カレンダーガール16 ありがとう

カレンダーガール16 ありがとう

毎回とは限りませんが今作はエログロ描写や官能描写を多大に含みますので20才未満の閲覧はご遠慮してくださいね♪
なお現実と烈しく乖離した描写がめちゃくちゃ多数ありますことをお断りしておきます。

       亜希にとってのタブー

『G』を含むボクたちが西暦2832年にとばされているあいだ、亜希と椎名を除くほぼ全員が惰眠を貪っていた、もとい、熟睡をしていた、なんてことは無かったらしい。
と言ってもこれは亜希の中にいる異世界リナから後で聞いた話なので信憑性はかなり疑わしいと思っている。

ボクたちは『ゴキちゃん』の導きにより元いた現代に無事戻って来たが正確には亜希によって未来の宇宙空間に飛ばされた時点から8時間は経過した時間帯だったらしい。
何故かボク、楓山由紀と楓山有希と異世界リナの3人は肉料理と魚料理が出来るということで調理に回されていた。
ちなみに異世界リナは実体化した際に20歳前後のあまり美人ではない女性に化けている。
すぐ後ろでは実寸大化した『かなえ』と『あつこ』はホールに回されててんてこ舞いのようだった。
経験値がゼロの上に無資格なボクたちにこんな仕事をやらせるここのオーナーはどんな顔をしているのか見たくなった。
「あたいがオーナーなのだが何か?」
後ろを振り返るとどこかで見覚えのある制服を着たババァ、もとい熟女が立っていた。
やららと高飛車で高慢ちきなのだけはわかった。
「あの、こちらのファミレスのオーナーさんは某少年探偵アニメの警察幹部コスプレでもするんですか?」
恐る恐る訊ねてみた。
「君の目はブラックホールかね」
とんでもない返しがきた。
絶対関わっちゃダメな奴だと思いすぐ後ろでハンバーグランチを作っている有希に耳打ちをした。
「絶対に法律とか守らないタイプだから無闇に刺激しちゃダメ」
すると即答で「あの人、小田井署の警部さんですよ」と帰って来た。
「何でこんなところにいるのか知らないけど有名ですよ、悪い意味でですけど」
有希が小声でボクに伝えて来た時にそれが聞こえたのかいきなりボクの襟首を掴んで言った。
「なぜここにいるのかって?たまたまこっちの経営状態を見に来ていた最中に大地震が起きたり浜岡原発が事故ったり、北陸の原発が次々とテロに遭って帰るに帰れなくなったからだよ」
いや、こんな奴が法律を守るとは思えないし、どこぞの憲法を守る気がなかった元総理と同じだと思った。
いやいや、今大事なのはそこじゃない。
このおばさんが何者で何で愛知県の警察警部が北海道のファミレスを経営しているのか?って話なんだけど。
「彼女は病院とかコンビニとか銀行も経営しているわよ」
突然、後ろから異世界リナの声がした。
「ちなみに亜希の母親の葉類智恵警部で風間達也刑事の元嫁ですよ」
それでやっと事態が理解できた。亜希や風間達也さんたちが地下の部屋にこもって寝ているのは単にこのババァに会いたくなかっただけのことだったんだ。
「この店はパンケーキしか出さないと言うクレームが来たのでな、見に来たのだが、どうやらデマだったようだな」
彼女はそう言うと早速ホールの方に去って行った。
『ところで異世界リナさん、この店がボクたちが飛ばされた後に襲撃を受けたっていうさっきの話は本当ですか?』
キッチンのどこかに盗聴器が仕掛けられている可能性も考慮してボク達は亜希の胎の中にいる本体同士で会話する事にした。
『ああ、あの悪魔、と言っては悪魔に対して失礼だろうけど自分が産み落とした娘たちを殺しに来たと言うのならいざ知らず抱きに来たのよ』
『それって普通じゃないですか?』
とボク。
『アンポンタンポン、抱くと言っても性行為の方の抱くよ』
不快そうな顔をして異世界リナは大雑把に汚れた食器を手早く手洗いをして次々と食器洗浄機の中に並べていった』
ボクは絶句して思わず手を止めてしまい危うく丸焦げの炒飯を作ってしまうところだった。
「ゆきりん、手を止めない!」
有希が大声で警告してくれなかったら助かったようなものだよね。
『それで彼女達バッコンバッコンされちゃったんですか?』
思わず言ってしまったボクは冷ややかな目でそこにいた全員に睨まれた。
『それなら亜希が対処したから問題ないわ』
『つまり代わりに亜希が彼ら全員とバッコンバッコンしたわけですか?あの大きなおなかで』
ボクの中のイメージでは彼女ならやりかねないと思えた。
『まあ奴らが本気を出していたら全員が凌辱されて有機溶剤を胎内に大量に放出されて全員死んでいただろうね』
『男の達也さんとか少年Aと愛人1号もですか?』
いきなり『ユーキ』が話に割り込んできた。
『そりゃ男にだって穴は他にもあるでしょ、ア〇〇とかお口とか』
『それはそれで興味あります』
同時に言ったのは有希と異世界由紀だった。
『でも自分の実娘にも手を出しちゃうなんてマジで悪魔ですよね、あの連中』
思わずそう言ってしまったボクに冷たい視線が集中してしまう。
『それ、亜希の前で言うのタブーだから』
『でもアレって親子関係がわかる前のことでしょ?それ以降は一度も』
ボクはあることに気づいて思わず「あ“!」と叫んでしまった。
昨夜、と言うか今朝早くか?さとみをヒーリングしていた時の亜希、彼女はまるで別人のようだった。
もしも彼女が必要と判断した時、父である風間達也とも当然のようにしちゃうかもしれない。
だって彼女と風間達也は父娘ではなく血のつながらない他人、それどころか恋愛対象かも知れない。
「まあこの話は亜希の中ではタブーだから」
それから3人は無言で作業を再開し始めた。

      淫らな甘吼夢(アクム)

疲れているはずなのに眠れない。
今朝の一件は亜希にとっては過去を思い出す嫌な出来事だった。
あの口と下の穴にねじり込まれその先から這い出した舌の先で子宮内膜を舐め尽くされたあいつらの感触もそうだがそれが時々よく見る嫌な夢を思い出してしまったからだ。

もう2度としないと誓ったはずの父である風間達也との性行為、私は覚えているだけでもあれから両手でも数えきれないほど夢の中でやっている。
もちろん目が覚めるとその相手であるはずの風間先輩はすぐそこにはいない。
もちろん寝る前に枕を共にした記憶もない。
ただ気になって電話をかけると病院に入院していることが多かったりする。
最悪だったのは胸に犯人が撃った拳銃の弾が防弾チョッキさえ貫いて心臓に穴を開けた時だろうか?
犯人が振り回していたナイフを避け損ねて頸動脈を切断された時もあった。
後どうでもいいことだが秋子に手を出そうとして射精が止まらなくなったこともあった。(まあ自業自得だが)

ある時は私は防弾チョッキから血を吹き出している穴に唇を当てて丸くつぼめた舌を入れると息を吸ったり吐いたりするように私は彼の血を飲み込んだり唾液を流し込んだりを繰り返す。
最初は勢いよく噴き出ていた出血も次第に収まってゆき出血がとまったのを確認する。

私はいつも彼と自分の唇同士を重ね合わせて舌を差し込むと大量の唾液を流し込んでズボンのチャックをおろして彼の萎んだものを引き出すとその先端を手のひらで優しく撫でると少しずつではあるけれど大きくなり始める。

それから私は上体を起こして彼の上に馬乗りになる。
もうひとつの私の手は自分の股間の割れ目に手を伸ばして中指を差し込んで自分が一番感じる小さな芽を刺激してサラサラの液体が割れ目の中に満たされる。
それに私の中指を浸して興奮し始めた穴の中に差し込んでその穴の内面を満遍なくそのサラサラな液体で浸してやる頃にはもう彼のそれは立派に固く、大きくなっている。
私は躊躇うこともなく一度腰を浮かせてそれを自分の穴に差し込むとゆっくりと腰を落として軽く途中まで差し込む、と何かに押し広げられたかのような心地よい痛みが走る。
その痛みが治まるのを待ってから軽く腰を浮かせて再びたえられないくらいの痛みが走るまで腰をゆっくりと下ろす。
それを繰り返していくうちに彼のそれは私の穴の一番奥に達して私の口は思わず小さな喘ぎ声をもらしてしまう。
ずっとこうしていたいと言う気持ちはあるけど私の身体は勝手に腰を浮かせたり沈めたりを繰り返している。
私は前に倒れ込んで彼の上に体を重ねて再び唇を重ねながら舌を差し込むと腰をゆっくりと前後左右に回しながら唾液を流し込んだ。
彼のそれは最大にかたく膨らんで突然激しく脈打ちながら私の胎の中に熱いとろみのある液体を放出する。
それは瞬時に私の胎から上につながる管に怒涛のような濁流となって流れ込み、その先にある何かに吸い込まれた。
私の義母である葉類智恵に言わせるとまともな女性ならあり得ないことらしいけどそんなことは私にはどうでも良いことだ。
それから少しして、私の口の中にとても甘い香りがする液体が溢れ出す。
私はそれを彼の喉に一気に流し込む、咳き込むかと毎度思うがそうならないのは不思議だ。
その途端、彼は軽い痙攣を起こして上下に激しく腰を振り出した。
私は耐えきれずに重ね合わせた口から喘ぎ声を漏らしてしまい、それに刺激されたかのように彼のそれは激しく脈打ちながら大量の液体を私の胎の中に放出した。
そして私は口の中に溢れた甘い液体を彼の喉に流し込む。
そして彼は再び・・・・・
それを何度繰り返しただろうか?
いつのまにか彼の方が私の上に覆いかぶさっていた。
彼は死んだように眠りについている。
そこで私はいつも目を覚ますのだ。
布団の上 で、たった1人で。
大抵そんな時は枕元に置いたスマホが激しく着信音とバイブで震え出す。
嫌な予感を感じつつも通話ボタンを押すと切羽詰まった署員の叫び声が聞こえて来る。
内容を聞いても私は特別驚かなかった。
風間刑事が凶悪犯に至近距離から大型拳銃で胸を防弾チョッキごと撃ち抜かれて心臓が破裂した状態に近いらしい。
まあ普通の人間なら即死だろうがそこは何発抜いても死なない俗称〇〇だし刑事だ、簡単には死なないはずだ。
と思いながらもいつもタクシーを呼ぶ羽目になる。

そして今朝の出来事だ亜希は自分の腹の中に突然出現したモンスターさとみ、正確にはさとみの胎を利用して創られたさとみの能力を暴走状態に近いまでに強化して取り込んだ寄生体だった。

奴は卑怯にも亜希の胎の中にいる一般市民数千万人もの命、いや魂と言い換えるべきか?亜希には説明がつかない。
奴は彼らを巻き添いにして亜希の身体ごと吹っ飛ばそうとしていた。
慌てた亜希はモンスターさとみと彼女がまたがっていた爆弾を数千年先に転送したがエネルギーの消耗が激しかったのか疲れ果てて深い眠りに落ちてしまっていた。

そんな時は夢などみることなく、ぐっすり眠れる筈だったが生憎と目覚める前に悪夢を2度も見させられることになった。

ひとつはここにいる亜希を含む女子全員があいつら、悪魔みたいな連中に陵辱される夢。
しかもおまけがあって愛人1号があいつらによって解放されて全員が身体を破裂させられていた。
そして全身をジャックナイフで滅多刺しにされて目を見開いたまま絶命した先輩の姿

もうひとつは凶暴化したさとみが再び現れて両肩に担いだロケットランチャーから円錐状に鋭く尖り高速回転をしているロケット弾を次々と撃ち放ち蛇のように回り込みながら泣き叫ぶ女の子まで追いかけ回し、その身体に突き刺さると血と肉片を撒き散らしながら身体の奥深くまで入り込んだ途端に自爆させると言う念の入り用だった。

そして目が覚めると何事もなかったかのように全員がすやすやと寝息を立てていた。
ただ、亜希はどうしようもないほど疲れ果てて再び、今度は浅い眠りについていた。

      消えない罪悪感

「ごめん、さとみちゃん、今度は何回ループさせちゃった?」
亜希は本当に申し訳なさそうに『さとみ』に謝りながら訊いていた。
「私は今回はなにもしていませんよ?、亜希さんの先読み能力がキャッシュに残っているだけだと思います」

「なるほどね」
ボクは納得していた。
「何が『なるほどね』じゃ、お前さん達の思考はホールまでダダ漏れなんだよ」
ボクが驚いて振り返るとあのクソババァ、じゃないご淑女様が立っておいでになっていた。
「心が読まれているのがわかったからって心の中まで敬語にする必要はないんだよ」
ゲンコツでおでこを軽く叩かれた。
「ただし『ババァ』は禁句だよ、こう見えてもまだ40代なんだからね」
智恵がそう言うと有希は指折り計算しながら言った。
「じゃあ智恵さんはわずか13歳にして達也さんに孕まされちゃったんですね!すごい!さすが、なか〇〇刑事!」
有希、今度は頭のてっぺんに拳を振り下ろされる。
一体どんな計算をしたのだろうか?
「あたいの娘、志乃はまだ生きていたとして今頃二十歳さね、四十から二十引いてももう二十、合法出産だよ」
と言いながらなぜ落ち込んでいるのですか?
智恵さんはしばらくしゃがみ込んで考え事をしているようだったが気を取り直して立ち上がって僕たちに訊いてきた。

「その娘さんを寝かしつけた後で得体の知れない化け物達がこの店を襲撃しに来たんだね、そいつらは追い払えたのかい?」

「追い払えなかったよ」
異世界リナはつぶやいた。
「なぜ?」
とそこにいた智恵さん以外は全員疑問に思った。
「なるほどね」
智恵さんだけが納得していた。
「えーと、あたいが知っている前田リナは確か4〜5才くらいだと思っていたのだが、あんたはどう見ても20才前後、何故かなー、しかも志乃に顔を似せているし」
露骨に不快をあからさまにして智恵さんは言った。
それもそうかも知れない、凶悪犯に至近距離から大型拳銃で撃たれて命を落としている、赤の他人がそっくりな容姿で現れたら気分が良い筈がない。
「あんた、本当は志乃だね!」
智恵さんに指摘されて自称異世界リナは複雑な表情になった。
ボクはその志乃さんには直接会ったことがないがそんなに似ているのだろうか?
ボクの中では美人というイメージしかないのだが?
もしかしたら自分と比べて比較していたのかも知れない。
「それで、死んだはずのあんたがでしゃばってきた理由はなんだい?」
智恵の問いにしばらく考えた後に自称異世界リナ、いや、風間志乃は懇願する様に言った
「私は亜希に何度も助けられた、今度はあの娘を私が助ける番だよ?」

志乃さんの話を要約するとどう言った選択を取っても志乃さんの実父である達也さんとエッチをしなければならなくるらしい。
要するに達也さんが瀕死の重傷を負うか最悪死亡する可能性だってあるという。

まず問題の一つとして、これは他のメンバー『G』や『B』にも当てはまることだったけれど今、日本の人口のおおよそ9割を3人で分担している以上彼女達の胎の中には1人平均3,500万人を胎の中に持っている。
もしもそこに大量の精液が流れ込んできたら中の人間達がどうなるのか?それを3人の中で1番気にしているのが亜希1人らしい。
言っては何だが他のメンバー、『G』を含む『A』〜『L』まで全て元々が殺戮者なので正直言って自分の胎の中にいる人達がどうなろうが知ったことじゃないと思っている。
まだ『G』や『B』さん以外は取り込むこと自体を拒絶している節がある。
例えばレーシングカーでも車体重量差による優劣差を無くすためにワザと重石を装着することがあるらしい。
自分の中に凡庸な何の取り柄もない数千万人の命を取り込むということはそれだけでもかなりのハンディでしかないということになる。
『L』は渋々『愛人2号』と『愛人3号』を取り込んでいるがこの2人が実はあまりにも凶暴なために隔離という意味で取り込んでいるだけで、それだって凄いリスクに決まっている。
亜希はそれをモンスターさとみに指摘されたにも関わらず、
「あの子、亜希はお腹の中の数千万人を手放す気が絶対にないんです」
少し間を置いてから志乃は続けた。
「あの子はまだあの人達を元の生活に戻すことを諦めていない、しかも完全な形で・・・、それと、もうひとつ」
志乃さんはそこで一区切りするとやはり智恵さんに助けを求めるように続けた。
「あの子は私に気を遣っているんです」
「どういうことだ?」
と智恵さん。
「あの子は無意識のうちに私の父、に惹かれていることに気がついていないの、逆に私は父に男を求めていました、毎晩父とエッチする夢を見ては興奮冷めならぬまま自慰行為に走ることもありました」
志乃さんはそう言うがそれなら何の問題も無いのではないのか?とボクは思う。
「きっと私から父を奪うことになると思っているのかも知れません、でも私は、むしろ彼女を煽って焚きつけていました」
ここで志乃さんは母親である智恵さんの顔をちらりと見た。
「母はこんな私を決して許してはくれないとは思うんです、私の素性がわからなかった最初の入院中はともかく、わかってしまった後も2人の関係が続いてしまっていたと知ったらショックですよね?」
志乃さんは言うがそんなのはふたりが黙っていればわからないことなんじゃないかと思う。
そこで志乃さんは少しだけ困惑した表情になって続けた。
「女の勘ってやっぱり凄いと思うんですよ、父が重傷を負うか、命を落としかけた時にやっぱりどうしても亜紀さんの残り香が、その父の大事な場所や傷口、そして口臭に残ってしまうんです、逆も同じです、亜紀さんの大事な場所から口臭からどうしても父の匂いを私自身でさえ感じてしまうんです、これに母が気が付かないわけがないんです」
向こう側を向いている彼女の素顔はボクにも有希にもそして恐らくは智恵さんにも見えなかったろう。
「私は父と何度も不貞行為を働いてしまいました、でもそれは亜紀さんのせいなんかじゃありません」
そう言った彼女の前の床には大粒のしずくがふた粒、み粒と落ちていた。
「くっだらない」
それを見ていたのか見ていないのか智恵さんはそんな志乃さんの懺悔を一蹴した。
「だいたいあいつとあたいはもう離婚していて赤の他人なんだよ?何であたいがそんな瑣末なことを気にするとでも思っているんだい?」
それから智恵さんは志乃さんの頭をやさしく撫でると後ろから強く抱きしめた。
「お前らは馬鹿か、あたいはあんた達にはいつも感謝こそすれ、恨んだり憎んだりしたことなんて一度もないよ」
斜め後ろから見ているボクの目には智恵さんの頬にも流れ落ちる滴が見えた。
「いつもあいつの命を救ってくれてありがとう、毎日が母の日だよ」
ボクと有希はこっそりその場を離れてホールの『かなえ』と『あつこ』とこっそり交代をしていた。

      本当の主人公は

「うーん、でも肝心なことを聞き忘れちゃったな」
ボクが言うと有希も「そうだね」と返してきた。
『ゴキちゃん』こと『G』が有希の胎の中にいたから未来で宇宙空間での戦いにもなんとか勝ったが(実はモンスター秋子のおかげ)実体化した『G』は胎の中に3,000万人近い一般人の命を抱えたままこの店内にいたらしい。
何度説明されても理解に苦しむがそう言うことらしいが少なくとも彼女の戦闘力は少なくともほぼゼロに等しいだろう。
『B』さんに関してもほぼ同じことが言えたが彼女も数千万人の命を抱えている以上攻撃能力も半減、もしかしたらそれさえ下回っていたかも知れない。
では『L』さんはどうだろうか?
実は彼女も胎の中に大きな爆弾を抱えていると言っても決して過言じゃない。
中にいるのはあの愛人2号と愛人3号だ。
ふたりとも実大サイズなら毎秒10リットルの射精が出来るという。
『L』のスペックは計り知れないものがあるがそれでも彼女の胎の中で突然愛人1号が実体化しないとも限らない。
冴子ちゃんと同様な能力を持っているとすれば『L』の胎の中でわざと自害して実寸大化して『L』の胎を突き破って出てくる可能性だってある。

そして最終的には亜希だ、彼女が1番大きな爆弾を腹に抱えていると言っていい。
彼女自身諦めが悪くて見切りをつけられない4,000万人近い命、それらはもれなく放射線汚染を受けている。
そして志乃さんと達也さんとの三角関係にひとり悩みうじうじしている。
「まったくあの人のキャラじゃないよね、今回は」
ボクがそう言うと有希も頷いて呼び出しボタンが押されたテーブルに向かう。
クレームなのか何やら怒鳴りつけられている。
まあそんなことで泣き出すほどやわな娘ではないことくらいはわかってはいるけど一応サポートに入ってやる。
強面の男子高校生3人だ。
「何かこちら側に不備でもあったでしょうか?」
一応腰を低くして聞いてみた。
「あったでしょうか?じゃないよあったんだよ、オタクの店はゴキちゃんも料理の中に入れるわけ?」
もちろんそんなものは滅多に入るものじゃない、でも一応確認させてもらう。
なるほど確かに入っていた。
グラタンの焦げ目が入ったチーズの下にしかも生きの良い生のゴキちゃんが。
「それで私たちにどうしろと」
ボクは時々たまにおとこの娘に見られることもあるけど引き下がるわけにはいかなかった。
「店長を呼べ!」
まあ決まり文句ですよね?
でも呼ぶまでもなく彼女はすぐそこに立っていた。
「それであたいにどうしろと」
そう言った店長はマグナム44の銃口を男子高校生の口の中につっこんでいた。
「に、偽物だ、偽物に決まっている」
隣の席の男子が騒ぎ出すと葉類智恵警部は自分の身分証明を表示したスマホ画面を3人に掲示した。
「試してみるかい?」
智恵がそういえば相手は降参するとボクも有希も考えていた。
「やってみろよ」
もう1人の男子生徒が言った途端3人の姿がそこからかき消されていた。
その直後にボクと有希と葉類智恵警部の身体が後ろに吹っ飛ばされていた。
キッチンを見ると『あつこ』さんと『かなえ』さんともう1人が化け物に馬乗りにされて長い肉棒を股間の穴に差し込まれようとしていた。
ボクも、有希も、智恵さんも同様に化け物に馬乗りにされて長い肉棒を穴の中に入れられていた。
「助けなんて来ないさ、昨夜と同様みんな『ゴキちゃん』とか言うノロマを残して逃げていきやがったよ、おかげで俺たちは12人でその『ゴキちゃん』とやらをやりたい放題だ、仕上げに愛人1号を解放してたった3回で破裂させてやったよ」
その時ボクの中でピースが全部ピッタリとはまった。
追い返せなかったんじゃなくて、ワザと追い返さなかったんだ。
半分魂が抜けてボケた状態の『ゴキちゃん』をエサにして。
「しかし俺だけがこんなババァとは割があわねぇ」
奴がそう言った途端にボクの穴から肉棒が抜けたかと思うとそいつの体は天井に叩きつけられていた。
そして有希と葉類智恵警部に馬乗りになっていた奴の身体も立て続けに天井に叩きつけられていた。
キッチンでも同様な事が起きていた。
地下ではドッタンバッタン大騒ぎをしている音がした。
葉類智恵警部が自分の顔を右掌で覆い隠す。
「派遣!葉類智恵、召喚、私、草薙敦子」
そう言うと葉類智恵警部、もとい草薙敦子はむっくりと起き上がって天井から落ちて来た奴らに向かって言った。
「もう愛人トリオは戻ってこない、いいえ戻れない、何故なら太陽のど真ん中に派遣したから」
「約束を反故にした罰はしっかりと受けてもらうわよ」
かなえが宣言すると3体の化け物は
木っ端微塵に砕け散った。
地下に通じる階段から9体の化け物が宙を飛んで逃げてきた。
「あたしにもガマンの限界ってものがあるんだよ」
そう言った見覚えのある少女。
「確か女子中学生の胸にナイフを突き刺した国会議員倶名尚愛!」
「覚え方!」
と愛
そいつは両手で鉄砲のようなポーズをとると立て続けに奴らに次々と狙いを定めると
『ドゴーン、ドゴーン、ドゴーン』と叫んだ。
あの少年刑事漫画飲み過ぎだろうか?
3体の奴らの体は口径50センチの大砲に撃たれたように木っ端微塵に砕け散った。
「あんた達あいつらを使って随分酷いことをしてくれたね、コリもしないで再びモンスター化してくれてありがとうよ」
「あれは確か女子トイレで危ない大人のおもちゃで女子中学生の穴をグリグリしてケタケタ笑っていたサディスト国会議員山崎秋子」
「印象操作!」
と秋子
「もう私の怒りはクライマックスだからね!一滴残らず搾り取らせてもらうわ」
3体の奴らの尻尾が激しく痙攣を始めると勢いよく白濁色の液体を吹き出しそれは瞬く間に秋子のスカートの中に吸い込まれていった。
そして残された奴ら3体の体は砂のようにサラサラとなってエアコンの風に吹き飛ばされていった。
「あ、パンツ下ろすの忘れていたからグショグショに濡れて気持ち悪い」
と秋子さん、正直言っていまさら遅いです。
地下から身重の、いやお腹の大きな亜希がゆっくりと階段を登ってきた。
「逃げたとでも思った?」
彼女は残った、3体を睨みつけながら言った。
「確かに私の中にいる数千万人の人達は確かに何も特別な能力のない凡人ばかりかもしれないよ?」

亜希はスカートのポケットの中から直径が10センチくらいの黒光りする鋼球を取り出すとそれを唇に当てて何やら呪文を唱えた。

それを左腕で勢いよく投げると1番左の1体の頭部に命中して強い光を放って爆発すると姿も形も残らずに消え去っていた。

「あなた達が馬鹿にし続けた国民を何故私が大事にお腹の中で保護してきたかあなた達にはわからないでしょ?でもね、彼らがいなければ私はとうの昔に自滅していた」

そう言うと亜希はスカートのポケットから紫色の鋼球をを取り出した。
「いつまでも俺たちを縛れると思うなよ」
右の1体が亜希に襲い掛かるようにして突進してくる。

亜希は涼しい顔のまま唇に触れていたその鋼球を左腕で全力投球する。
左に少し逸れたかのように見えたが奴が亜希の3メートル手前に来た時に170度向きを変えて頭部を撃破ダイナマイトのように全身が爆発した。

亜希はスカートの中から最後の紅い鋼球を取り出すと唇に当てて呪文を唱えた。

「最後に、彼らはこんな適当でいい加減なサポートしかしてこれなかった私のために様々なアイデアを提出してくれた、あなた達は国民を一度でも信用したかしら?窮地に陥っていた国民に手を差し伸べたこと一度っきりでもある?」
亜希が言うと奴、悪魔は自らを暴走化させて襲い掛かってきた。
奴はジグザグに移動しながら亜希の動揺を誘おうとしている。
亜希は振りかぶりながら叫んだ。
「これがあなた達が馬鹿にして冷たくあしらって来た彼らが導き出した答えよ!」
亜希は急に軸足を中心に後ろを振り返り紅い鋼球を全力投球した。
数メートル離れたテーブルの2メートルほど上でその紅い鋼球は炸裂して奴の血と肉片を店内中に飛び散らかした。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

『G』と『B』と私の3人の中で愛人1号に胎の中に何百ガロン出されても中の住民に影響が与えられずに済むのは『G』だけしかいなかった。

全てが終わってから亜希はボソリと言った。

「何故なら『G』の胎の中には無限に精液を吸い尽くせる秋子がいたから」
そして『願望達成能力の愛がいた』それが理由らしい。

愛人1号が破裂させたと思っていた『G』は愛の『願望達成能力が彼らに見せた幻覚だった。

「ところでお前さん達」
ボクたちが振り返るとそこにはすごく怖いおばさんが睨みつけていた。
「店をこんなに汚しちゃって、ちゃんと綺麗に掃除しないとあんたたち給料なしだよ!」
その人はやっぱり葉類智恵警部その人だった。

「ねえ、誰か1人いないような気がするけど思い出せる?」
血糊とか拭き取りながら有希にそう言われて店内を見回したけれどボクには誰がいなくなっていたのか思い出せなくなっていた。
ただ一つ思い出せたのは
「パンケーキ200枚焼いてくれるって話どこにいっちゃったの?」
それだけだった。

カレンダーガール16 終わり

17に続く。



おまけ

亜希「ちょっとぉ、愛ったら、再会でやらかしていた例のエロゲー悪魔の尻尾ネタのパクリ、またやっていたじゃん」

由紀「そうだよね、あんだけあの作品を悪く言っておいてそりゃないよって感じだよね」

愛「だから直しといたからもういいじゃん」

亜希「よくないよ、窃盗罪だよね」

そこまで言うと急に愛の表情が残逆になった。

愛「あんたたちいい加減にいないとマミるよ?」

それを訊いて一同噴き出す。

亜希「残念ですがここにはマミなんて人物はいませーん、それよりもパクリ体質をなんとかして下さーい」

事実なので何も反論できない倶名尚愛だった。

ここから先は

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有料部分を時々追加、更新します、円盤特典みたいなものと思ってください。

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