カレンダーガール13 ミミズメカをとめたい!

    カレンダーガール13 ミミズメカをとめたい!

毎回とは限りませんが今作はエログロ描写や官能描写を多大に含みますので20才未満の閲覧はご遠慮してくださいね♪
なお現実と乖離した描写が多数ありますことをお断りしておきます。

ちなみに〇〇ライナとか〇〇アとか書いたつもりはありませんが根底から出鱈目な話なので万が一出てきても真面目に真偽を確かめないようにお願いします。

(自分で両国のことを調べて勉強、研究する姿勢は大事ですし尊敬に値します。)

    論点のすり替え

もしその映像の中に恐怖で怯えて泣き叫ぶまだ幼い子供の体を自分自身が粉砕している姿を見てしまったら。
「こんなのやってられないよ、あたしなら気が狂う、こんな事をさせる日本自体を恨むよ」
そう、つまりあの巨大ミミズ達は日本を恨んでの行動だった。
泣き叫ぶ有希にかけてやれる言葉をボクは思いつかなかった。
その時遠くから
「私達に任せて」
ボクと有希に優しく温かい声がかけられた。
「任せて、なんて言われても、相手は自暴自棄になった元〇〇党信者が騙された挙句、その思想を拗らせて、憲法破棄とも言える〇〇党の草案に無条件で賛成して、いざそれが執行されたらとんでもない軍事大国になっていて、半強制的に元護衛隊であった筈の護衛軍という名の軍隊に放り込まれて戦場で戦争というものの現実を見せつけられて、ホント、どうしようもない連中なんだけど」
それを聞いて彼女は「クスッ」っと笑った。
「他国が責め来たらどうしますか!憲法9条で国が守れましゅか!防衛力は必要だ、『にほんを攻撃したらタダでは済まされないと思わせることが必要だ、その為には『先制攻撃権』や『軍事基地以外の司令施設に対する攻撃も視野に入れなければならないのでありましゅ!」
彼女達の中の1人がこの国の元総理の口調を真似て言ったが正直言って今の現状では全く笑えなかった。

今はロングパジェロに乗っている、どうやら『G』とか言うおちゃらけものらしい。
「まあ由紀さん、落ち着いて、彼、元総理の言うことはものすごく明確でわかりやすかったってんにあります」
『B』さんが声だけで話しかけてきた。
「わかったわよあれを説明してあげればいいのね」
突然目の前に現れたリナが言った。
リナはリナでもこっちの世界のリナとは違うそうだ。
彼方の世界のリナは国からクーデターの謀反者、それどころか反日テロリストとして追われて『G』に殺されたらしい、だが亜希の中では少なくとも仲が良いらしい。
そのあたりはボクや有希には到底理解し難い部分がある。
ボクの目の前に一枚の白い紙が提示された。
もちろん何も書かれてはいない。

由紀は1+1=3だと言い出す
       ↓
彼女は同時に3−1=2であると言う
       ↓
では2−1=1なのではないのか? 
       ↓
すると1+1=2であるべきである
       ↓
ここで1+1=3が嘘だと発覚する。

「それじゃあボクがすごい馬鹿みたいじゃないか?」
ボクは口を尖らせて抗議をした。

「まあこんなふうにすぐに発覚しちゃいますね」

「しかしこう言い換えたらどうでしょうか?」
リナはもう一枚の白い紙を取り出してさっきと似た様なことを書き始めた。

ボクは絶句した。
そんな屁理屈が通用するはずがない。

「今、由紀さんは屁理屈だと言いましたね?」
リナは確かにそう言った。しかしこれはここまでくると出鱈目を通り越して嘘と断言しても良いくらいだ。
それにそんなことを言えばすぐにバレてしまうだろう。
「それがそうとは限らないんです」
リナはもう一枚紙を取り出す。

由紀は1+1=3だと言い出す
       ↓
彼女は同時に3−1=2であると言う
       ↓
だが2−1=1とは言っていない
       ↓
さすが由紀は賢い、その通りだ(識者
       ↓
だから1+1=2という証明は出来ない
       ↓
1+1=2なんていう奴は算数を知らない(芸人
       ↓
ここで1+1=3とマスコミ報道

「ここで注目してほしいのは由紀さんが嘘を言っているのはどれでしょう一番上はウソですがこの段階ではウソとは確定していません」

いや、明らかにウソなんだけど確かにウソという根拠は取れていない。
「二段目は真実です、ここで相手を信用させます」
リナは言う、なるほどとは思うが次の段はどうだろうか?
「ここで問題なのは三段目です、『2−1=1ですがこれを違うと言えばウソになりますが『とは言っていない』というのはウソではありません、しかし実はこれは彼らが好んでよく使う論点のすり替えです」
でもモヤっとしたものは感じる。それを感じ取ったのかリナは続けて言う。
「でも視聴者や国民はモヤッとしたものを感じるでしょう、それをスッキリとさせるのが自称『識者』の賛辞です、しかし彼は由紀さんの言ったことのどこに賛同したのか明言していません、しかしここで視聴者の多くを思考停止にもって行きます」
日本人というのは確かに権威者とか識者、専門家の言葉には弱いと思う。
「では次の段『1+1=2というのは証明できない』というのはウソです、しかしそれをウソという為には証明をする必要があります」
うーん、そうかな?とは思うがその為には自称『識者』の意見を否定しなければいけない錯覚に陥る。
「気がつきましたか?人々は由紀さんの言った言葉を検証しなければならなかったはずがいつの間にか自称『識者』の言った言葉を検証し始めてます」
1+1=3の件はどこにいった?
「そこで芸人が煽りまくります、ここで大半の視聴者は冷静な判断力を失っていますね」
「そこでマスコミが1+1=3と報道して仕舞えば騙されるって言いたいのだろうけどそれほど上手くいくのか?」
とボク。
「そうですね、では1+1=3を別のものに置き換えましょうか?」

総理は9条があると侵略されると言う
       ↓
総理は同時に侵略を許すと皆殺しにされると脅す
       ↓
だが9条があると防衛が出来ないとは言わない(自衛権は認めているのだから当たり前だがあえて言わない)
       ↓
さすが総理は賢い、9条じゃ国は守れないし核を使われたら終りと識者(識者が核も必要とトンデモ理論をもちだす)
       ↓
だから先制攻撃が他国に対する脅威ではないし防衛のためには必要)
       ↓
専守防衛なんていう奴は現実を知らない大馬鹿か反日(芸人
       ↓
ここで先制攻撃権と基地外の主要施設攻撃、核シェアは必要とマスコミ報道
    ↓?
国民素直に信じる

「まあ実際にはつっこみどころ満載なんですがこの場合は一段目から論点のすり替えを平然と行っています、そもそも9条は防衛のためではなく『かつて行った様な侵略行為をこなったり兵器武力による経済摩擦や民族問題を解決する手段としてこれを行使しない』というまあどこぞのヤクザみたいなことはしません、という文明国としては当たり前なことしか書いていないんだけど」
リナは少し間を置いて付け加える。
「ただ9条があると侵略されるというのは完全なウソじゃないんですよ、ただなくても侵略されるという事を隠しているだけで」
いや、それって完全な詐欺でしょ、って思ったが突っ込まないことにした。
「2番目は完全に旧大日本帝国軍が使っていた手法ですね、これも可能性としてはゼロじゃないです」
リナは言いながら「ただし」と続けた。
「これは日本が徹底抗戦に出た場合に限られます」
どうして?とボク。

「沖縄戦などで日本はこれをやりました、ご丁寧にも『捕まって捕虜にされると強姦されまくった挙句殺される』という脅し付きで女学生達にも戦わせました、その結果、死ななくても済んだはずの女学生は大勢います、まあ慰安婦を金目的の娼婦だったと言い張る連中が仕切っている国ですからね、それも想定内でしょ」
リナの言葉にはあきらかに皮肉と憎しみが込められていた。
「3番目はわかりますね、侵略は間違っても経済摩擦問題や民族問題ではないのですから9条はそれに関しては放棄などしていませんね、あきらかな印象操作ですよ」
そこはそれでサラッと済ませて次に行った。
「問題は4番目ですよ敵は核を大量に持つようなイカれた連中だから使ってくるという事を前提に話しています」
まあイカれたやつかどうかは知らないけど相手に使えば反撃されるとわかっていて使ってくる馬鹿はいないだろう、だから。
「日本にも核兵器は必要かもしれない」
とボクは言った。
「甘ーい!あなたはマロンクリームケーキですか!」
と断言されてしまった。
「いいですか?そんなイカれた政治家が自国民の命なんて大事にするとでも思っていますか?それは旧日本軍が証明済でしょ?それにどうせ反撃されるならと壊滅するまで攻撃してきますよ」
「じゃあ日本も相手と同じくらいの核弾道ミサイルを持てば」
ちょっと意地になってボクは反論を試みた。
「日本を壊滅させるのに各弾道ミサイルは何発で済むか知っていますか?」
「5、6、発?」
ボクは適当に答えた。
リナは呆れたのか思わず『プッ』と吹き出したようだった。
「1970年代、とある週刊漫画誌の巻頭カラー記事によると『日本はたった4発の潜水艦からの対地核ミサイルで全滅するって話だったわ、日本なんてその気になれば2発、いいえ1発の水爆弾頭付きで十分でしょうね、それに対してロシアや中華人民共和国には何十発必要かしら?」
そんなに差がつくものかと一瞬耳を疑ったが確かに面積を考えたらそうかもしれない。
「それともう一つ、なんで人工衛星などのロケットは東に向けて飛ばすかわかっている?地球の自転と関係があって西に向けて飛ばすのと東に向けて飛ばすのではどちらが有利かしら?そしてさっきの2大核保有国はどっちの方向にあるかしら?」
確かにそうかもしれないでもそれはアメリカだって」
ボクは言いかけて口を閉ざした。
「いいとこに気がついたみたいね、それがアメリカが沖縄をはじめとする日本各地にある米軍基地を撤収できない最大の理由でありイージスアショアに拘った理由よ、日本からなら弾道ミサイルを追尾させる形で撃ち落とせるからね、それともう一つ」
リナは深刻な顔をして付け加えた。
「もしも日本が独自に核弾道ミサイルを保有したらアメリカにとって朝鮮人民共和国なんかよりもはるかにタチの悪い脅威になるからね、あの危ない連中でも『アメリカと核をシェア』と言うのが精一杯なはずよ」
そう言って深くため息をついてから断言した。
「まあ残りの二つはいつものプロパガンダなんだけどまえの5つが効いているから簡単に騙されちゃうのよね」
まあそこまではわかった。
実際日本が核弾道ミサイルを保有しても不利になるどころか逆に日本の脅威を理由に侵攻しやすくしてしまうことも。
「だからってアレは酷いよな」
ボクは敦賀の街を破壊し続けている巨大ミミズを見ながら言った。
全長600メートル、直径30メートルの巨大なミミズは頑強な可動式の鎧に先頭を鋭利で硬い刃で地中に穴を開けながら高速で進み地上のありとあらゆる建造物を破壊できるあいつも最強のステルス兵器と言えた。
厄介と言うべきか幸いと言うべきか北京や平壌を襲撃してただならぬ死傷者を出したそれがどこの国が差し出した刺客か、どの国もわかりかねてはいたようだった。
一時は、と言うか日本が真っ先に疑われたようだったが大飯原発が襲撃されて敦賀の街にも血の雨を降らして、今入った情報によると北九州の玄海原発も襲撃されたとのことで一応疑いは晴らされた形になっているらしい。

「それで『B』さんや『G』さんたちに何かいい名案があるの?」
亜希の声が今いる彼女胎の海を通じて聞こえてきた。
「名案ってほどじゃないけどそれを実行するには志乃さんと冴子さんの協力が必要ね」

      止める方法

「それで『B』さんや『G』さんたちに何かいい名案があるの?」
亜希の声が今いる彼女胎の海を通じて聞こえてきた。
「名案ってほどじゃないけどそれを実行するには志乃さんと冴子さんの協力が必要ね」
そう言ったのは亜希の中にいる『B』だとばかり思っていた。
「あなたは、誰?」
亜希が、いや、亜希も聞いていた。
「ごめん、今はまだ言えないんだ」
もう1人の少し落ち着いた声が聞こえてきた。
「あの巨大ミミズの正体は幾重にも多重につなげたシールドマシンをイメージしてくれれば良いと思っているわ」
「その声に聞き覚えがある」
亜希の呟く声。
「普通シールドマシンのカッターは一枚の、正しくは一重の構造になっていて速度を稼げない、でも巨大ミミズのアレは5重構造になっていてまず先頭の歯がかなり荒く岩盤を削り次のユニットに送る、そして次のユニットは最初のユニットの刃が砕いたすごく荒い岩盤だった岩の塊を少し細かく砕く、そしてさらにそれを次のユニットがさらに細かく砕く、そして最終的には砂、よりも細かい粘土上になって真ん中のトンネルを通じて幾重にも重なる動力ユニットや駆動ユニットをえて最終的には地中内の大量の地下水に混ぜられて最後尾のユニットから噴射される構造になっているんだ」
そのふたりの声はどこからともなく聞こえては来たが姿は全く見えなかった。
「君達は何処から見ていて何処から何処までを知っているんだい?」
「ごめんなさい、私たちも、彼女もあいつらに存在を気取(けど)られてちょっとした隙にあいつ達に襲われて奴らの種子、いいえ本体を胎内に植え込まれてしまっていたわ、残念なことに私も彼女も自分達の意識も思考力も全てを奪われて操り人形にさせられていた」
そう言われても亜希や愛、そして楓凛はもちろん、志乃も冴子も彼女達が誰か思い出せない様子だ。
「ボクと有希は亜希が(胎の中で)見せてくれた夢の中であった気がする」
ボクは思わず呟いていた。

「彼女達もあの忌まわしい明日のアイドルをなんちゃらかんちゃらプロジェクトに組み込まれていたんだ」
ボクが呟くと有希もそれに続いて言った。
「あたしと由紀がまだ体を共用していた時、同様にふたつの意識を共用していた娘がいた、そしてカレンダーガール、あのカレンダーに写ってい娘は夢の中では同級生であり、プロジェクトのタレントの1人だった」
希かなえと佳苗玉枝のふたりだった。
あの時、ふたりは親娘だったはずだった。
「初めまして、かしら?あたしは『かなえ』と言います」
イメージが全然違う気がした。
ボク達の中ではすぐキレる危ない奴というイメージしかない。
しかもボブヘアの眼鏡っ娘で少し大柄な感じ。
もう1人は少し小柄に見える褐色の肌を保つショートカットの美少女。
ボクの記憶の中にはそんな娘はいなかった筈。
「君、私が誰か思い出せないでしょ?」
彼女はそう言うと今の僕達よりさらに小さくなり左手の人差し指から鋭くて長い爪を伸ばすと透明でサラサラとした液体を出した。
「佳苗玉枝?」
ボクは小さく叫んだ。
「私の本当の名前は『あつこ』、訳あって私と『かなえ』の本名は明かせないけど、夢の中ではほんと迷惑かけちゃったね」
彼女は少し恥ずかしそうに言った。
「よく思い出せないけど『女子トイレの個室が壊れていて満員だったので仕方がなく飛び込んだ男子トイレの個室に鍵をかけていなかった大手芸能事務所の社長がズボンとパンツを降ろしてシンボルを全立させていたとことに、これまたパンツを降ろしたまま勢い余って飛び込んでしまい合体しちゃってそのまま中出しされて孕まされた希かなえのお母さん』だっけ?」
ボクは思い出せる限りの全てを述べていた。
すると目の前の美少女は褐色の顔をさらに赤く染めて「言い方!」
と叫んだ
でも確か、あのふたりなら美少女クリーチャーに肉片どころか骨一つ残さず喰らい尽くされた筈だったんじゃ?

「それに関してはゴメン!」
亜希の謝る声が聞こえてきた。
「アレは一部フィクションであって、由紀と有希に思い出してもらうための一芝居だったわけで」
「なあんだ、『ち〇〇の中の妖精とか美少女クリーチャーとか僧侶枠アニメでもやらないような男子トイレでいきなり合体して妊娠出産とかあり得ないとか思っていたけど・・・あれ?」
そこまで言ったボクはさらに顔を赤くして怒り狂っている褐色の美少女に睨みつけられていた。
「私の破廉恥な行為を数千万人には晒すなぁ」
そう言うと彼女は左手の人差し指の長くて先の尖った爪をボクの額に刺してサラサラの液体を流し込んだ。
ボクは急にムラムラしてきて有希の華奢な体に背後から抱きつくとパジャマズボンとパンツの中に左手を忍び込ませて彼女の柔らかな股間の割れ目ちゃんを二本の指でさすっていた。
「あ、あ〜ぁ!」
有希の甘味かつ、セクシーな声が亜希の胎の中全体に響き渡りボクと有希の顔は真っ赤になった。
「ひ、酷いよ、こんな仕返しなんて」
ボクの必死な抗議と抵抗に関わらず僕の2本の指は有希の柔らかな洞窟の中に潜り込んでいた。
しかも彼女はボクの2本の指を歓迎するかのようにサラサラな液体で濡らしてくれた。
そしてボクの2本の指はさらに彼女の洞窟深くに入り込むと太くて固くなって有希を悶絶させた。
有希の吐く吐息が次第に荒くなるボクの2本の指は激しく脈打ちながら謎の液体を放出していた。
有希が激しく腰を振ると自分の口を両手で押さえながら振り向きざまにボクの唇の押し付けてきた。
熱くて滑らかな感触が口の中に入り込んできたかと思ったら甘くて少し粘りのある液体がボクの喉に一気に流れ込んでいた。
それに興奮してしまったのかボクの2本の指はさらに太くなり彼女の洞窟を押し広げ脈打ちながら謎の液体を放出する。
有希もそれに応えるかのようにボクの口に甘くて少し粘りのある液体を流し込んできた。
気がつかない間に有希の右手の2本の指がボクのパジャマのズボンとパンツの隙間から潜り込んできてボクの股間の割れ目ちゃんの中に潜りこんでいた。
そして洞窟の入り口を探り当てられるとその指に刺激されてボクも熱く荒い吐息と共にサラサラな液体で彼女の細い指を濡らしてていた。

ーーーーーーーーーー

「酷いよ、こんな大勢の前で羞恥プレイをさせるなんて」
ボクは『あつこ』なる美少女に猛然と抗議をした。
ここにいる数千万人の老若男女がボクと有希の羞恥プレイを始終見物していたに違いなかった。
ボクの指は何回有希のおなかに中出しをして、彼女の指が何回ボクのおなかに中出ししたかなんて覚えていない。
ただボクの口の中には有希の甘い唾液が口いっぱいに残っていた。
「あたしも・・・」
有希も顔を赤らめて呟いた。
「あーそこの君たち、さっきの淫乱な行為は他の人たちからは見えないようにブロックしておいたから安心していただきたい」
やはりどこからともなく亜希の声。
「さーてと、君たちのエロくてゲスな行為はこのビデオカメラに収めたからこれから私たちの言う事を聞いてくれないとどうなるかわかっているよねえ?」
褐色の美少女はいつも間にかどこで手に入れたのか?手にしたビデオカメラをボク達に見せつけて、あろう事かボクと有希を脅迫しにかかってきた。
チラッとその内容を見せられたがこんなものを公開されようものなら全世界で瞬時に拡散されてしまうだろう。
「あんた達、清純そうな顔してとんでもないゲスね」
有希は興奮して抗議をしたがそのビデオカメラのモニターにはしっかりと2人の秘め事が映されていた。
しかもボク達の顔を赤らめながら荒々しい吐息と激しい喘ぎ声と一緒に。
「それで、ボクたちは何をすれば良いの?」
ボクはひきつった顔をしてそれを言うのが精一杯だった。
ふとそこでボクは肝心なことを思い出していた。
『あれ?確か協力が必要だったのは志乃さんと冴子さんであってボク達は関係なかったんじゃなかったっけ?』

      名前を思い出せないメンバー

「由紀ちゃんは誰のためにこのプロジェクトに応募したの?」
最初100人までに絞る選考会に参加した時、見知らぬ少女に訊かれた問いかけだった。
その時、私は正直言って楓山有希なんて名前の少女は知らなかった。
「もちろん自分のため」
自信を持ってそう答えた記憶があった。
私は自信を持って面接に臨んだのだが一時審査員の印象というかリアクションはイマイチなんてものじゃなかった気がする。
「君見た目が地味だね」
そんなのはまだいい方だった。
「今どきショートヘアなんて、ほとんどの男子は見向きもしないよ」
確かに周りを見たら少なくとも肩にかかるくらい、長い娘だと腰あたりまでサラサラの黒いストレートヘアを伸ばしている娘もいた。
少し栗色がかった細い毛をツインテールにしている娘や太めの少しウェイブのかかった金色に染めた髪を後頭部の高い位置でポニーテールにしている娘もいた。
そんな中にいて私は地味な方だった。
ショートにカットしても枝毛だらけ、肩まで伸ばしただけで雨の日なんていくらしつこく丁寧にブラッシングしようが爆発ヘアと呼ばれるものになってしまう。
この時点で落選は疑いようもなかったがとんでもない奇跡が起きてどん尻とはいえ通過してしまった。

「よかったね」
いつかの少女がまた声をかけてくれた。
「迷っている?」
そう訊かれて内心ドキッとした。
「こういう仕事って本当の自分の顔でやる必要なんて1ミリもないんだよ」
そう言った彼女はクスッと笑うと私の身体に魔法をかけた。

約一週間後、あたしは2次選考会に臨んでいた。
腰まであるサラサラにストレートのロングヘア、もちろんウィッグだ。
胸もお尻もあんまり言いたくはないがパット様様だ。
もう純白のドレスもあたしを引き立ててくれる。
ただひとつ問題なのは選考会指定の露出度の高い水着による評価とその日の天候だった。

「うわ〜風速25メートル/秒ってウィッグ飛んでっちゃうよ」
泣きそうになったあたしに彼女は親指を突き立ててにっこりと微笑んだ。
審査室はまさかの更衣室、そこで水着に着替えろという。
まあ完全に脱がずに服の中で腕や足を通してブラとパンツを着替えるくらいはなんでもないですけどね。
早速それをやろうとしたら審査員長のおっさんが一言
「ちゃんとこっちを向いて全部脱いでから着なさい」
などと抜かし始めた。
「それなら男性審査員だけでも退室してください」
あたしが当然な主張をするとその審査員長は急に不機嫌な顔をし出した。
「君、自分が採用してもらえるという立場を忘れていないかね?前の組もその前の組もその条件で審査したのだが、君はこのコンテストの規約書を読んでいないのかね」
偉そうに言ったその審査員長はのちに聞いたところによると大手芸能事務所の社長だったと聞いた。
もちろんあたしはそんなの無視した。
でももしその場に彼女がいなかったら涙を流しながら全裸を晒していたかもしれない。

ボクのすぐ隣で有希はぶつぶつと何事かを愚痴っていた。
もしかして自分の昔の暗い過去でも思い出しているのだろうか?

「ねえってば」
突然、ボクは左ほっぺをつねられた。
「あたし、さっきから何度も呼んでいるよね?」
思いっきり不機嫌そうな有希の顔がボクを正面から覗き込んでいた。
「さっきからぶつぶつとうるさいんだけど、あたしに何か言いたいことでもあるわけ?」
「あれ?ブツブツと愚痴っていたのは有希、君じゃないか?」
思わず思った事を口にしてしまった。
君は急に何かを思い出したかのように左手で口を塞ぎながら笑い出していた。
「何がおかしいの?」
ボクは彼女に訊く。
「だって、あの時は、あの世界ではあたしは恐怖で何もできなかったけど『ユーキ』君はあたしを必死になって守ろうとしてくれたじゃない」
有希はそう言ってくれたけれど立場を交換したこの世界でも結局は君を守れていない自分が恨めしかった。
「結局はこっちの世界でも男の暴行からこの身体を守ることができずに孕まされてしまった挙句、大型トレーラーに轢き潰されてしまった、そしてあっちの世界でも結局は君を守れずあのエロ教師の子供を孕まされてしまった」
そんなボクを助けてくれたのは結局は君だった。
でもボクはあの世界では君から離れてしまった。
一緒にいるのが辛くて。
ー『あれ?でもボクはなんで由紀の元を離れてしまったんだろうか?』ー
ふと、そんな疑問がわいた。
「あの世界での由紀はたった1人であいつの子供を産んで育てたのだろうか?」
ボクの疑問を聞いてまた急に有希は大声で笑い出した。
「また異世界の話?由紀も懲りないなぁ」
そう言われてボクはふと我に帰った。
それよりも今の課題は目の前で大地を掘り進み潜っては都会を襲撃して炎上させているあの大型ミミズだ。

「ちょっと待って」
急に有希は頭を両手で抱えてうずくまくった。
「私の記憶には希かなえが寄生体に侵略されコントロールされたエロ教師に瀕死の重症になる程惨たらしい暴行を受けていた、とはいえ大半の国民は平和な生活を送っていた、それが5月から6月にかけて、それが・・・」
たしかに今はまだそれよりもまだ3か月以上は前の2月、と言うことはこのままこの事態が進めば少なくとも4月どころか3月を待つこともなく日本は壊滅する。
ではそれ以降の出来事は夢か幻だったのだろうか?
もしもあの世界が続いていたらボク達の運命はどう変わっていたのだろうか?
もしもあの時点で例の寄生体が自分達の計画が失敗した事に気が付いたら。

いや、だからこそあの巨大ミミズ兵器の投入を早めたのかもしれない。
「あたし、思うんだ、あれをそのまま放っておくわけにはいかない、でも何も話し合わないままあの子たちと戦って良いものかどうか?」
有希はそう言うとあのミミズの中に自らを実体化するように秋に願い出た。
あの巨大なミミズの中の人と話し合う気だとは思った。
「無茶だ、奴はもう既に原発施設を2ヶ所以上襲撃していてかなりの放射線を浴びている、戻ってこれなくなるかもしれないぞ」
楓凛は警告してくれた。
だけどもう有希の決心は固いように見えた。
腰まであった長い髪の毛を肩のあたりでハサミを使いバッサリと切り落とすとボクに手を差し伸べて言った。
「あたしはもう決心したよ、次に決心するのはキミの番だよ」
有希はそう言うと真っ直ぐにボクを見つめた。
「でもどうやってあのなかに入る?あの巨大ミミズの中は複雑に入り組んだ可動部だらけだよ?」
ボクは言った。
反論というよりは自分自身に対する言い聞かせだったのかもしれない。
その瞬間、時はその刻みを進めるのをやめてしまったように見えた。
楓凛はあざだらけの顔のままサニークーペの運転席のサイドウインドウ越しに1点を指差していた。
その先には『ふげん』と『もんじゅ』を立て続けに地中から屠った巨大ミミズが『美浜原子力発電所』のすぐそばの海から飛び出して地上を這いずりながら原子炉を含めた発電所の施設を次々と先端の大きな口にある粉砕用の刃で砕きながら進んでいる途中で止まっているのが見てとれた。
そんな彼女左の助手席には伸ばし放題のチリチリ頭をした(山崎秋子の)愛人1号が顔を背けて震えているのが感じられた。
確かに普通に並の人間とは生命力が桁違いのようだ。
後部席左に座っている葉類亜希の先輩であり、彼女の中にいる志乃さんの父親でもある風間達也さんが全身の皮膚を焼きただらせて身動きひとつしていないようにも見えた。
すぐ隣で亜希に抱きついている冴子ちゃんも同様に見えたがまだ彼女は息をしていて少しずつではあるけれど肌が復元しているように見える。
おそらくはボク達の宿主でもある葉類亜希も同じだろう。
と思い彼女の視力を通してルームミラー越しに確認をしてみたらまだ幼さが残る普通に可愛い女の子の姿が写っていた。
彼女は自分に抱きついてくる冴子ちゃんを強く抱きしめると明らかにボクと有希に向かってこう言った。
「この車から外に出たら私はあなた達にはもう何もしてやれない、あの仮想空間での社長との戦いのようにはいかないよ?」
それはもちろん覚悟の上だ、いや正確には上手くやれる自信なんて全くない。
だけどボクは彼女、有希がそばにいれば自分達が最強だと言う確信が持てた。
「じゃあ止めないよ」
そう言うと亜希は冴子ちゃんのすっかり自己修復されたツヤツヤもっちりとしたほっぺをつねって起こすと
「お願い、私の中の志乃と協力して2人をリサイズ1/10スケールで実体化してあいつの口のすぐ前に出現させて」
といった。
おおーい!なぜそんなところに出現させる?
ボク達をミンチにする気か?
抗議をする時間合え与えられることなくボクと有希は一瞬にして奴、巨大ミミズの口の前に出現をした。
巨大な口の中にはやはり巨大な円形シェーバーの内刃のような鋭く光る回転刃が高速回転をしているのが見えた。
そしてその刃が巻き起こす強烈な吸引風に巻き込まれて吸い込まれそうになっているボクたちとほぼ同い年くらいの女の子が吸い込まれてゆくのが見えた。
放っておけばミンチになるのはほぼ確実だ。ボクと有希のふたりは躊躇うことなくその巨大な口の中に飛び込んだ。
そして最大限に空気抵抗が低減する姿勢を取りながらボクの右手と有希の左手は互いの身体を抱き締め合いながら吸い込まれる勢いに身を任せているとあっという間にボク達は彼女に追いつきボクの左手は彼女の華奢な身体を抱き締めていた。
彼女は振り返り一瞬、ボクたちの顔を見たがすぐに微笑んだ。

最初の刃と刃の間をボク達はすり抜けるとボクは彼女の肌の温もりから何か懐かしいものを感じていた。
周囲は光がなく全くの真っ暗闇だった。

それでもボクたちはまるで見えているかのように周囲の物体の存在と動きを感じ取ることができていた。

僕達のすぐ横を大量のデプリやコンクリート、金属の割れ物が一緒に流れてゆく、僕達はそれらともぶつからないように身体をうまく交わしながら先に進んだ。

少し先にはさっきよりも刃の枚数が多くて隙間が狭い内刄が凄い勢いで回転しているのが見えた。
『さっきのが秒速約100回転、今度は秒速約333回転、刃と刃のピッチがさっきの1/3しかないから刃に触れないように気をつけて』
彼女の細くて華奢な腕の肌を通じてそんな声が聞こえてきた。
甘く、切なく、そして懐かしい声。
ボクたちはなんとかその2段目の刃と刃の間をすり抜けて視覚ではなく肌の感触で互いの安全を確認し合う。

さっきよりは細かくはなったが数が激増したデプリやコンクリート片、金属片をかわしながらボクたちは次の刃、3セット目の回転刃を感じていた。
デプリは真っ赤に反応してまた引き合い互いにくっつき合おうとしていた。
そこに霧状の冷却媒体が吹きかけられる、当然ボクたちにもすごい勢いで吹きかけられて体制を崩されてデプリと激突しそうになる。

『気をつけて、ここからはさっきのような冷却と分別が行われるようになるから』

彼女がそう言った途端にボクたとの周りのものが全て巨大化した。

『リサイズ1/100スケール、次の回転刄のピッチはさっきのさらに1/3、回転数も刃の枚数も3倍になっているから気をつけて』

そう言うとボクたちは次の刃もなんとか無事通過出来た。
その先では巨大な分離機が有って真赤なデプリとそれ以外のものとに分離されていた。

そしてまた冷却媒体を凄い勢いでぶっかけられてよろめくが3人の身体が離れ離れになることはなかった。
もうボクたちの周りには空気どころか気体は存在しなくなって

『次の4枚目はえぐいですよ、刃と刃のピッチはさらに細かくなって回転数は毎秒10000回転、流れもすごく速くなって、刃の先の口径も狭くなっているから気をつけて』

彼女はそう言うとボクに耳打ちをした。

『リサイズ、さらに1/100、加えてタイムスケールも1/10000に』

彼女がそう宣言すると周囲の動きが急にスローに感じられるようになった。
ぼくたちにとっての約10000秒、つまり160分くらいが現実の1秒くらいの感じだろうか?
ボクたちは止まっているかのように見える瓦礫の間をすり抜けるように泳ぎ円柱の壁にへばりつくと彼女はボクたちを抱き抱えたままその壁を分厚い壁を長い時間をかけてすり抜けた。
「ど、どうしてこんなことができるんですか」
ボクは彼女に訊いて見た。
「ちゃんと説明するとJISテキストで64KByte軽く超えるけど聞きたい?」
と彼女、説明するのが面倒だとでも言いたいのだろうか?
「そんなことができるなら最初からすればいいのに」
口を尖らせて、有希。
「そんなに長時間は続きさせられないんですよ、タイムスケールを10000/1」
彼女がそう言った時壁の向こう側の音は通常時間に戻っていることを示していた。
「それにしてもこの狭い通路は何?」
有希が彼女に訊いた。
通路は幅がボクたちの肩幅よりも少し狭い程度しかなく、高さも私たちが手を上に伸ばしたらすぐに届きそうな程度にも満たないと思われた。
「リサイズ1000000/1を実行して私たちは通常サイズに戻りました」
この通路はところどころにあるLED照明により照れらされていて目が慣れてきたら実際には壁はザラザラした土のようになっているのがわかった。
「これは点検用の通り道、少し前にアクシデントで外部から土砂が流れ込んで来た事故があったようね」
彼女はそう言うとボクたちに右側にカニ歩きしてゆくように促した。
「あたしたちがくることはわかっていたと言うこと?」
有希が少し彼女に突っかかるように訊いた。
「元々ひとりで乗り込むつもりだったから話し相手ができて嬉しい、そんなところかな?だから想定外よ」
そう言うと彼女はボクを見ると微笑んだ。
「今はどこに向かって徘徊しているの?」
日本語の使い方が少し変な気がするけど有希は彼女に尋ねた。
「そうね、さしずめ少年28号のいる場所と言ったところかな?」
彼女はそう言って自分の左手の人差し指を咥えた。
しかしボクたちは彼女の名前を知らない、それとは逆に彼女も僕達の素性も名前も知らないだろう。
「あの、ボクたちはあなたとはどう呼び合えば問いのでしょうか?」
ボクが言うと彼女は再びクスクス笑い出した。
しかしその仕草はどこか懐かしい気分になる。
「ごめんね、私たちは初対面じゃないはずなんだけど、忘れちゃったかな?」
彼女はそう言ってから付け加えた。
「改めてよろしく、私の名前は『さとみ』、『少女E』とでも言ったほうがわかりやすいかな?」
ボクは『少女E』と言われてもピンと来なかったがむしろ『さとみ』と言う名前の方に懐かしさに近いものを感じていた。
「あの、ボクたちは・・・」
そう言いかけた時に彼女はボクの口をその小さく柔らかな左手で軽く塞ぐと懐かしくも甘い笑顔で言った。
「久しぶりだよね、由紀さんと有希さん、それとも『ユーキ』さんと『由紀』と言ったほうがわかりやすい?」
そう言われたが1ミリも思い出せない自分がいた。
「仕方がないね、私たちあの時は三位一体だったんだから」
ボクの貧相な想像力では三位一体とか言われても『阿修羅王像』みたいなのしか思いつかなかった。
「ところでさとみさん?」
ボクは言いかけると彼女の小さく柔らかな左手は再びボクの口を軽く押さえた。
「さとみでいいよって前の世界でも言っていたんだけどそれも忘れちゃったのかなぁ!?」
そう言うとさとみさん、もとい、さとみは真顔に戻り少しだけ冷酷な表情を感じ取ってしまったボクは背筋を走る冷たいものを感じていた。
「この残酷無慈悲な大量殺戮兵器について話すね」
彼女はそう言うとこの巨大なミミズの開発意図と大まかな構造を話し出した。

多分みんな気がついていると思うけど、これはこの国の他国に対する先制攻撃を目的としたステルス兵器よ?

海底のさらに深くをもぐり進みこの国の政府が言うところの侵略してくる可能性がある国土内に侵入して目的施設に達すると地上に出て破壊工作を始めることです。

その件に関しては確かあの時にはあの大手芸能事務所社長は言及していなかったと思う。

このミミズ兵器の全体は直径が約30メートル、全長は600メートルにも及ぶ巨大なものです。
それは20体のパーツのより構成されています。
1パーツは全長30メートル、直径30メートルの円筒形に近い形状ですが、両端は丸みを帯びて狭くなっています。
曲がりやすくするための形状です。
先頭の冷却と潤滑を兼ねた液体を降り注ぎながらリング状のノコギリで切れ込みを入れます。
2段目で少し口径の狭いリング状のノコギリで1段目と2段目が多少曲がってもいい様に工夫してあります。

3段目は円形シェーバーの内刃のようなものを冷却水をかけながら荒削りをして、4段目で少し口径を狭めます。

5段目も同様ですが内刄の枚数が倍増してその分ピッチも狭くなり回転数も3倍になります。
そして6段目で口径のさらに狭められ流れも速くなります。

7段目、シェーバー型の刃でいえば3段目になりますが内刄の枚数はさらに3倍に増えて回転数も3倍、ピッチはさらに狭くなります、そこで謎の液体を霧状にふりつけられて加えて8段目で謎の分離技術で使用前、使用済みを含むウランやプルトニウムのデプリと分離されて再処理ユニットにおくりこまれます。

そして9段目、シェーバー型の刃でいえば4段目になりますがウランやプルトニウムを含まないために内刄の数は前段のさらに10倍になり回転数も10倍になりますそこから先、10段目では口径もさらに半分に絞られて流れも速くなります。
ここまでくると脱出はおろか中で生存するのもさすがに私でさえ困難となります。

「だからその手前で脱出したのね」
と有希。
「それもあるけど彼がいる場所も探りたかったからね」
とさとみ。
8段目と9段目のつなぎは壁も床も天井もゴム状になっていてぐにょぐにょしていてめっちゃくちゃ歩きにくかった。
ミミズが真っ直ぐに進んでいる時は良いが向きを変えるために全体を曲げた時にこの繋ぎ目がどうなるのか考えると恐ろしいものがある。

11段目は最終のカッター段ですがその後は小石よりも細かい瓦礫を含んだ土砂流に近い流れとなります。
12段目には掘ったトンネル壁からの地下水が混入される程度です。

13段目と14段目はそちらの処理はなくてウランやプルトニウムの簡易再処理設備となります。

15段目と16段目はそれを再利用できる小型原子炉になっていますが多分、多分ですけど一般に考えられるようなそれとは全く違って形状も構造全く別物と言ってよい構造になっていると思われます。

「知らんけど」
さとみは如何にも最もらしい説明の後に全てをぶち壊すセリフをぶっ込んで来た。

17段目と18段目は発電機と大容量バッテリーですね。
この電力でもってカッターや6段目から20段目本体外周にある、駆動用のキャタビラーを駆動するわけですが欠点としてはあくまでも原子力による発電なのでその速度、回転数の調整が出来ずに基本移動速度が調整できないことですね。

「知らんけど」
有希がさとみの口調を真似て言った。
「でもあたし、そんな口癖の人、昔知っていたような気がするんだよね」
有希が続けて言った。だけど、
「大阪の人はみんなそれを付け足すって話を聞いたことがあるよ」
とボクが口を挟んだ。
「ところで由紀、じゃなかった今は有希か、こっちの世界でもイラストとか描いているの?」
突然にさとみは有希に訊いてきた。
「描くのは好きだけどあたしのは下手の横好きだからなぁ」
有希はそう言ってから自分で言った言葉に驚いた表情を見せた。
「あたし、それ誰かに言った記憶がない」
僕達のすぐ前にはさっきと同様なゴム状の13段目と14段目のつなぎ目が待ち構えていた、ボクたちはそこを用心して渡る。

さて、最後が問題の19段目ですがコントロールルームはそこにあって彼はそこにいると思われます。
ちなみに20段目はよくわかりません。
さとみの言葉を聞いた時にボクは思わず
「まだ180メートル以上も壁に押し付けられながらカニ歩きしなくちゃいけないのかよ」と愚痴ってしまった。

      彼女と彼氏の、

何故、僕は大人たちの言う「隣の国が攻めてくる」や「攻め込まれたら皆殺しにされてしまう」
「隣の国は嘘つきで反日教育をしている」
いつからそんな言葉を素直に信じてしまったのだろうか?

僕はその頃、極度な人間不信に陥っていたのかもしれない。
中学時代から付き合っていた彼女とはいつの間にか別れてしまっていた。
特に何があったわけではない。

そんな時にボクの耳にいろいろな噂話が飛び込んで来た。
「うちの野球部の4番バッターが付き合っていた〇〇って彼女、年配のイケメンの腕にしがみつくようにラブホに入ったところを見た奴がいたってさ」

もちろんその〇〇というのはボクが以前付き合っていた彼女のことだ。

「〇〇ってホント、ヤリマンよね、うちの高校の野球部のキャプテンと科学部の先輩の間に入って独り住まいの自分のアパートに入ってゆくとこ見たやつがいたって話聞いたよ」
聞き覚えがある僕と同じクラスの女子の声。
「それって普通に友達付き合いなんじゃないの?」
こちらも同じクラスの女子の声。
だけど2人の名前が思い出せなかった。
「それがさあ、その〇〇って奴がひとりで住んでいるアパートって私の親友と同じアパートでさ、そのアパート2階建てなんだよ」
「ふーん、で、その〇〇の部屋から毎夜にあっはん、うっふんなんて喘ぎ声がきこえるってはなし?でも本当は反対側から聞こえてきたんじゃないの?」
そんな話正直言って、街中の喫茶店で真昼間にするような話じゃないだろうとは思った。
そんな話に聞き耳を立ててしまったボクも大概かもしれない。
席の位置的に僕の席からは彼女たちの姿は全く見えなかた。
「それが私の親友の住んでいるアパートの部屋って2階の1番奥でさ、下には誰も住んでいないんだよ、あんまり長時間あっはんうっふんやっていたので親友も堪えきれなくなって思わず毎晩オナっちゃたってさ」
「それってやばくね?毎日相手が変わったらますますやばいけどさ」
そんな信憑性もない噂話なんかに僕は耳を貸すべきではなかったかもしれない。
「でもその親友って誰よ、本当に実在するの?」
「さあどうかなぁ、有名俳優とアイアイ傘でアパートに入って行くところも見たっていうしね」

「そういえばあいつってまだフリーか?」
隣の席の奴の声がふと耳に飛び込んで来た。
「元4番だったあいつか?」
この声は僕の元カノと彼女のアパートに科学部の部長と一緒に入って行った僕が所属している野球部のキャプテンだった。
僕の姿が目に入らなかったのかお構いなしに喋り続けていた。
「今はお前と付き合っているんだろ?」
隣の席の奴が言った。
「いいや、たった一回だけ、科学部のやつの紹介であれのアパートに行ったきりだよ」
と野球部のキャプテン。
でもそれはウソだとすぐにわかった。
さっきの喫茶店での女子同士の会話には続きがあったからだ、

「そんな中でも〇〇にご執着な奴がいてさ毎日のように夜半過ぎにくる奴がいてさぁ」
「まさかとは思うけど野球部のキャプテン?」
「正解!〇〇ってスケジュール管理抜群だよね、元野球部のマネージャーだけあって、さすがだわって感じ、他の男とバッティングしないように上手いこと時間調整して呼んでいる」
「うちの野球部のキャプテンって〇〇と付き合うようになってから成績上がったよね、学業も、野球のバッターや投手としての成績も」
「アゲマンでもあったんだ、でもあいつ惜しいことしたね、ほとんどクラス公認の中だったのに」
そんな認識は僕の中にはなかった。
あったとすれば今年3年に進級して間もない頃だった。
彼女は放課後の誰もいなくなった教室で僕に対して積極的に迫ってきたことがあった。
不意に彼女は僕のすぐ前に立ち抱きついてくるとその柔らかそうな唇を僕のそれに重ねようと顔を近づけて来た。

僕は怖くなって彼女を突き飛ばして教室から逃げ出していた。

僕はその後、学業の成績の振るわなくなり、得意だったバッティングもボールを芯で捉えることができなくなっていた。

ーーーーーーーーーーーーー

「さて、最後が問題の19段目ですがこのミミズメカのコントロールエリアはそこにあって彼はそこにいると思われます」
さとみの言葉を聞いた時にボクは思わず
「まだ150メートル以上も壁に押し付けられながらカニ歩きしなくちゃいけないのかよ」
とまた愚痴ってしまった。
「13段目から16段目は核処理施設なので本来ならここは防護服を着なくては確実被曝して命の危機にさらされてしまいます」
さとみはそう言うとこのふたつのエリアだけはなるべく急いで通るように促した。
ボクに言わせれば10分も5分も大して変わりがないように感じるのだけど。
「ところでさとみはこの巨大なミミズのパイロットはどうやって選出されたか知っているの?」
有希はさとみの顔を見ながら訊いた。
「ごめん、そこは私もよく知らなくって、洗脳説もあるし、キーとなる女子高生がふさわしい戦士を選出していると言う説も」
さとみはそう言いながらジャージズボンのポケットからガイガーカウンターを取り出した。
スイッチを入れた途端、指針は振り切れてバグったことを示す警報音を鳴らした。
「ボクたち本当に大丈夫?」
ボクの問いにさとみは自信なさげに首を横に振った。
「一応防放射線対策は取ってあるだろうけど・・・」
まあ当然だろう、だけどもうすでに

ここから外に出たところで北陸一帯はほぼ即死レベルの放射線量に浸されている。
ボクたちは16段目に通じるふにゃふにゃな通路を渡っていた。

ーーーーーーーーーーーー

彼女とはもう2度と会うことはなかったと記憶している。
僕は高校を卒業して地元の少し大きな会社に就職した。
僕は事務系の仕事だったが時々工場の現場の仕事を任されることもあった。
働いている人数が数人足らずの小さな現場だったけどその日は仕事の発注量も多くて人手不足だった。
「この分だと終電間に合いませんよね」
僕は言ったが仕事を途中で投げ出すことはできなかった。
それどころかタイムリミットまでに終わらせられるかさえ自信を持てなかった。
さらに大半が終電を理由に帰ってしまい残ったのは数名、僕の周りには誰もいなかった。
そんな時に会社の社長が1人の応援を送りよこしてくれた。
僕よりもふたまわり程小柄で、それでいて胸と腰の発育が良い女の子。
小柄なのに僕の2倍は手際が良くって仕事はなんとかタイムリミットに間に合った。
しかしかしその時工場に残ったのはその娘と僕の2人だけ。
終電時間はとっくに過ぎてふたりはタクシー代さえもっていなかった。
「仕方がないね僕は工場の方の休息室のベンチで寝るから、君は事務所の医務室でお休み」
僕はそう言ってその娘を事務所の方に向かわせたがすぐに工場の休息室に戻って来た。
事務所の入り口など全てのドアが厳重に戸締りがしてあったらしい。
「私、こっちのベンチで寝るね」
その甘い声を聞いた時僕の鼓動は急に高鳴り始めた。
すごく疲れていて眠いはずなのに寝ようとしても眠れない。
その娘も同じらしくチラリチラッととこちらをみている視線を感じた。
そういえば仕事をしていた最中は忙しくて一言も会話を交わしていない事を思い出した。
「そういえば君の名前、聞いていなかったね」
僕は少しびくつきながらやっとの思いで声に出来た。
「あ、ゆきと君、私、いっていなかったかな?私の名前はしずえだよ?」
そう言ったような気がする、その娘、しずえちゃんの声より口から漏れる吐息の方が大きく聞こえてしまったから。
「僕は高校を出たばかりだけどしずえちゃんは幾つなのかな?」
悪気なく僕は訊ねていた。
「もおぅ、ゆきと君ったら女の子に歳を訊くのはルール違反ですよぉ〜」
しずえちゃんの声は聴けば聴くほど耳の官能をくすぐるような甘ったるい声だった。
「じゃぁ最終学歴は?」
質問を変えてみた。
「中学しか出ていませんけれどぉ、それでわたしの年齢を推測しないでくださいねぇ」
その甘い声と口調は凶器にしか思えなかった。
僕の股間のアレを絶妙に刺激してくる。
身長は小柄だけどその体つきだけは成人女性そのものにしか見えない。
僕はまた質問を変えてみた。
もうしずえちゃんの年齢よりもただ単に彼女の甘い声を聞き続けていたかっただけかもしれない。
僕はいつの間にかベンチから起き上がりしずえちゃんのベンチのすぐ横にひざまづいていた。
「顔が近い、本当言うとね、ゆきと君っていつも〇〇さんばかりみていたから、悔しくて私、進学やめた」
その言葉を聴いた時、僕の左頬に彼女の熱い吐息が脈打つ鼓動のように吹き付けられていた。
僕としずえちゃんの唇と唇が重なり合う。
口の中に押し込んで来たしずえちゃんの柔らかな舌の先と一緒に熱く甘い唾液が僕の口の中に流れ込んできた
無意識に僕は彼女の右脇の下に左手を忍び込ませていた。
僕の息も次第に荒くなり僕の右手はしずえちゃんの柔らかくも豊満な左乳房を服の上から鷲掴みにしたところで自分の記憶はどこかに飛んでいってしまった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ボクたちは16段目の真ん中あたりの狭い通路を歩いていた。
「核反応炉ってもっと静かなイメージだってんですけど意外と煩いものなんですね」
勇気はそう言って壁に耳を当てた。
ボクも同様に耳を当ててみたけれど一次冷却用の液体がズゴイ勢いで流れている音しか聞こえない、と思っていたがエンジンの中でガソリンが爆発しているようなイメージだった。
「放射線物質崩壊エネルギーを電力に変換する技術はまだ実用化されていないんですか?」
「やってやれないことはないんだけど結局はかなり大量に放射線物質を投入しても大した電気エネルギーが取り出せなかったからこの国の原子力推進派も諦めざるを得なかったみたいね」
さとみは淡々と言うと続けて言った。
「ここにある原子炉はもちろん既存の原子力発電所のそれとは全く異なるけど原子力船などに使うものとも全く別な物のみたい」
細かいウランやプルトニウムの細かい破片をシリンダーに注入して強力な電子をぶっつけることで小規模な連鎖反応を意識的にに起こしてそこに大量の水を流し込んで水蒸気爆発を起こすらしいんだけど詳しいことはわからない」
明らかな出鱈目をさとみが言った頃ボクたちは16段目と17段目をつなぐ通路に差し掛かっていた。
「小規模なポンポン原爆エンジンといった感じですかね?」
さとみはそう言ったが『何それ?』って感想しかなかった。
しかし、もしそれが本当ならこの巨大なミミズは稼働しているだけで放射性物質を大量にケツからばら撒いていることになる。
相変わらず不安定な足元だったがそろそろ渡り歩くのには慣れて来た気もする。

ーーーーーーーーーーーーー

気がつくと僕のかたわらにはベンチの上で衣着を乱して啜り泣いているしずえちゃんの姿が目に入った。
上着のボタンは全て外されて捲り上げられた下着から外に晒された大きなサイズのブラジャーは乳首が見えるほど引きずり降ろされていた。
作業ズボンは膝下まで下ろされて淡いブルーの薄手のパンツは中の大事なものが見えるほどずらされて鼻を強く匂いを放つ液体でぐっしょり濡れて所々が赤い血でそめていた。
そして僕は自分がやったことに対する恐怖でその場から逃げ出してしまっていた。
恨めしげな顔をして僕の顔を見ていたしずえちゃんの顔は次から次へと溢れ出す涙で濡れていた。
「私の誘いを断るからこうなるのよ」
誰かが耳元で囁いた。
「あの時、あの教室で私とやっていたらこんな目に遭わずに済んだのにね」
クスクスと笑い声が頭の中に響く、と同時にドス黒い感情が湧き上がって来た。
「悪いのはしずえちゃんだ、僕じゃない、しずえちゃんが僕を誘惑したんだ、いっそのこと口封じに」
急いで工場に駆け戻った僕の手には直径が12ミリほどはある電動ドリルのキリが握られていた。
僕はそれで恐怖に怯える彼女の胸や腹をめった刺しにしていた。
程なく聞こえ出したパトカーのサイレンの音、こちらに向かって近づいてくるのがわかった。
「こっちです、お巡りさん」
工場長の声が聞こえた。
2、3人の足音が近づいて来て、すぐ後ろで立ち止まると僕は羽交締めにされて後ろで両手に冷たい手錠がかけられていた。
「婦女暴行及び殺人未遂で逮捕する」
そう言った警察官は僕にスマホの画面を見せて一つの動画ファイルを開いた。
そこには僕がしずえちゃんにしたことの一部始終、ベンチで横になっている彼女に寄り添ってから口づけをして何かの液体を口移していた。
そして痙攣を起こし動けなくなった彼女に対して性的暴行を行いドリルのキリで胸や腹をめった刺しにする場面でその動画は終了した。
直後に僕は首筋に『チクリ』とした痛みを感じて意識を失っていた。

ーーーーーーーーーーーーー

「17、18段目は15、16段目で大量に発生した水蒸気でタービンを回して発電するエリアね」
さとみはそう言うと小声で「卑怯者」と呟いた。
「何のこと?」
と問いかけたボクにさとみは『独り言』と言って誤魔化した。
「それと非常時のために発電された交流電流を直流化して一時的に貯めておく蓄電池があるようね」
そう言うと耳手を当てて遠くの音を聴く仕草をした。
「まだここからじゃ遠すぎるかな?」
そう言ったさとみに有希は訊いた。
「さっきから何の音を聞いているんですか?」
「私はこの巨大なミミズ一体にひとり分の大脳から下垂体までが搭載されていると思っていたけど考えが甘かったみたい」
さとみは即答した。
「それってどう言うことですか?」
とボク。
「うまく言えないんだけど寄生体を体内に植え込まれたままの男女がふたり、培養液の中に浸されているみたいな感じかな?」
さとみはそう言うと少し表情をしかめた。
そして続ける。
「有希も由紀も経験済みだとは思うけど誰かに対する憎しみで判断を誤った経験はないかな?」
確かにボクも有希も仲間であるはずの同じプロジェクトメンバーに対して謂れのない憎しみを向けられたこともあるし、逆に相手にむけてしまったこともある。
「でもそれが今回の件、ミミズに搭載された人間知能って言っていいかは知らないけど何か関係があるの?」
有希は訊いてから『あ“!』と叫んだ。
「まさかとは思うけれど2人が合体したまま、早い話しが性交行為をしている最中のまま培養液で満たされた培養器の中にいるってこと?」
それはボクや有希たちが亜希の胎の中にいる状態に似ていると思えた。
「丸パクリじゃねえか」
ここに亜希がいたらほぼ間違いなくそう言うだろう。
ボク達は最後の18段目と19段目の間の繋ぎに差し掛かっていた。

ーーーーーーーーーーーー

わたしはあの男に嵌められてしまったのだろうか?
警察にはわたしが彼を誘惑したと思われているようだ。
私に薬物を飲ませて身動きが取れなくしてから私の初めてを奪ったのは彼の方なのに。
私は犯されまくった挙句口封じにドリルのキリを胸や腹に刺されて危うく命を落とすところだった、なのに現実はわたしが彼を毒殺しようとした罪に問われている。

『そうだよ、国同士の付き合いも同じだ、気を許したらどんな事をしてでも襲いかかってくる、先に攻撃しないとこっちがやられる』
誰かが耳元で囁いた気がした。

僕は気がつくと深い地面の下をすごいスピードで掘り進めていた。
目的の憎い国の主要施設付近に達すると僕は掘り進む向きを上に変えて一気に地上に飛び出していた。
僕は地上にある建物を次々と破壊していた。
自分はなぜこんな事をしているのか?
理由を探したが見つからなかった。

わたしの視界には常に複数の風景が見えた。
建物や兵器が先端のリング状の刃で砕かれ、それを中の内刄が切り刻んでゆくさま、それを見るのはとても気持ちがよかった。
アドレナリンが大量に分泌されてわたしは次なる獲物を求めていた。
ただしそれはあの時、大勢のまだ幼い子供達の身体がわたしの最前列の内刃に切り刻まれる様子を見てしまうまでは。

「あいつらは大和国に抵抗する犯罪者よ、子供だろうが妊婦だろうが切り刻まれて当然よ」
僕の耳元で誰かが囁いた。
その頃には僕の頭はすでにおかしくなっていたのかもしれない。
逃げ惑う人々を切り刻む快感、とそれを気持ち良いと感じている自分への嫌悪感それらが入り混じって不思議な高揚感を僕に与えていた。

わたしは自分に囁きかける声に疑問を持ち始めていた。
あの子達が一体何をしたと言うのだろうか?
あの国自体は近隣国民の人権を無視して侵略しておきながらありもしない慰安婦だの南京事件をでっち上げてわたし達の国を貶めているのは事実だろう。
スキあらば大軍を投入して日本本土を攻め込んでくるに違いない。
そうなる前に先制攻撃権は必要なのだろう。
核の所有も必要だとわたしにささやく声は正しいのだろう。

それでもあの普通に生活して来た人たちが、特にあの子達、が自分達の国にどんな害悪を招いたと言うのだろうか?

結局は今自分達が行っている行為こそがこの国が否定しようとしている過去の罪が真実であった事を実証しているような気がして来た。

「騙されるな、それは反日の思想だ」
囁きはいつの間にか罵声となりボク達に電流と放射線の罰が下されるようになった。
身体中が痺れて燃えるように熱くなってきた。

わたし達の耳元で新たなる命令が下された。
「原発を狙え、あそこにあるウランやプルトニウムがお前達の栄養源だと、それがなければお前達は死ぬと。

僕達は原発を探して彷徨っていた。
ひとつの原発を襲撃してウランやプルトニウムを手に入れたら数百キロメートル以上離れた大都市や軍事施設を2、3箇所は壊滅出来た。

ーーーーーーーーーーーー

19段目にやっと辿り着いた時に小さなドアに手をかざしてパスワードをつぶやくと開いたドアの向こうに培養器の中で向かい合って裸で抱き合っている少年と少女の姿があった。

「なるほどね、そして今、あなたたちは自分達にも絶望して自分達が生まれ育った故郷に再び戻って来たと」
彼女と彼にそう言うとさとみは培養器なガラス面にそっと触れた。
「あなた達は寄生体に操られている」
さとみが言うとふたりはさとみの存在に気がつき少し驚いた表情をした。
「ゆきと君、君が3年生に進級して間もない頃、彼女に誘惑されたのを覚えている?」
単刀直入にさとみは培養器の中のゆきとに訊いた。
「ああ、でも僕は怖くなって逃げ出してしまった」
ガラスの震えがそう言ったように聞こえただけかもしれない。
「それだけど、その時君は彼女〇〇の魅惑から逃れられずに行為を最後までやって寄生体を植え込まれていたんだよ、ほんとうはね」
さとみは悲しげな表情をしてさらに続けた。
「ふたりとも記憶を操作されているだろうけど、しずえちゃんもほぼ同じ頃に社長にドラッグレイプを2度もされている」

     パイロット達とのと対面

広い場所に出た途端ボクたちの身体は壁に向かって吹っ飛ばされて叩きつけられていた。
「そりゃあそうだよね、ミミズちゃん縦横無尽に暴れ回っているんだもの」
有希が口から血反吐を吐きながら広い部屋の壁に叩きつけながら言っている。
ボクも似たようなものだ。
「なるほどね、通路が狭いのにも意味があったんだ」
ボクは同意しながら別の理由も考えていた。
このミミズ自体が高速回転することによりある意味強い人工重力のようなものを発生させていたのではないのか?って事を、そして遠心力は一方の壁にしか働かないから多少進行方向が変わってイレギュラーな『G』がかかったとしても通路そのものが狭いのだからあっちこっちに叩きつけられる心配もない。
「それにしてもさとみは何故こんな中でも自由自在に動き回れるのだろうか?」
ボクは同じ面の壁にへばりつかされている有希に訊いた。
「謎の翼でも持っているんじゃないの?知らんけど」
有希、いくらなんでも即答しすぎ!
そうしている間にもさとみは中の少年少女ふたりと会話をしているかのように培養器のガラス面に額を擦り付けていた。

「ゆきと君、君が3年生に進級して間もない頃、彼女に誘惑されたのを覚えている?」
単刀直入にさとみは培養器の中のゆきとに訊いた。
「ああ、でも僕は怖くなって逃げ出してしまった」
ガラスの震えがそう言ったように聞こえただけかもしれない。
「それだけど、その時君は彼女、〇〇さんの魅惑から逃れられずに性交行為を最後までやって寄生体を植え込まれていたんだよ、ほんとうはね」
さとみは悲しげな表情をしてさらに続けた。
「ふたりとも記憶を操作されているだろうけど、しずえちゃんもほぼ同じ頃に社長にドラッグレイプを2度もされて寄生体の種を植え付けられている」
3人のやり取りはボクと有希の脳に直接伝わってきた。中の寄生体2体が3人との間に割り込んできて会話を妨害しようとしていた。
しかしさとみの直接ふたりの大脳に語りかける邪魔はできない様だった。
寄生体がふたりのそれぞれの下垂体と小脳を通じてしかコントロール出来ないのに対してさとみはどの様な方法を駆使しているのかは不明だったけど少なくともふたりの大脳を直接自分のそれとリンクさせて交信している様に感じられた。
ボクと有希の頭の中にゆきとと、しずえとの様子がその内部まで明確に視覚化されて伝わってくる。
2人の身体は全裸ではあるが向かい合って抱き合うような状態で培養器の壁から伸びてきている数十本の硬い拘束用のリングと枝で頭から腰、そして足首まで固定されていた。
事実上身動きひとつできない。
培養液は米粒の1/10以下のバランス食の粒と酸素を溶け込ませた液体が常にゆったりと上から下に流れていた。
身体の造りは咽頭部分で改造されて培養液から酸素を取り出したり、二酸化炭素を再び戻していたりした。
食道には液体のまま流れ込みの胃の中でほぼ流動食として消化されているようだった。
排便に関しては特に言うことはないのだけど問題は排尿の方だった。
しずえはともかくゆきとの場合は前立腺が邪魔して膀胱に溜まる一方だし、かと言って前立腺を緩めてしまうとそのまましずえの胎に大量放出することになってしまうから当然人工尿道を前立腺の前につなぎ外に放出することにしてあるみたい、だと思いたい!
さすがにそれは想像しただけでも吐き気がする。

穴に差し込んだまま勃起させた状態を続けるのは女性の側にもいろいろ問題があるのだがあまり深く考えたくなかった。

いやそっちの方が大問題じゃないのかって思う。
「どーしたん?由紀、真っ青になって吐きそうな顔しているよ」
有希がボクの顔を覗き込んで言った。
おりものとか、生理とかどうやって処理しているのかなんて考えちゃっているとはとてもじゃないが言えない。

これが好き合っているもの同士、愛し合っているもの同士ならまだしも幸せだっただろう。
しかし現実のふたりは激しく憎み合い憎悪していた。

ゆきとはしずえが自分を媚薬で誘惑して性的な暴行に走らせて被害者ヅラをして警察や工場の仲間を呼んだと思い込んでいる。

しずえはゆきとが自分を同じ工場内の休息室に一緒にふたりっきりでいざるを得ないような状況にしてドラッグレイプを仕掛けた挙句毒殺を試みたあばずれ女である様な印象を警官や工場の人に印象づけようとしたと思い込んでいる。

実際にしずえは警官は自分の胸や腹にドリルのキリで刺された無数の穴はさほど問題視はしていない様だったと認識していた。
それは互いの体に寄生した寄生体がそれぞれの脳に与えた間違った情報であってふたりに起こったそれらとはかけ離れていた。
実際にはしずえは重症ではあったがすぐに救急車で搬送すれば命に関わるほどではなかったし、ゆきとだって執拗に性行為を何度も繰り返したわけじゃない、たったの一回出来心で中出しをしてしまっただけだった。
それがしずえの脳には執拗に体位を変えながら何度も陵辱された長い時間であるかの様に伝わっていた。

それでいながらこの培養器の中では。
「うーん、しっかり合体しちゃっているよね」
と有希。
ふたりの身体はゆきとの陰茎が硬く大きく勃起したまま、しずえの穴の奥深く、子宮口に達するくらい深くまで差し込まれた状態で固定されていた。
もちろん2体の寄生体はその子宮口と亀頭の割れ目の間を互いに行き来して情報の共有と交換をしてはいたが、あくまでも宿主であるゆきととしずえに対しては誤った情報を送り続けていた。
特にゆきとには自分がしずえを興奮させて喘がせ、苦しそうな顔を性的なサディズムに変換して攻撃本能を昂揚させた。
逆にしずえに対しては執拗に自分の穴を突き回ってくるゆきとに対する憎しみをまた違う意味での攻撃本能に利用した。
ただひとつ誤算だったのは切り刻まれる敵国に住む子供達の姿を見せればさらに破壊衝動を高揚できると計算していた筈だった。
だが実際にはしずえがそれに対して拒否反応を示してしまったことだった。
銃火器を子供達が手にして襲いかかってくる映像、とリアルな音声を見せて敵愾心を植え付けようとしたがそれも逆効果だった。
「何故そこまでわたしは彼ら、と彼女たちを追い込んでしまっているのだろうか?」
しずえの大脳は寄生体が期待していたそれとは真逆の反応を示してしまっていた。
その時寄生体が完全に自分達がコントロール下に置いていた筈のしずえの脳が涙腺を刺激して大量の涙を流し始めていたことに気が付かなかった。
「辛かったね」
さとみがしずえの大脳に直接伝えた。
「でも、わたしはわたし自身を思う様にできない」
また彼女の目から涙がひとしずく流れた。

「知らなかった、僕は最初から最後まで彼女に、〇〇騙されていたんだ」
ふたりの耳元で囁く声はそれぞれの寄生体が下垂体や小脳を通して大脳に送っていた偽の情報であり悪魔の囁きとも言えた。

この会社の社長がしずえに行った行為は有希たちに大手芸能事務所の社長が行った手口と大して変わりがなかった。
彼女もまた胎内に棲む寄生体に操られていた様だ。

「何とかならないかな」
有希が呟く、しかし僕はもちろん有希にもそんな手段は思いつかない。
その時、ふたりに寄生体が感じた恐怖が伝わってきた。
どうやら彼らの上層部が暴走が止まらないミミズマシンに見切りをつけてこのマシン自体に自爆コードを送ったようだった。
「交換条件を受け入れてくれるなら何とかしてやってもいいわ」
さとみはしずえとゆきとを通して2体の寄生体に対して交換条件を提示した。
「ひとつ、今すぐにふたりの下垂体を解放してその大脳に誤った情報を流さないと約束すること」
「そしてことが無事終了したらふたりの配下に下ること」
「それらを条件に自爆コードを解除します」
ひとりで自爆コードを解除する気だろうか?
意外と早く2体の寄生体はすぐにその条件を飲み込み、助けを求めて来た。

「有希は私が送ったイメージをアルファベット文字に変換して由紀に伝えて、そして由紀はその文字列を大文字小文字数字文字を間違えることなくすぐそこの壁の下にある液晶ディスプレイ付きのキーボードに入力して」
そう言うとさとみは『タイムスケール1/10000』を宣言した。
おそらくは解除コードを解析するための時間稼ぎだろうけどボクと有希はその時間コントロールから外れているので最大時間でもたったの20秒以下の時間でその壁のキーボードまで辿り着かなければならないようだった。
時間の流れがすごく遅いようにも感じたし速くなったようにも感じた。
キーボードまでたったの2メートル、しかしボクたちの身体は強い遠心力で壁に押し付けられて動き難くなっているのでその距離がすごく遠くに感じた。
ボクの左手があと少しでキーボードの端に届きそうな時に有希が小さな声で『あ!』と叫んだ。
どうやらイメージがさとみから送られて来たようだ。
ボクも急がなければ。
キーボード上段の上には2段で8桁の液晶表示版がついていた。
上の列は左側から数字1桁、続けて『:』そして数字が2桁、続いて『:』、さらに続いて目まぐるしく変わる数字が3桁表示されていた。
多分左から分、秒、ミリ秒だろう分は当然『0』、秒も10秒とわずかしかなかった。
有希が叫んだコードをボクは慌てないように素早く打ち込んだ。
『kutabare』
2段目の液晶には確かにそう表記されていた。
一瞬心臓が止まるかと思ったけどタイムカウントが『0:00:000』になっても何も起こらなかった事を考えると自爆コードの解除に成功はしたようだ。
しかしさとみは青ざめた表情で言った。
数百メガトンクラスのICBMが北九州やここ北陸など原子力発電所がある場所を目指して19発飛来していると言う。
「隠密での実験は失敗、犯行国は完全にバレていた、ほとんどの核保有国は日本を危険極まりない大量破壊兵器を他国に対して使用したと認定して敵対国条項を適用、その結果国連的にも核の使用もやむを得ないと・・・」
すべてが手遅れになってしまったように感じた。
「まだまだよ、各国にはまだ数百基のこれが送り込んであるから逆に敵を殲滅できるチャンスよ」
寄生体が交換条件の約束を破り、しずえの大脳を操って語らせた。
「あの9条の信者どもが邪魔さえしなければこの国は世界最大の核保有国になれたんだ、それをクソサヨクどもめらが」
ゆきとの大脳も勝手に利用されていた。
これが日頃、隣の国は約束を守らないとか卑怯だとか誹謗中傷をばら撒いていた連中のすることか?と呆れかえった。
「あのさあ、おふたりの中にいる寄生体に言いたいんだけどさ、あんたたちの指令本部はどこにあるか知っていて言っているわけ?」
ボクは自分の口で彼らに語りかけた。
「どんな核兵器にもびくともしない強固なシェルターの中にあるわ、場所は言えないけど」
寄生体はしずえの大脳を操って言わせた。
どうやら彼女らは助けてもらった恩というものを感じていないようだった。
「それって多分地下深くにあるよね、確かに核兵器に対しては平気かもだけどもし日本の国土が地下深くから、いいや、プレート自体が崩壊したらそれでもそのシェルターは安全といえるのかな?」
ボクの言葉に対する返事はなかった。
「そうなったらもうあの巨大なミミズ兵器は暴走するか自爆するかのどっちかだよね」
いや、本当はハッタリなんだけど、本音を見たかった。
「日本にだって迎撃用の弾道ミサイルはあるのよ」
しずえの寄生体。
「弾道ミサイルの撃墜率知ってます?」
これは有希。
「レールガンで撃ち落とせば」
今度はゆきとの寄生体。
「ザンネーン、浜岡原発の大事故で必要な電力が発電できません」
これはボク。
でもこのICBMの件に関しては安心している
最強の戦士?『B』,『G』、『L』がいるからだ。
でもこれは黙っておくことにした。
迎撃に成功してももう既に日本は壊滅状態にあるから。
「もう絶対降伏しかないよね」
と有希。
ボク達が寄生体の相手をしている間にさとみはさっきのキーボードに幾つかのパスワードを打ち込んでふたりを拘束していたリングと枝をすべて解放させていた。
「あ、ひとつ言い忘れていた」
さとみはそう言うと離れ離れになったふたりの体から2体の寄生体が放出されるのを見届けた。
そしてそれはゆっくりと下の排液口に吸い込まれるようにして流れ出ていった。
「まあ異種族でも命を大事にする気持ちがあれば許してあげたけど全くその気がないみたいだからさよーならー」
さとみがそう言った途端この巨大なミミズマシンは動作を停止した。
「まあ普通の原子炉ならこうはいかないんですけどね」
さとみはにっこりと微笑むと拘束から解放されたにも関わらずまだ抱きしめ合っているしずえとゆきとを見ていた。
そしてあろうことかこんなことを言い出す。

「今回の件はホボホボだけど解決だね」
って。
何も解決してませんが?
「まだ世界中で暴れ回るべく待機している数百基はある巨大ミミズはともかく日本国内で暴れているあと一体はどうなるの?」
ボクは問いかけた。
「あ、あれね?」
自分の左手の人差し指を唇の合間に挟み少し考えたふりをして言う。
「北九州の玄海にいる少年少女3号のミミズマシンならもう既に動作を停止しているよ?」
と何故か疑問形。
「まあまとめて全ミミズマシンに中のアベックの拘束解除と寄生体の排除コードを同時に送信したからもう全部大丈夫よ?」
そして何でまた疑問形なんですか?自信がないのですか?
「それよりもこの子達一緒にいて大丈夫なんですかね?」
ボクは恐る恐る訊いてみた。
確か憎み合っていたふたりなんじゃ?
「雨降って血固まるって言うじゃない」
さとみはそう言ったが多分頭の中で漢字を誤変換しているような気がしてきた。
「他のカップもそうなんですかね?」
と僕は訊いてみた。
「寄生体に操られていたとは言っても結構惹かれ合うものがあってカップリングだと思うの」
さとみはそう言うと『タイムスケール1/10000』と宣言するといつのまにか培養器の中に入っていた。
ボクにも目視できると言うことは中に入ってすぐに『タイムスケール10000/1』を宣言したのか。
『リカバリー』
彼女はそう宣言するとふたりのあごから胸にかけてまでが光り、続いて、ふたりの股間が光ったかと思うと再び『タイムスケール1/10000』を宣言すると次の瞬間、3人は培養器の外に出ていた。
しかもしずえとゆきとは色違いのお揃いのパジャマを着ていた。
これが無責任な亜希ならきっと2人ともスッポンポンのままだろう。
「でも当分は放射線の影響が消えるまではここで眠っていてもらおうかな?」
彼女はそう言うと満足そうにふたりを見つめて「おしあわせにね」と呟いた。
そしてボクと有希対して両手を差し出して抱きついてきた。
「このことは亜希には内緒だよ?」
彼女はそう言ってボク達の手を引くと何もない白く延々と続く真っ平らな床の上を歩き出した。
「ここはどこですか?」
ボクは念のために訊いてみた。
嫌な予感しかしない。
「異空間よ」
さとみはこともなげに答えた。
「どちらに向かって歩いているんですか?」
次は有希が質問した。
「決まっているじゃない、北九州の玄海よ、一刻も早くさっきの子たちみたいに『リカバリー』して培養器の中から出してあげないとね」
いとも簡単に言うけど北陸から北九州なんて全然近くない!
「ぼやぼやしてないでさっさと歩くよ、数百組のカップルが私のリカバリーを待っているんだからね」
威勢良く言うがひとつ確認したいことがある。
「アレですよね、異空間を通るのだから北九州玄海まで数分でたどり着けるとかアリですよね」
「そんなわけないじゃない、600キロメートルはあるから150時間は楽にかかるよ?」
「異空間通る意味ありますか?、そしてその間にそのカップルさんたち死んでしまいますよ?」
胸を張って言うさとみに思わず突っ込んでしまった。
「大丈夫、山とか建物とか、川とか海を避けずに真っ直ぐに歩けるからちゃんと意味あるよ、それに通常時間線での移動時間はたったの数秒だから大丈夫さね!」
自信満々に言うさとみはもしかしたら亜希よりも遥かにヤバい奴だったんじゃないのか?とやっと気がついたボクと有希だった。

カレンダーガール13 終わり


おまけ

誇大ススム「尾北浣腸、そろそろ500光年先のワープの指示をお願いします」

尾北浣腸「よし、真田虫、エンジン出力3000%」

真田虫「準備完了、誇大!ワープ突入のトリガーを引いてくれ」

誇大ススム「ワープ開始」

ズドーーン!

誇大ススム「あ、間違えて罵倒砲のトリガーを引いちゃいました(^◇^;)」

尾北浣腸「だ、大丈夫なのか?」

真田虫「問題ありません、ちゃんと数日後には目的ワープアウト地点にたどり着けるはずです、ただ」

真田虫は言葉を濁した。

尾北浣腸「ただなんだ」

真田虫「ただ、たった一つ問題なのはワープアウトした時点でこの船内の時間が500年経過してしまっていると言うことです」

尾北浣腸「なんだと、」

誇大ススム「浣腸、いいアイデアがあります、その間コールドスリープしては如何でしょうか」

誇大ススム「幸いヤマトに搭載されたコールドスリープ機は乗員の半部しかありませんがサイズ的に大柄な男でも2人入れます、だから一緒に寝よう、雪!」と雪に抱きつこうとする。

雪あからさまに嫌な顔をする。

雪「私の相手は真田さんと決めているの、いいかっこしいススムなんて大っ嫌いよ」

誇大ススム「バカな、ボクは主役だぞ、それにそいつのフルネームは真田虫だぞ、それでもいいのか?」

ちなみに当然ではあるがほとんどの搭乗員が男同士抱き合ってコールドスリープ器に入るのは言うまでもない。

亜希「ちょっとぉこんなの書いたらヤ〇〇ファンに袋叩きにされるわよ!」

愛「搭乗員を男女同数にすれば問題ないんじゃない?」

楓凛「いやいや、陽キャラと陰キャラでハーレム格差が生じちゃうだろ」

愛「じゃあ雪の代わりにうちらの代表で秋子に登場してもらったら?」

全員「アホか!がみらすに着くまでに全員精液すいつくされて干からびるわ」

愛「じゃあセクサロイドに行ってもらえば?作者も一緒だし」

全員 ここで全員が言うセリフを予想しよう、ただし当たっても何も出ないよ?(おおよそでいいです、うろ覚えなんで)


「あー太陽が黄色い」

終わり

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有料部分を時々追加、更新します、円盤特典みたいなものと思ってください。

壁にかけてあったアイドルの女の子が突然にミニチュアサイズの女の子に実体化 軽いエッチあり、重たい性描写あり、身体のムフフな場所に寄生する異…

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