逃走5

逃走5
2023/06/21校正更新
私は誰?シリーズの以前書いた前哨ストーリーです。

毎回とは限りませんが今作はエログロ描写や官能描写を多大に含みますので20才未満の閲覧はご遠慮してくださいね♪
なお現実と烈しく乖離(かいり)した描写がめちゃくちゃ多数ありますことをお断りしておきます

ちょっと今読んでいるお兄さん達には大変申し訳ないんだけど・・・
「今吐いていい?」
そういったあたしの隣でリナちゃんが露骨(ろこつ)に嫌な顔をして『ダメ!』っと言った。
だってこうなったのもリナちゃん、あんたのせいだよ?
あんたがどっかの公道レーサーみたいな運転をしたからこうなったんだからね。
「仕方がないなぁ」
そう言ってリナちゃんがあたしの眼の前に差し出したのは先ほどリナちゃんが買い出しに出かけに言った時に買ってきた中華蒸し饅頭が入っていたレジ袋だった。
あたしはすぐにそのレジ袋のお世話になることにした。
この子はあたしとはちょっと説明をするのがややこやしいのだがひとつひとつ説明したいので耳の鼓膜(こまく)を耳かきで突き破って聞いてほしい。
え?そんなことしたら痛いって?大丈夫!それで死んだりなんかしないから!
まずあたしにはなかなかイケメンな秘書がいる。
どんな顔かって?まあ想像に任せる!
ジャニーズとかにいそうな顔だとだけ言っておこうか?(うそだぉ、けーはくなおじさんだぉ)
なんか馬鹿奈注釈を入れたれたような気がするが気にしないでおこう。
まあ結構性格はヌケサク気味ではあるが時たま鋭いツッコミをしてくる侮(あなど)れないやつだ。
名前は確か、前田新作、だっけ?あたしがこいつと結婚すればあたしは往年の名子役と同姓同名になる。
だからあたしは夫婦別姓に超大反対だ!あたしの夢と希望を壊すんじゃねえ!
あたしはこいつと結婚して前田〇になる!
と言ったところであたしは迂闊(うかつ)にもまだ自己紹介をしていなかったことを思い出した。
さっきからの流れで一応予想はついているかとは思うがあたしの名前は倶名尚愛!
女子高校生国会議員さ!
あたしはこの国の総理大臣が気まぐれで選挙に関する法律を変えてしまったことで立候補できつようになってしまい、しかもその総理が『ぜひともわが党から立候補してくれ』と嘆願(たんがん)してきたので仕方なく立候補したらなぜかぶっちぎりの票数さで当選してしまったとわけだ。(注::願望達成能力を駆使した)
変なことは一切していませんよ?(笑)
え?なになに話がパルコ?自分の周り、いやリナという幼女との関係を説明していたんじゃないのかって?うん言われてみれば確かにそんな気がしてきたな?
まあそんなわけでJK衆議院議員となったからには党がわざわざ(監視目的で)マネージャーを付けてくれたという訳だ。
そんなわけであたしはこのマネージャーと結婚して〇〇愛になることを狙っていたのだが・・・いきなりその野望は砕け散る事となった。
「新作パパにはもうすでにママがいたからね!」
リナちゃんが口を挟んだ。
そうすでにもう買取済みだったのだ。
「そして私のママの名前は愛梨、夫婦別姓なら鈴木愛理、どっかで聞いたような名前になるけど夫婦同姓だから前田愛梨、どのみちインパクトはないけどね」
はいはい、リナちゃん、勝手に口を挟(はさ)まないでね。
「それはそうだけどあいお姉ちゃんすごい誤解しているわ、夫婦別姓は強制じゃなくって同姓でも構わないって事なの、つまりパパとあいおねえちゃんが結婚できたらその加藤〇?だっけ可能なんだけど」
今さらっと別の女優の名前と間違えたな?なぜそこで間違える?天然か?わざとか?てか今はそんな話じゃないよな?
「つまり夫婦別姓を認めたとしても今まで通りの選択もできるって事なの?」
「うんそうだからあの人たちはなんでそこまでこだわって反対しているのかってわけ」
りなちゃんはさらりと説明してくれた。
それなら確かにそれほどムキになって反対する理由はなさそうだ。でもね、でもだよ、こんな笑い話が通じなくなるのがあたしとしては許せないってのがあるのよ!
なんかあたしの思考を読んだのかリナちゃんは急に冷ややかな表情になった。
「あの、あいおねえちゃん、まさかと思うけど『まり』って名前の女の人は『おだ』って姓の男の人と結婚してはいけないというアレのことじゃないでしょうね」
え?そ、そうだけど強制力がなくなってしまったら面白くないんじゃないかな?
アレは夫婦同姓強制だから面白いんであって。
「あのねだからわざわざ『お黙り!』なんていう人はいないから」
そうかもしれない、そこであたしはふと気がついた。
話が完全にそれてしまっている。
その前田愛梨さんだが私よりは十以上は年上のグラマスな美女であった。(その代わりけばいんだぉ)
「そしてその二人に生まれたのがこの可愛い私ってわけなのよ」
自画自賛をするようにリナは言った。
こいつはなんか常人離れしたところがある、どうやら他人の心を操ったり時間や空間に介入したり色々できるようだが、そこがしれない恐ろしさがある。
「で、あたしらを陸酔いさせただけの成果はあったの?」
あたしは5個目の牛角マンを頬張り始めたリナちゃんを横目で睨(にら)みながら言った。
自分がやった乱暴な運転とはいえよく自身も気分が悪くならないものだと感心していた。
「当然!ナビの案内で二時間かかるところを30分で走破した」
自慢げにVサインを出して言うリナをみてあたしは再び気分が悪くなった。
でそのせいであたしら三人ともグロッキー状態な訳なのね。
「ところであたしがまだ意識朦朧としている最中にリナちゃんが凛と喋っていたような気がするけど気のせいかな?」
あたしはリバースしたものを入れたレジ袋を縛って助手席のグローブボックスに放り込み蓋を閉じた。
「ちょっと、人の車でなんてことするのよ」
抗議するリナの声が聞こえたがしらんっぷりをしてやった。
どうせあんたの所有じゃなくて愛梨さんか新作、名義なんでしょ、まあいつもはラブッシーと秘書っちと呼んでいるけどね!
「気のせいじゃないよ、俺とリナが今回の経緯に関して喋っていた、まあ俺様もほとんど声が出せなくて思考波同士での会話だったけどな」
いきなり悪友の楓凛が割り込んできた。
いや、凛が先に会話をしていたのなら割り込んだのはあたしの方だったことになるのだが。
まあそれは大した問題じゃないだろう。
「俺と同業者だって言っていたな、リナ、それはどういう意味だ?」
そう言いながら身を起こして凛は首を傾げた。
凛はあたしと秋子と共通の悪友だ。
ただし出会った経緯は少し違う。あたしと凛が高校での同級生であり同じクラスであるのに対して秋子と凛は学校での繋がりはなくとある事件絡みで知り合ったらしい。
ちなみにあたしと秋子は中学時代の同級生だ。その頃から秋子の性感帯を暴走させる能力は遺憾無く発揮されてはいたらしいがその当時のあたしはそのことまでは知らなかった。
さて、ここからは凛の素性に関する話に入る。
と言っても大した秘密などない、バイトで芸能人や政治家のゴシップ記事を書いて週刊誌に売りつけて小遣い稼ぎをしているただの女子高生だ。まあ見た目は女らしさのかけらもないどっかのおっちゃん、じゃないイケメンのお兄ちゃんなのだが
それはあくまでも自称だ。あたしの目で見たところどうもイケメンとは言い難い。
そして能力だが対テレパス能力でこいつの心というか考えていることはどうも読みづらい、というか読もうとすると混乱させられるらしい。
「ところで凛はなんであたしとリナを付け回していたのかな?」
先ほどリナとの会話で既出済みだということを知らずあたしは凛に尋ねた。
「それはそこのマセガキに、いやもしかしたら俺らよりも年上かもせれないけど、聞いたほうがいいんじゃないのか?」
はぁ?何を言ってんだこいつ、リナは4歳児だろ?
あたしはそう思ったがその言葉に隠された深い意味を探ることもなく、ちらりとリナちゃんに視線を向けた、
彼女はさも当然のように凛が抱えていたレジ袋を奪い取り中華まんらしきものを取り出して貪り始めた。
「リナちゃん、どうでもいいけどそれなん個め?っていうか何個食べる気よ?」
あたしの問いにリナちゃんは答えずに結局レジ袋の中の中華まんを全部食べてしまった。
確かに凛に言われて今更ながらに気がついたけどこの幼女は先日もあたしの目の前でチューハイ350mlをふた間空けてしまっていたような気がする、ちょっとその辺は記憶が曖昧なのだ。
「まあ要するに愛とリナちゃんの関係を探っていたんでしょ」
後ろから声がした。さっき紹介したかもしれないけど悪友の山崎秋子だ。
「ドユコト」
あたしはすごく間抜けな受け答えをしていた。
あたしとリナちゃんはどう考えても赤の他人だし、もしも親子だとしたらあたしが何歳の時の娘よ?って話になるよね。
「そっちに行ったか」とびっくりしたような凛の声、それ以外に何があるの?
まさかあたしが愛理さんの娘だと言いたいわけ?それこそあり得なーいでしょう。
「ん~、そうじゃないのよね、二人の関係って妙にミステリアスな部分があってさ、リナちゃんの父親と愛人関係にあるって噂もあったし、かと言って愛梨さんとは至極良好な関係だったりするからその不倫説が成立しなかったりするの」
はい?そうですか?まあ確かにその不倫説はあたしがばらまいたようなものだけどそれはわけがあってのことなんだよね。
「その辺は俺も気になって前田亭に盗聴マイク仕掛けたことがあるんだけど・・・」
凛は言いかけてそこで黙り込んでしまった。
なんか深刻な顔をして考え込んでいる。
「それで違和感感じたんでしょ?どっちが4歳児でとっちが女子高生かさっぱりわからなくなったって」
リナちゃんが口を挟んだ。
関係ないけど寒いから暖房入れてくれないかな?
「それどころかリナちゃんの声の主が母親の愛梨さんだったとしても違和感を感じない、いえ、むしろそっちの方がしっくりくることに気がついてしまったというわけね」
と秋子、しかもどさくさに紛れて『愛が4歳児だと言った方がしっくりくるってこともね』などと考えてやがった!
誰が4歳児だ!こら!しばくぞ!あたしは心の中で強く抗議していたが他の二人は深くうなづいていた。
「まあそんな感じだが実はそれだけじゃなくてな」
凛はあたしにちらりと視線を送ると続けて言った。
「どうもあんたが衆議院議員になってからどうも普通ならとても通りそうもない法案が次から次へと通ってしまっていることに気がついたんだ、しかもそれだけじゃなくてそれはよく党内というか与党の閣議決定ではねられなかったなというようなものばかりだった」
え?それ多分気のせいちゃう?
ちゃうちゃう、あたしのせいじゃない。
あたしは必死になって身振り足ぶり?で全力否定してみた。
「まあバレるのは時間の問題だとは思っていたけどね」
え?リナちゃん、もう白旗あげちゃうの?
「まあ流石にアレらはなんか裏がない限り無理があるよね?」
秋子もあたしの関与を事実上認めてしまった。
「ただ納得がいかないのがなんであいおねえちゃんがあの法案をスルーしてそのまま通しちゃったか?ってことなんだけど
リナちゃんが疑問をぶっつけてきた。
あの法案とは、そうあの法案のことだ。ってなんだっけ?
その件に関してはちょっと記憶のプールから抜き取られていた、思い出そうとしても思い出せない。
「そんな大事なこと忘れてしまったというの?信じられない!」
秋子が軽蔑するかのように言った。
いや完全に軽蔑して言ったつもりらしい。
しかしあたしはそうは受け取ってはいなかった。
「だってこっちが攻撃されてもいないのに攻撃できてしまうという法案だよ?」
あれ?そんな法案でしたっけ?まあ確かに左党、じゃない野党がヒステリックになって「先制攻撃を許してしまう侵略法だ!」なんて騒いでいた気もするけどそこまで難しく考えることはないんじゃないの?って思うわけよ。
「そんなに難しく?そんな問題じゃないでしょ」
珍しく秋子が興奮して怒っている。
激おこってやつかな?
あたしにしてみれば日本を迂闊に攻撃すれば痛い目にあうぞ的な強いメッセージになると思っているんだけど。
それが軍事力の抑止力になればいいんじゃないの?
「こっちから先制攻撃するとは上の人たちは一言も言っていないわけだし」
だからそれほど問題にはならないと思ってあたしはその法案に関してはそのままスルーした訳なんだけどけいなかったのかな?
「だからねいくら日本の偉いさんが『先制攻撃する意思はない』なんて言ってもそれを額面通りに受け取る馬鹿な国が存在するのかって話なの、立場を逆にして考えてみてよこっちのミサイルの射程外から正確に打ち込めるミサイルを敵対国が所有するとするのよね、でも相手国が先制攻撃には使わないって言っても本当にそれを信じる馬鹿なんているかしらって話なの」
リナちゃんが熱く説明してくれた。
確かに言われてみれば我が党の上層部の中には先制攻撃はどんな防衛システムよりも有効だと言い出すうましかさんがいるのは確かだ。
だけどそんなうましかさん達ばかりじゃないと私は考えている。
「甘いぜ、愛、お前さんとこの集会でどれだけ多くの議員らがやばい発言をしているか忘れたか?」
凛が釘をさすようにあたしに言った。
凛が言いたいことはなんとなくわかる、あの女性差別問題にしても少しでも彼らの間に触る発言が出ただけでみんながヒステリックに騒ぎ出して異論は認めないどころか魔女裁判にかけられているんじゃないのかと思うほど異常な雰囲気に飲み込まれることがある。
その場にいたことがある異端者じゃないと気がつかないだろうけど実は私もその波に飲み込まれて一人の若い先輩の女性議員を詰問してしまったことがある。
あとで我に返ってなんであたしはあんなことをしたんだろうかと後悔の年に苛まれて慌ててその背人に謝りに行ったのだけどなんとか許してもらえてよかったとは思っている。
もちろんそれであたしの罪がゼロになったわけでも無いんだけどね。
「あいおねえちゃんの長ったらしい懺悔(ざんげ)はいいんだけど」
突然リナちゃんの声が私の思考に割って入ってきた。
「防衛網が突破されちゃうような攻撃力のある兵器を持たれることで自国の防衛力が破られたも同然ということになるわけ、いくら相手が先制攻撃の意思はないとは言ってもなんの保証もないしね」
「日本は予告なし宣戦布告前の真珠湾攻撃という前科があるからなぁ」
リナちゃんの解説に凛が割り込んできた。
あれ?でもあたしが聞いた話では日米はすでに戦争状態に突入していたって、しかもモールス信号で宣戦布告済みだって聞いたけど。。。
「その辺もいろいろ諸説があるみたいだけどあっちの言い分としては『日本人卑怯』ということらしいのよね」
秋子があたしの後ろ髪を弄りながら行った。
「問題はそれだけじゃないのよね、あいおねえちゃんったらあの時は会場のイケイケムードにすっかり飲み込まれてしまっていたみたいだから気がつかなかったみたいだけど」
飲み込まれていた?あたしが?その問題とは?
「ちゅぢゅく!」とリナちゃんではなくよりによって凛がすっとんきょうな声をあげた。
はいはい今回はここまでということですね。

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お代は読んでからの(以下略

女子高校生国会議員と合法ロリみならい刑事のエロエロドタバタSFです。

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