椎奈4 イカとタコの(以下略

椎奈4 イカとタコの(以下略
2023/05/02校正更新
毎回とは限りませんが今作はエログロ描写や官能及び暴力的な描写を多大に含みますので20才未満の閲覧はご遠慮してくださいね♪
なお現実と烈しく乖離している部分が多いですよ

もうすっかり日も暮れて周りが真っ暗になった頃(もっともアンドロイドの私にとっては真っ暗闇という現象はない、なんらかの電磁波や微かな光も増強されて受信できるからだが)、観萌ひとりだけが眠りもしないで車を走らせていた。
「どこかで休憩しませんか?」
私が声をかけてみたが返事はない。
目の前の信号が黄色になったのでシフトダウンを繰り返しながらスピードを緩めて赤信号でブレーキを踏んで停まる。
「そろそろトイレ休憩にしませんか?」
私が提案しても返事はない。
信号が青になったので彼女はブレーキペダルを踏みながらクラッチペダルを踏み込みローギアにシフトチェンジしてアクセルペダルの右足を移して軽く煽りながらゆっくりとクラッチペダルから足を少しずつ離し車はスムーズに発進する、しばらくアクセルペダルを踏み込んで一定以上加速しからアクセルペダルを緩めてクラッチを踏んでシフトアップをして再びアクセルを踏み込むそれを繰り返して車速が80km/hを超えた。
また遠くの信号が黄色に変わりさっきと同じ動作を繰り返して赤信号で止まり、また同じ動作を繰り返して青信号で発進して同じことの繰り返しで80km/hを超えた頃、目の前を急な右カーブが迫ってきた時、観萌はクラッチペダルを左足で、アクセルペダルを右足つま先、ブレーキペダルを右足かかとで巧みに踏み込みながら一段飛ばしでシフトダウンをしながらハンドルを右に大きく回して再びクラッチを繋ぐと後輪が悲鳴を上げて車は左にテールをスライドさせながら車はそのカーブを無事曲がりきってしまっていた。
今度も目の前の信号が黄色になってさっきと同じことを繰り返して赤信号で止まった。
私は思わず観萌の耳元で「わ!」っと叫んでみた。
すると彼女は何を思ったのか信号が青に変わる直前にアクセルペダルを右足つま先で、ブレーキペダルを右足かかとで、クラッチペダルを全て全力で踏みつけながらエンジンの回転数が8000rpmに達するとセカンドギアにシフトして一気にクラッチペダルから足を離すと後輪がもうもうと煙を出しながら空回転を始めてた。
ブレーキペダルから右足踵を解放すると後ろに押しつけられるような強いGを感じさせながら車速はあっという間もなく120km/hを超えていた。
「わ!」
左カーブ直前で観萌は慌てたようにクラッチペダルを踏んで急ブレーキを踏んだ。
全員が前のめりになってシートベルトのテンションで身体を後ろに引き戻される。
「まさかと思うけど観萌、もしかして目を開けたまま居眠り運転していた?」
私は恐る恐る彼女に訊いてみた。
あれだけスムーズに車を走らせていたからそれはないと思っていたけどまさか無意識で居眠り運転をマニュアル車でやってのけるような馬鹿だとは思わなかった。
「みんな、ごめんなさい、ついうとうとしてしまいました」
彼女は必死になって謝っていたが今までの出来事は黙っておく事にした。
さっきのバーンアウト、急発進をするまでほぼ全員深い眠りについていて当の本人、観萌でさえ急ブレーキをかけたとことからしか記憶がないのだから、日本の名言、知らぬが仏とはまさにこのことかも知れない。

「では仕方がないですね、私が代わりにハンドルを握ります」
私、アンドロイド椎奈が申し出た時に全員が激しく首を横に振ったのは何故だろうか?
志乃ちゃんもさっきので目を覚ましてしまったのか私にしがみついてくるし、愛もハンドルを握ろうとしない、そうなるともう冴子さんしかいないのだが。
運転を代わって5分も経たないうちにあっという間に冴子さんが運転するハイエースは完全に迷子になってしまっていた。
運転は慣れないマニュアルミッション車である上にものすごくエンジン特性にクセのある車にもかかわらずちゃんと乗りこなせていたのだけれど・・・・
本人曰く天災的な方向音痴らしい。
「そもそもこの車には何故ナビゲーションも付いていないのよ」
冴子さんは愚痴をこぼしていたがこのハイエース、本来そう言うものが収まるべき2DINのスペースには10枚連装のオートチェンジャーCDプレーヤーが搭載されていた。
「私がナビゲーションしましょうか?曲がる場所を教えますので」
私が申し出ると冴子さんは速攻で「私、人に指図されて運転するの大っ嫌いなの!」と強い口調で返されてしまっていた。
「で、今どの辺を走っているわけ?」
愛は訊いてきたが私は「白川郷方面です」と答えてから自分が感知しているGPSマップと目の前を通り過ぎる標識の違いに混乱させられていた。
地磁気か何かが私の論理演算回路を狂わせているのかも入れない。
「冴子さん適当に車を長時間停められそうな場所を見つけたらそこに車を停めて」
セカンドシート左側、今運転している冴子さんの代わりに座って眠っていた観萌が突然に起き上がって提案をした。
その場所はすぐに見つかったが何故か色々な意味でヤバそうな場所だった。
「ねえこんな場所さっさと移動しようよ」
珍しく弱気になった愛が言った。
『あれ?私は彼女と出会ってまだ1日も経っていないのになんで彼女の事を分かり尽くした気でいるのかな?』
そんな疑問が湧いてきたが観萌はそれを知ってか知らずか続けた。
「こんな場所だからちょうどいいのよ、時間と空間の狭間、と言ったらわかりやすいかしら?奴ら追手からは私達を絶対に見つけられないわ」
彼女はそう言うと後ろの荷物スペースから大きめの毛布を4枚取り出して「今のうちに寝ておきなさい」と言った。
それから間も無く全員が深い眠りに堕ち、アンドロイドの私でさえ夢を見ていた。

ー初めまして、じゃないよね?私は風間志乃ー
夢の中の少女は私に語りかけてきた。
しかし彼女の姿は見えない、声だけだ。
ーこうすればわかりますか?ー
彼女はそう言うとひとりの幼女が姿を現した。
さっきまで私が胸に抱いていた志乃ちゃんだ。
私と観萌、愛、そして冴子さんと志乃ちゃんはオンボロアパートの1室でひとつの箱を取り囲んでいた。
それは一見、パソコンにも見えるグリーンがかったメタリックブラックの箱だ。
「これはなんですか?」と私がが訊くと志乃ちゃんの代わりに冴子さんが答えた。
「これは昔、いえ、正しくは志乃ちゃんが今の姿の見た目通りの年齢の頃、彼女の家に忘れ去られていたかのように放置されていたホビーパソコン、バツ、と言っても今のハイエンドPCが買えるくらい高価な代物でしたが、それをモチーフに彼女が再構築した電子論理演算機器です」
冴子さんはそう言ったが私にはそれがどう見てもいわゆるPC、パソコンと呼ばれる部類のものには見えなかった。
ー他の周辺機器と接続するインタフェースはどこにあるの?ー
観萌が訊いた。
ー一応USB2.0が2つ端っこに装着してありますー
中身はがらんどうに近い状態にしか見えない回路を差し込むソケットもたったのふたつ、いわゆる「PCI Express × 16」スロットを2基備えて備えているだけにしか見えない、それは彼女の家にあったホビーPCとは全く逆の設計思想による代物にしか見えなかった。
彼女の家に放置されていたそれは今のPCとは比較にならない程部品数の多い基盤をいくつか繋いでいた。
私が検索した資料のどれを漁ってもそんな結論にしか達しなかった。
それは機能を欲張り過ぎたせいもある、しかし当時のLSIの技術では大した機能をひとつのLSIに凝縮することが出来なかった、それが回路をより大量部品化、そして複雑化させた要因でもあった。
それが最後まで足を引っ張りひとつの部品に高度な機能を詰め込める事を可能にした海外主体の互換性重視規格であるPC規格に対抗出来なかった要因でもあった。
そしてそれは麦国のリンゴ系PCにも同じことが言えた。なるべくPC規格の部品を多用してコスト面で対抗しようとしたが独自のCPUに拘ったばかりにソフトウエア面で不利を被り、結局は主流だったPCと同じCPUを選択せざるを得なくなってしまった。
それが今まで使えていたアプリケーションに影響を与えてますますリンゴ系のPCは不利な状態に立たされた。
そして今もまた目の前の利益に目が眩んだのか自社のタブレットやスマホと同じ系列のCPUGPUに乗り換え始めた。
ーそれは過去の失敗を省みない自傷行為にしか見えないのよねー
そう言った志乃ちゃんはどう見ても3歳の幼女には見えない。
ーまあ部品点数の大幅な削減には貢献するだろうしタブレットやスマホからのアプリ移植は容易にはなるでしょうけど、今まで同社のノート型パソコンを使用していたユーザーは付いて来てくれるかしらね?そしてあの天才が生きていたらそれを認めていたかしらー

しばらく沈黙が続いたのちに志乃ちゃんは続けた。

ーこれにはVLSI3個と通信用LSI3個しか搭載しいていないの、ふたつのVLSIは画像処理兼汎用数値演算用、あとひとつはメモリやストレージを含めたCPU周りそれぞれが数百GByteクラスのメモリを持っているー
「まさかメモリの拡張とかは出来ないんじゃ?」
愛が尋ねると志乃ちゃんは即答で『不可能よ』と答えた。
ー設計思想はPCよりもゲーム機に近いかしら、欲張り過ぎたバツの真逆をいく設計かもー
そう言った志乃ちゃんは少々自信がなさげに見えた。
ーひとつのLSIWi-Fiや青葉、そしてG5G6などのキャリア通信用、もうひとつは2基ある「PCI Express × 16」スロットとの共有メモリを含めた通信用、そして最後はUSBと画像、音声どの入出力用ー
ーこれを志乃ちゃんはひとりで考えたの?ー
観萌が問いかけた、がすかさず彼女は首を横に振った。
ーこれは彼女、冴子お姉さんとの共同制作よ、当時の地球にはこんなものを作る技術はなかった、彼女、異星から来た者の力を借りて造るにしてもひとつ条件を満たす必要があったー
「それがWi-FiG5G6などの通信技術や『PCI Express × 16』スロットなどの当時にはなかった規格との互換性ですね?」
私の確認に志乃ちゃんは首を縦に振った。
この時点でタイムトラベラーの関与を必要としたはず。
ーこれは一体どのような目的で作られた代物ですか?ー
ーもちろん至高のゲーム機よー
志乃ちゃんは言い切ったがそんなはずはなかった。たかがゲーム機であれば観萌や愛、そして亜希たちにこっそりと預けるはずがなかった。
ーこれはゲーム用なんかじゃない、ある目的の為のシミュレーションに特化した量子演算装置とも言える、私はこれが将来的に必要になると感じてたまたま近所に住んでいた亜希ちゃん、観萌ちゃんと花奈ちゃん、そして椎ちゃんたち9人に預けたー
ーちょっと待って、それでは時系列に矛盾が生じてしまうわ、亜希がこの世界に出現したのは紫乃ちゃん、あなたが大人、高校を卒業して大学に入学をしてあの侵略者でもある男に公園に呼び出されて拘束されて実父の目前で射殺された時からのはずー
それを聞きながら私はあらゆるネット上の情報を検索していた強固な鍵がかかったサーバーもあるにはあったが容易く解錠して必要な情報のみを取り出すと再び元通りに施錠した。
確かに大人になる前の志乃ちゃんが生存している間には葉類亜希、彼女に相当する少女も女児も存在しなかった。
ーそれから冴子さん、あなたは何度も何度も殺害されています、私が今の見た目と同じ歳くらいの頃、小学生半ばごろ、中学に入りたての頃、そして私が高校を卒業する直前に部活を引退して地学に再び興味を持ち始めた時最後は私が射殺された直前と直後としばらく月日が過ぎてから、全てがあの男たち3人組、あなたと同じ星系のそれぞれ別の人によって破壊的なまでの性的暴行を受けた挙句、物理的に破壊されて死にました。ー
ーマヂかよー、と愛が呟いたー
ー彼らは冴子さん、あなたを拷問する目的で何度も殺戮的なレイプしました。その目的はこれのこの箱のありかを探し出すためでした。あなた達特に観萌や椎、花奈や月輪達も性的暴行事件に巻き込まれたのもそのせいです。意図したわけじゃないけど本当にごめんなさい。ー
重たい空気が車内を包んでいた。
「あ、外で休憩していいかしら」
私はその重さに耐えきれずにそう口にしてしまった。
ーまあ私って結構美人だしそういう逝かれた男に狙われることなんてザラだしさ、それに関しちゃ椎も花奈もやたらとロリコン野郎を刺激する魅力あるし、それはあなたのせいじゃないと思いますよ?ー
サラッと観萌は志乃ちゃん、彼女の謝罪をあっさりと容認すると別の事を訊いてきた。
ーどうして彼らはその箱の本当の用途の方が気になるかしら?それと冴子さんに訊きたいのは志乃ちゃんの生い立ちなんだけどもちろん彼女はこの時代の人間じゃないですよね?しかも葉類智恵警部と風間達也刑事の間に出来た娘でもないー
その途端に冴子さんの顔がみるみる青ざめてゆくのがわかった。
ー彼女は地球人を模倣して造られた人造生命体、この星で言うところの染色体加工人間でしょうか?ー、と私。
ーはい、知っていましたー
志乃さんはあっさりとそれを認めて容認した。
ーでも私の身体は地球人のそれとほぼ互換性を持って作られていた、生理と呼ばれるものがあったり、妊娠する可能性があったり、未来の私は自分でもすっかり忘れているんじゃないかと思うんだけど中学の時に3回ほど性的な暴行を受けて全て妊娠していて短期間の間に3人の子供を産んでいるみたいー
それを訊いた途端、観萌の顔が青ざめた。
ーひとりがかなえ、ふたりめがあつこ、そしてさんにんめが私、観萌、ですね。ー
ー彼女は肉体的には男性のプロ野球選手向きの運動能力と並外れた頭脳を持っていましたがほぼ完璧なホモサピエンスでした。ただ一点、彼女が一度の跳躍で数100年過去と未来、そして数万光年の距離を瞬時に跳べる事を除けばですが、私はそれを奴らに気づかれてはいけなかった、でもある時思わず口にしてしまっていた、アイツらに襲われて固いものに貫かれて絶頂に達した時に。ー
冴子さんが懺悔の口調で語った。
「その直後、彼女は3人の男達の暴行を代わる代わる受けたと言うことですね」
私の頭の中でピースがひとつひとつ組み上げられてゆくのがわかった。
ー私自身が時間跳躍をして確認したことです、1度目は中学1年生の時に公園の女子トイレの中で筋肉質の男に強引に何回も乱暴に中に出されて私は身籠もりその子に操られたかのように異空間でその子を産み3才になるまで育てました。ー
ーでも私はその子から逃げるようにして元の中学1年生の頃まで戻り何事もなく学生生活を続けていました、しかし今度は学校の帰り道サラリーマン風の男に後ろから羽交締めにされてクロロホルムを染み込ませたハンカチで鼻と口を塞がれて人通りの多い歩道の上で私は白昼堂々と好奇の目に晒されながら人前で数時間レイプされていました。ー
ーその時も当然のように妊娠して異空間で子供を産み3才くらいまで育ててまたしても逃げるようにして中学1年生の時の私に戻り普通に暮らしていたのですが今度は大型商業施設に両親が買い物中で留守中だった自宅にオールバックの男に侵入されて力づくで襲われて家族の者が帰ってくる直前まで犯されて3人目の子供を。ー
志乃ちゃんは懺悔するように観萌に語った、もしも彼女の知能が人並みの3歳児レベルの知能しかなかったら、時間跳躍の能力がなければこんなにも辛い思いをすることもなかったかもしれない。
しかも3才の身体では中学生の自分がどんなに乱暴を働かされても怯えるだけで何も出来なかっただろう。
私は夢の中の幼い志乃ちゃんをそっと抱きしめることしかできなかった。

ーわかった、全ての謎とは言えないけど、私たちの始祖が一体誰だったのか?ー

突然に夢の外から意識が割り込んできた。
と言うか名乗りもしないで突然に割り込んでくるなんて失礼なやつだな。私、椎奈は憤慨していた。

ーあ、ごめん、私よ、私、葉類亜希、わかるでしょ?ー

いきなりそんなこと言われてもわかる筈がない。
「あの、私椎奈というアンドロイドですがあなたは一体何者ですか?」
ーあ、愛のマネージャーの椎奈ね、でそこに愛はいるんかいー
突然に意味不明な事を言い出した。

ーはあ?あんた誰よお?葉類亜希?そんなやつ知らんわー

いきなり葉類亜希なる人物は6ヶ月以上過去の倶名尚愛によって存在を全否定されてしまった。

9月に起きた小田井署附属病院襲撃事件を覚えている?

9月に起きた小田井署附属病院襲撃事件?そんなもん知らないよ、あたしはまだクソ暑い8月にいたはずなのに気がついたら翌年の4月って聞かされてこっちがびっくりだよー

ーいったいそこには誰と誰がいるのよー

この時代の亜希が問いかけて来た。

「まず私アンドロイドの椎奈です、よろしく今年いっぱいというか12月まではみならいで他の議員さんのマネージャーをやらせてもらうことになってます。それと椎名を開発した冴子さんと彼女の娘のまだ幼い志乃ちゃん、そして今隣の運転席に移ったのが佐原観萌さん」
そう言った途端に外の亜希から驚きの反応があった。
ー何でそこにも観萌がいるのよ!こっちにもひとりいるんだけど?ー
そんなに強く反応されると頭の論理演算回路に響くのですが、と言いたいのをこらえて説明をすることにした。
「彼女も去年の8月から飛ばされて来たみたいであなたの事は知らないと思いますよ?」
私がそういうと観萌はハッと気がついたように言った。
ーあ、もしかして私と月海が退学になりかけた時に校長との仲裁に入ってくれて2人の仲も認めてくれた小田井署のクソガキ婦警さんですね?ー
あまりにも率直すぎる意見に私は愕然としたが相手はもっとブチギレていた。
ーあの時の核爆弾でも殺せそうもないカラフルな超ロン毛ロンまつ毛とロン眉毛、トドメが凶器のような鋭く尖った爪を持った不良少女だったわね、今思い返せば、ー
ーいらないお世話です、ところで今の私もそこにいるんですか?ー
なんかあまり関係ない事で話が弾み出した。
ー今のアンタなら寄生体を干瓢で縛り上げて大事なところに赤しょうがの汁を垂らしてヒイヒイ言わせてサディスティックに微笑んでいるわよー
ー私はそんな趣味の悪い事はしません、それに寄生体って一体なんですか?寄生虫の大きいヤツですか?ー
ーあ、半年以上前のアンタが知るわけないか、ところでアンタのセフレ、じゃない相棒はどうしたのよ?確か月見うどんとかいう名前の気が短いヤツー
ー水無月海です、わざと間違がえないでください!それが一緒にウインドウショッピングしていた筈なのにこの時代に飛ばされたのは私ひとりだけ、どうしてこうなったのかわからないですー
観萌は考え込んでいるように見えた。

ーまず大事なことだけ伝えておくね、志乃ちゃん、あなたを襲った3人組はまだこの世界では生きている、そして今もあなたをつけねらっているー

ー観萌、愛、彼女を守れるのはあなた達だけよ、あいつらは自分達のホームグラウンドにあなた達を招待しようとしているー

突然に周りの景気が一変した、月面のような荒地に私たちの乗ったハイエースは停まっていた。

ー急いで、奴らは・・・・

そこで私達は夢から覚めた、目の前のフロントウインドウを革ジャンとジーンズを身にまとった筋肉質の男が右ストレートパンチで粉砕した、普通の防弾ガラスじゃない、対戦車砲にさえ耐えられるガラスだ。もちろん観萌はガラス片で血塗れ、というか無数の肉片となっていた。志乃ちゃんも私が咄嗟に抱きかけたまま背中を向けていなければ全身に秒速3000メートルで飛んでくる無数のガラス片で全身を貫かれていただろう背中に激痛が走るが反撃しようがなかった。同時に両サイドのスライドドアがこじ開けられたかと思うと冴子さんはオールバックの男に足下から引きずり出されて、愛もサラリーマン風の男に右足を高々と持ち上げられて犯され始めていた、みるみる彼女達の下腹部が風船のように膨れ上がり大量の白濁液の混じった血と内臓を撒き散らしながら破裂した。
と同時に彼女達の身体は犯されている体位のまま元の状態に戻り再び膨れ上がり始め、また限界を越えると大量の白濁液の混じった血と内臓を撒き散らしながら破裂した。
そして再びそれを、そんな事を何度も何十回も繰り返されたらどんなに精神が強い人間でも狂ってしまうだろう。
観萌も完全に再生する前に何度も筋肉質の男に犯されて下腹部を破裂させられると同時に両腕で抱きしめられて肋骨ごと心臓と肺を破裂させられていた。もう反撃の余地さえ与えられていないと絶望が襲って来る。
「ごめん、結局私は誰も守れなかった」
私は気を失っている志乃ちゃんをそっと助手席に置くと左腕を伸ばして筋肉質の男を運転席のドアごと殴り飛ばした。
オールバックの男の尻の穴に右手をねじ込むと全指先からロケット弾を発射させて体内で爆発させた。
さらに左腕でサラリーマン風の男顔面に渾身の一撃を与えた。
たと考えたのが甘かった、筋肉質の男はいつの間にか戻って来て何度も観萌の腹を膨らませて身体ごと破裂させている。
オールバックの男もなにごともなかったように冴子さんを再び犯し始めていた。
それどころか今度は目の前のサラリーマンに自分の胸に手をねじ込まれて動力源を握り潰されていた。私は全ての論理演算回路に送られる電源と人工筋肉のエネルギー源を失い意識を失ってしまった。

「去ったかな?」
愛の声が聞こえた。
「もう大丈夫みたいよ」
観萌の声。
「相変わらず趣味の悪いゲス野郎達」
「冴子さんの声?何でみんな無事なの?私ひとりだけ空回りして戦っていた?」
「いや、むしろ椎奈がマジモンで戦ってくれたおかげであたしがあいつらに暗示をかけていたのがバレずに済んで助かったよ」
愛は言うがどういう事だろうか?
「ムキムキがフロントウインドウを粉砕するまでが現実であとは愛がここにいる全員にかけた幻想、そういう事でしょう?」
観萌の質問に愛はうなづいた。
「しかし冴子さんも今まで何度もこんな事をリアルでやられてよく平気だったね」
愛の問いに冴子さんは『平気なわけがないでしょ』と答えた。
「志乃がいなかったら私は今ここにはいない」
彼女はそう続けた。
「あいつらの戦力の分析はできた?」
愛が観萌に問いかけた。
「絶望的になる戦力差よ」
観萌はため息まじりに呟いた。
まず彼女は左手の人差し指を立てて言った。
「あの弱そうに見えるサラリーマンでさえ椎奈の人工筋肉の10倍の力がある、ムキムキマンに関してはその3倍以上、いえさらに10倍はあると見るべきはあると見るべき」
そして中指を立てて続けて言う。
「ピストン運動の速度もだけど一回の射精における圧力と精液の量がハンパじゃない、2トン以上の圧力で一回に10リットル以上最大恐らくは30リットルは放出できる」
そしてくすり指を立てて言う。
「肉体の再生能力が私の3倍以上の速さで行われている」
そして小指さえ立てて言った。
「時間操作能力、彼らは時間を好きな時点まで巻き戻せる能力がある、私たちの身体が何度も破裂させられる前に引き戻されるのはそのため」
そして5本目の指、親指を立てた。
「これはあまり考えたくない事実だけど彼らのうちの1人、あるいは最悪全員が私達の能力を封印出來る能力を持っている可能性がある」
そう言ってから観萌は続けて言った。
「誰でもいい、自分達の下着と、その辺りの匂いを確認して、私はあの男の出した精液の匂いを感じているわ、つまり愛の能力は完全に封印されていたのよ」
つまりあの殺人的な性的暴行は現実に行なわれていたと言う事だ。

そして最悪な事に私達は志乃ちゃんを拐われてしまっていた。

「ごめん、志乃ちゃん」
私は謝ることしかできなかった。

その瞬間、私たちの目の前で砕けたフロントウインドウがみるみる戻ってゆく。
私が男ごと吹っ飛ばした運転席のドアが元通りにボディに収まった。も左右共に復元されていく。

「ごめん、わたし、今まであいつらにヤられてあつことかなえ、そして観萌、いえさとみを産み落とした事を悔やんで自分自身を呪っていた」

ハイエースの前に立っていたのは3歳児の志乃ちゃんではなく14才くらいの少女、志乃だった。
そして彼女の向かって左には癖毛でショートカットの花色の肌をした美少女、そしてその隣りには肩まで伸ばした少しグラマスな眼鏡っ娘が立っていた。
「いいえ、わたしは志乃ママが私、あつこを産んでくれた事を恨んだ事なんて一度もないよ」
褐色の美少女が言った。
「そうですねあいつらには恨みしかないですが」
少しグラマスでちょっと大柄ななメガネっ娘がまだ幼い志乃を抱き抱えて言った。
彼女の方がかなえのようだ。

「あいつらは取り逃したけどさとみの的確な分析のおかげで無事に幼いママ、志乃を取り返せた」
恐らくはかなえであろうその娘に言われた観萌はキョトンとした顔をしていた。
「私がさとみ?」
「正確に言うと観萌さんは自身の身体の中にさとみのエネルギー体を吸収した、今こっちの方に向かって来ている亜希と同行している春雨、ハルなんですよ」

「でもあいつらの目的は一体何だったのでしょうか?」
私は疑問を投げかけた。
「ごめん、しばらくはあいつに何度もやられた恐怖から立ち直れそうもないわ、いや永久に再起不能かも」
かなり弱気になった愛がボソリと言った。
「私も同じよ、今まで肉体再生が不可能になる程攻撃され続けた事はないから」
観萌も同様に全身にダメージを受けていた。
「冴子さん、あなたは大丈夫ですか?」
私は冴子さんにも訊いてみた。
「私はもう何度奴らに同じことをくりかえされたかおぼえていないくらいですからね」
彼女もまた全身から力が抜けているように感じていた。

しかしその安らぎもほんの一時に過ぎなかった。

次の瞬間、かなえもあつこも突き飛ばされて地面に押さえつけられていた。

「俺たちが逃げたって、バッカじゃねえのか?」
ムキムキマンの男が言った。
「全員揃うまで待っていたのさ」
リーゼントの男が馬乗りになってかなえの髪の毛を引っ張り上げて言った。
「みんなまとめて始末するためにな、それまでは十分に楽しませてもらうさ」
サラリーマン風の男が敦子の腰を持ち上げながら言った。私がその男の頭部を左手拳で殴ると首から上が引きちぎれて大地の上を転がっていった。
案の定その頭部はすぐに戻ってきて胴体とくっついた。恐るべき再生能力だ。
「ふん、貴様如きロボットが俺たちに勝てると思うなよ!」
奴が言った一言が私の副論理演算回路に怒りの炎をつけた。
「私はロボットなんかじゃない」
そう言ってもう一度奴の頭部を殴り飛ばして引きちぎる、と同時にジャンプしてその頭部を踏み潰すと同時に急接近して来た本体のパンチを避けながら奴の胸に右腕を突っ込み中の心臓を握りつぶした。真っ赤な血が首から大量に吹き出すのを見ながらも私はそのままの状態で腕を急激に加熱させて約1,000,000度の熱で奴の体全体を焼き尽くした。
「私はアンドロイド、椎奈、今からたっぷりとあなた達にロボットとの違いを教えて差し上げます」
私はそう言うとリーゼントの男のけつ穴に自分の左手拳を奥まで捩じ込むとその指先から濃硫酸を流し込んだ。
「ふん、似たような手口が通用すると思うなよ、俺たちの再生能力を知らないわけじゃあるまい」
奴はそう言ったが私はその言葉を無視して言った。
「私はこの少女達にあなたがどんな酷いことをしたか知っています、私の心は今にも張り裂けそうです、しかし少なくとも今のあなた達にそんな人間らしい感情は1ミリも感じられません、さようなら」
そう言って私はさっきと同様に加熱させると奴の体は木っ端微塵に吹っ飛んだ、だが私の拳には奴の心臓が残っている、さっきと同様に1,000,000度の熱を加えながら握りつぶした。
「私の体は機械だけど私のここには人の心がある、それは何故か?あなた方に理解できますか?」
私は言いながらムキムキマンに歩み寄っていた。
「貴様如き機械仕掛けが我ら優等生物に勝てると思うな!」
奴はそう叫びながら私の胸に腕を捻じ込んできた。
「ふん、こうして貴様の動力源を握り潰して仕舞えば貴様も終わりだ、ここにいる連中が全員、俺様に惨殺される場面を見られなくて残念だったな」
ムキムキマンの言う通り私の動力源は潰されかけていた、しかしそれよりも奴の腕の方が切断される方が早かった。
左手の親指から放たれたレーザー光線が奴の腕を切断していた。そして私は奴の胸に腕をねじ込むと心臓を握りつぶしながら左手の拳で奴の頭部を殴ると首から上が引きちぎられるようにして飛んでいった。
「残念だったわね、もうあなたが戻る胴体はない、1,000,000度の熱で炊き尽くしたから」そう言って私はジャンプして奴の頭を踏み潰すと胴体と同様に焼き尽くした。

「もう私に近寄らないで」
闘いを終えた私は100メートルほど飛び退いて彼女達に向かって叫んでいた。
やはりどう言い繕おうが私が大量殺戮マシーンである事に違いがなかった。
「どうしてそんな事をいうの?」
幼い志乃ちゃんが私を見つめて言う。
「今の私に近づけばあなた達は瞬時に燃え尽きて死んでしまう、そんな事になるくらいなら私は孤独を選ぶ」
そう言ったにもかかわらず志乃ちゃんは瞬間移動をして来て私に抱きついて来た。
「やめて、私はあなたを焼き殺したくない!」
そう叫んだ私に唇に彼女は人差し指を立てて当てた。
「ほら、何ともないでしょ椎奈さんは自分自身の身体を自分自身の意思でクールダウンさせたのよ?あなたがアンドロイドだからこそ出来る事でしょ?」
彼女はそう言うとさらに強く私に抱きついて来た。
「やっぱり変ねえ」と冴子さんが言う。
「どこが?どう言う理由で?」
ぐったりした表情で観萌が言った。
「やっぱりあんな機能は私、あの椎奈に与えた覚えはない、それが志乃に関わっているうちにどんどん機能が増して強くなっていく、どういうことかしら?」
冴子さんは首を傾げていうがもちろん私にもそんな理由はわからない。
だけど今日彼女達は奴らに酷い暴力を何度も受けて絶望を味わっていた。
そんな彼女達を見て志乃ちゃんはすごく悲しい表情をしていた。
私はそんな彼女のためなら、彼女の目から悲しい涙が溢れ出す事を防ぐためなら何でも出来る。そんな気がしただけだ。

椎奈4 イカとタコの(以下略
終わり

椎奈5に続く

1番誤字やゴミなどミスが多かった回です。

ご迷惑をおかけいたします。

花奈「ほら、ちゃんと謝りなさい」

倶名尚愛「ずびばぢぇん〜」

亜希「全然誠意がな〜い!」

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下界シリーズです。

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