再会7

本作は過剰な性行為描写などを含みますので20才未満のお方の閲覧はご遠慮ください

闘いの再開7


ドアをノックする音がして私が「どうぞ」と言うと勢いよくドアが開き楓凛と敦子が血相を変えて部屋に飛び込んで来た。
「大変だ、急がないと着床しちゃう!」
2人は大声で叫んでいたが私は『へっ?』と答えるしかできなかった。
「ここの、『さぬきがわ学園』の生徒達がほぼ全員中出しされて着床してから受精して妊娠しちゃう」
かなり取り乱しているのか、敦子の言う事はかなりめちゃくちゃだ。
「えーと、少し落ち着こう、出産して、肉棒を中に出されて赤ちゃんを子宮の奥まで突っ込まれたんだ」
そう言った楓凛もかなり取り乱していた。
私は深いため息をついてからひとつだけ訊いた。
「それで相手は誰よ?」
2人は顔を見合わせてしばらく考えていたようだった、がまさか忘れてしまったとか、知らないと言う事はあるまい。
「確か『こじろう学園』の生徒だって聞いた」
敦子はそう言うと一枚の写真を取り出した。
私は思わず鼻先で笑っちゃったよね。いつ撮ったのですか?
その写真に写っているのは筋肉はモリモリだけどどう見ても30過ぎのおっさんにしか見えなかったからだ。
「えーとこのおっさんが学園中の女生徒約200人以上を孕ませたって?ってしかも『こじろう学園』の生徒だなんてありえないよー」
敦子達には申し訳ないが私は思わず吹き出してしまった。
「超ハーレム世界にも対応できそうなおっさんじゃない?」
まともな正攻法なら全員を受胎させるのに一週間はかかるだろう。
「それがたったの一晩で」
「へーそれはすごいですねー」
私は思わず棒返しをしてしまった。
なんなんですか?そのエロゲ設定は?
「8時間だとしても480分、200で割ったら1人あたり2.4分ですか?よほど特殊な能力を使わない限り無理だよね?」
私は長い髪の毛をかきあげ後ろで縛りながら鏡を見て驚く、自分の顔があざだらけだ。

誰かと喧嘩でもしたんだろうか?

しかし他には異常は見られない。
そう言われてあらためて楓凛と敦子の顔を見ても同様に殴られたような跡があって腫れまくっている。
試しに敦子の服を捲り上げてみたら。
「ありゃ〜、これは酷いね、どうしてこうなった?」
身体中殴られたり、鷲掴みにされた跡がある。
「私も楓凛も中出しされちゃったの!どうしよう!」
慌てまくった顔して敦子に言われても、もうちょっとまともに話をしてほしいとは思う。
「昨夜、あれから別れたでしょ?」
「ああ、そうでした」
「そしたら部屋の中に何かが潜んでいる気配がしたの」
うん、まあそう言う事はよくあるよね、そんで部屋中調べ回る、私なら。
「それで何かいたの?」
私は敦子の胎の中を中心に透視しながら言った。
確かに子宮の中が異常なまでの量の精液で満たされていた。
「何か見えない力でベッドに押し倒されたかと思ったらいきなりズボンとパンツを引き摺り下ろされて顔に激痛が走ったかと思ったら上の服の上から脇腹が何かに鷲掴みにされて・・・」
それから急に敦子はその場にへたり込んで泣き出してしまった。
「俺もその後で膣に何か太いものをねじ込まれたかと思ったら勢いよく体全体が上下に揺さぶられて」
あの気丈な楓凛でさえショックを隠しきれない様子だ。
「それ、私に心当たりがあるんだけど」
私は2人の股間から大量のザーメン、じゃない精液が滴り落ちて替えたばかりの下着とズボンを濡らしているのを感じながら同時に激しい刺激臭に気づいていた。
「で、なんで亜希だけ襲われていないんだ?」
楓凛に厳しく詰問された。
いや、なんでと言われても私には説明ができないし、顔以外に襲われた様子もない、ただ一晩丸々死んだように眠っていたはずの私に手を出さないのは少し奇妙な気がする。
「奇妙でもなんでもないわ」
突然、私の口から似つかわしくないおしとやかな言葉がこぼれた。
「あなた、亜希と楓凛さんは経験済みのはずよ、あの小田井署の襲撃事件の時に」
自分らしくないお淑やかな声と口調に、そしてその内容に私も楓凛もはっと驚いた。
たしかにあのとき、僅か1分以内に秋子と楓凛は乱暴受けて何発も殴られた上にレイプされていた。
しかもその時2人の胎内に注入された精液の量がハンパなく多かった。
だけどその時は敦子はそこにはいなかったからなんと言って説明をしたら良いのかわからなかった。
「じゃあ何故?亜希だけは襲われなかったんだ?女としての魅力に乏しかったからか?」
楓凛の奴は真顔でそう言い切りやがった。
「きっとそうよ、(ピー)乳だし、いかにもまだランドセルを背負い始めたばかりだと言う身長と腰つきだし、あとは、あとは」
泣きじゃくりながら敦子は言ってうつ伏せになってしまった。
「まあ確かに亜希さんのお身体は(ピー)ですけどそれだけじゃありませんよ」
そのお嬢様口調が私の口から飛び出した時はさすがに敦子も驚いた顔をして私の顔を凝視していた。
「あんた、本当に亜希なの?」
なんかデジャブを感じながら楓凛を見たらやっぱり奴も驚いていた「ごめんなさいね、初にお目にかかります、私は亜希の中の人格の1人、『B』と申します、今後お見知り置きを」
そう言って私はどこの麗女かと言った感じで2人に対して左手を斜め下に差し出した。
「あー!あんた夢の中の!」
私は思わず大声で叫んでしまった、しかも地声で。
「夢なんかじゃありませんことよ、私たちは異なった時間線の世界に旅行しに行っていたのですから、ちなみにここには『A』と『C』から『F』まで置いていったから彼らも迂闊には手が出せなっかったんでしょうね」
旅行って?違う時間線の世界って、私の頭の中はパニックになっていた。
「あらあら、こんなことなら(あちらの世界の)リナさんと志乃さんはここに置いておくべきだったかしらね、これはいよいよ彼らも焦りだした証拠かしら?」
おっとりと『B』は言うが今はそんな事を言っている場合ではない、なんたって200人近くが同時着床、ってあれ?
「確かに普通じゃありえないわね、でも昨夜の一件で私は少しネタ明かしをした筈ですよ?」
「あ、排卵をコントロールする薬剤」
『B』のお淑やかな声に続いて私は地声で呟いてしまった。
それは知らない人が見たら映画エクソシストさながらかもしれない。
確かにそれならここに住んでいる女子生徒全員が同時妊娠してもおかしくは無いかもしれない。
「それよりも敦子さん、私はさっきから妙に『着床』という言葉にこだわっていらっしゃるのが気になるのですが、あなた何か隠していらっしゃいますね?」
私は敦子の顔を見ながら『B』の声色で彼女を追及した。
「聞くまでもないんだけど」
私の中の『G』が急にしゃしゃり出た。

「私の仲間にこの部屋の時間を一定期間1/10に圧縮させていただきます」
『B』が2人に宣言をした。
もちろん私の口を使ってだが。
「これから『G』が話す事は敦子さんのプライバシーに深く関わる事かもしれません、しかし、今回の窮地の説明をするにはどうしても必要な事は御理解してください」

そして私は、敦子の過去を語り始めた。
敦子は私を押さえつけようとしたが身動きができないようだった。
楓凛も同様だ。
私がいう言葉は聞き取り理解をする事くらいは出来るが身動きができない。
そして『G』が話す敦子の過去には敦子自身も知らない過去がふくまれている可能性があった。
「これから話す内容は敦子さんがまだ生まれる前、彼女が仮胎として育っていた頃からの出来事です」

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私は母のお腹の中で何度も何度もやさしいこえで話しかけられていた。
まだ手や足の形がほとんどなかった頃、いわゆる胎芽と呼ばれている頃から私が母のお腹を蹴って意思表示ができるほどにまで育つまで、私は母の優しく甘い声を聴き続けていたかった。
母がそれまで出会ってきた素敵な人たちや、不思議な国の物語、母が話してくれた内容を何故私が理解できたのか?
それはわからなかったが、そんな事は私にはどうでもよく、その至福なひと時が永遠に続けば良いと思っていた。
私を思う温かい気持ち、そして母の優しい想い、それらが私の中に少しずつ染み込んできて暖かかった。
期が熟して私を包む袋が破れると海の海水と一緒に長いトンネルを抜け出て外気に触れた時急に寂しさと恐怖に襲われて泣き出した事を覚えている。
私はやがて泣き疲れて眠りについた。
気がつくと私は一人、見渡す限り白い壁に囲まれた実験室の中にいた。
やや青みがかかった透明なガラス張りの器の中、私は柔らかい綿布団の上に寝かされていた。
これが母の言っていた人工保育機だとすぐに理解できていた。
私は最初のうちはいつも音も声も聞こえない中、たったひとりでいる事が多かった。
しかしある日、若くて勝ち気そうな女性が人工保育機を覗き込んで中の私を見つめていた。
すぐ隣には初めて見た男性が、不機嫌な顔をして黙り込んまま腕組みをして立っていた。
『この人が母の言っていた父なのだろうか?』
私がそう思っていたらその男性は女性に対して言った。
「この子なんだが」
「この可愛い子を育てればいいんだよね」
若くて可愛い女性は私に微笑みかけながら言った。
「私の名前は『かなえ』だよ、よろしくね」
彼女は私に向かって笑顔で言った。
「任せてもいいかね」
無表情に男性は言った。
本当に大丈夫なんだろうかと私は不安になった。
が彼女の満面の笑顔がそれを吹き飛ばしてくれた。
「まっかせなさーい」
そう言って自分の大きな胸を右手の拳で『どーん』と叩いてしゃがみ込み咽せている姿を見たら私も思わず笑ってしまった自分に気がついた。
それからしばらくして私は人工保育機から出されて他の姉妹たち、3人と一緒に暮らすことになった。
今考えれば私達姉妹も他の大きな女性達も全員布一つ纏わないいわば素っ裸な状態だった。
まあ女性しかいないから問題はないのかもしれないが後々よく考えたら監視カメラってのがあったんだよなぁ。
姉妹とは言っても3人ともほぼ見た目の年齢がほぼ同じくらいに思えた。
それに私自身も含めて顔の輪郭や体型にも大きな違いが感じられない。
この大きな白い部屋の中には大きな女性が6人いた。
しかしその中にはまだお腹の大きな女性が2人もいて、そのおなかの中に妹が他に二人はいることに気がつく。

「ちょっと待て、亜希よ、それは敦子がその時からそれだけの思考判断力を持つ天才だったということか?」
ここで楓凛がツッコミを入れてきた。
「あくまでも敦子さんの頭の中の深層記憶を『G』が解析言語化したものです、多少の誤解や勘違いは存在します、ですからその辺はご容赦ください」
そう『B』が私の口を使って説明を加えたのちに『L』が乱暴な口調でやはり私の口を勝手に使い付け加えた。
「何たってあの『ゴキちゃん』だもんな」
「ゴキブリってゆうなぁ」
これもまた『G』が私の口を使って勝手に反論を始めた。
知らない人が見たら私は重度の精神〇〇症だろう。


だけど彼女たちの代理母はどこか無表情で虚ろな目をしていた。
自分でこれから子を産み育てる、気力に満ち溢れていた自分の母とは大違いだと思った。
本当に私は恵まれていたのかもしれない。
最初に私にあてがわれていた家政婦に関しても同じだった。

後で知ったことだったが『かなえ』はまだ十代前半の少女だった。
『なぜそんな彼女が?』という疑問もわいたがそんな頃にはそれはもうどうでもよくなっていた。
彼女の他にも数人の家政婦はいたが他の2、3人はそこそこ優しくて面倒見も良かったけれどあとはほぼ義務とか義理で見てやっているという感情がひしひしと伝わってきた。
やはり私には最初に出会った『かなえ』が最高だとしか思えなかった。
自分ではちゃんと彼女の名前を呼んでいたつもりだったが実際に喉から出ていた声は『ああえ』としか言えていないのは少し悲しかった。
しかし彼女は自分が呼ばれていることにすぐに気がつき駆けつけてきて満面の笑顔で抱き上げてくれた。
全員、6人の姉妹が揃い改めて周囲を見回すと自分よりも行動が幼く見える子ばかりなことに気がついたがその理由は深く考える事はしなかった。

そうして楽しい日々は流れすぎ私は『かなえ』が言うところの九才の誕生日を迎えていた。
その夜の私は眠りにつく直前から嫌なな予感を感じてなかなか眠りにつけずにいた。
口寂しさからか小腹が空いていたからか何か食べ物をおねだりしようとも考えていたので『かなえ』の部屋を覗きに行くことにした。

もちろん彼女が許してくれたら相手をしてもらい遊んでもらおうという下心があってのことだったけど。
ただ部屋に近づき彼女の部屋のドアが近づいてくるとその不安はますます増していった。
あまり頑丈とは言えない茶色のドアの向こうから木製のベッドが軋む音と荒々しい息遣い、いつもな彼女からは想像もつかないほどの苦しそうな叫び声が私の耳に入ってきた。
私が恐る恐るドアを少し開けて中を覗き込むといつか保育器の中で見た男の人が『かなえ』のベッドの上で両手をつき激しく腰を振っているのを見た。
そしてその苦しそうな叫び声の主が男の人の下で激しく首を横に振り暴れている『かなえ』だと気がついた時、私は無性に怖くなって思わず少し開けたドアも閉めずのその場を走り去った。
気がついたら私は他の娘たちから離れて白い大きな部屋の隅っこで声を押し殺して泣いていた。

私はしばらくの間『かなえ』と視線を合わせるのがとても辛かった。
彼女も昨夜のことを覗いていたのが私だったと気がついていたのか私たちは少しずつ距離を取るようになっていた。
それが彼女に少しずつ生じ始めていた変化に気づくのを遅れさせた原因だったのかもしれない。
最初に気がついたのは『かなえ』がぼんやりしている時間が多くなっていたことだった。
そして私に対してだけではなく他の子に対してさえあの満面の笑顔を向けなくなっていた。
もしも私があの時のいたずら心で覗いていなければもっと早く気がついていたかもしれない。
しばらくすると『かなえ』だけではなく他の家政婦も同様にぼんやりする時間が増えていることにやっと気がつく。
そして彼女たちは突然に私たちの面倒を見ることを放棄するようになった。

うっとりとした目でしゃがみこみ、自分の膨らみ始めたお腹をさすりながらぶつぶつ何やら喋っている『かなえ』達家政婦、私の背筋に走る冷たく恐ろしいものを感じていた。
そんな彼女達の周りで泣き叫ぶ私の姉妹達、そんな一人を『かなえ』は無表情で突き飛ばした。
 床に激しく後頭部を打ちつけてぐったりした妹、私の目の前は怒りで真っ赤に染まっていた。
「召喚!斧!」
私の右手に突然斧が出現したかと思うとすぐにそれを『かなえ』めがけて投げつけていた。
私の目の前で『かなえ』の頭部は投げた斧で真っ二つに割られて食い込んだ頭蓋骨との隙間から真っ赤な血を吹き出しているのが見えた。

そこから先はほとんど覚えていない。
気がついた時には私の目の前にあったのは床に転がっていた数人の家政婦の肉体欠損が激しい死体。
そしてその前で泣き叫ぶ私の姉妹達だけだった。
彼女達は私の視線に気がつくと怯えたように部屋の隅に行きひとかたまりになった。
私は手を差し伸べようとしてためらう、彼女達からは私はどう見ても鬼か悪魔にしか見えていないだろう。
それから永遠に近い時間が流れていたかと思った。
だが実際にはほんの僅かしか時間は過ぎていなかったかもしれない。
気がつくと立ち尽くしていた私の目の前にあの男の人が立っていた。
私の『かなえ』の上で腰を振って彼女を苦しめていたあの男の人だ。
「あんた『かなえ』に何をしたの」
私は男の人の顔をまっすぐに睨みつけながら言った。
返事はなかった。
それどころかヘラヘラ笑っているように見えて癇に障った。
「今まであんたは私たちを、私たちの面倒を見なくなってしまった彼女達を放置してどこに行っていた!」
思わず大声で叫んでしまった。
しかしその直後私は信じられない言葉を聞かされた。
「素晴らしい!テレポーテーション、その斧は何処から運んで来た?」
「黙れ!」
「これはかつてないほどの軍事イノベーションを起こすぞ、素晴らしい、武器も兵隊も運送のことを考えずに済む」
男は興奮しながら言ったが私にはそれのどこがいいのかさっぱりわからない。
私はいつの間にか左手に更に大きな斧を手にしていた。
「私の母をあんたはどうした」
「君は何を・・・」
「私を産んでくれた母のこと!、『かなえ』は育ての親、あんたのせいで『かなえ』は狂ってしまった」
男の人は私の前に両手を差し出し『落ち着け』と言いたげだった、だが次の一言が私を逆上させた。
「君は何故、一度も会ったこともない仮胎の主に思い入れがあるんだね?」
私は一旦腰を深くおとして男の人よりも高くジャンプすると自分の身の丈に似合わない大きな斧を斜めに振り下ろしていた。
彼の首はあっさりと落とされてひとりの妹のすぐ目の前に転がった。
彼女は両手で顔を覆い隠してその隙間からただ見ているだけだったがもう声を出すこともできないようだ。
倒れた彼のスーツ上着の内ポケットからペンタブレットを取り出すと操作を始める。
『なんで私はこんなことができるんだろうか』
という疑問はあったがもう考える気力を無くしていた。
いろいろそれらしきファイルを調べた結果わかったことといえば案の定、私の母は私を産んだすぐ後に殺処分されていた。
他の女性らに関しても同様『殺処分』と記録されていた。
それよりも更に私を胸糞悪い思いにさせたのは『かなえ』を含む家政婦達6人に対しても私達がある程度成長した時点で殺処分する予定だと記載されていた事だ。

「私にもっと力があれば」
悔し涙が両目から溢れる。だけど自分がやったことが絶対許されることではないことくらい私も知っていた。
過去から未来へ高速に移動している非常に強い存在を私は感じていた。ほかっておけばさらに未来に行ってしまうその強大な力を私は欲していた。
「召喚!・・・!」
私はそれを引き止めて呼び寄せた。目の前に褐色肌の美少女が出現した。
「派遣!どうしようもないわたし!」
続けて
私は叫ぶ、どこでもいい、いやそれどころか消えて無くなってしまいたかった。
その少女は一瞬うなづいたような気がした。


「えーとですね、ここまでが敦子さんがここの世界に転生、っていうか転移してくるまでの話なんですが?」
私は周囲を見回してこの時間の流れを元に戻した。

「お前、実は根暗な奴だったんだな」
楓凛が敦子に対して同情するように言う。

「何なら敦子さんがこっちの世界に来てからの恥ずかしい話もいっぱいあるんですが聞きたいですか?」
『ゴキちゃん』が私の口を勝手に乗っ取ってとんでもない敦子のプライバシーを暴露しようとしていることだけはわかった。
「やめてー」敦子は必死になって私の口を塞ごうとしたが『L』
や『A』までもがノリノリになって彼女の動きを封じ込めようとしたからどうしようもない。

「彼女、実は病死したばかりの男子高校生の体に転生しちゃったんです」
「ほうほう逆異世界転生だな」
楓凛がうなづく。
「父親は内閣調査室勤め、母親は新聞記者でした」
まあ、ありきたりな
「でも彼の体は誰がどう見ても小学生6年生くらいの軟弱な体型、しかも栗色の天然パーマで女の子にも見える体型だったんですl
私は次から次に溢れ出す敦子の暴露話を口にしながら恐怖を覚えた。
「でも敦子さんの体は胸こそ(ピー)乳だったものの下は立派な女の子、でも最初は本人もそんなものだと思っていたから問題なかったんです」
おいおいこの暴露話を『ゴキちゃん』はどこまでする気だよ?
だんだん不安になってきた。
「でね、その両親が留守にしていたある日彼女はベッドの下から見つけちゃったんですよ、大量に隠された無修正の本番ありAV -BDを」
わーそこまで暴露しちゃう?
「育った環境が環境ですからね敦子さんは男性の裸って見たことがなかったんです」
「なるほどそれでその無修正AVを見て驚愕するわけだな、なんだあの太くて長くてそそり立った肉棒は?と」
楓凛が興奮気味に口を挟んだ。
「それであの『かなえ』さんをあんなに乱れさせた正体を初めて知ってしまうわけです」
おい、容赦なさすぎるぞ、『ゴキちゃん』もういい加減にしておかないと後で私は敦子に殺される。
「そこではじめて彼女は知ってしまうんですね、自分の女の体にはないものが男にはあって女にはないってことが、そして男にはないものが女の自分にはあってその使い方まで知ってしまうわけです」
何でその男子生徒はそんな本番無修正AVなんて持っていたのよぉ〜
「で、彼女は見事に勘違いをしてしまったわけですよ、世の男子はみんなあんなにも立派なものをを持っていると」
でも彼女の場合は、いや彼かな?病弱だったのでいつも食事とかはベッドの上、トイレも個室だったんだけど問題はある日突然訪れます、いいでえすか?ここからは実況中継で行きますよ」
楓凛と私に羽交締めにされた敦子が必死に抵抗している、許して、これ私がやっていることじゃないの。

彼女は両親がいない間にシャワーを浴びていました。
なるべくリラックスしようと女体のまま浴びていたのですが外出中だったはずの父親が突然帰ってきます。

父親も最初のうちは遠陵していたようだけど慣れてくると『スキンシップ』と称してやたらと一緒にお風呂とやらに入りたがるようになってきた。(もちろん断り続けたが)
いっそのこと本当のことをバラしてこの家を出ることも考えたが今一つ踏み切る勇気がなかった。
『背中を流してやるから一緒に入ろうな』と言われて思わず『うん!』と返事をしてしまったバカな自分がいる。

まだ毛がほとんど生えていないワレメちゃんをながめながら彼女は考えていた。
『そうか機能は無くとも見た目だけでもそこにあれば良いんだ』
なぜそのような考えに至ってしまったのかは彼女自身でもわからない、それでも彼女は蚊の泣くような声で宣言していた。
「召喚、AVで見たご立派様」
それはうまくはいった。いったけど・・・・
『ガラ!』とガラスの引き戸が開き、「入るぞ」と言って父が入ってきた。
「なんだ、顔を赤くして、男同士だから全然恥ずかしくなんかないぞ」
そう言って父親は私の背中をスポンジで洗い始めた。
『私は女の子なんですけど』
心の中でそう思ってしまうとますます顔が赤くなるのを感じた、もう振り向いて父親の実物さんを見ることなんてできない。
「なんだ?もしかして小さいのを気にしているのか?」
そういうと父は急に『ガハハ』と笑い始めた。
「気にするな!多少小さくとも子作りはできるぞ!流石に豆粒サイズだとダメだが大きくする方法はいくらでもあるからな」
笑いながら私の股間を覗き込んだ父は急に黙り込んだ。
そしてしばらく沈黙が続いたのち急にぶっ壊れたように爆笑を始めた。
「なんだよ、オメー、デカすぎて恥ずかしかったのかよ、それだけデカイならAV男優にだってなれるな」
その時になって彼女、敦子はAVに出ている男性のそれが一般男性のそれよりもはるかに大きいことを知った。
なぜなら振り返った父親の股間にぶら下がっていたそれはAVで観たそれよりもはるかに貧弱だったから・・・

「なあ、お前はまだ学校に行く気にはなれないのか?」
父親からは思い出すたびに言われていたが『いつも狭い部屋に閉じ込められて育ってきた敦子としてはこの家の外の世界なんて想像もつかなかった。
その学校とやらに行ってみたい気もするけど今の敦子にはそこに行く必然性を感じなかった。
『考えておく』
そうすげなく返事をして部屋に閉じこもっていた敦子を父親と母親はどう思っていただろうか。

そんなある日、父親と母親はともに外出していて敦子一人だった時に、彼女はありのままの姿で入浴をしていた。
さすがに連日、男子を演じるのは疲れてきたのでぼんやりと湯船に浸かってうたた寝をしていた。
なぜか最近敦子の着ている服の胸周りが苦しいなぁとは思ってはいたがその時やっと理由を知った。
少なくともいわゆるAV女優並には大きく育っていた。
AVの影響でエッチな想像ばかりをして過剰に女性ホルモンが過剰に分泌されたせいかも知れない。

その次両親が留守だったある日、敦子はありのままの姿で入浴をしていた。
「おいおい、戸締りなしとは不用心だな」
遠くで父の声が聞こえた。
忘れ物でもしたのだろうか?
そのとき敦子はまだ夢半ばの世界にいた。
ガラスの引き戸が『ガラッ』と開き湯けむりの中から父親の顔が覗いていた。
「おう、なんだ風呂に入っていたのか」
「ちょっと寝汗をかいてしまったからね」
敦子もさりげなく返事をしてしまった。
そして父親と敦子は向かい合い目と目が合ってしまう。
「すみません、帰る家を間違えました」
そして『ドタドタ』と玄関まで走ってゆく音が聞こえたかと思うと『玄関先で自分の家であることを再確認した』であろう父親が全力疾走で走って来る足音が家中に響いた。
そして浴室のガラス戸が開きまじまじと湯船に浸かる敦子を見つめていた。
「今、確かあつしの股間にお母さんと同じものがツルンツルンの状態であったような気がしたが、気のせいか?」
父親に問われた敦子は思わず返してしまった。
「うん、気のせいだよ、いつもの御立派様でしょ」
ご立派様召喚が間にあったと思い込んでいた。
しかし敦子は自分の胸がまだ育ち盛りの女の子のままだったということにまだ気がついていなかった。
そういうわけで敦子の正体は意外とどうでも良いような理由でバレてしまった。
敦子はそれまでの自分の生い立ちを語り懺悔するとともに家を追い出される覚悟を決めていた。
しかし父親の反応は意外だった。
「素晴らしい!これで顔とか身長とか体系も変えられたらこれほど潜入捜査に最適な人材はいない」
そう熱く語り敦子の両手を握ってきた父親に敦子の脳下垂体は思わず女性ホルモンを大量に発生させてJカップをはるかに超える乳房と超安産型な腰つきの『ボン!キュ!ボン!』な肉付きに変えていた。

『ヤバイ』と内心は思ったが私の部屋の姿見には超ドヤ顔でイキっている私の顔がうつっていた。

「亜希ー!き・さ・ま、殺す」

その後完全に私が敦子嬢に完全なまでにボコられたのは言うまでもない。

「おい、ところで着床の件はどうなった?」
今更のように楓凛は訊いてきた。
でも今の私はそれどころじゃない、だから


8にちゅぢゅく!

闘いの再開7 おわり


あとがき

というか『さぬきがわ学園』に来る前の敦子のその後(暴力エロ注意)

敦子(あつし)の華麗な学園ライフ1

今日でこの世界に来てからひと月過ぎたことになる。
中年夫婦との生活に慣れて来た私は身元というか、彼らの一人息子である『草彅あつし』ではないことがすでにバレてしまっているのだけど何故か彼らの好意でここにいることを許してもらっていた。それでもまだ母は私が男の娘であり、『あつし』の生まれ変わりだと信じて疑わない様子だったけど・・・
何故『草彅あつし』が命を落としたのか、私はそれを根掘り葉掘りしてまで夫婦からは聞きたくはないと思っていたし、私だって『かなえ』をはじめとする『家政婦』たちを惨殺してからここに来たということは一言も喋ってはいない。
ちなみに『家政婦』という言葉は彼女たちと私たち六人の姉妹の間のみしか通用しないであろう定義でありこの世界でのそれとはかなり異なるようだ。
実際には私を含めた6人姉妹の育ての親であり教師でもあったのだけど・・・

私たちは白い仕切りのない部屋に閉じ込められて育ってきた、ただ一つだけ『家政婦』たちの部屋につながるドアがありそこから出入りすることは本来許されていなかったのだけど『私』と『かなえ』だけはある条件さえ満たせば会いに行けるように約束を交わしていた。『さみしくて眠れない時』『外から聞こえる風の音が怖くて眠れない時』『起きているのが自分一人でさみしくて眠らないとき』などだ。
今考えたらどれも同じような気がしないでもないが多分多少の違い、いや大きな違いがあったのだろう。
私たち姉妹は彼女ら家政婦以外の人間の存在をほとんど知らずに育ってきた。一部、ごく時々にしか現れない『男の人』と『家政婦』たちが言っていた数人の人間しか見たことがなかった。
私たちは全てがオープンであるこの部屋の中で暮らしていた。
『家政婦』と言っても特に何をしてくれるというわけでもない。
食べる物の出し方や体の洗い方、排泄の仕方を教えてくれたり、話し相手になってくれたりする程度のことだった。もっともその会話の中で私たち姉妹は知らず知らずのうちに様々な教育や学習を受けていたことをこの世界に来てから知ることになったのだけど。
私たちは今思えば『家政婦』も含めて裸で生活をしていた。その時は私もそれが当たり前だと思っていた。
それに服という概念さえ私たちは知らなかった。白い部屋の中は寒すぎたり暑すぎたりすることもなくいつも快適そのものだった。
そんなわけで体温調整をする必要もなく、しかも毎日の生活様式を誰かに見られる心配もなかったので私たち姉妹はもちろんのこと家政婦たちも『布きれひとつ纒わぬ姿』で暮らしていた。(もっとも実際にはそうではなく、これがあの事件の発端になるとは誰一人思ってもいなかった)
ただ『家政婦』たちがこの白い部屋の外ではパジャマなるものを着ていたことを知っていたのはただ一人『かなえ』の部屋への出入りを許されていた私ただ一人だったはずだ。
他の姉妹は気がついていたかどうかは知らないけど私たち姉妹六人は多少の違いこそあれ身長や体型、そして顔がほとんど見分けがつかないのと比べて『家政婦』達はみんなそれぞれ身長や体型、顔つきが異なっていた。
ふっくらとしたある意味安心感を感じる人、かなり細めで私たち姉妹とそんなに体型の違いはなく胸の膨らみも少ない人、そんな中にあって『かなえ』は私にとって特別な存在だった。
私たち一人ひとりには宅に名前はつけられてないない。強いていうなら記号のようなひらがなが1文字ずつ付けられていたというとこか。
一番上から『い』、次は『ろ』、そして『は』『に』『ほ』『へ』という感じだ。
私は上から4番目なので『に』ということになるが私たちは自分たちで勝手にあだ名をつけて呼び合っていた。
上から『イカスミ』『ロイン』『はんぺん』『にぼし』『ほていうお』『へだい』だったかと記憶している。
(作者注:ここで『おちフル』ネタになると予想した人は日本海溝よりも深く反省しなさい、あのような神作をパクるなんて私には、ううう)
ただ一人『かなえ』だけは私のことを『あっちゃん』と呼んでいた。
(作者注:そっちかい!)
「どうせなら『にな』がいいな」と私(結局おちフルかい!)
あっさり黙殺されてしまった。
そんな時に彼女は自分の唇に人差し指を垂直に立てて少し考えるフリをした。
「じゃあ『ニコル』なんてどうかな?」
クスクスと笑いながら『かなえ』は言う、嘘だ、絶対、何も考えていないに決まっている。
「それって男の人の名前じゃないですか?」
確信はないが直感ではなんとなく『黒髪の礼服を着た紳士』と言うイメージがあった。
「今日のご予定は?」
『かなえ』は私のすぐ右隣にしゃがみ込んで顔を覗き込んでくる。
少し照れているのか頰が赤い。私もそんな彼女を意識してか思わず赤面してしまった。
「特にすることないし、この部屋の外のことを少しでも教えてくれたら嬉しいかなぁってことくらい、・・・かな?」
白い部屋の外を見ようとすれば『3Dホログラム』で見せてもらうことも可能だけど実際に触れることもできなければ感じることもできない、そんな代物だ、私としては『自然にある川の冷たい水』や森林の中の小鳥のさえずりをこの耳で感じたかった。
でもそれを口にすると『かなえ』だけでなく他の『家政婦』たちも悲しげな表情に変わる。
「ごめんね、それだけはできない約束になっているの」
そういうと涙を流して私の体を抱きしめた。
「作り物で申し訳ないけど・・・」
そういうと彼女たち、家政婦たちは何もない白い部屋に森林とその合間を流れる小川を『3Dホノグラム』で表示した。
もちろんそれらは本物とは程遠いだろう、でもそんな中でみんなと食べる『かなえ』のお手製弁当はとても美味しかったし、楽しかった。
「でもあんたたちおもしろいね、みんな一つの受精卵から分かれた個体なのにこんなにも優劣の差が生じるなんて」
いつも無神経な口をきき私たちの空気を悪くする元凶の家政婦が言った。
それに反応するかのように一人の妹が大粒の涙を流して泣き始めた。一番末っ子の『へだい』だ。この子だけはいつも周りの様子を伺うようにしているだけで自分から行動を起こそうとはしない。わたしは個人的に『へも』と呼んでいるが大した意味はない。
私はいっそのことその頑強である家政婦を睨みつけてやろうかと思ったけど後々面倒なことになりそうな気がしたのでやめた。その代わりに・・・
「『へも』を生んでくれたお母さんはいつも優しい目をしていたね、私はそれを知っているから」
私が耳元で囁くと彼女は私にしがみついてきた、熱い涙が私の決して深くはない胸の谷間を伝いお腹を濡らすけど決して気持ちが悪いとかそんなことはない。むしろ肩を抱き寄せたい衝動に駆られる。だってそんな少し驚いた表情で私なんかを見つめなくても。
「・・・『にぼし』さんはどうして私を生んだママのことを知っているのですか?」
そう問いかけられて私は言葉に詰まってしまった。最後に彼女の母親を見たのが私が人工保育機から出てわずか数日後のこと。そんな頃私の歳といえば生後たったのひと月未満。
『そんな頃からの記憶がありまーす』
などと宣言をして見たところで一体誰が信用するだろうか?
「うん知っているよ、本当は組織の人たちに逆らって『君』が生まれる前から名前を用意していたこともね」
偶然でもなんでもなく彼女の生みの親が用意していた名前は本当に『へも』だった。
まあ彼女が驚いているのは当然のことかもしれない、いやむしろ私を驚かせてくれたのは
話の輪にいきなり飛び込んできた『かなえ』のセリフだった。
「本当に『あっちゃん』の記憶って何歳の頃からあるの?」
えーと、そんなこと急に言われても、はっきりとは、でもしっかりと記憶に残っているのは・・・
私は『まっかせなさーい!』といって右手で自分の胸を『ドーン!』と叩きしゃがみ込み咽せてみせた。
『かなえ』はしばらく黙り込み私を見つめたまま固まっていたが突然に吹き出し笑いだした。
「やっぱりあんたって面白い!」
そういった『かなえ』の右手には手のひらくらいの大きさの写真がのせられていた。
その写真には人工保育機の中でだれかの人差し指を両手で掴みそれをしゃぶっている小さな赤ちゃんの姿が写っていた。
「これ誰かわかるかな?」
ここには私たち六姉妹の他にはこんな小さい子はいない、まさかこれは・・・
「『かなえ』が赤ちゃんの頃の写真?」
私の胸にツッコミの平手が入った。
「な訳ないでしょ、これは『あっちゃん』、あなた」
彼女はそういって微笑みながら私に抱きついてきた。
「あっちゃんはやっぱりすごいね、生まれて間もない頃の記憶まであるなんてね。
確かに私たちと『かなえ』をはじめとする『家政婦』たちの関係は至って良好だった。

あの悪夢のような嵐の一夜が訪れるまでは・・・

ーーーーーーーーーーー

「たまにはとうちゃんと遊びに行ったらどうなの?」
と母は言ってベッドで眠っている私を覗き込んだ。
私が彼女の一人息子じゃないどころか男の子ですらなく女子だってことはもう父にはバレてしまっているのだけど父はなぜかそれを隠してくれる気でいる様子なので私はよっぽどのことがない限りいつもは男子の体で生活をしている。
『窮屈じゃないか』って?
全然そんなことはない、エロ本のおかげで『マスターベーション』という行為も覚えて一時は病みつきになりかけたこともあった。まあおかずは『自撮りした私のヌード画像』なんだけどね。グラビアヌードとかAVとか色々試してみたんだけど自分の裸ほどは萌えない、私はある意味ナルシストなところがあるのかもしれない。
女の子の体で女のオナニーはあまりやったことがない、面白くないんだよね。『自分の指と抱き枕』だけで自己完結してしまうことが多いから。
相手がいる想定としての行為となるとさらに一切受け付けない。どうしてだかは分からないんだけど。やっぱりあの件がトラウマになっているかもしれない。
おっと忘れていた、今母親に起こされている最中だったんだ。もちろん答えは・・・
「行かない、家でゲームしている」
だった。いつもの母ならここで『わかったわ、好きにしなさい』と引き下がるところだったけど今日はその様子がない。
「私は出かけるし、今日は家にはいられないわよ」
そんなことはないでしょ、って私は思った。だって私の他に誰もいないのならそれこそやりたい放題だもの、「自分のヌード動画をUPして動画サイトに投稿したりそれをおかずに男子の体でマスターベーションしたり、もうやりたい放題!」
(作者注:すんません。『かなえ』の教育がいわゆる九才までなのと、とある事情で倫理とか貞操概念がぶっ壊れた主人公で(^_^;) )
「噴霧式の殺虫剤を家中に仕掛けるからゴキちゃんと一緒に天寿を全うしたければ家にいてくださいね」
母はそういうとかなり大きめな円筒の缶を水の入った少し深めの皿に入れた。
すると間も無く上面から白い水煙が・・・
どうやら直ちに父とともに外出するしか選択肢はないようだった。
靴を履いて玄関を出るともうすでに『白いRX-7』が横付けにされていた。父のこの車の名前を言った時は『よく知っているな』と言われたが『突然高くジャンプしてモノレールのレールの上に飛び移ったり後ろからモノレールに追い回されながらゴキブリのように横になって対抗してくる車両とすれ違ったり、とにかくすごい車だ』と力説したらなぜか急に爆笑をされて『そりゃ、アニメの見過ぎだ』と言われた苦い経験がある。
もちろん私のその知識に関しては『アニメ』なんかじゃなくて『かなえ』に教えてもらったことなのだけど・・・、もしかして私は『かなえ』に騙されていたのだろうか?
私が助手席側のドアを開けてシートに身を滑らせると『ぶー』と屁を子いたような音がして股の間から腕が伸びたかと思うと肘を曲げて私の股間を襲撃した。
「きゃっ!」
思わず私は自分でもびっくりするくらいエロい声の悲鳴を上げてしまいその『突然股間を襲撃した手のひらを握り潰してしまう。なぜかその指は『グー』ではなくて『チョキ』、つまり人差し指と中指を突き立てていた。
つまりこのエロじかけ仕様のブーブークッションは油断した私の股間が男性自身ではなくて女の子自身であると判別して大事なワレメちゃんを襲撃したことになる。
「こんなところで油断するとは父は情けないぞ」
いやいや、父上殿、私は毎日一日中、特に母の前では男の子の格好でいなければいけないのですよ、せめて正体を知っておられる父上、せめてあなたの前だけでも女の子でいさせてください。
「というか父上。あなたは私が今女の体であることを読みきった上でこのエロエロクッションを仕掛けたでしょ」
私は強く講義をした。ん?あれ?『抗議』だったかな?日本語って難しい!
「バカモン!日本ナデシコたるもの常に自分の貞操は自分で守らねばならぬ、それくらいの覚悟はせよ!」
『あつし』の父、いまは私の父なんだけどこういう考え方ってスゴく『うざっ!』っと感じる時がある。
「あの、父上殿、それで私は万が一その『貞操』とやらを奪われた場合どうすれば良いのでしょうか」
そう言っている自分の右側眉毛が『ヒクヒク』引きつっているのを感じていた。
「汚された罰を背負い死を持って償え」
えーと、父上、私には何をおっしゃっておられるのか全く理解ができないのですが・・・
外では母が玄関に鍵をかけて手を振っているのが見えた。本当にお出かけらしい、両手になぜかアニメの絵が描かれた紙袋をいっぱい持って。どこに行く気だろうか?
「日本女子たるもの、嫁ぐまで己の貞操は守らねばならない」
父上殿は何故か真顔で語っています。
「ではそのような御殿型に出くわした場合は『フルボッコ』にして差し上げれば良いのですね」
「ならーぬ、女子たるもの、一歩身を引いてその場を立ち去るべし」
いや父上、あなたが設定した状況理解していますか?と言いたい。
私はここで引くことにした、これ以上言い合ったところで不毛の一言だろう。
「わかりました、それで父上はこれからどこに行きたいのですか?」
「これから遊園地に行こうかと思うのだがどうかね?」
まあ特に行きたいわけじゃないけど付き合ってもいいかな?とは思う。
ただ二枚重ねの観覧車にだけは乗りたくないと強く思う。もしかしたらこれも『かなえ』の強い洗脳の一つだろうか、あと水中深くにある水族館とか近くに巨大なダムのあるスキー場とかも行きたくない。
「ジェットコースターのないところならどこでもいいです」
私の口は私の希望など御構い無しにそんな言葉を口にしていた。
「そういう乗り物は苦手か?」
と父、まあ決して絶叫系は苦手な方じゃないんだけど今一瞬『首から上が切断される』イメージが脳裏をかすめたので・・・とは言ってはいけないような気がした。
それを言ってしまえば『半ズボンショタコン探偵アニメ』の見過ぎだと指摘されそうな気がしたので。
まあ父は私が隣に乗って見ている限りではそんなに乱暴な運転をしているようには見えない。ちゃんとスムーズにシフトチェンジはしているみたいだしエンジンの回転数のキープも的確だと感じていた。ハンドル操作もカーブの入り口と出口で無茶な操作をすることもなく、首から上を激しく振られることもなかった。
あっという間に父が駆るRX-7は遊園地の駐車場に乗り入れていた。
思えばよくスピード違反の取り調べ網に引っかからなかったものだと思う。
『信号無視』『一旦停止違反』『スピード違反』『進入禁止違反』、積み上げられてきた反則が全て適用されたなら一発免停どころでは済まないかもしれない。
「大丈夫!俺は上級国民だし、閣僚から圧力をかけてもらえばすべてをもみ消してもらえる」
父は両手で握りこぶしを作り力説をするけど何をどうもみ消してくれるのやら。
「時に相談だが、駐車場の個室トイレでこの服に似合う体型に変態してくれないか?」
唐突に無茶な要求をされた。渡された服は7~8歳の幼女が似合いそうなサイズのフリフリドレスだった。
『これじゃあホンマものの変態さんじゃないか』
私は心の中で呟いた。
「父上殿・・・、これでこの私にどうしろと?」
「今都内でそれくらいの年頃の娘さんの誘拐拉致事件が多発していてな、警視庁だけでは対応しきれなくなったので『内調』、『内閣調査室』に捜査依頼が回ってきたというわけだ」
「それは『内閣調査室』みたいな怪しげな組織が動かなきゃならないような案件ですか?しかもそんな年頃の娘を誘拐なんてどこにでも居そうな炉離オタ・・・」
ちょっとだけ突っ込んでみた。
「いいや、『子供は国のお宝』だと云うだろ」
「父上、本音で語ってください、父上はその子らの命が断たれた後でしたり顔でこう云う気でしょう!『また貴重なオマソコが失われた』と」
「わ、わしはそんなことは言わん、とにかく囮になってくれとのことだ」
「誰が?なんで?」と私、すると父はすかさず。
お前はテレビなどのニュースなど信じずネットばかり見ているから現総理の性癖ぐらいは気がついておろう」
あ、私は気がついたが口にはしなかった『隠しても隠しきれない口リコソ』
「それでなんで私なの?」
「まさか本物の幼女を囮にするわけにはいかんだろう」
まあそりゃそうかもしれないけど・・・
「その点お前なら見た目は幼女でも頭脳は高一、いやそれ以上かもな」
いいや、私、いや『あつし』の設定確か中学時代まるっと引きこもりっていう設定じゃありませんでしたか?父上殿。その設定だと勉強なんて全然していませんよね?

私はとりあえず多目的トイレに入り体を縮めてから服を着替えた。
まあ魔法の呪文は『派遣、男の娘の体型、召喚、幼女の体型』、そんな感じだ。
私の実年齢は高々10才にも満たない。
「つか私そんな状態でどうやって堀彫学園に入学できたんですか?」
「聞きたいか?」
いつの間にか葉巻をくわえて父、実は『あつし』とかいう少年、美しいだけでなく頭脳も明晰だったとかいうオチなのかな?
「もちろん裏口だ」
「ですよねー」と私。
てか大丈夫なんですかそんなんで・・・
「だいじょーぶ、どうせ7才児の囮に知能なんて求めていないし」
頭の上から声が聞こえた。パワーウインドウのスイッチを押して窓を開けるとイケメンなオネエちゃんの姿が見えた。
「よろしく、俺の名前は楓凛、君が草薙敦子さんだね」
そのそのイケメンボイスを聞いたとき私の股間に衝撃が走り熱い液体がパンツの股間を濡らしていた。姿形はどう見たって女の子なんだけどものすごくカッコ良く見えてしまっていたんだ。上下に別れたセパレートのデニムパンツとデニムブラ?とでも言うのかな?程よくくびれたウエストよりも少し低い位置にあるキュートなおへそが100以上はありそうなバストと相まってセクシーこの上ない。
「こちらこそよろしく」
私は左手を差し出し握手をした。
「俺はこの可愛い娘さんをガードすればいいわけですね」
「ああ、頼むよ」
「その代わりに、内閣新組閣のリークお願いしますね」
裏取引だったぁ。
私と楓凛は兄妹として振舞うことにして父と三人で入場券を買いに向かった。
電車とかの乗車料金とかと違って就学前の子供は無料になるということはなかったがそれは想定内だった。意外だったのは・・・
「俺はまだ小学生なんだって『大人料金』はねぇよ」
彼女は強く抗議をしてはいたが無理だろうとは思った。身長が170センチメートルもあって胸も腰つきもAV女優並みにありそうだから『高校生』だと言っても通用してしまうだろうな。
「お姉ちゃん、本当は幾つなの?」
確認のために聞いてみた。
「11才・・・、見えないか?」
うん見えないです。
私たちはいつの間にかジェットコースターの待ち列に並んでいた。というか並ばされていた。最大勾配80度、最大落差250m、途中に螺旋スパイラルあり、30Rから120R高速コーナーなど90を超えるコーナーとMAX 350km /h、全長23㎞のとんでもないコースターだった。
「身長制限があると思うのですが」
そう抗議するまでもなく案の定、係員に止められてしまった。当然なことだ。
「俺と二人で着座して安全ガードかけますがダメですか?」
楓凛さんはよくわからない主張をしてくれたがどのみち私の体が安全ガードをすり抜けたらジ・エンドになってしまうのは確かだ。
「なら大丈夫ですね」
おい、係員、そんなに簡単に引き下がらないでよ。
私は涙目で訴えたが聞き入れてはもらえなかった。
「おお、そんなにも嬉しくて感激しているのか」
父は喜び私を抱き上げた。ダメだ、もうこの二人の陰謀から私はもう逃れられない。
そう思っている間に順番が回ってきた。
楓凛さんは先に着座をして私に手招きをした。この時に私は彼女の策略に気がつくべきだったかもしれない。しかし私はもうすでに彼女の策略にドップリ嵌ってしまっていた。
私が続いて着座をして彼女に背中を預けようとしたら「そうじゃないよ『あつし』くんと確かに言った、よりにもよって私が『男』を演じている時の名前で呼んだ。
「こうやって俺と向かい合わせに座ってくれないかな?」
私の体はその状態で安全ガードにホールドされた。
「せ、先輩、なんで上の服のボタンをはずして上にずらしたんですか?」
私は自分の顔が楓凛さんの熱くも深い胸の谷間に押さえつけられて自身の吐く息も興奮して荒くなっていることを感じながら訊いてみた。
「そりゃあ君に『あつし』くんらしくあって欲しいと思ったからだよ」
「それはとりあえず置いておくとして、なんで楓凛さんはデニムパンツのボタンとホックを外してチャックを下ろしているんですか!しかも下には下着もつけていないみたいだし」
「それは君にあれを召喚してもらうためさ」
楓凛さんは私の右耳たぶに熱い息を吹きかけるようにしていった。結果的にはこの一言が私の体にアレを発動させることになってしまった。幼女の体に全く似合わないAV男優も顔負けなティンコとキャンタマ袋。特にティンコはいつの間にか楓凛さんの女の子に突き刺さりトンネルを貫いていた。
「あああっ、」
彼女が吐いた熱い吐息が私の髪の毛に降り注ぐ。ジェットコースターの車体も歯車にかみ合ったチェーンに導かれて絶頂点へと達した。
そこから先は正直いってほとんど覚えていない、確かなのは様々な方向に『G』がかかる度に私のティンコが彼女の女の子の中で激しく擦り合い、耐えきれなくなって何度やったかわからない程私は彼女のお胎に白濁液を流し込んでしまったことくらいか。
ジェットコースターが終点に達する頃には楓凛さんはすました顔でデニムブラを直してデニムパンツのチャックを上に上げてボタンとホックをしていた。
「ごめんな、これで一人、いや排卵誘発剤も飲んでいるからうまく行けば三つ子以上も期待できるから」
ジェットコースターを降りて平常心を取り戻して女の子に戻った私が真っ先に楓凛さんに聞きたかった問いに対する答えがそれだった。
「そんな若さで子供こさえてどうする気ですか?ロクなことなんてありませんよ」
自分で言っておいてその屁理屈には絶句した。私はこの世界でこそ15才の男子だけれど実際に生きてきた年輪は女の子としての9年とわずかばかりに過ぎない。
「いや、俺って生理なんて邪魔なものがうっとおしくてさぁ、(この国の政府の偉いさんが要求してきた)ノルマの数だけ子供を産んだらさっさと『なんとかの日記の日』が来なくなる手術でもなんでもしておさらばしたいわけよ」
「子供を産む?」
ちくりと胸を刺すワードが飛び込んできた。
だが今回はまだあまり考えないことにした。
(元ネタ:大島弓子「赤スイカ、黄スイカ」)
てかおい!私をこの歳にして父親にする気か?
「大丈夫さ、俺が責任を持って産んで育てるからさ」
「ちょ、ちょっと落ち着いて、楓凛さんはいくら見かけは成人並みのナイスバディでも歳はまだ11才だよね?幾ら何でも法律が許さないよ?」
確かこの国では少なくとも16才未満の女の子に手を出したら犯罪者としてつかまる筈。
ということは私の両腕に手錠が掛けられるのか?(ちゃんとエロ本で勉強したもんね)
「どこの誰が『7~8才の幼女』が11才の女児を孕ませることができるなんて考えるんだよ、よく考えな」
突然楓凛さんは大爆笑し始めた。
それは世間一般にはそうかもしれないけど、世の中にはDNA鑑定というものがあって・・・
「この子はあんたとの間にできちゃった子です、養育費を払ってください、ってか?」
楓凛さんはそういうと私に抱きついて来た。お互いに立ったままだと私の顔が彼女のおへそあたりに来てさっき私が彼女の体内に解き放った液体と彼女の匂いが入り混じって少々気分が悪くなる、でも・・・
私も少ししゃがんで彼女の股間に私の顔を押し当てた。もしかしたら私の母親の匂いもこんな感じだったのかもしれないと思うとさらに大きく息を吸い込んでしまいむせてしまった。
「おいおい、敦子ちゃんは何をしているのかな」
そう言われて私は『はっと』我に帰り楓凛の体から離れた。
私は自分の本当の母親の匂いをほとんど知らない、それどころか会ったことさえない、だけどどんな人だったか他人に説明ができる、私の母親はいつも私に話しかけてくる人だったと。
「父上殿、私をここに連れてきて彼と合わせたのはこれのためだけだったのですか?」
私のすぐ右に立ち私を見下ろしている父を睨みつけながら私は言った。
「それもあるけど部長の話を聞いていて面白いと思ったから合わせてくれとお願いしてみたんだよ、俺は以前生きていた本当の彼とは何度か会っているからな」
そういうと彼は私の手を引き歩き始めた。私の父とはこの時手を振って別れる、彼にはまだ別の仕事が残っていたようだ。
「ちょっとロッカーに荷物を取りに行くから付き合って」
そう言われて私は彼の後をついて行き遊園地案内所の中にあるコインロッカーの中から取り出された紙袋を手にしていた。
「悪いけどこれにまた着替えてくれないかな?あそこの多目的トイレの中で」
そう言われて紙袋の中を覗くと紺色のスーツ一式とYシャツおよびU首半袖下着、靴下やネクタイが入っていた。男物のパンツまで入っている。
なるほど、『多目的トイレで』とわざわざことわりを入れて来たのは『男女のどちらでも使えるトイレだから』という理由だからだろうか、私は着替えながら体系を変化させながら鏡の向こうの自分を再確認していた。
スーツの胸ポケットには自分が通うはずの高校の生徒手帳が入っていた。その生徒の名前は『草彅あつし』、その手帳に貼り付けられた写真に合わせて自分の顔や体型を変化させるわけなんだけどわざわざ『召喚!』とか『派遣!』とか『調整!』などと声高らかに宣言するわけにはいかない。きっと近くを通る人々の良くない関心を集めるだろう。
「ねえ、君可愛いね、仕事が終わったら僕とデートしない?」
トイレの外から囁くような風鈴の声、一瞬私に話しかけているのかと思って外に出ると彼女、楓凛は『案内センター』の受付嬢を口説いていた。
胸まで伸ばしたストレートな黒髪の一部を手に取りにおいを嗅いでいる楓凛と彼女はどこからどう見ても百合ポルノのヒロイン達だ。
「着替えすんだよ」
私は精一杯の虚勢を張って受付嬢を睨みつけてしまった。
「楓凛様ったら女を見ると見境なく口説くんですから、私という存在を忘れないでくださいね」
そう言ってから自分の顔が真っ赤に染まってゆくのを自分でも感じている。
『おいおい、これは今男子生徒の姿をしている私がいうセリフじゃないでしょ』
自分でも焦る。
逆に青ざめて言ったのは楓凛の方だ、なぜか唐突に私をお姫様抱っこしてその場から走って逃げ出した。
「どうしたんだよ、急に」
私は訳がわからないまま楓凛に対して抗議の声を出していた。そして私たちが向かった先は・・・、先ほど着替えに利用した『多目的トイレ』だった。
その中の洗面台の前に立たされ、後ろで引き戸の鍵をかける音が聞こえた。
「こんなところで僕とエッチをまたするんですか?」
期待と不安に胸躍らせながら言った私は洋式便座にちらりと目を向ける。
「そうじゃなくて鏡を見て、胸!」
そう楓凛に言われて鏡に映る自分の目に飛び込んできたのは・・・
「なんじゃこりゃぁ!」
思わず叫んでしまった、今にもジャケットとYシャツのボタンを弾き飛ばしてしまいそうなまでに膨れ上がった私の二つの胸の膨らみ。
「ごめん、今回は挑発した俺が悪かった」
実際に次の瞬間に私の二つの膨らみはジャケットとYシャツのボタンを吹っ飛ばしていた、それでもまだ苦しいのでU首下着を胸の上まで捲り上げると初々しく勃起したピンク色の乳首が二つ顔を出した。
『もしかしたら常に毎日召喚と派遣を繰り返していたら永遠の処女や童貞になりきれるかもしれない』などとどうでも良いようなことを考えながら
その後、私と楓凛はその多目的トイレの中で世にも不思議なエッチをした。音量を最大にした流水音で『喘ぎ声』をかき消した中、デニムパンツをひざ下まで下ろし洋式便座に腰掛けた凛の股間に私の亀様が突き刺さり彼女の胎まで貫いていた。彼女は私の巨乳を揉みほぐしながら私の割れ目ちゃんに指を入れる。
『え?なんで両方あるんだ?』とツッコミが入りそうだけど現に亀様とタマタマも割れ目ちゃんも共存しているのだから仕方がない。(便利すぎるガバガバ設定)
亀様とタマタマくんの位置が通常の男子よりも肛門様寄りについているだけのことだろう。(多分、多分だよ)
ちなみに今の私の亀様には排尿機能はない。それはあくまでも私の割れ目ちゃんの中に潜んでいるクリとリスちゃんのお仕事なんだ。
というわけで私が自分の体を完全に男子化させるのは大変なリスクを伴うので実際には『女の子自身を派遣(なくすこと)することはほとんど出来ない、黄門様だけをなくすことが出来ない(無くすと排泄できなくなる)のと同様大変なことになってしまうから。
なのでクリとリスちゃんを刺激された私は電子的な流水音じゃ隠しきれない程の大きな喘ぎ声を出してしまう。
私は自分の首を右に大きく傾けて彼女の小さな喉仏をペロリと舐める。彼女の息が一瞬止まったかと思うと再び荒々しい息遣いを始める。
楓凛も自分のデニムブラを外してあらわになった巨乳を私の乳房に押し付けてきた。
私の唇は彼女の唇を求めて、彼女の唇は私の唇を求めて、互いに様々な場所を愛撫した後に最終目的に達した。彼女の唇が私の唇の内側を嘗め尽くした後、ゆっくりと口の中に割り込んできた。
私が軽く腰を前後に振ると彼女もまた腰を前後に振り始めて、もう気持ち良さが止められなくなっていた。
下もそうなんだけど私と彼女の微妙にずれた巨乳の位置がババロアとプリンが擦れ合っているような甘味な摩擦を感じ始めて目の前がほとんど見えなくなっていた。(イミフ)
意識が何度か吹っ飛んださなか私は彼女の胎の中に何回中出しをしてしまっただろうか?気がついたら私は彼女の腕の中でぐったりしていた。
『リンったらまた多目的トイレの中で女の人か殿方を連れ込んでエッチをしているの?』
トイレの外から声をかけられたような気がした。何処と無く幼女っぽい声、むしろ私のような付け焼き刃でなく正真正銘の幼女の声だった、でもその口調はやたらと大人びていた。
「げ、リナかよ、さっきの聞き耳たてて聞いていたんじゃなだろうな」
『するわけないじゃない、ところでその娘さんは私のお仲間?同じ匂いがするんだけど』
意識がはっきりしない中で『幼女』の声を聞いていた、しかしもしかしたらこの時にちゃんと聞く耳を持っていたら自分が『母親の記憶に関する違和感の謎』が解けていたかもしれない。
『まあいいわ、あっちこっちでやりすぎてどこの馬の骨かわからないようなタネを植えられないようにせいぜい気をつけなさいね」
ごめんなさい、植えつけてしまいました。どこの誰かわからない馬の骨です。
そして心の中で言い訳を考えている。私の股間も楓凛さんの股間も互いの体液でぐしょぐしょに濡れて『秘密の匂いが立ち込めている』
私は自分のおろしたズボンのチャックから少しだけ顔を出してぐったりしている亀様を眺めながらどれほど白い液が出ているか触診で確認していた。
「うん、白昼夢精というよりは大量にお漏らししちゃったって感じだね」
自分を納得させるように呟くと楓凛さんが顔を真っ赤に染めていた。
「ごめん、こんなことは初めてなんだけど、気持ち良すぎて、そのなんて言ったらいいのか、放尿しちゃった」
そ、そうか、愛液とかいうやつにしたらやたらと量が多いし匂いも妙だと思っていたらそうなんだ
私は妙に納得して自分の胸周りを見た。なぜだかはよくわからないけど唾液まみれ、本当はどうしてかなんてことぐらいはちゃんと判ってはいるけどU首下着もYシャツもヨダレまみれだった。
これはもう着ては帰れないな。かえの服を父に用意してもらうべきか考え始める。
そうしている間にもその『リナ』とかいう『幼女』はこの場を立ち去っていた。
「仕方がない、また小さな女の子の服に着替えてもらうか」
諦めたかのように楓凛が言った時、私は身の回りに妙な違和感を感じた。
後ろを振り返る、誰もいない。
天井に誰かの気配を感じる、天井を見上げるが誰もいない。
「確か、突然便器から手がのびてマソコをグリグリしてくるとかいう学校の怪談があったような気が」
私は思わず風鈴の膝上から飛びのいてしまった。彼女が座っている便座の中から手が出てきそうな気がしたけど流石にそれはないだろうと思いつつ覗き込むと・・・
『ニョロニョロ』と這い出てくると一匹は楓凛の割れ目ちゃんに、もう一匹は私の割れ目ちゃんにそれぞれ潜り込んだ。
さっきの楓凛とエッチした時とは真逆な嫌悪感、そしてなんとも表現のしようがない吐き気が二人を襲った。鱗で内面を引っ掛けるようにして内部で這いずりながらズリズリと胎の奥に入っていく、信じられないことが私達の目の前で起き、やがて頭の中が真っ白になり私たち二人は真っ暗で狭い空間に閉じ込められていた。

タイヤが地面を転がる音、吹き上がるエンジン音、これはOHV8気筒か。
どうやら走っているアメリカンなスポーツカーのトランクに閉じ込められたようだ。
二人とも両手と両足をそれぞれ縄のようなもので縛られていて身動きが取れない状態?
と思っていたけど腕は前で縛っていて、足は足首のみ。ある程度動こうと思えば動ける、
自分の股間でさえも・・・・・触ろうと思えば触れた。
触った感じでは完全な女体状態になっていた。
ポケットサイズのLEDライトをこっそり召喚する。
激しく刺すようなか腹痛と吐き気、意識も混濁気味、触れればすぐそれとわかる持続的な割れ目ちゃんからの出血、そこら中がヒリヒリする手足の擦り傷、膝を曲げて押し込められた私と楓凛は上下逆さの向かい合わせ状態となり全裸で押し込まれているのだけは判った。
うっすらとではあるが苦痛に歪む彼女の表情だけは暗闇の中見て取れる。
『酷い1日だった』
そう心の中で呟く、こんな目にあわされるのなら家の中で『ゴキブリとして毒殺死』していた方がましだったかもしれない、まあそれくらいの薬剤で命を落とすようなことはないかもしれないけど。
『こんな状況下でも私は私自身のムラムラは止められないのだな』と私は思いながら楓凛の苦痛に歪んだ顔をペロペロ舐め回していた。
血なまぐさい匂いが鼻をつきふと上を見上げると彼女の胸から股間あたりまで見渡すことができた。彼女もまた擦り傷だらけだった。
巻きついた蛇が這いずり回りながらその硬く先の尖った鱗で彼女の肌に傷をつけたのかもしれない。
股間から脈打つようにして流れている出血は左太ももを伝い流れてトランクルームの床に血溜まりを作っている。その血溜まりに私の頭髪も浸されていた。
私の方よりも彼女の方が早急な手当てをしなければ命に関わるのは確か。
ちなみに私の『派遣』は決して別場所への『テレポーテーション』などではない、その移転先での生命維持はもちろんのこと原型維持でさえ全く保障がされないものだから。
『召喚』も同じことが言える、『別の場所にある全く同じものを移転してくる』わけではない。ある意味『テレポーテーション』よりも高度と言えるかもしれない、『錬金術』と言えるのかもしれないけど。『斧やカッターナイフ』のようなものは割と簡単に召喚できるけど『スマホやノートパソコンみたいな複雑な構造の物は絶対に無理!』的な?
今、現在走っている車のトランクの中から脱出するのは不可能かもしれないけどいつでも反撃、脱出できるように準備しておいたほうがいいかもしれない。
それまでに二人の体に血液が残っていることが最低の条件、失礼、二人の心臓と肺が動いていて脳細胞が生きているのが最低限の条件だろうけど・・・
私はともかく楓凛の方がかなり切羽詰まった状態かもしれない。
室内越しに聞こえてくるのはエンジン音とミッション名護の歯車が噛み合う音だけ(多分)、運転手など人の声は一切聞こえてはこない、息遣いでさえも。
私は多目的トイレの中で『謎の蛇』に陵辱されてから今に至るまでの出来事をなるべく思い出そうとしていた。
今、思い出しても吐き気がするほどえげつない体験だと思う。私と楓凛の『女の子』(膣)に突き刺さって奥まで入り込んだ蛇の頭は楽々と二人の身体を高々と持ち上げて前後左右に振り回した、それに比べたら今日の午前中に無理やり乗せられたジェットコースターなんて児童用のアトラクションみたいなものだった。体全体にかかる『G』も確かにすごかったけど『女の子』自体にかかる負担が半端なく、これはもう痛いとか苦しいという次元で語れるものではなかった。
ここで喉の奥から苦く熱いドロドロしたものが吹き出して私は縛られた両手で口を抑えようとするが抑えきれずに楓凛の顔にそのゲロをぶっかけてしまった。
「わ、なんだ!クッセェ」
しかめっ面をしてようやく風鈴が目を覚ました、というよりは意識を取り戻した。
よくよく見れば私が彼女の顔にぶっかけた嘔吐物には少なくない吐血が混じっているかのように見えた。
さっきの回想に戻るけど天井にぶっつけられたり床に落とされて引きずり回されたり、そのまま男性小便器に押し付けられたり、とにかくよくぞ死なずに済んだなとは思う。
「お、お前汚えことするなよ」
風鈴様、目覚めて最初の一言がそれですか?あなたは出血多量でその命が風前の灯状態なのですよ?
「ここがどこかわかりますか?」
私は念のために聞いてみた。案の定
「多目的トイレの中だろ?」との返事が返ってきた。
「どこまでなら覚えていますか?」と私。
「あのニョロニョロしたやつに散々振り回された挙句・・・そこから先は」
やはり覚えていない様子だった。
彼女の目が突然に泳ぎだして何か探し物をしていることを告げていた。
「ご自分の身体のセルフチェックはできますか?」
私はあえて聞いてみた。これは前世界で『かなえ』に口すっぱく何度も注意されていたことだったのを今更のように思い出していた。
何者かの襲撃を受けて意識を失うなど空白時間が生じたときに必ずやれと言われていたことだ。
「まず衣服のチェック」
これは『性的乱暴』や『暴行』を受けたかどうかのチェックらしいのだけど二人とも『全裸』なのだからなんと言ったら良いのだろうか?
二人とも『女の子』の穴に蛇の頭を突っ込まれた時点で完全に『性的暴行』を受けたことになるのだけど。
「次に身体が受けているダメージはどこにどの程度」
これは主に視覚で自分の外傷や打ち身などによる内出血を確認しなさいということ、そして痛みや傷口以外からの出血を確認しなさいということらしい。
ただし、出血などの割に痛みをほとんど感じないときは要注意してくださいと言われていた。鎮痛剤や脳髄が何者かによりコントロールされていて痛覚が麻痺している可能性があるって口すっぱく言われていたのを思い出した。
「痛いところは別にない、いたって大丈夫だ」
「それだけ擦り傷や打撲があって全然痛くないって、絶対に危ないパターンですよ、ちなみにここはおそらく旧車マスタングのトランクルームですよ」
私はそう言いながら楓凛の股間を見上げた。どう見ても出血が止まっているようには見えない、何か異様な生き物に頭脳を支配されていたりするのかも。
そういえば『かなえ』も口煩く言っていた。
流石に楓凛も自分の股間からの出血を見たら真っ青になって私の顔に大量の嘔吐物をぶっかけてくれた。
私もその匂いに耐えきれなくなり彼女にぶっかけてしまう、そのお返しとばかりに彼女も私にぶっかけ返してくれた。私たちは一体何をしているんだろうか?
胃の中に履くものがなくなった頃私たち二人は見つめ合いながら大爆笑をしていた。
「オメー朝何を食ってきた」
そう言われた私は「チーズバーガーとミンチカツサンド」とだけ答えた。
本当はそれぞれ10個ずつ食べたのだけど『何を食べてきた』とだけしか聞かれなかったのでわざわざ言わない。
「聞いて驚け!俺は朝から『A5ランクステーキ』だ」
どこのグルメな金持ちですか?聞きたかったけどあえて無視することにした。
「何キロ食べた?」
「3Kgかな?ん~それ以上」
「どこの大食い選手権ですか?」
「敦子こそ今吐いた量から想像するに結構食べてきたんじゃないか?どのくらいの量だ?」
「小麦粉2Kg、ひき肉3Kg、使いました」
すべて自炊自作だった。
私は『召喚』した短刀で自由になった右手の拳を突き上げ、声高々に宣言?をした。
それがたまたまトランクリッドに激突して『ゴーン』という大聞き響く音を立てた。
「車が止まったら私がトランクオープナーを利用してトランクリッドを開けるから一緒に飛び出すね」
そういう約束だった。
「今の音はなんだ!」
とおそらくは運転手の声
四つのタイヤの車軸を司る車軸に取り付けられた大口径ディスクをブレーキパッドが力強く挟み込み、急制動がかかった。まあ早い話がただの急ブレーキなんですけどね。
運転手らの叫び声と同時に私たち二人はトランクリッドを跳ね上げて飛び出していた。十メートル以上飛び上がり危うく横断歩道橋の下面に激突しそうになる。
そのまま真っ直ぐに落下してルーフに着地?する。『ゴーン!』という音が響き、中の二人が慌てて外に飛び出した。
あれ?確かルーフを潰すつもりで全体重に召喚ウェイト100Kg増しで着地したのになんでこうなる?というかどうしてジャンプして外に飛び出せたのが私一人なの?
ふとトランクリッドの方を見たら楓凛が頭を抱えてうずくまっている。
「あれ?なんで?」
「なんでじゃねぇ!なんで二人同時に飛び出せられると考えたんだよ、リッドの大きさと形状を考えろよ!」
キレ気味に抗議をしているけどごめんよ、マスタングのトランクリッドが逆L型だったこと忘れていた。😂それにしても後になって私だけでも良く飛び出すことができたなと感心する、下手をしたら胸の脂肪をざっくりと削り大出血だった。
『召喚!金の斧と銀の斧!』
私の左手には金の斧、そして右手には銀の斧が握られていた。
「あなたが落としたのは銀の斧ですか?それとも金の斧ですか?」
念のために聞いてみた。やはりこっちのいうことなど全く聞く気がないかのように二人とも銃をこちらに向けて構えている。
助手席側の男を優先すべきか?運転席側の男を優先すべきか?
私はためらわず助手席の男の胸元めがけて銀の斧を投げつけた・・・つもりだった。
手が滑って落としてしまう。銀の斧は『くるくる』と回転しながら助手席側の男の股間を襲う、ざっくりとズボンごとお大事なゾウさんを削ぎ落としたのが見えた。
「痛そう」と楓凛。
続いて金の斧を両手で構えて運転手席側の男めがけて飛び降りた。そして頭部をかち割るつもりで振り下ろそうとしたが手が滑って落としてしまった。
『くるくる』回転しながら落ちていった金の斧は枝の部分が男の頭に命中して気を失わせた。
「楓凛先輩!こいつらを取り押さえるの手伝ってください!」
私は大声で叫んだ。ふと先輩を見ると片手でトランクリッドを外から左手を伸ばして押さえつけて右手で胸を隠して隠れるようにトランクルームの中に顔だけ出して身を潜めていた。
「何をしているんですか先輩、ちゃちゃっと悪党どもを確保してくださいよ」
私は腕組みをして大股を開き大見得をきった。
さっきからザワザワと人が集まってきたがその中になぜか私の父上も混じっていた。何やら大声で叫んでいるような気もするがきっと私の大活躍を絶賛してくれているのだろう。何しろ連続女児誘拐拉致犯を確保するのに成功したのだから。股間からの出血がなかなか止まらなくて多少はフラフラしているけど些細な問題だ。
「敦子ぉ!お前素っ裸だぞぉ!」
楓凛先輩が大絶賛をしてくれた。
「ありがとう」と言って私はそれに応える。
慌てた顔をして父上も私の元に駆け寄ってくれた。なぜか自分が羽織っていたスーツを私の方にかけようとする。「しかしそんな高価そうなものを今の私にかけたら血で汚れますよ、父上殿?・・・」
私は今の自分が言いかけたセリフに引っかかるものを感じて『マスタングのトランクルームの中で意識を取り戻したところ』から詳細な記憶を呼び返していた。
そしてしばらく固まる。
「皆さん見ましたよね?私の素っ裸?」
この世界に来たばかりの頃ならともかくさすがに今は私でも全裸を人前に晒してはいけないことぐらいは知っている。
ドロドロした例えようのないダーティーでドスグロイ気持ちが私を支配した。
「そうよね、ここにいる全員564てしまえば何の問題もないのよね」
私はそう言ってから続けて宣言しようとしていた。
「召喚!大型石油タンク!空から降ってこい!」
最後まで言い切ったつもりだった、しかし私の口はマスタングのトランクルームから飛び出してきた楓凛の抱きつき攻撃により彼女の巨乳が完全に封じこんでいた。
私は大量の鼻血を吹き出して今度こそ失血死することになった。

ーーーーーーーーーーーーーーー

私はほぼ全身を包帯でぐるぐる巻きの状態にしてベッドの上で寝かされていた。
「あ、なにこれ?私って今どんな状態なの?」
心配顔で覗き込んでいる母上に尋ねてみた。
「あなたトラックにはねられそうになった小さな女の子を助けようとしてトラックにはねられてしまったそうよ、こう言っちゃ悪いけどお隣のベッドのお嬢さんたちとは大違いね」
と言って母上は顔をしかめた。
どちらかといえば狭い病室にはベッドが三つほど並んでいて私のベッドが一番窓際、そして私のすぐ隣のベッドには楓凛、私とほぼ同じく包帯でぐるぐる巻き状態でベッドに寝かされている、なんか私の顔を見てそっぽを向いてしまった、すこぶる機嫌が悪そうだ。
そのさらに向こう、廊下側には同じく包帯がぐるぐる巻き状態の状態で寝かされていた。私たち二人と決定的に異なる点はやたらと元気なところか。年の頃は私の素の状態とほぼ同じくらい、11~12才くらいだろうか?
「ちょっと!凛!ちゃんとあたしにバイト代を払ってくれるんでしょうね」
何やらさっきからこんな調子で凛に対して気軽にタメ口をきいている。
「ちゃんと払うってば、入院費も合わせて10万円な」
楓凛はなだめるように言ったがお姫様はそれでもご機嫌斜めの様子だった。
「もう一つ、追加でホテルのスイーツバイキングね」
どこまでもわがままなお嬢様だ、私は苛つきを隠せなかった。
「ところで今日あたしたちが捕まえた女児の誘拐拉致犯は結局何者だったの?」
「いや結局わからなかったらしい、自分の意思で動いているどころか『神のお告げ』とか危ない事を言い出す始末で」
諦めたかのような楓凛のコメント、どうやら犯行目的とかに関しては黙秘を貫いているという事か。
「そうなんだ、テレビでそれ関係のニュースとかやっていないかな?」
「わっ、ヤメロォ!」
なぜかリモコンでテレビのスイッチを入れようとする少女と彼女にタックルを仕掛けて必死になって止めようとする楓凛。しかしタッチの差で少女はテレビのスイッチを入れてしまう。
「今日午後三時過ぎごろ街中でテロ行為を働いたとして二人の少女が補導されました」
アナウンサーがはっきりと『テロ行為』と言い切っていて私は思わず吹いてしまった。
「これがたった今視聴者から送られてきた事件の生録画画像です」
そう言われて画面に映し出された動画には見覚えのあるマスタングが映っていた。
その前、運転席側前にすっぽんぽんの女の子が写っていた。乳房の大きさからしてそれは間違い無く私だろう。
しかし問題は『仮名、倶名尚愛』という名前が入っていて体、特に股間や胸では無く顔にモザイクがかかっていたという点だった。つまり問題というか放送コードに引っかかりそうな部分をわざと残してあるという。
みるみるうちに少女の顔が真っ赤に染まってゆき怒りに震えてゆく。
「ちょっと、凛!話が違うじゃない!あたしはどこの破廉恥ヒロインよ」
楓凛の顔をめがけて果物ナイフを投げてきた。それを楓凛は左手の人差し指と中指だけで挟んで受け止めた。
「しかもなんで身代わりなのに身体と本名を隠さずに晒して顔だけモザイクかけるのよ」
今度は包丁が飛んできた。これも器用なことに楓凛は右手の人差し指と中指で挟んで受け止める。
「なんでって、いいじゃねえか、現物よりも巨乳ということにしてもらえて」
その楓凛が無神経に放った一言がトドメを刺した。
「バカァ!」
そう叫んで少女が投げたものは椿を植えた鉢だった。
今度ばかりは楓凛も避けきれずに顔面にヒットさせてしまう。
ちなみに『椿の鉢植え』というのはお見舞いに持ってはいけない花の最悪のパターンだそうだ、それは彼女がクラスメイトとかからよほど嫌われていることを証明していた。

「母上、僕は明日から学校に行くことにしたよ」
私の中では『男の子』として生きて行くのも悪くはないかな?と思い始めていた。
その頃はまだ『倶名尚愛』という少女が意外と手強い存在であり、私のもう一つの人格である『あつし』を大きく、凶暴に狂わせることとなることを全く予想することも想像することもできなかった。

敦子(あつし)の華麗な学園ライフ1 Fin.

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私は誰5の続編です。 亜希の始祖とは? 並行世界での異種族の干渉とは?

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