』を通らない事には『チャイコ共和国』には行けないらしい。
今私は『サク』という少女の中にいる。私はかつて彼女の中にいた時、彼女に対して恐ろしく残虐で非情な性行為を強制して来た。なのに彼女は笑って私を受け入れてくれた。私はそんな彼女のために未来の、204X年代の第3惑星を守りたいと思う。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

瑠璃と春樹先輩は今日も関東平野から少し離れたとある小さな山の中の森林で張り込みを続けていた。先輩いわくとある大物政治家と製薬会社技術者の特大スキャンダルを暴くために立てこもっているらしい。
「それで、その製薬会社技術者というのはどんなグラマーな美人なんですか?」
瑠璃は先輩にきいた。特大スキャンダルというからには相手が並の女性ではつまらなすぎる。せめてなんとか姉妹の妹クラスとか世間を騒がせている美人女優でもない限り読者は噛み付いてくれないだろう。
「そうだ、大物大臣とJ事務所所属美少年タレントのYとかHとかと禁断の二股情事なんてどうですか?・・・『先生、こんな所にボクを呼び出して一体どうするおつもりですか?』『決まっているじゃないかこの人気のないところに停めたワンボックスカーの中で君と(ピー)をして、その女の子みたいな顔に似合わぬ立派な(ピー)をぺろぺろしゃぶって(ピー)をして『ドクドク』とあふれ出した(ピー)を私が美味しくいただきながら君の絹のような柔肌に私の(ピー)をシコシコして大量に(ピー)をぶっかけて身体中に塗りたくるためさ』『そんな、やめて!オーハギさん、ぁ、ぁ、あ!あ〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!』『いや、君は私には逆らえないよ、彼、ジャーサン君には(ピー)億円も渡してあるからね、それにこれはいつも彼にやってもらっている事だろう?初めての処男じゃぁあるまいし恥ずかしがる事じゃないじゃないか!』『いやぁ!やめてオーハギさん、い、い、いやぁ〜いやぁぁ〜‼︎いやぁぁ〜‼︎けつ(ピー)だけはしない約束じゃ?』『なに、これもジャーサンの了承済みだよ、あきらめて観念したまえ』『いやぁ!いた〜い!いた〜い!裂けるう〜!あ〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!』その時にはすでにYくんの直腸には大量の(ピー)が(ピー)されていた」
瑠璃は自分でも気がつかないほど興奮して『はぁ、はぁ、はぁ、』と息を荒げながら実況解説をしていた。
「やめい、妄想にふけるのは、だめだ、こいつまったく俺の話を聞いていねぇし」
先輩がなんか言っているような気がしたが瑠璃は無視を続けていた。
「その時ワンボックスカーの近くで『カサッ』という足音がした、同じ事務所の後輩のHだった、『酷い、オーハギさん、僕というものがありながらY先輩と二股をかけるなんて』『いや君は私に(ピー)アナをさせてくれないじゃないか!それともここでやらせてくれるのかな』『いや、いやぁ!い、い、いやぁ〜、いた〜い!熱〜い!裂けそう!』、Hも、彼もまたオーハギに黄門内(ピー)をさせられていた。
『あ、あー!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ、ぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、』『やっぱりH君の(ピー)アナは最高だよ、なあもう(ピー)させてくれよ、いいだろ?それとも口(ピー)がいいかい?』『オーハギさんここで僕かY先輩のどちらかを選んでください、じゃないと僕は今手にしている、この国の国家機密である戦略核爆弾でこの山ごと吹っ飛ばしてあなた達と共に心中しますよ』って言うの、それこそ特大スキャンダルスクープに値しない?」
私がそう言って振り返ると春樹先輩は真っ青な顔をして万歳、じゃなかった、両手を上げさせられていた。
「あのな、瑠璃ちゃん、君は色々と『ピー』を入れて誤魔化して来たつもりかもしれないが全然ごまかせていなかったし、どうやらかなり核心をついてしまっていたようだぞ」
春樹先輩の背後に突然、熊とゴリラを合体させたような3メートルを超えるケダモノが出現してその鋭く長くて太い五本の爪が生えた手で軽く引っ掻いただけで彼の体はバラバラに粉砕されて立ったままの腰から下を除いて肩から上はニュートンの法則に従って地面に落下していた。
「う、うそ」
あまりのも非現実的な出来事に狼狽えながら瑠璃はただその獣に彼の頭が頭蓋骨ごと噛み砕かれて喰われるところを見ながら後頭部に激しい鈍痛を感じて気を失っていた。

瑠璃は気がつくと目隠しをされて頭にガムテープか何かで固定されたヘビーメタルロックの爆音を聞かされながら下腹部、黄門様の次におそらく大事な穴に何か固くて太くヤスリのように刃がはえたように硬くて太い何かを無理矢理ねじ込まれていた。
「いや、いやぁ!い、い、いやぁ〜!いた〜い!痛〜い!裂けるぅ〜!熱〜い!」
それだけならまだ良かったかもしれない、その先頭部は本体よりも大きく膨らんでいて滑りの悪い固いゴムのようになって私の大事な穴の入り口付近からいちばん奥まで穴を押し広げながら激しく削るように往復移動を始めていた。その摩擦熱は凄まじく熱く感じていた。
「あ、あ、あついよ〜やけずる〜おねがいだから、おねがい、動かさないで!」
瑠璃は大声で叫んだが誰も助けに来てくれる筈など無かった。それにいくら泣こうが叫ぼうがそれで痛みがほんの少しでも緩和されるわけじゃなかった。
もちろん私自身が自分の叫び声さえ聞くことも出来なかった。聞こえるのは耳をつんざくエレクトリックギターの耳を掻きむしる音とドラムとベースギターの体全体を揺さぶる振動のみだ。
「あ、あ〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ、ぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、」
瑠璃の胎の中に拳銃の弾丸が数発、撃ち込まれたような気がした。激痛が股間から胎に撃ち込まれた感じがしたが実際には液体である精液だろう、しかしそれはあたかも鉛の弾丸のように熱く、痛かった。
【言え!キサマとあの男はなにを探りにあそこに立てこもってた】
それは音による声であるはずがなかった、ヘッドホンからの爆音で私の耳は機能を奪われていたからだ。「ああいあいいえあい、あああおいおいういえいああえ」
おそらくは奴らの耳にはそう聞こえただろう。さるぐつわか何かを噛ませられているのかあご自体が動かせないのはわかった。ただし瑠璃の心はすっかり読まれている気がしていた。
その瞬間に、胸からへそあたりにかけて激痛が走った。生臭い血と肉の匂いがして『クチャクチャ』とそれをそれを咀嚼(そしゃく)されている気がした。耳は使えなくとも身体を伝わって来る振動は聞こえるものだと思った
【今キサマの肺と心臓と胃と腸を引きずり出して喰らっておる、なかなかの美味だのぉ、これから両手と両足を食らうがもう痛みなぞ感じなくなっただろう、何故かわかるか?】
知らんわ!と言うのが正直な感想だったがあえて考えるなら麻酔か何かを精液に紛れ込ませて撃ち込んだのだろう。
【ふん、違うな、わしらはキサマの体に精液と共に種子という名の極小のカプセル生命体を大量に撃ち込んだ、それはキサマの子宮内膜に張り巡らせられた血管に侵入して身体中を巡りながらキサマの体の造りを少しずつ変えてゆく、そしてやがて脳髄に達するとキサマの生命体エネルギーを食らいながら脳髄のシノプシスを切断、新たな別のつながりに変えてゆく、どうだ、頭がぼんやりとしてきて気持ちが良かろう、やがてキサマ自身はなにも考えられなくなる、この国の与党の総理大臣や主要大臣、そして彼らを取り巻くサポーターのようにな】
「い、い、いやぁ〜いた〜い!いた〜い!いやぁぁ〜‼︎いやぁ!」
瑠璃はきっと、のたうち回りながら叫んでいる、しかし瑠璃自身にその感覚は希薄となりつつあった、やがては身動きひとつしなくなるだろう、ただ何をされているのか、その感覚だけは伝わって来る、今は別の獣に犯されながら長くて力強い射精と共に無数の種子とやらをたっぷりと撃ち込まれながら自分が自分で無くなってゆくのを感じていた。
【さあそろそろ吐いてもらおうか?キサマらはなにを探ろうとしていた】
瑠璃はそれを数発毎日のように繰り返して行わされていた。
15日目の暴行を受けている最中だったか?この獣は瑠璃のヘッドホンと眼帯さるぐつわをはずして言った。
もうそんな頃には瑠璃の身体は自分の思うように動かせなくなっていた。瑠璃は見覚えのない病院のベッドの上で寝かされて両腕には点滴の針が差し込められれ抜けないようにほうたで固定されていた。
そんな環境でもあの獣は夜中になると私を犯しに、いいえ抱きにきてくれた。今ではひとりぼっちになる昼間が怖くて、それなのに彼が毎日のように何度もつらぬきに来てくれる夜が待ち遠しくなってきたくらいだ。
そんな瑠璃に一台のノート型パソコンと手書きの原稿を渡された。
それを渡してくれたのはこの病院を経営する社団法人が、参加しているグループの実質経営者である崖理事長だった。
内容をチェックすれば文法的にも理論的にも間違いだらけの酷い代物だった。だけど今の瑠璃にとってはどうでもいいことだ。瑠璃はその根拠のない原稿を記事にまとめ上げて新聞社に送った。
そしてそれを高評価するつぶやきをbotで拡散してそれに対して批判するアカウントに執拗に絡み嫌がらせをした。私は間違ったことをしたとは思わなかったし同様な論評をする識者やbotと思われる書き込みがSNS上に氾濫していた。ちょっと手強いなと思ったらSNS運営に通報すればほぼ無条件に相手のカウントを使用出来なくしてくれた。かくして瑠璃は自分でも意識しない間に『愛国の女神』とか『正論の女王』と呼ばれて持て囃されるようになっていた。
どんな言いがかりだろうが論点のすり替えだろうが言ったもん勝ち、botの数の差で圧倒すれば黒でも白に出来ると知った。
そしてそれに成功した日の夜の崖理事長はとてもやさしくつらぬいて、たくさんの精液と種子を撃ち込んでくれた。
しかし瑠璃とていつもうまくデマを流せなかったり、言い逃れができずに炎上させられてしまうことだってある。
そんな夜は最悪だ、膣をぶち抜いて背中から獣の陰茎が飛び出すんじゃないかと思うくらい激しくつら抜かれ、灼熱の精液で子宮を焼き尽くされるかと思う日もあった。

そんな頃からだろううか?瑠璃と言う人格がふたつに分裂をしはじめていたことに瑠璃自身、気がついていなかった。

それは多分山林の中で春樹先輩が惨殺をされて瑠璃が数匹の獣に輪姦され始めてから4〜5年すぎたある日のことだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

瑠璃は地方の小さな新聞配達屋のひとり娘として1990年頃に三女として誕生してた、と思い込んでいた。
あまり母親にも、父親にも、そして姉2人の誰にも似ていなかったので小さな頃は近所のクソガキに『や〜い、お前本当は橋の下で拾われた子だろ』とよくからかわれて泣いて帰っていた。
そんな時は父母の出番もなく姉2人のふたりは強く抱きしめてくれて言った。
「顔なんて姉妹だから似るとは限らないよ、でもあたしたちそっくりじゃない、そそっかしいところとか」あまり嬉しくない理由だったが3人で涙を流しながら笑い合って家路についた記憶があった。

ある日瑠璃は唐突にふたりの姉に聞いたことがある。
「どうして私たちの両親は私たちを拾って育てる気になってくれたのかな?」
その時ふたりは顔を見合わせて驚いていたような気がする。
「今、瑠璃は私、じゃなくて私たちって言ったよね?」
と長女の「美衣」
「うん、確かにそう言った」と次女の『絵留』
「あちゃ〜、やっぱりバレていたよ」と『美衣』
「実はあたしたちも未来から飛ばされてきたんだ」と『絵留』
「だから気を悪くしないで道端で全身傷だらけで倒れていたのを見つけたのはあたしたちなんだ」

瑠璃は未来で起きた事を洗いざらいふたりに話した。最初は少し驚いた表情をしていたが美衣は一枚の掛け線の入った髪を取り出すとなにやら描き込み出した

実験体『A〜L』
12体
元々が戦闘用に特化されて生殖機能を削除され子宮も卵巣も持たないゆえに彼女たち全員が悪魔に陵辱されるが妊娠をするはずなどなかった、、しかも『G』以外はその2日後に始祖である少女Aに惨殺されて肉体を失いました。
しかし彼女たちがある事件に関わった時に何故か実体化出来て『G』を含む全員の妊娠が発覚しました。ただし実体化していない時はお腹の中の子は成長しないことがわかったので極力実体化は控えたそうです。
そして2030に入って彼女達は交代でそれぞれひとりないしふたりの子を産みそのうち『B』が産んだ娘があたし美衣で『L』が産んだ娘が絵留というわけです。
そこからが奇妙な話なのですが今まで聞いた中で2041年の壁を越えられた娘たちは私たちが聞いた中では誰ひとりとして存在しません。その年齢のまま生まれた時に戻されてしまうのです。したがって私たち、美衣と絵留が水野家に引き取られた時は10才間近でした。
はい、映子、あたし美衣、椎(しい)、出衣、井伊、恵歩、自慰、悦知、藍と歩衣、慈恵、、そしてあたし絵留ですがその壁を乗り越えようとした呪いでしょうか?全員もれなく11才の身体から成長しません、まあ名前が被っている娘とコンプライアンス的に恥ずかしい名前の娘もいますが深く考えないでください。所詮は『ゴキちゃんの娘』ですから。

というわけで私たち姉妹は学校というものに通っていないそうだ。

彼女たりがあまりにもあっさりと言ったので瑠璃も釣られて「はぁ」と答えてしまっていた。

それから今度は瑠璃の話を始めたのだが結論はおそらくは2041年問題が絡んでいるだろうという結論に達した。

次に美衣さんが描いてくれたのは私に関する生誕年表だった。

1988年5月10日 水野家宅前で全裸で行き倒れになっているところを拾われる。
1988年5月11日 推定年齢1才児と判断、内密に水野家で引き取る、
1996年5月10日 佐原家に引き取ってもらう予定

2025年4月1日瑠璃は仮胎の母から分娩される、
2025年4月1日そのわずか3時間後に仮胎に利用されていた少女は射殺される。
他の5人も赤子殺害未遂で射殺されていた(実際に殺そうとしていたかは不明)

2034年5月 『かなえ』を始め6人の保母が輪姦される。
2034年5月 それを目撃した『ニナ』も輪姦される、瀕死の重傷を受けるが自力で回復。
2034年5月 『かなえ』たち6人のほぼ全員が職場(育児)放棄を始める
2034年5月 『ニナ』が突然に凶暴化『かなえ』を含む6人の保母が惨殺される

2041年1月1日0時15分 研究所男性職員による性的な暴行が始まり全員が種子を撃ち込まれる
2041年1月1日0時20分頃女性全員の能力が暴走化して殺戮合戦が始まる、瑠璃15才と9ヶ月
2041年1月1日15時30分
ハルマゲドンによって人類絶滅 瑠璃は過去に飛んだ

どうやら瑠璃自身には呪いというか11才の壁は存在しなかったので妹が姉の身長や体格を追い越してしまうのはまずいということになって偽名を使って彼女たちの遠い親戚の佐原という家の世話になることにした。

そうあの佐原家とは謎の多い一家で観萌という姉と詩織という名の妹がいる家だったが私の目にはどう見ても姉の観萌が2才児で、下の詩織さんが18の女性にしか見えなかった。
父親は柴犬で突然『にゃぁ〜』
と泣き出す楽しそうな、いや、不可解な家族だった。
「あのぉ、お母さんはどちらに?」私はおそるおそる尋ねた。
確か表札には家長がエルでこれはさっきの柴犬っらしい、そしてその隣の本来なら主婦の名が書かれるスペースにっはしっかりと『自慰』と書かれたあった。『どうした!11才制限の呪いは?』っと一瞬思った私は自分の甘さをとことん恥じていた。
「あらあら、お待ちしておりました、瑠璃さんですね」
『自慰』さんらしき声がして家の中から黒髪の美人、じゃあない、体長が1.6メートルをゆうに超えるかという巨大な黒光するゴキブリが出てきた。
「おかあちゃん、今日の晩御飯のおかずはなんでちゅか?」
長女の観萌ちゃんにきかれた『自慰』さんは少し困った顔をして(とは言っても瑠璃にはゴキブリの表情の違いなど区別のつけようもなかったのだが)「さすがに初めてお会いする方にゴキブリの佃煮を出すわけにはいかないしねぇ」とトンでもないパワーワードがとびだしていた。
「あたしあれ飽きちゃった」と観萌ちゃん。
「じゃあ今日は奮発してコオロギの佃煮位にしましょうかね」と自慰ママは言い出した。瑠璃はもしかしたらとんでもないお家にお世話になるのかもしれないと思い始めていた。
それにしてもゴキ(ピー)は共食いをするという話は聞いたことがあるが本当だったと思わざるを得なかった。
しかしまさかご飯は大丈夫だろうか?昔読んだホラー漫画の恐怖〇〇のエピソードみたいに炊飯ジャーのフタを開けたら生きているゴキ(ピー)がうじゃうじゃいるなんてのはマジ勘弁してほしいと思った。
結論から言うとご飯は至極まともだった。と言うかかなり美味しかった。海老グラタンとクラムチャウダー、そしてペンネのアラビアータだった。

食べ終わった頃、詩織さんは『自慰』ママに耳打ちをしていた。
「もおう、誰も来ないから擬態化を解いてよ」
やっぱり実の娘でもこの姿は恥ずかしいらしい。
「あーそうだったもう家族なんだから本当の姿を見せてもいいよね」
そう言って見せてくれたのはどうめてもごく普通の11才くらいのショートカット黒髪の女の子だった、確かにあまり美少女とは言えないかもしれないけど普通に可愛い女の子だ。なぜこっちを昼の顔にしないのか不思議な気もする。
結局瑠璃は高校を卒業するまではこの家にお世話になったのだがその間に色々と未来世界で起きたことに関して相談させてもらっていた。
特に幼稚園児にしか見えなかった観萌さんも実は擬態化していて実態はどう見ても20才の美人だった、髪の毛が腰まで伸びていて毛根から毛先まで七色の虹のようにグラデーションがかかってたのは普通ではなかったが、その髪もまつ毛も眉毛も指の爪、さえも毎日、いや、毎時手入れをしないと伸び放題になるらしい。それはそれでかなり大変そうだった。

「2041年にハルマゲドンねえ」
彼女も半信半疑だったようだったが何か気になることがあったのか机の引き出しからB4サイズの2枚のカラー写真を取り出した。
「これが何かわかるかな?」
と彼女はきいてきたが1枚はどう見ても火星にしか見えなかった。
「はい、そうです、ではもう1枚は?」
「地球ですよね?いや、地球にしては地形が少しおかしいですね?」
と瑠璃は言った。しかしこの火星の写真はどうやって撮影したものだろうか?探査船から撮影したものにしては違和感があるし、今NASUが公開しているどの写真よりも北部の真っ平らな砂丘の面積が少なかった。
「これはどちらも私の知り合いの念写能力者が撮影したものです」
やっぱりこの観萌って女性は頭がおかしいんじゃないのか?っと思った瞬間だった。彼女はさらに続けた。
「どちらも同じ火星です、こちらの今の火星に近く見える方が今から450年以上前に撮影された火星、もう一つの地球に良く似た水の惑星もまた同じく火星です、ただし今から2000年以上は過去の姿です」
そんな馬鹿な、と思った。幾ら何でも1600年も立たずにひとつの惑星はこんなに荒廃するわけが・・・・・。
「お気づきのようですね、あなたが言うハルマゲドン、それがたったの一回起きるだけでどんな星も死の星になり得ます、しかもこの第4惑星の住民は愚かにも最低2回、もしかすると3回は繰り返した可能性があります」
彼女はそう言って別の引き出しの中からもう1枚の写真を差し出した。
その写真に写っているひとりはかなり以前にこの国では『正和の妖怪』と言われていた崖理事長だった。今はもうお亡くなりになられたらしいがお孫さんが同じ与党政権内で勢力を伸ばしつつあると聞く。
「合同結婚式とかきいたことがありませんか?、強引な洗脳などの手法で信者を増やして日本国内で勢力を伸ばしていると言われているカルト教団、その代表がこの写真で崖理事長と握手をしている女の人です」
観萌はそう言ったが瑠璃は頭の理解が追いつかなかった。ひとりは『監国憎しの代表』みたいな崖理事長。そしてもう1人のカルト教団の代表は『ジポン憎しの代表のような女』、『堀恵萌』どう考えても水と油だ、混ざり合えるわけがない。
「そう思いますか?」と観萌は問い返してきた。「双方共に共通した敵があるんです、社会主義です、いえ、もっとはっきり言わせてもらうなら彼らは民主主義というものが憎くてたまらないのです」
しかし、と瑠璃は思うだからと言って所詮は敵同士ではないのか?手を取り合う理由が見つからないのだけれど。
「ひとつ聞くけどこの崖が目指しているもの、取り戻したいのは何?」
「戦前の日本、ただもう麦国にはどう足掻いても勝てないので今は別の国を仮想敵国にして『攻めてきたらどうするんだ』と国民を煽って軍事力を強化しようとしています、でもこのカルト教会にはその理由がない、むしろ反日を煽って慰安婦像や強制労働問題で難癖をつけている、そんな国のカルト教団が崖と手を結ぶはずがない」
それほど必死ではなかったが観萌に同意する理由はなかった、しかし。
「本当にそうかな?あなた大事なことを忘れていない?監国が割と最近まで軍事国家だったと言うことを、堀恵萌も取り戻したいのよ、今の民主主義化した監国ではなく第二次世界大戦前後の軍事国家を、もしもこの国でクーデターを起こすなら資金と国民の同意が必要、だから彼女は崖理事長を通じてジポンの国家権力と結びつき、まずはジポン国内で勢力を広げてやがて世界にその思想を広げるためにジポンの総理大臣は様々な国に大金をばら撒くでしょうね、しかしそれはただの大金じゃない、堀恵萌が代表をつとめるカルト教団の布教のためにジポン国民の血税をばら撒かれる、ステキじゃない?ジポン発のハルマゲドン開始活動よ」と観萌は皮肉をたっぷりと込めて言った。
「でもそんな自らが自滅するようなことをするはずが・・・」
そこまで言って私は口を閉ざした。実際に自分の体験してきたのだ、わずかに残った記憶の中の西暦2041年に起きたそれを。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今日も瑠璃はせっせと記事の作成に夢中になっていた。
その時に病院中の、スピーカーから奇妙奇天烈な音楽が流れ出した。
「崖信介理事長様のオミマーイであらせられるぞ、皆の衆、控えろ、控えおろぉ、このお方をどなたと心得る、なんだっけ?」
男のアナウンサーが間違えただけでスピーカーから聞き覚えのある銃声が鳴り響いた。
『ドゴォーン!、ドゴォーン!ドゴォーン!』
おそらくは彼の頭は吹っ飛び、心臓もぶっ潰されて〇玉も松茸くんと一緒に吹っ飛ばされていることだろう。当然(ピー)だ私は心の中で手を合わせた。
「せめて昨夜、彼には私の(ピー)内に5回くらい中(ピー)させてやったのが救いだよね」
私はそう言いながら沖縄の麦軍基地移転反対派の傲慢さを強調する記事を書いていた。なに、嘘はひとつも書いていない、崖信介理事長様が言えばそれは全て真実になるのだから。
「仕事ははかどってるか?」
そうきいてきた崖理事長のそばには珍しくひとりの幼い女の子がついていた。年頃からしてお孫さんかもしれない。
にも関わらず彼はベッドの上にかけてあった食事や雑用品を載せる棚をノート型パソコンと一緒にどかすとベッドの上に上がり込んで私が着せられていた手術着も兼ねた寝巻きの紐を強引に引きちぎり前を開かせると顕になった乳房を左手で強く揉みしだきながら右手はパンツを膝下まで引き摺り下ろし、現れた股間の割れ目の中に日本の指を潜り込ませてその中にある小さな芽を擦りながら指先を穴の中奥深くにある子宮の入り口付近の(ピー)スポットを刺激していた。
「ぁ、あ、あー!あ〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!」
抑えきれない理事長様の太くて立派な(ピー)を求める欲望が瑠璃を叫ばせ、それをまだ幼い女の子に見られているという恥ずかしさが瑠璃をさらに興奮のるつぼに陥(おとしい)れて瑠璃の穴の入り口から奥までぐっしょぐしょに濡らしていた。
「い、い、いやぁ〜、いやぁ!いやぁ!いた〜い!や、やめてください」
いくら愛液で濡れていてもあんな太くて硬いものをねじ込まれたら痛いに決まっている、しかも今日は一段と亀頭部の張りが強く瑠璃の穴の中を強引に押し広げながら突き進み、後退してまた突き進んでを凄まじいまでのスピードで繰り返していた。
「あ!、あ“〜!あ“〜!熱いですやけずる、裂けてます」
瑠璃が何度お願いして彼はその怒涛の突きをやめてくれなかった。それどころかだんだん激しくなってくる。
彼の陰茎の亀頭部がピクって震えたかと思うと陰茎自体が激しく脈打ち始めて『ドクン!ドクン!ドクン!ドクン!ドクン!』と強烈な勢いで力強い射精を瑠璃の膣内に撃ちこみ始めてくれた。「あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!」私は激しく上体をのたうち回されながら首を大きく左右に振らされ叫び続けていた。
【お姉さん本当は全然気持ち良くないでしょ】
最初はなにを言っているんだ、このガキは?と思っていた。
【私もね、お父さんを名乗る男に陵辱されて、次はママを名乗る女の新しい男の人にも犯されて、でも本当は知っているんだ、最初に私を犯したのはこの爺さんだって、その時から私は獣に喰らわれ始めて、私が私じゃなくなっていた、もうすぐ私は9才になる、そうなったらこの強い妖魔と契約ができる、もしかしたらこの獣に食われ続ける日々は終わるかもしれない】
なにを言っているんだこのクソガキはと思い始めていた。とてもじゃないがまだ9才にもなっていない小娘が言うセリフじゃない。
【でもかわいそうだね、お姉さん、お姉さんはこのままだとその獣鬼にあと長くても3〜4年で食い尽くされて消えてしまうよ?鏡を見てごらんよ、それが今のあなたの本当の姿だよ】
私は何気なく病室のワゴン台に取り付けられていた鏡に目を向けてしまい驚愕した。
【こ、これが今の私の姿なの?】
崖理事長の下で犯されているのはどう見ても6才前後の幼い子供だった。目からいっぱい涙を流しながら泣いている姿を見るのはとても痛々しかった。】

【でもそうするとあなた自身はどうなるの?あの崖とかいう化け物に喰らい尽くされるんじゃ】
私自身どうなってもいいと思い始めていた。
【お姉さん、そんなこと考えちゃダメだよ、お姉さんは咲の大事な友達になってほしいから、それにあのじいさんには私を消せない理由があるんだよ】

【じいさんにバレるといけないから交代するのはもう少し後でね】
彼女はそういうと崖理事長に病院の購買部でアイスクリームを買ってくれるようにおねだりをしていた、あんな鬼みたいな男でも孫は可愛いのだろうか?
【違うよ、彼は遺伝子上では本当の父親、でも大っ嫌いだからじいさんと呼んでいるだけ、幸いお姉さんの人格は二つに分裂しているから片方は私の中に来て、今のあなたは私の超妖魔に守ってもらうから安心して、いつかはきっと元の体に戻れるよ、今は信じよう】

そう言って彼女は崖理事長と一緒にさっていってしばらく会うことはなかった。

相変わらず瑠璃は理事長の獣鬼に犯されながら精液と一緒に大量の種子を撃ち込まれて意識が混濁する中与えられた文法がめちゃくちゃな原稿をまともな日本語に変えて新聞社や保守系の雑誌に投稿していた。だからおそらく文法も理論も滅茶苦茶なままだろう。
しかし鏡に映る私の姿は10才くらいの体格を保っていた。
第4惑星の地球?で発達した精神生命体らしかったが流石に守ってくれたのはそこまでで相変わらず瑠璃は毎日のように大量に撃ち込まれた種子から生まれた獣鬼に犯されながら肉体を喰らい尽くされて無数の種子を撃ち込まれて脳髄のシノプシスを毎日のように組み換えされていった。しかし本来なら一度切断されたシノプシスは再生する事なく脳自体が萎縮してゆくときいたことがあった。
もしかしたら私の脳髄は常に再製復活を繰り返しているのかもしれない。
それはきっと彼女の中に棲みついていた妖魔の能力かもしれない。

あれから12年以上の歳月が流れていたかもしれない。
消滅するどころか幼児化さえ進まない私に疑問を持ち始めたのか、私を陵辱しに来る獣鬼の数も増えて交代で休む暇もなく熱い精液と無数の種子を撃ち込まれ続けていた私もそろそろ限界に来ていた。
そして気がつくと私は5人のチャットで知り合った『カモ』にそれぞれ個別に政府御用達のラブホに招待をするペーパーメールを送っていた。

多分政府上層部の狙いは私と淫魔刑事とやらの相打ちを狙っての事だろう。
あたしは騙されたフリをしてその政府御用達のラブホの最上階にある最上級スイートルームとやらで敵が来るのを待っていた。
その頃になって自分がレイプされた事件に関して警察ぐるみでの改ざんが行われていた事を知った。私は先輩と政治スキャンダルの取材中に山の中で襲われたのではなく自分の住んでいたアパートで暴漢どもに襲われて輪姦され、山中に捨てられて国最近になって白骨死体で発見されたことになっていた。
何故そこだけは覚えていたのかは不思議だけどもうひとりの自分に会えば思い出せるかもしれない気がした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一方で女児の体に取り込まれた瑠璃の方も茨(いばら)の道だった。

相次ぐ大人の男からの性的暴行に耐えつつ彼女は泣いていた。
彼女の名前は浜丘咲と言った。
それでも彼女は以前よりは良くなったという。私という友人ができたかららしいがそんな私が彼女を裏切ることになろうとは考えても見なかったことだ。

それは浜丘咲の担任が家庭訪問をする日に起きた。
崖理事長はいきなり担任の教師を突き飛ばすと私も咲の身体から追い出していた。

あの悪魔は真珠を埋め込んだ陰茎で咲のまだ幼くて可愛い膣(ちつ)を激しくつらぬいてズタズタに傷つけ引き裂いておきながら言った。
「取引をしよう、こいつの命を守るかお前自身が犠牲となってわしの奴隷となるのか?」
もう迷っている余地はなかった。「咲は瀕死の重傷を負っていたし私ならどんな拷問に近い性行為をされても平気だ」と思っていた。しかし次の瞬間、私は自分の考えの甘さに気付かされて死ぬほど後悔をした。『私は大丈夫だから自分を簡単に売らないで』
咲はそう言ってくれたような気がした。
結局はあの崖という男は咲の命を1ナノミリたりとも守ってくれる気はなかった。
それどころかその瞬間から私の心は全く自由を失い崖理事長、いいえ、崖信介が命じるままに彼女を性奴隷として操り始めていた。
彼女に小学校と中学校の教師と中学校上級生の男子生徒を男子生徒を誘惑させて彼女の生殖器がボロボロになるまで彼らに強姦させ続けた。

そんなある日、私と咲はひとりの少女と出会った。まだ私が5年生になってから約半年たったある日、咲は父親(戸籍上ではなくて遺伝子上の父親、要するに崖信介)の言いつけで藤枝の学校の下見をしてきた帰りだった、咲と瑠璃は迂闊(うかつ)にも4〜5人の男子高校生に跡をつけられていたことに気がついていなかった。もう別に処女というには程遠いしそのまま輪姦(まわ)されてもいいやって投げやりな気分でいたのは確かだった
咲と瑠璃はいつものように人気のない場所に誘い込んで彼らに自分を犯させる気でいた。
『なに、また種子を植え付ける相手がワザワザ噛み付きに来てくれる』
それで瑠璃と咲の心、そして咲の身体が一層ボロボロにされる事など1ミリも考えられなくなっていた。
まだ10月とはいえ日が沈むのは早い。私が学校周辺を見回って周辺を見回って『通うのは大変そうだ』と転校の断念を崖信介にメッセージで伝えた時には咲は冷たい路上に押し倒されていた。
瑠璃はいつものように彼らを興奮させるための演技上の悲鳴を咲にあげさせて泣き叫んでいた。
モヒカンの男が咲のスカートを捲り上げてパンツを脱がそうと両手で掴んだ瞬間に彼の体は遥か後方10メートル以上は吹っ飛ばされていた、まあおかげで咲が履いていたパンツも一緒に吹っ飛ばされていったのだが。と同時に咲の両腕を押さえつけていたふたりの男子高校生の顎が砕かれていた。そして頭を押さえつけていた男子高校生の頭が横殴りに吹っ飛ばされ駆け寄ってきた見張り役の2人も立て続けに股間を押さえてうずくまっていた。その間に腕時計の秒針はひと目盛りでも動いただろうか?それほどそいつの動きは俊速だった。
「あ、またやっちまった」、私や咲と同じ獣の匂いがするそいつがそう言い残すと咲をひとり残して立ち去ろうとしていた。
「どうして私を?」と咲はきいた。振り返った姿が一瞬だけ車のライトに照らされると身長が170センチほどある胸までソバージュヘアを伸ばした少女が少し困った顔をしていた。
「体が勝手に動いちゃうの、説明するのメンドーだしポリとか苦手だからさよなら」
そう言い残した時にはすでに彼女の気配はその場から消えていた。

そんな訳だから彼女とはもう2度と会う事はないと思っていた。しかしそのわずか8ヵ月後に私と咲は彼女に会っていた。正しくは彼女の方から会いに来たというべきかもしれない。
私は素直に彼女にお礼が言いたかった、しかしながら咲は強烈な彼女に対するジェラシーのようなものを感じていたのかもしれない。
私に対しても崖理事長から命令が降った。
咲を犯させて種子を打ち込んだ男子生徒たちを操って彼女を輪姦(まわ)させて射精と同時に無数の種子を撃ち込ませて彼女を妊娠させた上に廃人にして淫らな性生活を送らせてその胎の中の子を死産に追い込め、そして『自死を選ぶように仕向けろ』、という冷酷極まりのないものだった。

「もうおわりなの?私を犯した時みたいにこの女を激しく壊しちゃいなさいよ」
瑠璃は咲に命令をして浜丘咲はそう言いながら咲自身が別の男に激しくつらぬかさせていた。

「い、い、いやぁ〜いた〜い!いやぁぁ〜‼︎もっともっともっと激しく私を殺す気でやってちょうだい」
彼女、後に伊良衣良という名前だと知ったのだが3人目につらぬかれて子宮の中がドロドロの液体に満たされ始めていたであろう頃、衣良という娘はすでにその行為自体に飽(あ)き始めていたように見えた。
『もうどうでもいいや感じがしてきた。こいつらというか浜丘咲自体があの政権と深いつながりのある崖信介の実の娘っぽいし、そうだとするならこの一件はどこに訴えてもハエや蚊のように簡単に叩き潰されるだけだろう。それよりも気になるのは』
衣良の心は瑠璃と咲にダダ漏れもいいところだった。もしかしたらテレパシーで語りかけられているような気がした。

『ねえ、あんた泣いているの』

『どうして?どうしてそんなことがわかってしまうの?』
私も咲も戸惑い始めていた。

『私の問いかけに咲は一瞬だけど悲しみに満ちた表情をした。』
『いやぁ!それ以上私たちの心を読まないで』、私たちは心の中で叫んだ。

『彼女の中にいる何かが怯えた表情をして咲に鞭(むち)を何度も何度も何度も振り下ろしていた。』

『あ“〜!もう考えるのがめんどくさくなっていた。要はあいつから見たら咲の中にいるこいつが命令どおりに咲を操っているようにみえりゃあいいんだろ?』
『やめてぇ!同情なんかされたら余計に惨めになるじゃない』、私も咲も両耳を両手で強く抑えて聞こえないようにした、しかし心の声はどうやっても防ぎようがなかった。

『それからの私は彼女が望むような快楽に喘ぎ逝きまくる馬鹿娘を演じることにした。』
崖信介的にはどうかは知らないがこの時点で私たちは完全に敗北していた。
その時に素直に負けを認めて崖信介に逆らっていれば凍てつくように冷えた水が流れる川に入水自殺をした可哀想な少女の犠牲者も出なかったはずなのに。

私たちはその後も罪を重ねてあの御前崎のとある中学校の視聴覚ルームでハルサメとナッツというふざけたコンビと星紫亜に倒されるまでその地獄は続いていた。

それから数ヶ月経っていた。私の罪は許されるべきではないだろうけど私の心は佐原詩織という同じく現在は肉体を持たない者同志のよしみでいつのまにか咲の身体中の中で再製されていた。
『いや、いやぁぁ〜‼︎私、あの娘、衣良さんにあんな酷いことしたのに今更顔向けできないよ』抵抗する瑠璃を無理やり引きずって咲に『J党衆議院議員倶名尚愛の公開講演会』なる立て札の立った喫茶店に連れてこられた。
とは言ってもふたりは一心同体だし以前のように咲を操ることはできないから立場は逆転しているんだけど瑠璃は半ば強制的に衣良さんの隣に座らせられるとボソリと小声で言ってしまった。
「去年は恩を仇で返すような真似をしちゃて本当にごめんなさい」
一回目は見事にスルーされた。
赤面する思いで好きな男子に告ったのにとぼけられた女子みたいな気分になってしまった。
「あの、衣良さんには藤枝の時は本当に助けていただいたのに、なんと言ったらいいのか」
瑠璃がそう言うと衣良は急に大声で笑いだした」
「そんなことあったけ?でもそんなことより私のことは衣良でいいよ咲もそう呼んでいるし」
「あの、違いはわかるんですか?」、瑠璃が聞くと彼女は「もっちろん」と言った。
「もうすぐハルサメとナッツも来るのよ、もうひとりのあなた、ルリちゃんを連れてね」
「もうひとりって、確かいまだに崖(ピー)の性奴(ピー)となっているはずじゃ」
「ところでなんで急にみんなが会話をオープンにして声で交わしているんですか?確か今までは獣鬼に見張られているんで最大限にクローズ状態でテレパシー会話していたはずじゃ」
前髪以外は刈り上げ状態の少女が語り出した。
「事情が色々と変わって来ていて獣鬼さんたちとも情報を共有する必要が出てきたんですね」
私が言うとハルサメとナッツが同時に入店してきた。
透明な白い髪の毛の女の子、ハルサメは幼い頃の私にそっくりな女の子を両腕で抱き抱えていた。
「その共有すべき情報ってなんだい?つか俺ももう顔を晒していいのか?」と言って超グラマーな美人の割にはお男前な喋り方をしていたハスキーボイスな女性が変装用のお面を剥がした。
「あ“〜!春樹先輩死んだはずじゃ」
私は大声で叫んでしまっていた。
「ばかぁ、殺されたんじゃなかったの?」と私。
「まあ俺も10年に一回くらいは再生可能な能力はあるからね、ところで事情が変わったってどういうことだい?」
春樹先輩、いや今は楓凛さんか。
「それが2041年問題なんです」私は至極真面目に言ったつもりだ。
それを聞いた途端みんな笑い転げてしまっていた。おまけに獣鬼の大半にさえ笑われているような気がした。
「なんなの、それ新しいパソコンOSの西暦カウントミスバグネタなわけw」

「こっちが真面目に喋っているのに茶化さないでください」
私はマジで怒っていたつもりだった。しかしハルサメが抱っこしている3歳児の私を見たら・・・・・コイツも私を指差して笑ってやがった。
仕方がないので読者には「クドイ!」と思われるかもしれないが水野家と佐原家での話をもう一度リピートした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ある日私は唐突にふたりの姉に聞いたことがある。
「どうして私たちの両親は私たちを拾って育てる気になってくれたのかな?」
その時ふたりは顔を見合わせて驚いていたような気がする。
「今、瑠璃は私、じゃなくて私たちって言ったよね?」
と長女の「美衣」
「うん、確かにそう言った」と次女の『絵留』
「あちゃ〜、やっぱりバレていたよ」と『美衣』
「実はあたしたちも未来から飛ばされてきたんだ」と『絵留』
「だから気を悪くしないで道端で全身傷だらけで倒れていたのを見つけたのはあたしたちなんだ」

私は未来で起きた事を洗いざらいふたりに話した。最初は少し驚いた表情をしていたが美衣は一枚の掛け線の入った紙を取り出すとなにやら描き込み出した

実験体『A〜L』
12体
全員悪魔に陵辱されるが戦闘用に特化されて生殖機能を削除され子宮も卵巣も持たない彼女たちが妊娠をするはずなどなかった、、しかも『G』以外はその2日後に始祖である少女Aに惨殺されて肉体を失いました。
しかし彼女たちがある事件に関わった時に何故か実体化出来て『G』を含む全員の妊娠が発覚しました。ただし実体化していない時はお腹の中の子は成長しないことがわかったので極力実体化は控えたそうです。
そして2030に入って彼女達は交代でそれぞれひとりないしふたりの子を産みそのうち『B』が産んだ娘があたし美衣で『L』が産んだ娘が絵留というわけです。
そこからが奇妙な話なのですが今まで聞いた中で2041年の壁を越えられた娘たちは私たちが聞いた中では誰ひとりとして存在しません。生まれた時に戻されてしまうのです。
はい、映子、あたし美衣、椎(しい)、出衣、井伊、恵歩、自慰、悦知、藍と歩衣、慈恵、、そしてあたし絵留ですがその壁を乗り越えようとした呪いでしょうか?全員もれなく11才の身体から成長しません、まあ名前が被っている娘とコンプライアンス的に恥ずかしい娘もいますが深く考えないでください。所詮は『ゴキちゃんの娘』ですから。

というわけで私たち姉妹は学校というものに通っていないそうだ。

彼女たりがあまりにもあっさりと言ったので私も釣られて「はぁ」と答えてしまっていた。

それから今度は私の話を始めたのだが結論はおそらくは2041年問題が絡んでいるだろうという結論に達した。

次に美衣さんが描いてくれたのは私に関する生誕年表だった。

1988年5月10日 水野家宅前で全裸で行き倒れになっているところを拾われる。
1988年q5月11日 推定年齢3才児と判断、内密に水野家で引き取る、
1992年5月10日 佐原家に引き取ってもらう予定。
2004年 少女A、M『国立さぬきがわ学園に、少女M、その日に殺害。
2025年4月1日瑠璃は仮胎の母から分娩される、
2025年4月1日そのわずか3時間後に仮胎に利用されていた少女は射殺される。
他の5人も赤子殺害未遂で射殺されていた(実際に殺そうとしていたかは不明)

2034年5月 『かなえ』を始め6人の保母が輪姦される。
2034年5月 それを目撃した『ニナ』も輪姦される、瀕死の重傷を受けるが自力で回復。
2034年5月 『かなえ』たち6人のほぼ全員が職場(育児)放棄を始める
2034年5月 『ニナ』が突然に凶暴化『かなえ』を含む6人の保母が惨殺される

2041年1月1日0時15分 研究所男性職員による性的な暴行が始まり全員が種子を撃ち込まれる
2041年1月1日0時20分頃女性全員の能力が暴走化して殺戮合戦が始まる、瑠璃15才と9ヶ月
2041年1月1日15時30分
ハルマゲドンによって人類絶滅 瑠璃は過去に飛んだ

それから今思い出したがその後で『美衣』さんは付け加えていた。
『その種子とやらはDNAや細胞、肉体の作りそのものを改造する機能があるのかもしれないですね』と。
『私たちが様々な能力を得ることが出来たのはそのせいかもしれない』とも言っていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「2041年にハルマゲドンねえ」
彼女も半信半疑だったようだったが何か気になることがあったのか机の引き出しからB4サイズの2枚のカラー写真を取り出した。
「これが何かわかるかな?」
と彼女はきいてきたが1枚はどう見ても火星にしか見えなかった。
「はい、そうです、ではもう1枚は?」
「地球ですよね?いや、地球にしては地形が少しおかしいですね?」
と私は言った。しかしこの写真はどうやって撮影したものだろうか?探査船から撮影したものにしては違和感があるし、今NASUが公開しているどの写真よりも北部の真っ平らな砂丘の面積が少なかった。
「これはどちらも私の知り合いの念写能力者が撮影したものです」
やっぱりこの観萌って女性は頭がおかしいんじゃないのか?っと思った瞬間だった。彼女はさらに続けた。
「どちらも同じ火星です、こちらの今の火星に近く見える方が今から450年以上前に撮影された火星、もう一つの地球に良く似た水の惑星もまた同じく火星です、ただし今から2000年以上は過去の姿です」
そんな馬鹿な、と思った。幾ら何でも2000年も立たずにひとつの惑星はこんなに荒廃するわけが・・・・・。
「お気づきのようですね、あなたが言うハルマゲドン、それがたったの一回起きるだけでこの星は死の星になり得ます、しかもこの第4惑星の住民は愚かにも最低2回、もしかすると3回は繰り返した可能性があります」
彼女はそう言って別の引き出しの中からもう1枚の写真を差し出した。
その写真に写っているひとりはかなり以前にこの国では『正和の妖怪』と言われていた崖理事長だった。今はもうお亡くなりになられたらしいがお孫さんが同じ与党政権内で勢力を伸ばしつつあると聞く。
「合同結婚式とかきいたことがありませんか?、強引な洗脳などの手法で信者を増やして日本国内で勢力を伸ばしていると言われているカルト教団、その代表がこの写真で崖理事長と握手をしている女の人です」
観萌はそう言ったが私は頭の理解が追いつかなかった。ひとりは『監国憎しの代表』みたいな崖理事長。そしてもう1人のカルト教団の代表は『ジポン憎しの代表のような女』、『堀恵萌』どう考えても水と油だ、混ざり合えるわけがない。
「そう思いますか?」と観萌は問い返してきた。「双方共に共通した敵があるんです、社会主義です、いえ、もっとはっきり言わせてもらうなら彼らは民主主義というものが憎くてたまらないのです」
しかし、と私は思うだからと言って所詮は敵同士ではないのか?手を取り合う理由が見つからないのだけれど。
「ひとつ聞くけどこの崖が目指しているもの、取り戻したいのは何?」
「戦前の日本、ただもう麦国にはどう足掻いても勝てないので今は別の国を仮想敵国にして『攻めてきたらどうするんだ』と国民を煽って軍事力を強化しようとしています、でもこのカルト教会にはその理由がない、むしろ反日を煽って慰安婦像や強制労働問題で難癖をつけている、そんな国のカルト教団が崖と手を結ぶはずがない」
それほど必死ではなかったが観萌に同意する理由はなかった、しかし。
「本当にそうかな?あなた大事なことを忘れていない?監国が割と最近まで軍事国家だったと言うことを、堀恵萌も取り戻したいのよ、今の民主主義化した監国ではなく第二次世界大戦前後の軍事国家を、もしもこの国でクーデターを起こすなら資金と国民の同意が必要、だから彼女は崖理事長を通じてジポンの国家権力と結びつき、まずはジポン国内で勢力を広げてやがて世界にその思想を広げるためにジポンの総理大臣は様々な国に大金をばら撒くでしょうね、しかしそれはただの大金じゃない、堀恵萌が代表をつとめるカルト教団の布教のためにばら撒かれる、ステキじゃない?ジポン発のハルマゲドン開始活動よ」と観萌は皮肉をたっぷりと込めて言った。
「でもそんな自らが自滅するようなことをするはずが・・・」
そこまで言って私は口を閉ざした。実際に自分の体験してきたのだ、わずかに残った記憶の中の西暦2041年に起きたそれを。

そういえばその時の観萌さんも付け加えていた事を思い出した。
『例えば虫などでも別の虫の体内に卵を産みつけて孵化したその子虫は自分を育んでくれた母体というべき虫の命を大切にするかしら?食い尽くして殺して、お終い、それが現実よね?」

そしてさらに観萌が言っていたのを思い出した。
「もしもその種子というのがその獣鬼に寄生する別の生き物だとしたら?獣鬼という生物自体が操られて喰われている可能性だってあるよね?、そしてその種子とかいうナノワームでさえ何者かに操られているとしたら?」
私がルポライターを始めた頃にはすっかり忘れていた会話だった。
私は小声で呟いた。
「じゃあ、本当の敵、私たちにとっても、獣鬼にとっても本当の敵って何?」
「それがさっきから回想していた【要は媒体が変わっただけよ、妖精をモンスター化してその卵を媒体にするか?それとも獣をモンスター化して使い彼らの精液といっしょに放射性生物を植え付けた種子を同時に撃ち込んで人体改造という汚染を拡げるかの違いだとすると本来なら椎奈と志乃と冴子さんが必要ね、あっちも解決には程遠いから】につながると思います」
確信ありげに、言う彼女を見て亜希も秋子さんも愛さんも思わず席を立った。
彼女こそ倶名尚愛のマネージャーアンドロイド椎奈だった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

それを聞いた途端に大勢の獣鬼たちが店を出ていった。ほぼ間違いなく無銭飲食である。

「あ〜!いいから、そういうのは最初から計算済みだから」
倶名尚愛なるJK衆議院議員はすました顔をしてエスプレッソコーヒーを一気飲みして渋い顔をした。言っちゃ悪いですけどそれ『あなたが自分で注文した品でしょ?』と言ってやりたかった。

花奈「今回もパクリンだったね」

アダルト版JC淫魔刑事獣鬼編4『伊良衣良と咲』 終わり

5に続くんです。

椎「もうパクリにさえキレがないというか、なんなの?椎(しい)って別の読みを当てないで‼︎」

獣鬼「なんだよぉ〜俺たち主役じゃなかったのかよ」

倶名尚愛「そのうちどばーっと活躍するから!大丈夫だから、」

獣鬼「なんだよぉ〜言ってみやがれ」

倶名尚愛「陰(ピー)から精(ピー)がどばーと」

獣鬼「それいつもやっていることだよな!たまには違うことをやらせろよ」

倶名尚愛「じゃあ、観萌の全裸を見て首血がどばーと」

獣鬼「おい、テメーふざけんなよ!それモロ『学園アリス』のパクリじゃねーか!」

バキッ!「ぎゃー」ぐしゃぐしゃ「あ“〜!あ“〜!あ“〜!い、い、いやぁ〜!ムシャムシャペロリ!

ここから先は

13字
まだまだ更新中ですが頑張ってみます。

新米淫魔ハルサメと熟練悪なナッツの愛とえろすの物語 20才以上推奨ですが、、特に、、、、過剰な期待はしないでください(笑)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?