アダルト版JC淫魔刑事達2JS編文月輪と

アダルト版JC淫魔刑事2JS編文月輪と私
2023/09/29校正更新

毎回とは限りませんが今作はエログロ描写や官能描写を多大に含みますので20才未満の閲覧はご遠慮してくださいね♪この話は悪魔でもフィクションです。

JC淫魔刑事シリーズ主な登場人物
ちなみに義務教育時間内はJS(小学生時代)は全員某AV県にある県警内の私設小学校に通っているが必ずしも登校の必要はなくモバイル端末での授業も可能としている。

一人称で「私」で主人公こと葉類亜希

JC淫魔刑事、とハルサメとナッツシリーズにおける設定の違い
私(葉類亜希、普段は肩までのキューティクルボロボロだけどのボサボサヘア(実体)
アストラルボディとしてポニーテールヘアの風間亜希が存在してすべての人に認知されてもいるもんね。

まあ私も一応肩書きは性犯罪に特化している刑事という肩書きを持ってはいるが全くの偽刑事に過ぎない。
どこに年齢不詳の刑事がいると言うのだ。実年齢を晒すと私はある事件以前の記憶がほとんどない。
断片的にはあるのだけどどれもこれも連続していない。
身長は今のところ155cm前後、胸だって人様に自慢できるほどの大きさではないし、まあここだけの話Cカップはあると自慢したいのだがもちろん体重も含めて私的にトップシークレットだ。(笑)髪は中学生として潜入するようになった最近栗色に染めてはいるが肩まで伸ばす事により多少は大人っぽく見せているつもりだ。しかしながらボサボサ頭のカサカサ肌の不細工な小学生に見られてしまうこともある。
実に不条理だ。もしもそんな目で見られている私が中年男性と連れ立ってラブホに入る現場を目撃されてしまったら次の日のワイドショーはそれ一色で染め上げられてしまうだろう。気の毒だがそいつは確実にロリコン認定される。
瞳は気分次第で色が変わると言われているらしい。
とは言っても浅い水色から深い緑色に変わる程度らしいのだが本当の事は私にはわかりかねる。
通っている学校は武蔵警察署署員専属の武蔵小学校→武蔵中学校
しかし、全国の小学校4~5年、中学部全学年、高等部全学年の籍も持っているらしい。
実に謎だがこの体型で30才を名乗っても通用するように手配済み?らしいがよくわからない。

文月輪、中学1年生(4月初頭に年がひとつ上がるので4月中ば頃には13才 JC淫魔刑事
その頃には1才半の女児、美代ちゃんを隠し子として育ててはいるが父親は不明のまま。
当然だが法的には認知されていない。
身長は私とほぼ同じくらいの小学6年生冬時点で157cm前後、金髪の爆発ヘア、もといマリモヘアが特徴で銀色の瞳が特徴的な年齢不詳でありながらバストサイズがどう見てもEカップはありそうな上に腰の発育も高校生並み以上なので私とは異なり19歳未満に見られた試しがない。
その理由は二次性徴が異常に早く、そのせいもあって初潮も異常に早く8才の時点で訪れていたという。体型も見た目は高校生以上で10才で小学生ファッションモデルを騙る違法かつ実態は実態は児童売買春であるAV出演詐欺に遭う。一人称は私。
通っている学校は武蔵警察署署員専属の武蔵小学校→武蔵中学校

冬河銀(とうか ぎん)13才(中学1年生)A校の男の娘、おとこを堕とすことに生きがいを感じている、身長152cm、E~Hカップ、もちろん立派はチ〇〇ンはあるが機能しているかどうかは不明、本来〇〇玉があるところに(行き先を指定出来ない転送機能付きの)謎の穴ブラックホールを持っている、ホワイトホールにすることも可能、本当は♀だという疑惑あり、ストレートの黒髪を胸まで伸ばしている 一人称は私
通っている学校は武蔵警察署署員専属の武蔵小学校→武蔵中学校

シルバー・ウインターリバー 冬河銀とは別人
冬河銀ほどは夏乃花奈とは特には親しくはなく、性嗜好的にはどっちでも来い!の銀髪で青い瞳の両刀使い、身長などが少し大柄の身長165cm、F~Iカップで腰回りもふっくらとしている。一人称は「ミー」?別にどっかの男性アイドル事務所の代表をしているわけじゃない。
通っている学校は武蔵警察署署員専属の武蔵小学校→武蔵中学校

夏乃花奈(なつの かな)12才(中学1年生)、身長156cm、Eカップ、普通の目立たない娘、肩より少し伸びた栗色のストレートヘア、地球を破壊しかねないE=失った質量×光速の二乗の能力を持っている、おまけに予知夢の能力も持っている。一人称はあたし、初潮は6才からとさえいわれているが不明。
過去の出来事や残留思念を読み取るサイコメトリー的な能力も有している。通っている学校は武蔵警察署署員専属の武蔵小学校→武蔵中学校

春香織(はる かおり)13才(中学2年生) JS、JC淫魔刑事のひとり。
彼女もまた初潮が異常に早くて8才半ば頃から、10才の時点で強姦されそうになるが逆レイプしてしまった恐ろしい娘。子宮内の精子や卵子などの動きも時間コントロールが出来るらしい。
平常時点ではお淑やか、怒るとかなり凶暴になって怖い、小学6年生時点で胸まである、黒髪ストレート、身長165cm、Fカップ、腰や臀部、腕、太ももなど発育が良く高校卒業生以上にしか見られない。相手が時間を止める能力を持っていても胸から発する謎エネルギーが逆に相手の方の時間を止めてしまう。ただし念動力や精神操作による性感帯や生殖器に対する攻撃に弱く、やりたい放題のつもりがやられたい放題にされる。私 
一見お淑やかそうには見えるが一旦彼女の逆鱗に触れると500人くらいの歩兵隊が全滅するまでものの5~6分も必要しないと言われている。(時間操作能力に加速能力を使用)
通っている学校は武蔵警察署署員専属の武蔵小学校→武蔵中学校

秋種加世(あきくさ かよ)13才(中学1年生) JS、JC淫魔刑事のひとり。
一人称は私。
夏乃花奈と双子設定
見分け方は肩までの外に跳ねた赤髪とかつては(小学4年生以前はサディスティックな性格だったが5年生に進級してから次第におとなしくなり今のような家庭的な丸い性格となった。
しかし友人関係の怒りで我を失うとかつての残虐な性格の加世が復活する。
能力は花奈と同じく質量のエネルギー化とその反対のエネルギーの質量化
ハルサメが持っている能力のひとつと同等で自身の体重をいくらでも増大できる。
通っている学校は武蔵警察署署員専属の武蔵小学校→武蔵中学校、一人称は私

水無月海(みずな つきみ)14才(中学2年生) JS、JC淫魔刑事のひとり。
胸までの黒髪ストレートヘア、細い目が鋭くて怖い、というか加世と同じく、いや、中学生になるまで男子生徒を殴る蹴るの物理を無視した念動力、念動力を併用して問題児。普段は最大重量12トンの物を音速22で飛ばすことができる。小学6年生時代から身長172cm、Dカップ 一人称はあたし 観萌と可奈野椎と三重の恋人同士 
可奈野椎がそばにいれば(彼女のためなら)飛ばせる物体の質量及び速度に限界がなくなる。
通っている学校は武蔵警察署署員専属の武蔵小学校→武蔵中学校

可奈野椎(かなの つち) 12才(中学1年生) JS、JC淫魔刑事のひとり。
性経験に関しては影の人格上では年齢(25才以上)以上の性知識と実体験あり、ショートカット、名前の逆さ読みを気にしている
望実現達成能力に能力により相手に身長や体格、顔、などを自由自在に変えられる。カメラなどにもそのように映るのでセキュリティもフリーパス。一人称あたし
小学2年生時代から生理があったらしい。
デフォルトの身長は145cm、バストもDカップ、背の低い女子中学生のイメージ
しかし望実現達成能力(倶名尚愛の40倍から160倍)により強化されている
通っている学校は武蔵警察署署員専属の武蔵小学校→武蔵中学校

佐原観萌(さわら みもえ) 13才(中学1年生)、JS、JC淫魔刑事のひとり。
意外と感情に流されるタイプに見えるが理論派、普段は肩まで伸びたボサボサの癖毛の茶髪、小学2年生時代から生理があったらしい。その小学6年生の時点で身長176cm、Eカップ、中学に入った頃には身長は181cm、Fカップ、眼が大きく緑がかったハーフ、計測不能なほど思考速度が速いためヤマカンだけで動いていると思われている、発育が異常に早かったのも二次性徴が異常に早く訪れたために初潮もそれに引っ張られるように早くなったと思われる。
性格は見かけと口調に反して意外とせっかち。
それは波瑠沙芽の母親でもある妹?詩織との会話でも読み取れる。
今まで何度も死んでるはずだがその都度驚異の肉体再生能力で生き返る。
しかしその時の容姿は身長、体型髪質、肌質すべてがまったくランダムに変化をして別人となる。
ただ一点髪の毛がストレートの状態でショートから身長の2倍程まで伸びる。
髪の色は毛根の紫から毛先の赤色まで虹色に変化してその比率もランダムで変わる。
その大量の頭髪に体温を加えて他人の身体を温めることも可能。
彼女のその他の能力に関しては不明な点が多すぎる。
その他の8人の能力をすべてにおいて凌駕すると言われている。
別名「さとみ」と言われているが「ハルサメとナッツ」シリーズにおけるハルサメこと「波瑠沙芽(さとみ)」や彼女の借り腹兼親友であり今は肉体の存在しない母親でもある佐原詩織との関係は不明
通っている学校は武蔵警察署署員専属の武蔵小学校→武蔵中学校

今のところ『G』の娘と思われる他の人物

山崎秋子 JC国会衆議院議員
倶名尚愛 同じく国会衆議院議員 ただし政権与党の新米(そらそうだ)
楓凛  凄腕ルポライター(身長185cm、体重はマル秘、B98・W68・H105
の超グラマスな美女だがスーツなどを着て男装すると完全に男にしか見えなくなる
さとみ ありとある登場人物に縁がある

『B』など初代実験体12人の他にも娘、または息子が7~9体はありとおもわれる
ただしその卵素は父体に戻されていないので『C』~『F』、『H』~『K』のいずれかの胎内に潜んでいる可能性が大

今回は前回よりかなり緩めに話しを進めます。

前回1話終盤より続きます。

「波瑠沙芽とナッツこと、夏野明美という名前に聞き覚えはないかなぁ」
突然に甘えた声で花奈は私達に問いかけてきた。私と月輪に心当たりはなかったが何か引っかかるものを感じていた。
「淫魔と妖魔、そして宇宙最古から存在する悪魔、どうやらあたし達は彼女達と切ってきれない仲みたい、そして今その淫魔と悪魔は何故かその渦中の女子高生と共に宇宙空間を巨大な布団の中で佐原観萌と共に木星付近を移動中みたい」
さすがに花奈の言うこととは言え笑い飛ばしたくなった。
いくらなんでもそんなギャグ漫画みたいなシュチュエーションあり得ないでしょう。宇宙空間を飛んでいる巨大なお布団だなんて。
しかしもしも、その女子高生が佐原観萌と行動を共にしているなら生存している可能性は極めて高いと言える。
彼女に救えない命はない、何しろ『ままごと』の代わりに『お医者さんごっこ』、マンガやアニメの代わりに医学書や手術シミュレータゲームで育ってきた恐ろしい娘だったからだ。
それにもしもふたりの本名ではなくハルサメとナッツ、そして岡浜咲という名前を聞いていたら私もポニテ亜希とストレート本家亜希とんでもない云うもうふたりの自分の存在を思い出していたかもしれない。

「まずは観萌の腕を信じてその女子高生の精神的サポートは夏野明美と波瑠沙芽のふたりに任せるしかないんじゃないかしら」
私、葉類亜希はあえてそれを口に出して言ってみた。
春香織も周囲の異変に気がついたようで3人に対して集合を呼びかけた。
「誰かは知らないけど事件当時に時間操作能力者がいたようね」
香織は全員ばかりか近くで聞き耳を立てているであろう何者かにもはっきりと聞こえるように大きな声で言った。
「どうして?わざと?」
私もあえて聞いてみた。
「まずは落ち着いて冷静に考えましょう、私達は全員女性です、しかも一部中学1年生は存在するもののほとんどが小学6年生、相手が超人的な高校生では体力や腕力、知能の差はいかんともし難いです」
香織は言うと周囲を見回した。

水無月海(みずな つきみ)と春香織(はる かおり)、のふたりの中学1年生を除けば自分自身の記憶も正式な戸籍もない私、葉類亜希以外は全員小学6年生だ。
そんな子供達が何故刑事ごっこみたいなことをしていると思うだろう。
実は私達はほぼ全員が過去に何らかの性犯罪に巻き込まれている。
その時に佐原観萌を除くほぼ全員が命を墜としていた筈なのだが自称スーパー銭湯、じゃないスーパードクター葉類智恵の超絶手術技術によって運良く助かったのだが彼女は私たちの足元をみて各ひとりずつ約数億円の借金をふっかけて来やがった。
その借金返済の代償として葉類智恵のもうひとつの顔である愛痴県警察長官である立場を悪用して30年間の間、学生刑事としてほぼタダ働きをさせられることになっている。
ちなみにどこかのスーパー学生刑事のように桜田紋入りのヨーヨーとかメジャーリーグ用のボールのような身分証明になるような物は一切与えてもらっていない。
もっとも年齢を詐称した出来の悪い偽造の愛痴県警察庁の警察刑事手帳は与えられてはいる、がまあ速い話が偽物刑事だ。
もしその契約を反故にしてどこにトンズラしようが月の軌道以内にいれば身体中の細胞が瓦解するような細工が施してあるらしい。
「これじゃほとんど死刑宣告ですよね?」
月輪は言ったが私も同意せざるを得なかった。
「女の子をまわすのに関わった実行犯だけでも最低4人、時間操作能力を持っている見張り役が何人いるかわからないけどそれに加えてテレキネシスの持ち主がいるとなるとかなり厄介じゃないかなぁ」
この状況下においてでも夏乃花奈は甘ったるい喋り方をする、いやそういう喋り方しか出来ないのかもしれない。
「とりあえずは敵の人数とその能力者配分、リーダーと思われる七三の分析調査をしておかないと私達の方が全滅させられるわね」
落ち着きを装って香織は言ったが手の震えが彼女の不安を暗示していた。
「ものすごく強力なテレキネシスの持ち主がいるからですよ」
背後から冬河銀の声が聞こえて来た。
「どれくらいよ?」と私。
「月を落とせるくらいかも」
真顔で途中参加した水無月海が末恐ろしい予想を立てた。
とてもじゃないけどそんなレベルが相手では私達には勝ち目など1nmもない。
とりあえず私達は一旦解散をして策を練り直してから再集結をする事にした。

「今日はこれからどこにいく?」
私はさりげなく月輪に対して普通に聞いていたつもりだった。
「今日は私のアパートで加世さんが美代の面倒を見てくれているので早めに帰って交代してやりたいです」
何故か急に月輪はれしそうな笑みを浮かべていった。
加世というのは私達と同じ小学6年生の秋種加世のことで夏乃花奈の双子の姉妹なのだが色々と訳があって別姓を名乗っている。
「ねえ、私、今晩泊まりに行って良いかな?」
私が言うと月輪は一瞬驚いた表情を浮かべたがすぐに笑顔で「もちろん」と返してくれた。
入り口のドアは相変わらずカギがかけられてなくて不用心に感じられた。
しかし月輪がドアを開けるよりも早く中から明るい声で「お帰りなさい」と声をかけられて思わずびびってしまった。
「あら、今日は亜希さんも一緒なんですね、なら安心です」
ドアを開ける前から私の存在まで見抜くとは出来た娘だと思った。
本当に見るからに頼りなさげにしか見えないアホヅラの花奈とは大違いだ。
それでも花奈に言わせると一昨年までの加世はすごく荒(すさ)んだ性格だったと聞く。
「よかった離乳食の他に晩御飯をふたり分作っておいて、今日はクリームシチューとバケットとポテトサラダですがよろしかったでしょうか?」
加世は2人に聞こえるように大きな声で言ったが私の耳元で私にしか聞こえないような小さな声でボソリとささやいた。
『気をつけてください、美代ちゃんの事件の時の、いいえそれどころか私と花奈のイザコザにも関わった犯行グループの動きが活性化しているようです、今日も4~6人この子を狙っていたようですが一応撃退しておきました』
食事の準備をしながら忠告してくれたので多分、月輪の耳には入ってはいないだろう。
「加世も帰り道は気をつけて」
私はむしろ彼女の身の安全が気になってしょうがなかった。
「私なら大丈夫、それに今日は最強のボディガードもすでに来てくれているし」
彼女は笑いながらいったがそれは耳元で囁(ささや)いてくれた。
「あなたも知っている殿方よ、風間達也刑事さん」
おい、ちょっと待てそいつは最強のボディーガードどころか『最悪の送りオオカミ』だぞ!
警告しようとしたが今の彼には実娘である風間志乃のアストラルボディが憑いているはずだ。滅多な悪さは出来ないだろう。
それよりもこれからの3人の身の安全が重要だと思われた。
「亜希先輩も加世さんもコソコソ話さなくてもこのアパートに入る前から不審者が8人ほど周囲をうろついるヤバい気配は感じていましたよ?」
月輪はそういうと美代ちゃんの離乳食は代わる代わるやることはすでにふたりの間で決定済みだった。
じゃがいももにんじんも柔らかく煮込まれていて私たちが口の中で噛み砕けば良く、肉は細かい豚ひき肉、玉ねぎも細かく刻まれていて味付けも最高の離乳食と言えたかもしれない。
「美味しかったね」
私と月輪は笑顔で『ごちそうさま』のあいさつをした。
美代ちゃんも満足そうに手を合わせている。
それから私と月輪のふたりで美代ちゃんといっしょにお風呂に入ってかわるがわる彼女を洗ったり洗いっこしながり見守ったりしてからゆったりと湯船で温まった。
「ほら湯冷めをしないように身体を拭くのに協力されなさい」
私自身なにを訳のわからないことを言っているのだろうと思いながらも身体を拭きあってみんな下着とパジャマを着て湯冷めしないうちにお布団を敷いて、その中に潜り込んだ。
最初のうちは美代ちゃんも意味のわからないこと言っていたのにすぐに眠りに入っていた。
「ねえ、美代ちゃんももうすぐ1才になるのかな?」
バカな私は何気なく月輪の気持ちも考えずに無神経にきいてしまっていた。
「いいですよ、余計な気をつかってくれなくっても」
月輪はそう言ってから少し間を置いて続けた。
「確かに美代は私が望ん孕んだ子じゃないですよ?バカな私はろくな性知識も持たなかったばかりにこの子をとてつもない命の危険にさらす行為を続けていた、それどころか妊娠にさえその可能性にさえ気が付かなかった」
月輪はそういうと再び間を置いた。
「私の胎は自分自身でも気がつかない間に大きくなっていたんですよ」
彼女が啜(すす)り泣きをしているような声を聞いた気がした。
「最初に気がついたのは撮影スタッフでもなくAV男優さん、いえ正確にはそんな大そうなものじゃなくって頭の幼いな、それでいてあいつらが求めるグラマーで早熟なメスガキの肉体を買いに来た非合法買春の客だったわけです」
私はなんと反応をしていいかわからず黙っていたら彼女は淡々と続けた。
「わたしがあの業界に入ったのは、というか入れさせられたのは10才になったばかりの春、ちょうど小学4年生に進級したばかりの頃でした、バカなわたしは「今日1日だけでいいからこれとこれの服を着るお仕事のバイトをしてくれないかとお願いされてお給金も大した額ではなかったですがそれなりに時間を取られる仕事内容だったので最初は断る気でいたんです、でも『もう時間がないんだ』とか『間に合わないと多額の違約金を払わなきゃならないんだ、イメージにピッタリな君だけが頼りだよ』とか懇願(こんがん)されているうちに断りづらくなって、、その2着のドレスも素敵なこともあって」
「契約を交わしちゃったわけね」
わたしがそういうと月輪は一瞬おどろいた表情を浮かべた。
「やっぱり亜希先輩って不思議、こうしてしゃべっているととても同じ小学生とは思えない」

その指摘は確かに当たらず遠からずだが黙っておくことにしておこう。確かに私は正確には小学生ではない。記録上12才の小学生というだけの事だ。
実はあの『送りオオカミ風間達也刑事』の実娘である風間志乃さんと関わりがありそうなのだがもしも彼女が生きていたとしたら成人を迎えていたと聞く。
ただお気の毒なことに彼女は私の目の前で凶悪犯の撃ち放った凶弾によって背中から心臓を撃ち抜かれて死んだ、ことになっている。
実はまだ私の中で生きているのだがそれが影響しているのかもしれない。私は2人に分離してそれぞれが別々の人生を歩むことになってしまっていた。
ただその話は荒唐無稽(こうとうむけい)過ぎるし彼女は今その『送りオオカミ』を監視するために風間達也刑事に取り憑いてもらっているのでこれ以上話をややこやしくしたくなかったので黙っておくことにした。
「うーん、それは淫魔刑事としての実績の差かな?」
ちょっと無理があったかと思ったが月輪は意外と「やっぱりそうだったんですね!」と納得してくれたので一安心か?
「そうそう、話の続きを忘れていました、わたしは与えられたグレープフルーツジュースを飲みながら契約書(けいやくしょ)に署名(しょめい)をしている最中に気分が妙にハイテンションになっていたんですが知らない間にわたし自身が意識を失って、気がつくと撮影が始まっていたんです」
彼女にとってはこれからが地獄のようなつらい話になる。間違いなくその差し出されたグレープフルーツジュースにはなんらかの薬物が混入させられていたのだろう。
「別に今日じゃなくてもまた今度でいいよ」
私はそう言ってやったが月輪は気丈にもその続きを語り出した。
「普通に撮影していたのは本当に最初のうちだけだったんです、でもいきなり撮影現場に乱暴な男が現れて私はいきなりおなかを蹴り飛ばされて床に転がされて激痛で動けなくなりました、それから私の着ていたドレスは刃物で切り刻まれて下着まで切り裂かれて裸にされていました」
「うん、もうそこから先は言わなくてもいいよ、うちらの仲間のサイコメトラーでもある花奈と観萌がしっかりとその後にあなたがなにをされていたか検証済みだから」
私がそう言っても月輪は話をやめなかった。自分の中に溜め込んでいたものを一気に吐き出そうとしていたのかもしれない。
「わたしはそれまで父親が観ていた無修正動画などをわたしもこっそりと観ることで『犯される』という行為がどういったものか一応知ったつもりでいました、でも実際には映像上の演技として観るのと実際にその行為を生で強要されるのはまったく別物だと思い知らされました、痛かったです、引き裂かれそうでした、激しく擦(こす)られて熱くて焼けずる嫌な匂いがしました」
月輪はそこまで言うとひと呼吸を置いて続けた。
「私の妊娠に気がついたのはわたし自身じゃなくて皮肉にもわたしの肉体、性を買いに来た客だったんです、その男は言いました、『こいつアソコからイヤな臭いがしやがる、妙に下腹部も少し大きいし孕んでいやしないか?』、そう言いながらもその男は私を乱暴に強姦して、今思えば胎嚢が出来始めていたはずの子宮内に大量の精液を出しまくった挙句、難癖(なんくせ)をつけるだけつけて金も払わずに帰っていったそうです」
月輪はそこまで言うといったん自分の胸元で安心しきった表情で眠る美代ちゃんを見る目は暖かな気がした。
「呆れた話ですよね、後で聞いた話によるとその客は政権を握る強力なバックを持った与党政党の大物国会議員だったそうです、それでもAV撮影スタッフは私を使い続けました。
稼げるうちは稼いでおこうという腹だったかもしれないです、どっかの公害問題みたいですね、さすがにこんなおバカさんなわたしでも耐えられないほどの吐き気を伴うつわりが始まるとそれが妊娠だということに気がつき始めました」
それから月輪の話はさらに続いた。
そしてとうとうわたしのおなかの大きさが誤魔化しきれなくなった特に違法AV制作スタジオ、いいえ、違法女児児童売買春店は2000万円もの違約金請求を付け加えて見切り切りをつけました。
そして私の目の前でわたしが書いたはずの直筆の契約書を破り捨てました。その背後で私の妊娠に最初に気がついた男が微笑んでいたのをわたしは見逃しませんでした。
奴らは最初から最後まで結託して法案の骨格を抜くだけ抜きまくって事実上この国の児童ポルノや児童売買春を可能にしてきた国会議員やそれを取り囲む団体だったんです」
「わたしはまず警察署に向かいました、すぐに門前払いにされました。
あの大物国会議員が先手を打って根回しをしていたのです。その後も私はあきらめずに検察庁や法律事務所、弁護士事務所などを何ヶ所も周りました。
しかしすべてにおいて無駄足に終わりました。あいつらに先回りをされて手回しをされていたのもありますが最大の問題はあの骨を抜きまくられて閣議決定された法案にありました。
呆れたことにその法案は衆参議員共にほぼ無修正のまま圧倒的な多数で正式な法律として可決されてしまっていたんですー
『なるほどなあ、誰もその法案の穴と問題点に気が付かなかったのかそれとも多くの議員が買収もされたのか?ここはひとつ愛か秋子に確認した方がいいかもしれないなぁ』
内心で考えているうちに月輪の話はさらに進んでいた。
「もう諦めかけて普通電車の到着時間をホームで待っていたわたしは突然背後から通過電車の特急電車のすぐ前に突き飛ばされました、その時点でわたしの身体はミンチとなってわたしの人生も一緒に終わっていたはずなんです」
彼女自身が自分の身になにが起きたのか信じられない様子だったが私も信じがたい出来事だと認識していた。
「それがわたしは気が付いたら病院のベッドに寝かされていたんですよ?先輩、信じられますか?」
急にそんなことを言われてもなあ、というのが正直な感想だ。
「わたし、そのベッドの足元から急に声をかけられてしまったんです、『よう、おまえさん、我が子に助けられたなぁ』って、そっちをみたらセーラー服を来たポニーテールの女の子がぎょうぎがわるいことにあぐらをかいていたんですよぉ」
そう言ったっきり月輪はしゃべらくなてしまっていた。おそらくは眠気に勝てなくなったのかもしれない。
そのポニテのセーラー服にわたしは正直なところ直接会いたくなかった。
「うーん風間亜紀かあ」
彼女こそもうひとりの私であり淫魔である別世界の私だった。
それにしても今回の女子高生といい、1年半前の月輪といいなぜ特定の性産業屋から狙われたんだろうか?
どうやら同じ連中が絡んでいる気がしてならない。
どのみちこの事件に関する検証を行うのは明日になりそうだ。
私にも睡魔がようやく訪れたと感じた瞬間に私自身の身体中の警報が鳴り響いていた。
これは睡魔なんかじゃなかった。もうすでにに奴らはこのアパートの部屋の中に侵入していた。
リーゼント、オールバック、モヒカン、そして七三分けのエリート、つまり女子高生の陵辱実行チームがすべてお揃(そろ)いというわけだ。
しかし私たちにどうやって気づかされずに侵入した?
『まさか時間操作能力?』
気が付いた時はもう時すでに遅かった。
睡魔に襲われたのではない!私たちは身体と心の自由を時間を停止させられることによって奪われていた。掛け布団は剥がされて、身動きが取れなくなったリーゼントに月輪は仰向けに押さえつけられたままパジャマのズボンとパンツを引きずり降ろされて長足を持ち上げられると股を開かれて、リーゼントの細身な身体には似合わない太くて立派な松茸を捻り込まれて月輪の脇腹をわしづかみにすると彼女の身体を引いたり押したりをしていた。
月輪の完熟マンゴーに深々と突き刺さったそれは激しいピストン運動で彼女の胎に通じるアナを激しく擦りたっぷりと分泌されたはずの愛液さえあっという間に摩擦熱で蒸発させて内臓粘膜を激しく傷つけていた。月輪は上半身と首を激しく左右に振って泣き叫んでいるように見えたがその声は私にはまったく届かなかった。
やがてリーゼントの立派な松茸が月輪の中からの出血で真っ赤に染まった時にそれは激しく脈打ちし始めて彼女の胎が大きく膨らみ出した。
それだけでも尋常じゃない精液が月輪の体内に放出されたかわかる。もう妊娠臨月の大きさを超えている。子宮が破裂していないのが不思議なくらいだ。
そして私も股を開いた状態で四つん這いにされてモヒカンにあまりにも立派な松茸を半熟マンゴーにねじり込まれて激しく腰を振られてあっという間に中に大量の精液を胎の中にぶちまけられていた。もちろん私の子宮や卵管も破裂寸前だ。卵巣だってすでに無事じゃないだろう。
美代ちゃんはオールバックの餌食にされオールバックにパジャマを脱がされている。
彼女が私たちと同じことをされたらあっという間に即死は免れない。
ーもしかして最初から美代ちゃんが産まれて育つ可能性を潰すのが目的だったのか?狙われていたのは美代ちゃんがの命だったかも?ー
ふとそんな疑問がわきあがった。
「ボサボサ亜希、ふざけんじゃねーよ!いったいおまえは誰を守るべきか考えやがれよ!」
聞き覚えのある声が叫んだ時、リーゼントもモヒカンも私たちの身体から離されて宙に浮いていた。
「なんだと?なぜぼくの時間操作能力が無効になっているんだ!」
キッチン側の窓を背にしてあいつは立っていたポニテのセーラー服姿のもうひとりの私が。
私、葉類亜希とは別に存在する肉体のないもうひとりの私、彼女自身は自分の事を『あたい』と呼び差別化をはかろうとしているがヤンキーっぽいとは言えどうみても可愛いのは彼女、風間亜紀の方だろう。ただ彼女は実体がないゆえに人間や淫魔、そして妖魔などからは見えるもののビデオカメラや写真には映らない。
「安心しな、オメーラの胎内にぶち込まれた精液はあたいがもれなく回収して美味しく頂かせてもらったよ」
気がつくと私と月輪のお腹は元の大きさに戻っていた。
さすがは淫魔というべきか。
「おいおい、念のため言っとくけど内部の傷もちゃんと修復しといたからな、まあココロのキズまではサスガに無理だけどヨォ
そう言うとポニテ亜希は部屋の隅でその様子を薄笑いを浮かべながら見ていただけの七三分けの学生服の襟を引っ張った。
「やっぱりおまえさんだったんだね、時間を隔離したり相手の能力を封印したりした月輪たちを罠(わな)にはめたりして女子高生を周囲から見えなくしてやりたい放題にさせていたのは」
ポニテ亜希はそう言うとモヒカンの股間にあるものをバットとボール2個をまとめて見えない巨大な手で握り潰していた、私と体格は変わらないはずだけど手や足の大きさそして尻尾の長さと背中の翼の色や大きさも変えられるようだ。奴はあわててアパートの外に逃げて行った。
「月輪!もう動けるんだろこいつらの急所を念動力で破裂させてやんな」
ポニテが言うと同時にリーゼントとオールバックも股間を押さえてモヒカンを追うようにしてアパートの外に逃げ出していった。
「ふん、君たちはそれで有利な立場に立ったかも知れないけど僕の時間操作能と相手の能力を封印する力は力はまだ2%程度のパワーしか使っていないのさ」
七三分けは不敵に笑いながら言うと左右ふたつの瞳の色を別々に変化させた。
左眼は真紅色に、右眼は緑色に変化していた。
その結果、今度は私と月輪の身体だけでなくポニテ亜希までその肉体と共に精神さえ再び拘束されていた。
「さあ、どっちの肉体から美味しく犯すとしようか?洗濯板を先にヤッて、芳醇で美味そうな月輪とやらのうちの店で鍛(きた)えられてひとり子供を産んでいる甘味でとろけそうな完熟マンゴーをあとの楽しみに取っておくか、それともこっちを先に頂くとしようか?」

七三分けがポニテ亜希の身体に軽く触れただけで彼女のセーラー服は破裂したように細かい布切れにされてムチムチの全裸をさらけ出していた。
そして七三分けが彼女のワレメに左手を差し込むと何か呪文を唱えていた。
「いやぁぁ〜‼︎」
ポニテ亜希が叫ぶと同時に七三分けは彼女のワレメから手を抜いてた。しかし抜いたはずなのにそこにはまだ彼の手首ほどもある太さの陰茎が20cmほど突き出ていて膣の内部をグリグリと漁っているように見えた。
「おもしろいものをみつけたあ」
七三分けは、残忍な笑いを浮かべると
「あ、あ〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!い、い、いやぁ〜!もれるぅ」
ポニテ亜希はそう叫びながらのたうち回っていた。
「淫魔ともなるとGスポットも特性なのかな?」
笑いながら言った。さらにその腕、いや巨大な陰茎をさらに奥に捩じ込んでいた。
「うちの開発部が開発してくれた特製の〇〇〇陰茎でね、強く念じるだけで体内で自由自在に向きを変えられ、指も動かせるのさ、射精口?もちろん5本の指全てだ、もちろん指先だ、パクリだって?まあそれは認める」
「い、い、いやぁ〜、そこだけは、そこだけはやめてください」
ポニテらしくない、お願い口調で言うと何を考えたのか彼女はキッチンのシンクの前にイスを置きその座面の上に立つとその特製陰茎とやらの外に飛び出している方の大きな穴から勢いよくおしっこというか給水ボトルを置いて蓋を外すと熱いほうじ茶を放水し始めた。あつい湯気の香りが香ばしい。ってかなんでやねん。
「見たか?これが淫魔の給茶スポットだ」
七三分けは自慢げに言うが私たちに白い目で見られていることに気がつくと咳払いをして今度はポニテ亜希にささった腕の指で違うスポットを刺激した。
「あ、あ、あ、もうダメ、亜希我慢できない、あー!あ〜!あ“〜!あ“〜!」
するとポニテ亜希、今度はライムの匂いがする液体をそこに置いてあった洗い桶に冷やかしておいたさっき晩御飯を食べる時に使った食器に向かって放出をし始めた。そして七三分けは誇らしげに言う。
「見たか、これが淫魔にとって最も恥ずべきスポット、ママライムスポットだ‼︎」
するとポニテ亜希は何を思ったのか謎陰茎というか謎手首から熱めのお湯を勢いよく出してそこにあった食器を洗い始めていた。
「ずいぶん実用的なスポットなんですね」
私が言うとまた七三分けは咳辛いをした。
「じゃあこれはとっておきの呪われたスポットだ恐れるが良い」
「あ、あ、あ、あ〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!もうダメあたい、はずかしい」
今度はポニテ亜希は月輪の家の今洗ったばかりのマグカップを並べるとそこに白乳色に泡立つ液体を注いでいた。
「どうだ恐れ入ったか?これが淫魔特製のラブラテだ」
しかしさすがにそれは飲む気にはなれない。
その頃のはすでにポニテ亜希は干からびていた。まあそれは無理もない。
さらにもう1度、七三分けがポニテ亜希の豊満な乳房を両手で揉みしだいただけで彼女の身体は天井に叩きつけられていた。
「さて、次はボサボサくん、君はやっぱりまずそうだから細胞レベルまでバラバラにしてあげるよ」
そう言って七三分けは私の右肩に触れただけで右腕のそこから先がバラバラに崩壊していた。
もしかしたら彼は細胞や物体を分子レベルに分解する能力も持っているかも知れない。
要するに今の私は右腕が肩から先がほとんどなくなって大量に肩の断面から大量に出血をしていた。
致死量の血液がそこから吹き出すのにものの数秒もかからないだろう。しかし私はその場にしっかり立っていた。
「あなた、ひとつ勘違いをしているよ」
私はそういいながら今度は奴に左肩に触れられた。当然、左腕のほとんどが消失した。
「あなたはホームから月輪を通過する特急電車のすぐ前に突き落とし飛び込み自殺に見せかけてミンチにしようとした」

奴は私の貧相な胸に触れた。肺や心臓などが吹っ飛んでもう私の首から上は畳の上に転がっていた。
それでも私の下半身は畳の上でしっかりと立っていた。
『ねえ、月輪、あなたは一度死んだはずだった、そこで【チツノナカ】というふざけた名前の女性に言われたはず、あなたの身体損傷は軽症でまだここに来るべきでない、と、そうしてこうも言われたはず、病院のベッドの上で目覚めるように手配します、と」
私はその時にベッドの上で一度彼女と会っている。もちろんボサボサ亜希としてではなくてレインボー亜希としてだが。

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月輪の突き落としに関して私はその現場に居合わせたのはほんの偶然かもしれない。しかしこうなる事は運命だ。なぜなら私にもその少女がホームから突き落とされる確信があったから。
私はとっさの(とはいえあまりにも無謀な)判断で彼女を追い、特急電車通過前の線路の上に飛び込んでいた。
なんとか車台と線路と線路の隙間に潜り込めるか、それとも隣の線路まで転がって逃げられるかも、みたいな甘い考えがあったかもしれない。
しかしその甘い目論みは当然ながら見事に外れ、最初の車輪が私の頭蓋骨を砕き、続いてその時にズレた私の胸部と腹部をご丁寧にももう一方のレールと車輪が容赦無く粉砕してくれた。
何故なら私の身体は金縛(かなしば)りにあったかのように指1本動かせなかった。
そして特急電車が通過してミンチ状態になったはずの私が線路上からホームを見上げていた。その私の目の前にその主犯が立っていたのがだんだんとうっすらとぼやけ始めながらも見えていた。
間違いなく月輪をホームから突き落としたのは彼だった。彼は左手でスマホを操作しながらこう冷たく言い放った。
「残念だったね、君の能力はすべて封印させてもらったよ、そのマリモ頭と共に朽(く)ち果(は)てるがいい」
確かにその時の私の肉体は頭蓋骨はぐしゃぐしゃ、ありとあらゆる骨は砕かれ、内臓や手足の筋肉なども原形をとどめないほど引き潰されていた。私はその時、自分の肉体復元能力さえ使えなくなっていた。そして彼が言う通り妖魔の私といえど宿主肉体が朽ち果てればやがて精神も消滅する。
ただその時に1m大のシャボン玉の中で丸まって包まれたおなかの大きな金髪マリモ頭の女の子が浮かんでいたのを奇妙な感覚で見ていたこと,そしてそれに気づかずにその場を立ち去る七三分けの姿だけは記憶に残っている。

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そして今、その時の歳と姿の印象こそ多少違えど同じ男が身動きひとつ出来ていないように見えた。
「ねえそこのお兄ちゃん、どうしてあたしの大事なママとパパを殺そうとしたの?」
突然に美代ちゃんがわずか1才足らずとは思えないはっきりとした大人びた口調と声でしゃべりだしていた。
パニックに陥(おちい)った七三分けは私の下半身に手当たり次第触りまくった。
当然だが私の肉体は完全消失をしていた。
しかし右腕を失っていたの七三分けも同じだった気がする
それも美代ちゃんは彼に指1本さえ触れずにやってのけている。
しかし七三分けにはさらなる恐怖が待ち構えていた。
「ねえ、なんとか言ってよ、お兄ちゃんどうしてあたしのママを殺そうとホームから特急電車の前に突き飛ばしたことだけは許せないんだけど、今すぐにこの場所でその罪をつぐなってちょうだい」
美代ちゃんは立ち上がると一歩一歩ずつ七三分けにに歩み寄っていった。
もちろん私も月輪も指一本動かせない状況にかわりがない、しかし耳や目から入ってきている状況を私たちの脳はリアルタイムで処理できていたつもりだった、それにとんでもないことを美代ちゃんが始めようとしているのは理解できた。
体の自由がきかなくなっていたのは彼も同じようだ。
彼自慢の時間操作能力は美代ちゃんの前では全く無効だと言わざるを得なかった。
「あたし、お兄ちゃんがやった事でそれだけは許せないの、だからさようならね」
美代ちゃんがそう言って七三分けの額(ひたい)に右手の人差し指を軽く当てただけで彼の体は細かい灰となって部屋のエアコンの風にのって飛び散っていった。

「助かったの?わたしたち?」
月輪がその場にへたり込んでしまっていた。
それは私だって同じだ、もしも肉体変異質能力がなければ消えていたのは私の方だ。
それどころか現に私の身体は美代ちゃんが大人びた声で喋り出すまではその肉体変異質能力はもちろんのこと、ごくありふれた肉体復元能力さえあの七三分けに完全に封じ込められていた。
おそらくはあの七三分けエリート学生の能力だろうが奴の能力が常人離れしていたのは確かだ。
「あれえ、ボサボサの亜希おねえちゃんがいなくなって背の高いすごく綺麗な虹みたいな色した髪の毛の長いおねえちゃんが座って・・・・でも不思議、なんでだかまた会えてうれしいい」
そう言って美代ちゃんは再び自分から掛け布団をかけて潜り込むとそのまま眠り込んでしまっていた。
自分の母親である月輪の無事を確認できて安心し切ったのか?それとも流石に幼い彼女は自分の母親である月輪を助けることに集中し過ぎて能力を使い切ってしまっていたのかわからなかった。
しかし私と月和は彼女の可愛い寝顔の耳元でそっとささやいた。
「ありがとう、そしておやすみなさい」と。
事実、彼女がいなかったら私たちはあの七三分けエリート学生に全滅させられていただろう。

「うげっ」
ポニテ亜希が天井に叩きつけられてからいつの間にか落下してきていて畳に叩きつけられて血ヘドを吐いてた。
「あれ?何であたいはまだ生きているんだ?」
不思議そうに言うがあんたはただ天井に叩きつけられて落ちてきてまた畳に叩きつけられただけど。不思議がるポニテ亜希にそれを説明すると彼女が実際にアストラルボディに受けた攻撃はそんな生やさしいものじゃなかったと言う。
「しかしアストラルボディでもダメージを受けるような攻撃ってどんな攻撃なのかな?」
私は思わず口を滑らしてしまっていた。
「おう、知りたいか?特にオメーとあたいはツーカーだからな、生々しいイメージを転送できるぜ」
「お断りします」
私は即答で拒絶した。だってあんなにも美味しかったシチューをリバースするのはさすがにいやだったから。
そう思っていたら突然に月輪が突飛なことを言い出した。
「今の七三分けのエリート学生さん以前に会ったはずなんですがあり得ない」
「あり得ないって他人の空似じゃないの?」
私は確認してみたが月輪の確信は揺るがなかった。
「いえ、間違いないです、あの男こそキッズファッションデザイナーを騙りわたしにニセの契約をさせてキッズファッションの1日限りのボランティアバイトと偽り違法AV出演契約書を偽造してそれさえも嘘っぱちで私は女児売買春産業に強制的に契約させられていた?でもそれはいい、ただあたしがバカなだけだったから、でもその時のあいつは確か30才代くらいにしか見えなかった、でもどうして?あいつは今どうみても高校生」
月輪はかなり混乱をしているように見えた。
「別におかしな話じゃねえよ、現にオメーさんはボサボサ亜希、速い話がその実例として葉類亜希の変化した実例をみているじゃねぇか?」ポニテ亜希はそう言うと私を指差した。
「そう言われたら風間亜紀さんはいるのに。葉類亜希先輩がいないや、やっぱりあの七三分けに消されちゃったのかな」
月輪はそう言うと声も出さずに大粒の涙を大量に流し出していた。
「おめー、彼女に自分が惨殺された後で佐原観萌と同様な肉体変異質したとこみせたことねーのかよ」
ポニテ亜希に言われたら確かにこの姿を月輪に見られたのは初めてかもしれない。
今回はマジで死にかけたので私本体の肉体も上っ面だけじゃなくて内面でさえ変化したのかも知れなかった。

今から1年前のあの時も七三分けが去った後で私の全て能力は再び使えるようになっていた。
その時の私の見た目は今の私とほぼ同じだったかもしれない。
ただ常にほぼ一定の状態に戻れる佐原観萌と違い私は彼女のようなレインボーストレートロングヘアの美少女化するとは限らない。
ボサボサ亜希のままの時もあるし、他の8人だっけ?そのうちの誰かに似てしまう事もある。
その点においては佐原観萌も同じだが彼女の場合はそんなレベルじゃないようだ。ただ彼女の場合は私だけ、つまりボサボサ亜希の姿にだけはなれないらしい。

1年少々前、私はとにかく何故月輪がお腹の中の胎児だった美代ちゃんと同時にあの程度の軽傷で済んだのか?
それは私と共に運ばれた私設警察病院院長と警察長官を兼任していた私の義母である葉類智恵にも説明ができない珍事だと聞いた。
私は流石にレインボーヘアのまま人前に出ることははばかられたのでアパートでおとなしくしようと思っていた。しかし月輪自身とお腹の中の子が気になったので自分自身の肉体を不可視化(普通の人間には見えない状態にする事)してこっそりと彼女の病室を覗く事にさせてもらった。
右側の頬(ほお、またはほほ)にやたらと大きな絆創膏が貼ってあったがそれ以外には外傷らしき手当ては服の上からは見当たらない。
私は透視能力などという便利な能力は持ち合わせてはいないのでちょうど良かったかもしれない。
彼女の裸を何度か風呂上がりに見たことがあるが「自分はまだ小学生だからこの体型でも十分だ」と自分自身に言い聞かせた記憶がある。
私が病室入り口に立った時はすでに回診が終わった後だった。
もうひとりの私、ポニーテールの髪型をした亜希は月輪のベッドの上、彼女の足元でセーラー服姿のままあぐらをかいていた。
私の位置からはスカートの中の完熟マンゴーが丸見えだった。
透視能力もないのに何故見えてしまうのかって?それは彼女の足の組み方と上着以外は一切着ないと言う淫魔特有の主義主張らしい。もちろん私にはそんなものは全く理解が追いつかない。   

「おーす、母子共に健康でよかったあなぁ」
ここ1年半以上にわたって酷い目にあってきた彼女によく平然と軽口が叩ける!
私はさすがに怒りが込み上げてきたが何故か月輪は嬉し泣きをしているように感じた。
「そーか、そーか、オメーの悪運の強さは世界一だもんな」
ポニテ亜希が言うと月輪が流している涙がさらに止まらなくなっていた。
まあコイツはコイツで口が悪くて素行不良なのだが見た目はそこそこな美人なのでかえってタチが悪いかもしれない。
「何でぇ、そんなに泣くよーなことかよ、オメーの運があいつらに優った、それだけのことだろ」
「違うの、この子がわたしたちを守ってくれたの」
わたしたち?その一言に私は引っかかっていた。
「ボサボサ頭の亜希先輩、そこに立っているのでしょう」
月輪は確信しているかのように声をかけてきた。
そこで私は何故彼女がわざわざ『ボサボサ頭』を付け加えてきたのか気にするべきだったのかもしれない。確実にもう1人いたのだ。ストレートのサラサラ黒髪を肩まで伸ばしたもうひとりの私の存在に月輪も気がついていたのかもしれなかった。
今の私は特急電車にひかれてミンチ化したせいもあって普段のボサボサ頭でカサカサ肌の葉類亜希とは程遠い身長170cmを軽く超えるひざまである三色ストレートヘアになっているはずだ。
それに私の不可視化は本家亜希やポニテ亜希よりもさらに強力だと自負している。
彼女とは通っている小学校は別々だがやがて中学に進学すれば同じ学校に通うことになっていた。
今回がたまたまであって赤一色、青一色になったりキューティクルボロボロのボサボサヘアのままレインボー化して自分の足で踏んづけてコケるくらい伸びまくった事もある。もうこうなるとシャレにもならないのだけど今日の私はここに来る前に鏡とスマホアプリでチェックしたが大抵多くなるいつも通りの毛根から毛先まで虹色に輝くほぼかかと近くまで伸びたストレートヘアだったはずだ。
知らない人が見たら、いや誰がどう見ても不良女子児童だろう。
「えーと、それは目の錯覚というものでは?」
私はとぼけてみたが月輪の核心は揺るがなかった。
「先輩、私の透視能力を侮らないでください、ボケ通す気なら透視念動力で脇の下をくすぐっちゃいますよ」
月輪が宣言した通りに私の両脇の下を耐えきれない快感というか刺激が走った。
「本当に月輪には私の姿がいつもと同じボサボサ頭のカサカサ肌に見えるわけ?」
私は再度確認してみた。すると月輪は急に照れたようにモジモジしながら言った。
「わたしのは透視能力というよりは限りなく対象物や対象者の本質を見抜く力で」
それから急に顔を真っ赤にしていった。
「大好きですよ普段の垢抜けない先輩、飾りっ気がないくせに時々妙にカッコよくなるところとか」
私たちを見てポニテ亜希が急に大笑いを始めた。
「オメーラ本当のアベックにしか見えね~」
そして私と月輪の頭をポンポンしていた。私自身が知らない間に月輪のおバッドのヘリに腰掛けていたようだ。
「だけどよ~月輪の腹の中の子の父親は本当はボサボサ亜希かもしれねーぜ」
ポニテ亜希は冗談めかして言ったがその目は真剣だった。
「じょ、ジョーダンでしょ?私も月輪も女の子だよ?」
私は言っておきながらはっきりと気分の身体が火照って来ているのを感じていた。
「そ、そうやわ、そんなの先輩に対して失礼だし、こんなにも男に抱かれて汚れた私が相手じゃ先輩に対して失礼・・・」
月輪もそう言いながら顔を真っ赤に染めていた。その様子をポニテ亜希は真剣な表情で見つめて言った。
「なあ、お前ら赤ちゃんはどこから来ると思う?」
どストレートに聞かれて月輪の顔が真っ赤になった。
「バカにしないでください、わたしだってあの時とちがってちゃんと勉強してるんですから、男の人が私の膣の中に射精をしてそれが子宮の中を登って行って熟成した手の卵子と出会って最初の1尾
だっけ?それと受精して着床してそれから」
「ストーップ、そりゃ子供の作り方だろーが、これだから人間、てえ生き物はよー」
急に慌ててポニテ亜希が口を挟んだ。
「でも確か私もそう聞いたけど」
私も思わず言ってしまった。
「いいか?クソガキどもまず『仏作って魂入れず』って言葉を知っているか?」
正直言って急にそんな仏教用語をブッ込まれても、と思った。
もしかして何百歳とかいう設定だろうか?

 そんなポニテ亜希の長ったらしい説教を聞きながら睡魔が襲って来たのを覚えている。
夢の中で私は月輪と同じ幼稚園バスに乗っていた。
夢の中でも月輪は金髪のマリモ頭だった。
今日も1日のお遊戯が終わり帰りのバスの中だった。30人程度乗れるそんなにも大きくないバスだったがそれぞれの園児の家の前に着くとひとりずつ、兄弟、姉妹のいる子はふたり以上降りる家もあった。
そして私と月輪の2人の園児と幼稚園の先生、そしてバスの運転手の4人だけが幼稚園バスの中に残っていた。
ただし今日はいつもと園児たちがバスを降りる順序が違っていた気がした。
割と早く降りる私と月輪が後回しにされていて特に月輪が最後だった事に夢の中の私は強い違和感を感じていた。
「次は亜希の家だね」
そう月輪が言った時に私はなぜか恐ろしい事が起きそうな気がしてする不安を覚えていた。
「先生、言うのを忘れていたんですけど今日はお母さん、仕事が遅くなるので私を後回しにしてもらえませんか?」
もちろんそれはウソだった。ただ嫌な事が起きそうな予感がしている間はバスから降りたくはなかった。
いつもなら「決まりだからダメですよ」と言い出すその先生も珍しく「それじゃぁ仕方がないですね」と降車順序の変更を了承してくれた。
彼女も何か異変を嗅ぎ取っていたのかも知れない。
バスは左折するはずだった信号を直進していた。それからだ、幼稚園バスの運転手の様子が変わり始めたのは。
まず次の信号がかなり手前から黄色になったにもかかわらずバスは止まろうとしなかったばかりかスピードを緩めようとさえしなかった。
先生もそれに気がついたのか運転席に駆け寄って「どうしたのですか?」と声をかけた。
すると運転手は額から冷や汗を大量に流して呟(つぶや)いていた。
「ブ、ブレーキが効かないんだ」
「バカおっしゃい、そんなわけないでしょ」
先生も否定しながら焦りを見せていた。
彼女の位置から運転手が必死になってブレーキペダルを踏み続けているのが見えたからだ。
「ブ、ブレーキがダメならクラッチを切ってシフトダウンとかも出来ないんですか?」
先生もいよいよ焦(あせ)り始めていた。
私の位置から見ても真ん中のブレーキペダルも左のクラッチペダルも反応しなくなっていた。
彼はシフトレバーを操作してギヤが抜けないか試しているように見えた。
それさえ無駄な行為に感じられた。
誰かが頭の中で囁いている。
「無駄さ、無駄無駄、貴様らは直進をし続けてこの先のTの字交差点突き当たりにある地下タンクに給油中のタンクローリーに突っ込んで爆発して炎上、全員焼け死ぬ運命さ」
誰か若い男の声がしたような気がした。
「自分達の運に賭けようってか?めでたいな、もしその事故で爆発炎上が起きなかったとしてもうかつなガソリンスタンドの店員が給油しているそばで自分のタバコに火をつけようとライターに火をつけるというステキなイベントまで用意しておいたからね」
ハンドルはなんとか操作は可能だった、しかし。
道は上下合わせて二車線でうかつに対向車線に出るのも大きな危険を伴った。
そうしているうちに幼稚園バスは赤信号になったばかりの交差点に差し掛かろうとしていた。
そのまま交差点に突っ込めば横から来る大型トラックに横から突き飛ばされて幼稚園バスが100メートル以上吹っ飛び全員死亡する大事故になるのは確実な気がした。
それが可奈野椎も持っている願望実現達成能力という厄介な能力だ。おそらくはそいつらの誰かも椎の『願望達成能力』母類な袖に近い能力を持っていたのだろう。
交差点前に止まるのは不可能だったし後ろには木材を満載した大型トラックがぴったりと後をつけていた。
下手に急ブレーキをかけさせればそれらを縛ったワイヤーが奴らの願望実現達成能力によっていともあっさりと引きちぎられてその木材の数本が幼稚園バス内に突っ込んできて4人全員を叩き潰すさまが想像できた。これも願望実現達成能力の成せる技だ。もちろん私たちに可奈野椎がいればさほど心配する必要もないだろう。しかしここにはもうすでに彼女の姿はなく、月輪の能力共有を利用するには遠すぎた。
「バスの先生、とりあえずアクセルを踏んで加速して!」
私は思わず叫んでいた。
幼稚園バスは大型トラックの鼻先を掠(かす)めて衝突はなんとか免れていた、しかし目前には渋滞でスピードを落としているミニバンが見えていた。
その前には市バスが走っているのが見えた一か八かでミニバンに追突するのもアリかと思った時に月輪が叫んだ。
「ダメです!2台の間には小さな子供を乗せた軽自動車が前後の車間を取れずに走っていますこのまま追突すればその子の命は保証できません!」
先生たちは信用していなかったようだけど私は月輪の言葉を信じることにした。
「月輪!対向車線がどうなっているか見える?」
私の問いに対して月輪は即答した。
「今なら大丈夫です、ただし条件がフルスロットルで加速しながら対向車線に出て3台を追い越してくださいください、そうしないと間に合いません」
幼稚園バスの先生も月輪の気迫に押されたのか彼女の指示に従った。
エンジンが唸(うな)り、速度計はあっという間に80km/hを超えていた。
そして目前には進行方向と交差方向の両側の信号が赤になっている交差点に差し掛かって差しかかっていた、いつもこの交差点は進行方向が青の時間がやたらと短い上に右折車が多いので混雑しやすい、そんな気がしていた。さてここからが賭けだ。今までこちらの信号側が赤だった場合はセーフ、もしも青だった場合はアウト!と言うことになる。
進行方向と交差方向のどちらも車が赤で止まっていると仮定するならこのまま対向車線からその交差点で右折をすれば無事抜け切れるが問題はこの速度であの交差点を曲がり切れるかどうかだった

予想は当たってはいたがどう考えてもたった半径が15mもないカーブを100km/h以上の速度で曲がれるはずがなかった。
「月海さん、前輪右方向に6Gの念動力を、加世さんは車体中央右側高さ50cmに1500kgのウエイト、花奈はパンクに備えて前後の左タイヤ内空気の一部をエネルギー化して温度を上昇タイヤ内の気圧維持、冬河はカーブを右に曲がった直後に出現するであろう大型タンクローリーを謎アナを使ってすり抜けて、その間中、香織は相手の時間操作能力を封印してください、可奈野椎は相手の能力封印を逆に封じ込めて!」
どこかで聞き覚えのあった声がテキパキと指示を出した。
冬河銀、春香織、水無月海、秋種加世、夏乃花奈、可奈野椎、佐原観萌、そして文月輪と私、ボサボサの葉類亜希。
私たちは今から8年前にすでに出会っていた⁈
「どうしてここに、先にバスを降りたんじゃ?」
私は観萌にきいた。
『静かに、私たちはまだ監視されています』
観萌はそっと私に耳打ちをした。
「今日ここで起きた事、私たちが集結してしまった事は椎の能力で無かったことにしておきます、しかし彼らの頭の中ではあらゆるルートで月輪さんと葉類亜希の死は確定しています
『その当日、私たちは冬河銀、春香織、水無月海、秋種加世、夏乃花奈、可奈野椎、佐原観萌とは逆の順番でバスを降りています』
ーあの日幼稚園バスはハンドルを除くすべてのコントロールを失いました。いえそれは失ったというべきではなく次々とバスの機能や私たちの能力を奪われていったというべきでしょう。ー
観萌は周囲を用心深く観察しながら月輪の能力共有を利用してみんなにイメージを伝えた。
ー彼らの目的は月輪の抹殺です。彼女がいなければ私たちはまとめるものがなくバラバラでひとりひとりを始末させるのは容易(たやす)い事ですから、ー
だから今回は最後に月輪が幼稚園の職員と共に残るように順序を入れ替えた?
ーまず彼らは月輪を孤立させました。彼女が持っているのは透視能力とそれで見えるものに対する念動力攻撃、とは言っても最初から見えているものに対しては使えません。ー
観萌はそれから続けて言った。
ーそして何よりも彼らが恐れたのは私たちが月輪を通じて同じ能力をお互いにシェアし合える共有能力。ー
ー例えば彼女がそばにいれば冬河銀でも花奈の質量をエネルギー化する能力が使えたり、ー
ー香織が人の時間操作能力を使いながら月海の無限とも言える念動力を使えます。ー
ーこれは月輪の透視能力のおまけではなく最初から見えているモノまで対象に無限に使えます。ー
ー彼らにとって脅威なのはこれら私たちの仲間でなくとも気を許せる相手であれば誰の能力でも自分の能力として共有が可能な点ですー
ー例えば月輪という媒体を共有する事によりAがCの能力を使ったりDがAやGに貸し与えたりすることもGの能力をBやKとLで共用することもできます。ー
ー彼らに盗み聞きされていつと困るのであえて明言しますが私たちにも彼らにとって月輪を通じて能力を共有されたら困るメンバーが何人か、いえ私たちの場合はほとんどのメンバーが当てはまるのですがそれを封じるにはいくつかの方法があります。ひとつは月輪自身を全員から隔離する方法、そして月輪自身の精神を破壊する方法があります。ー
ー彼女自身は気丈に見えても所詮は女の子です、そんな娘の心をくじき破壊するにはどうしたら効果的か知っていますか?性的な暴力を彼女が孤独な状態で与えればよいのです。知り合いを利用して騙して何人もの男を使い女性生殖器をボロボロにして生きていくのも嫌になる程身も心も破壊し尽くして性的な暴力と苦痛を与えて死を選ぶように操るだけなんです。ー
私の目の前には巨大な布団の中で点滴を受けている1人の少女がいた。
ー彼女もそんな奴らに狙われたひとりです。しかし彼女は残念ですが月輪程は強くなかったひとりです。ー
ー私は波瑠沙芽さんと夏野明美を安心させるために土星の衛星までの軌道計算を彼女が行ったとウソを着きました、快方に向かっていると言いましたが正直言って彼女の命はよく持ってあと3ヶ月でしょう。ー
ーそこでお願いがあります、何が彼女をそこまで苦しめて追い詰めているのか調べてほしいのです残念ながら彼女には自分を守ってくれる愛娘もあなた、亜希という自分を守ってくれる存在もいません。
ーあの日、本来なら彼女は孤立していたはずです。しかし亜希は恐るべき直感でバスに残ってくれました。彼らにとっては計算違いでしたがそれは些細(ささい)な問題でした。ー
ー何故なら、幼稚園バスは亜希の家によるために左折する予定でしたが直進する事によって最初のトラップは回避されました。いきなり対向車線から飛び出してきた大型トラックと信号無視で突っ込んできた中型トレーラーとの板挟みになって漏れたガソリンに引火して爆発炎上して月輪は、あなた亜希と共に命を落とすのが彼らの計画でした。ー
ーしかし最初の一手が回避されただけでまだ彼らには次の手さらに次の手が用意されていました。ーそれがさっきまでのトラップでしたが信号を右折した特に出現したタンクローリーは本来なら逃げ場を失った幼稚園バスが突っ込んでいたものです。赤になっても自分の進行方向の信号が赤になっても構わず右折して突っ込んできて幼稚園バスの前に出る手はずだったようです。ー
しかしどうして幼稚園バスはそのタンクローリーを回避できたのだろうか?
ー簡単な事ですよ、可奈野椎の願望実現達成能力と冬河銀の恥ずかしい場所にあるワープホールを利用したまでです。ー
珍しく恥ずかしそうに佐原観萌は言った。
『その当日、私たちは冬河銀、春香織、水無月海、秋種加世、夏乃花奈、可奈野椎、佐原観萌とは逆の順番でバスを降りています』
ーあの日幼稚園バスはハンドルを除くすべてのコントロールを失いました、いえそれは失ったというべきではなく次々とバスの機能や私たちの能力を奪われていったというべきでしょうー
観萌は周囲を用心深く観察しながら月輪の能力共有を利用してみんなにイメージを伝えた。
ー本来なら彼らの計画はどんなルートでも月輪を抹殺出来ましたー
ーとにかく彼らの目的は月輪の抹殺です。彼女がいなければ私たちはまとめるものがなくバラバラでひとりひとりを始末させるのは容易(たやす)い事ですから、ー
だから今回は最後に月輪が幼稚園の職員と共に残るように順序を入れ替えた?
ーまさか幼稚園の先生たちもグルだった?ー
ー私の問いに観萌は首を横に振ったー
ー彼女と彼らも彼らに操られていた可能性がありますー
ー実は今回最初に気がついたのは花奈でした、彼女はボソリと呟いたのです、『私たちの過去は何者かに都合がいいように操作されている』と・・・・・ー
ー次に香織が気がつきました、時間操作系能力者がいるとー
ーそして最後に椎が気がつきました。自分以上の望実現達成能力がいるとー
ー私の判断で彼らの予定通りに銀に先に降車してもらいましたー
ー何故?ー
ー彼の持つ謎の穴はどこに出るかわからない誰から見ても全く使い物にならないものです、しかし春香織と夏乃花奈は別格でどこに居ようが追いかけられますー
ーこれでふたつの可能性が生まれました。冬河銀を春香織と夏乃花奈のどちらかに飛ばす方法、それでも彼らにとっては大した痛手ではありませんでした、どの道そこで途切れてしまうからですー
ーでも私だってタダの大量娘造りバカじゃないですー
自覚していたんかーい?
ー何も馬鹿正直にふたりがいる場所に飛ぶ必要なんてないんです、はっきりとは言えませんがふたりともある場所に自分の痕跡を残しました、それこそ幼稚園児じゃないと恥ずかしくて残せない痕跡をねー
それがなんだったのか?あれから成長した今の自分ならすぐにわかった。
ーでもそれじゃ全員は追跡しきれないんじゃー

ーあのぉ、すみません、あたし、あの時、バスの中で普通のパンツで盛大におしっこをもらししちゃいましたぁー
お、おぅ、、、それはさすがに奴らでも想定外かな?
もしもその花奈のもらしたおしっこをひたしたハンカチやパンツを全員がシェアしていたら?
当時、花奈があまりにも正直にカミングアウトしたので思わず私は彼女の頭をなでなでしていたのを思い出していた。
ーしかしこれからも今回の女子高生と同様に月輪は奴らに命と精神の破壊を狙って来ます。十分過ぎるほど注意してください。ー

そこで私は夢から覚めていた。

「わたし決めた!」
月輪は突然、大声をだして宣言した。
「この娘の名前は文美代、美代ちゃんで決定よ」
「おいおい何でこの話の流れでそーなるんだよ?」
ポニテ亜希が疑問を呈(てい)した。
「だってこの子が言っているもん!ママはわたし、月輪でパパが葉類亜希だって」
えっ?何で私がパパになるの?突然の月輪の発言に私は驚いたが何よりも何でこれから産まれて来る赤ちゃんが自分の名前を勝手に決めて母親はともかく父親まで指定して来るんだ?
しかも私は女だよ?
「別にそれでいいんじゃねーの」
ポニテ亜希は両手を叩いて喜んで言った。
「だってよーオメーラよく考えてみろよ、普通の性教育っつうか生殖機能の考えだとその子の父親は月輪を力づくで犯した男の誰かって話になっるぜ」
確かに言われてみればその通りだった。
資料を義母の葉類智恵警部に見せてもらった事があるがひと癖やふた癖どころじゃない犯罪者にしか見えない連中ばかりだった。
産まれて来るこの子にしてもそれだけは願い下げだろう。
しかしなんでよりによって私がパパなんだろうか?
そう考えていたら急に月輪がクスクス笑い出した。
「この娘、美代ちゃんが言うにはいちばん頼りになるひとだからだって」
しかしなあ、実際に月輪を特急電車から守ったのはこの娘自身だし。
私がそう考えていると月輪がさらにクスクス笑い出した。
「この娘は言っているわよ、もしボサボサ亜希先輩が七三分けの突き落とし犯の注意をそらすような突飛な行動を取ってくれなかったらあたしは自分を含めた月輪ママを強力なシールドで包むことが出来なかったし、気づかれたらあたしの能力も封印されてシールドはあっけなく特急電車の車両に轢(ひき)き潰(つぶ)されていたって」

そう、私はその当時、月輪とは何の縁もなかったしお互いに存在は知らなかったはずだった。
しかし月輪は何を思ってかホームドアのないあの駅に行き、私は私で本来なら用のないその駅のホームに立っていた。
そこに私を移動させた犯人は分岐したはずのもう1人の私、ストレート本家亜希だった。

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今から約1年前、もしもふたりともあの七三分けに操られていたとしたら?
「話が盛り上がっているところを申し訳ないけどどさーこれから分娩だから月輪を除くおまえさんらは出て行ってもらえんかね」
一見冷たく言い放っているように感じるが義母の智恵の言葉は温かい。
「あの」
月輪は何かを言いかけた。
「小学生5年になったばかりのわたしでも子供を産んで良いんでしょうか?」
もちろん産んでもいいか?というのは少し語弊がある、騙されて性産業の餌食になって無理やり孕まされたというのが正しいからだ。
それでも私の義母がキッパリと言う。
「そのお腹の中の娘がお前さんを母親と認めたんだろ?ここにいるうちのボサボサ頭の亜希を乳親と認めたんだろ?それは正解だと思うよあたいはね」
それを聞いて月輪は「うん」とうなづいて微笑んだ。
そして続けて言う本当本当の親娘は「風間亜希さんと葉類智恵さんみたい」
「それに値の医者としての技量を信用しな、なんせあたいは」
「はいはい、これから出産分娩でしょ?がんばってきてね」
私は極力明るくふたりとこれから産まれるもうひとりを送り出すことにした。
私は言えない、口が裂けても、葉類智恵院長が大型拳銃で撃ち抜かれた風間達也先輩の両肩と同じく同じ拳銃で撃ち抜かれた私の右肩を瞬間接着剤で固めた迷医だなんて。しかしそれは私たちがふたりの人格に分離する前の話だった。

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「あれからもう1年も立ったのか」
わたしが言うと月輪も「そうですね」と答えた。
それにしても美代ちゃんはなんで私の腕にしがみついて来るのだろうか?本当に私を父親と認識しているとでも?
『違うよ、乳親だよ』美代ちゃんがそう言ったような気がしたが多分気のせいだろう。

風間志乃が凶悪犯に銃殺されたのは今から約1年と8ヶ月前、その頃は私は何をしていたのだろうか?
風間刑事と私は方を瞬間接着剤で固められてほとんど身動きが取れなかったはず。
それから半年近く入院を余儀なくされてふたりとも刑事としての活動はおろか病室からもほとんど出ていないはずだが。
「ははぁ、そこでボサボ亜希とロリキャラの亜希が分岐しちまったって事だな」
妙に納得したようにポニテ亜希が言った。
「分岐ってどう言うことですか?」
月輪が口を挟んだ。
「ああ、ボサボサ亜希もろくな奴じゃないがストレートロングヘアの亜希はもっとロクでもないヤツだったっと言うことだ」
その世界での記憶はほとんどなかったが微かに断片的な記憶はあった。
「コイツらはな、どっちの世界でも、ふたりして入院したその晩から毎晩のように隣のベッドの風間達也刑事の元に通い続けての松茸をしゃぶったり、それを自分の黄金マンゴーに突き刺して『はぁはぁ』するような淫乱娘だったんだよ」
「そっ、それはすごいですね、その時の動画とかないんですか?」
興奮気味に月輪が言った。彼女は一体ナニを期待しているのだろうか?
「大井田井病院ナースセンターに保管してあるんじゃネー、淫チョーの葉類智恵警察チョーカンがその手の除き魔だったから」
ポニテ亜希はそう言いながら私をチラリとみた。
「ただしこちらの世界では淫魔のアタイの能力が加算されていたせいかボサボサはあちらの世界の亜希が退院するのに4ヶ月近く要して風間達也刑事と同時に退院したがこっちの世界のオメーはたったの2ヶ月でオメーひとり退院出来たって事だ。
そんなこと言われても意味がわかんないんだけどさ。要するにどう言うこと?
私がポニテに聞くと彼女はニヤリと笑って答えた。
「要するにこっちの世界のオメー、ボサボサの方が圧倒的に肉体の回復能力が高かったということだ、残念ながらオメーとのエッチの対象である風間刑事には大した効力は得られず4か月も退院を要したけどよー」
そう言ってからポニテ亜希は自分のポニーテールをほどいて髪の毛をおろした。
キラキラキューティクルのストレーヘアの黒髪が胸にかかるまで伸びていてまぶしかった。
「それでその話が私と月輪の関係があるんですか?」
私はどうみても小学生にしか見えない風間亜希にきいてみた。
「いや、特には」
あっさりと認めやがった。
「ただしこちらの世界のあなた、つまりボサボサ亜希は志乃銃殺事件からふた月と少々、いや、それどころかひと月で淫魔刑事としての仕事を始めているわけなんだよ、葉類智恵警部の命令を受けてな、ここ大事だぜ」
急にそんなことを言われてもどこがどう大事なのかわからない。しかし、今一瞬丁寧な言葉を挟まなかったか?

「亜希先輩ともなればあっちの経験も豊富なんでしょ?」
不意をつくように月輪はきいてきた。
「私、こう見えても本当だったら女子高校生どころか中学に入る手前ですからね、それでもセックスなんてそれこそ数えきれないくらいやっていますから」
あれ?これは本当に私のセリフ?
「亜希ちゃんったら風間達也刑事と出会ってすぐにセフレになってそれこそ数えきれないくらいでセックスしまくってますから」
おい、誤解を招くような発言はやめろ、その口調は一体誰なんだ?。
「後生だからこれ以上私の過去を暴かないでください」
私は何故か自分自身に懇願していた。それでも自分自身の内なるあの人の声が漏れていると思っていたから。
その時1台のバイク,CB1100がアパートのドアを突き破って侵入して来た。
「無事か?間に合ったか?」
ああ、今は聞きたくもないクソオヤジ、風間達也刑事先輩の声、叫びながら反対側の壁をぶち抜いて3メートル下の小さな小川にぶち落ちて行った。
本当は全然間に合っていなかったが美代ちゃんとポニテ亜希のおかげで助かったからヨシとしよう。
「本当によかったですね、あたし間に合うかどうか気が気じゃなかったです」
とこっちは本当に心配してくれていた加世さん。
「あの、風間達也先輩と加世さんはわかるんですがそちらに正座していらっしゃるお方はどちら様でしょうか?」
月輪に真顔できかれてどう答えたらいいか考えあぐねていたらOLのスーツ姿をした彼女自ら自己紹介を始め出した。
「初めまして、わたし、風間達也のひとり娘で風間志乃と申します」
すると案の定、月輪は少し驚いたが納得がいかないのかのようにぶつぶつとつぶやき出した。
それはそうでしょ。なんせ志乃は・・・。
「で、でも志乃さんって確か1年と8ヶ月前の事件で凶悪犯に銃殺されたんじゃ」
それに対して志乃はにっこりと微笑んで答えた。
「はい、よくご存知ですね、わたしが見えてしまう月輪さんもすごいですがここにいる葉類亜希さんももっとスゴイですよ?何せ父の小学生女児セフレとして毎日ほぼ一晩中お世話になっていますから、父は彼女がいなかった頃は『小田井署の中出し刑事』と極悪刑事のように言われていましたからね」
真顔で言う志乃に月輪も真顔できいた。
「そ、それまでは誰が風間達也先輩の性処理を・・・?」
そう言われた志乃は頬(ほほ)を真っ赤にして答えた。
「そんな事決まっているじゃないですか、実の娘であるわたしが可能な限り時々、実父の性処理をしなければ小田井の町は性犯罪パラダイスになってしまいます、それでも町では週に2~5件もの謎の強姦事件が発生していまして、被害者はみんな中学1年生から小学生3年生までも対象になっていることから真性のロリコンの仕業じゃないのか?と噂されていました」
「それはさぞ辛かったでしょうね、1日あたり何発、中に出されていましたか?」
いまだに月輪もマジモードだ。
「はいもう、わたしなんて父にねじ込まれたまま5~6発中出しされただけで次の日は小学校も中学校も、高校も足腰が抜けて通学できず大変でした、それでも父の小学生女児に対する凶行は収まらず一時はA県警もグルじゃないかと囁かれだして」
目から大粒の涙を流して志乃は泣き出していた。
「でも今は亜希先輩が代わりにセフレをしてくれるようになって良かったですね」
ふたりの会話にさすがの淫魔、ポニテ亜希もドン引きしているかと思いきや感動して大泣きをしていた。
「亜希さんって本当にすごいんですよ、私の達也父にひと晩であらゆる体位で24連発も中出しされても次の日はケロッとした顔で小学校に行っていたんですから」
これにがさすがの私もぶちぎれた。
『あなた達、近所に誤解を招くようなデマを大声で言わないでください』
どうやら風間達也先も同時に叫んだようだ。
しかも下を流れる川底からこのアパートの部屋まであのクソ重たいCB1100を背中に担いでよじ登って来ていたようだ。
「この馬鹿力の事実だけでも達也先輩のセフレをやることがどんなにヤバい事かわかるでしょ!」   
私はおろかにも大声でカミングアウトしてしまっていたようだ。
しかも風間達也先輩の股間もこれ見よがしにすごく巨大な松茸がボッキしているし。
「ちがーう!それよりも私が言いたいのはこのアパート1室のぶち抜かれたドアと反対側の壁よ、このふきさらしの部屋で寒空の中どうやって寝ろと言う気?」
私がそう言うと風間達也刑事先輩の奴は真顔で私を抱きしめて言った。
「そんな事か、簡単じゃないか、20発も亜希の中に中出しすれば十分に」
バコーン!
当然私の左アッパーで風間達也先輩が頭から天井に突っ込んだ音だ。
「まあバカはほっといて布団をもう1枚ひくから月輪と私は美代ちゃんと、そして加世とポニテ亜希は志乃と寝てくださいね」
「わかりました、部屋の修復はこの鬼畜風間達也刑事の所有物からエネルギーをもらって物質化して再生しますから」
 加世が言うと部屋はすっかり元通りになっていた。どういった加世の能力の原理かは定かではないが風間達也刑事所有のCB1100が犠牲になったのは確かなようだ。
「あのぉ風間達也先輩はあのままほかっておいてよかったんですか?」
月輪はきいてきたが絶対にその方が良いに決まっている。
下手に意識を取り戻されたらここにいる志乃さんと私を除く全員が妊娠させられる可能性がある、いや妊娠させられる確信があった。

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「それ以前から悪質なAV制作業界の名を騙った連中に騙されて事件に巻き込まれた」
風間亜希は確かにそう言った。
いや、私の中には月輪と共闘して1人の少女を助けた記憶がある、確かその娘の名前は『可奈野椎』だった気がする。
私の意識を読んだのかポニテ亜希、じゃない今はロングストレートヘアの亜希が口をはさんだ。
「それが時間の分岐ってやつさね」
「じゃあここでの私はその可奈野椎って娘と共闘して」
言いかけた私を髪をおろしている風間亜希は否定した。
「残念ながらここの世界でのオメーはひとりで孤立奮闘するしかなかった、それが事件を未解決のまま今回の集団強姦事件に繋がったみてーだな」
ちょうど私がその事件の捜査に参加した頃にはすでに月輪は連中の誰かに種付けされて彼女自身が気がつかないうちに妊娠の兆候は始まっていたことになっていた。
  

「智恵先輩、なんのようっすか」
私ははまだ退院の見込みさえつかないというのにA県警の葉類智恵警部に呼び出しを受けていた。
「キョーからオメーは武蔵署に出張だ」
私は思わず『ファイ?』と叫んでしまっていた。時系列にまとめるとこう言うことらしい。

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     (ゆうかいらちじけん)
 文月輪の誘拐拉致事件          実際に志乃が銃殺された頃
  4月末(当時10才と2か月         4月
実際には何者かの記憶操作で 5月ボサボサ葉類亜希が実際に
本当の誘拐拉致事件は10月 捜査の協力をし始めていた頃
| (まだ文月輪は誘拐拉致されていなかった?
|
偽(いつわ)りの拉致1年10ヶ月後
の2月(月輪が孕まされと思われた時期)
しかし実際の拉致から4か月後の
翌年2月(11才と9か月少し 当初6月ボサボサ葉類亜希が事件の捜査に
何らかの辻褄(つじつま)合わせか? 協力をし始めていたと思われていた頃
| (これも辻褄合わせの可能性あり)
7ヶ月後
月輪のお腹が目立ち解雇(追放)される
       (追放) 9月
|
|
 駅のホームから突き落とされる         ボサボサ亜希、現場に居合わせる。
| ( 10月)
      |
2週間後、葉類智恵迷医によって
  文美代、自然分娩?される。
|
|
|
|
| 約1年2ヶ月後
 武蔵某所にて遺体も被害者身体も見つからない    ボサボサ葉類亜希書類上12才
      集団強姦事件が発生する。
 その日の晩に文月輪のアパートが襲撃される
 なんとか撃退はするが七三分け以外は取り逃がす
  その時月輪自身が巻き込まれた
  未成年女子の違法売買春実行犯が絡んで
  いた事が発覚する。(文月輪12才8ヶ月)

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「最初からオメーラをはめる気だったな」
元ポニーテール風間亜希は断言した。
確かに時間操作された気配はある。
月輪が拉致された時はすでに私は捜査に参加していたはずだった。
「ちくしょう!」
私は悔しくて仕方がなかった。
私は奴らに操られるままに月輪の拉致を見逃してしまっていた。
そして今、最近の被害者である女子高生のことがすごく気になっていた。

JC刑事達2JS編 文月輪と私の関係

終わり 3に続く

あとがき

春香織「え?私は、おしっこなんてもらしちぃませんと」
言葉の乱れが全てを物語っていた。

幼稚園の先生だった女性「確かにあの時はふたりともおもらしをしていましたね」

花奈「志乃せんせー、そういう時は『聖水』っていうんだぉ」

加世「おいおい、馬鹿奈よ適当な事を言うなよ」

花奈「本当だよ、だってケイトお兄ちゃんが花奈に気持ちが良くなる時に教えてくれたもの」

加世「おのれぇ!クソケイトめ純真な私の妹をたぶらかしおって」

ケイト「ははははは、キミにそんなこと言えたギリ金」

ここから先は

57字
まだまだ更新中ですが頑張ってみます。

新米淫魔ハルサメと熟練悪なナッツの愛とえろすの物語 20才以上推奨ですが、、特に、、、、過剰な期待はしないでください(笑)

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