逃走7

逃走7
2023/06/22校正更新
私は誰?シリーズの以前書いた前哨ストーリーです。

毎回とは限りませんが今作はエログロ描写や官能描写を多大に含みますので20才未満の閲覧はご遠慮してくださいね♪
なお現実と烈しく乖離した描写がめちゃくちゃ多数ありますことをお断りしておきます

続き

「だから今の憲法は攻撃の手段とする兵力はもちろん核兵器なんてもってのほかだって何度言えばわかってもらえるの?」
「ということはイージスアソシアも弾道ミサイルもアウトだよね、ほらやっぱり、あのおじいさん達が言っていたいじましい憲法(けんぽう)じゃん、戦闘機もミサイルも空母も戦艦も潜水艦も憲法違反なんでしょ?」
やはり人の話を全く聞こうともしないあいおねえちゃんがいう、すると秋子お姉さんが大きく頷く。
「早々でも小型なら核爆弾は持っても使っても合憲なんだよね。ただし国内での使用に限るって縛り(しばり)があるんだけど」
だめだ、この二人と会話していると異常なのは自分の方じゃないかって思えてくる。
二人とも女子高生ではあるが立派な国会議員、しかも衆議院議員である。
参議院のタレント議員なんかのように多少頭の中がアレでも知識や知能がソレでも当選してしまうような甘い世界ではない。
なのに当選してしまった。
しかも比例区ではなく小選挙区の単独候補としてだ。
やはりこの日本は狂っている。
まあ少し前までは最低満25歳、資金が300万円程必要だったのだがうちのボス(総理大臣)が当時中学生だった倶名尚愛に挑発された勢いとかなりの割合を占める下心(ゲス心ともいう)で憲法の拡大解釈と若者の支持を得たいという願望で被選挙権に関する年齢を15歳まで引き下げてしまった。
もちろん野党は大反対すると思われたが意外にどこの政党も反対の意向を示さず、思いの外全員一致で可決されてしまった。
残るお金に関しては「絶対忠誠とわが党の広告塔となること」を条件にポーンと一人二億五千万円配って立候補させた経緯がある。
こうなればさすが金権党と言われるわが党は絶対的な強さを誇る。さすがですね、いやそれともお馬鹿な国民に感謝すべきか。
「リナちゃん、国民ディスっていないで話の続き・・・」
おっと忘れていました。
核兵器も小型なら合憲とか憲法は自国を守るための最低限の武装すら認めていない、つまり時代にそぐわない時代遅れの異物だというあのサル顔の前総理やミイラ顔の現総理の話でしたっけ。
「っていうかさあ、今までの話を聞いていたぶんにはリナちゃんって愛理ママの若い頃とか愛理ママのお母さんの若い頃のうちの党の活動に結構関わっていた筈なのにいつも突き放したような言い方するよね」
と倶名尚愛、ことあいおねえちゃんは不思議そうに言う。
いやだから人の話聞いてます?
議員になった頃には私が愛理ママの中に占める人格の割合はすごく小さいから、あの人の時の議員最低年齢が25歳以上だということから察してください、ただの人よ、ただの人!
「それでも愛理さん所属の党はもちろんのこと、うちの党の裏事情とか結構知っているんでしょ?」
山崎秋子、こと秋子お姉さんが聞いてきた。
まあさっきの洗脳とかもその一つだけど私はこの党のかなりやばい部分から結構どうでも良い、つまんない噂話(うわさばなし)まで割とよく知っている方だと自負している。
なんせ第二次世界大戦後この党の基礎が結党されてから70年以上は関わっていたことになる。(まああの織田信長の生まれ変わりとさえ噂されている崖信介の思想がベースの党ですから)
「まあはっきり言わせてもらうとうちの党は最初からこれほど酷い(ひどい)集まりじゃなかったんだけどね」
私は自動車のシステム電源を入れるスイッチを押してしばらくして発電用エンジンが暖機運転を始めたかすかな振動を感じ取っていた。
すぐに暖房が入り暖かい風が足元から冷えた体を温めてくれる。
これも凛が改造してくれた恩恵だ。
メカに関してはカメラや電子機器のみならずあらゆる方向に精通しているようだ。

「どーゆうこと?」
あいおねえちゃんはきいて来た、しかしどうもこうもないただ単に今ほどは酷くはなかったというだけの話だ。
「そうだなぁ、金権体質は今も昔のそんなに対して変わらないですよ、ただいまと違ってみんないくつも派閥を作ってバラバラに動いていたからそれぞれの金の動きは小さかったかな?」
そうそれでみんな牽制し合っていたからどこか一つの派閥が暴走して悪法や愚策(ぐさく)がまかり通るなんてこともなかった。
「ところがある時期を境にある団体が党本部に介入をし始めたというわけだな」
凛が口を挟んできた。
彼女も高校生くらいの年齢だがどうやら学校には行かず写真週刊誌のカメラマン兼記事を書いているらしい。
「あの国の名前にわざわざ『会議』とかいう大仰しい名前つけている団体とか本来は神社や〇〇〇〇教会とは全然関係ないはずなのに〇〇教会を名乗ってバカ高い壺を売りつけたり洗脳した信者同士を強制的に結婚させて合同結婚式を行っている宗教を取り仕切っている団体のはずなのに何故かやたらと政治、特に改憲問題に口を出してくるあそこたちですな」
なんか回りくどく、あいおねえちゃんが指摘してきた、お姉さま、そこは、まあいいか。
「その辺りを境に歴史修正派が幅を利かすようになってきてね、『ニッポンわるくない、悪いのはアメリカやヨーロッパ、ニッポンはアジアを守るために戦った、ニッポン(現地の人たちに)感謝されている、あいつらその恩を忘れて反日教育している、許せん』みたいにね、もう既定事実でさえ否定を始めちゃったわけよ」
「え?それって本当のことじゃん?なんで自虐歴史受け入れなきゃいけないの?」
案の定あいおねえちゃんは噛み(かみ)j 付いてきた。
うんわかってはいたけどね。
「まあその頃から憲法改正、改正というのもおこがましい代物だったわけだけどね、それを推し進めようとしていた勢力はあるにはあったんだけど幸いなことにこの頃は穏健派も結構いて憲法を変えることに強い抵抗を示していたことから国会にまで行くことはまず考えられなかったんだ」
そう、あの男がこの党を牛耳るまでは、あの男がこの党の中に存在していた絶妙なバランスをぶち壊してしまった。
「あー、変人を自称してビジュアルバンドを応援していたおいずみとかいう爺さんだな」
「凛ちゃん芸能界専門じゃなかったのかよ」
確信したように正解を出してくる凛にあいおねえちゃんはツッコミを入れた。
「郵政民営化とか、そうそう派遣法の改正とかもですよね、うちの親はあれで収入がガクッと減ったと言ってました」
秋子お姉さんが相槌を打つ。
なんだそこまでわかっていてなんで野党でなく湯党と呼ばれているほぼ保守党から立候補した?
「え?それ聞く?だって悪夢のなんて言われていたのを聞かされていたらねえ」
はいはい、あなたはあのサル顔爺さんの嘘と大阪のヤクザに騙(だま)されたわけですね。
私がそう指摘してやると秋子お姉さんは慌てて否定した。
「違うの違うの、あのバイクチューンショップみたいな苗字のイケメン、あの人に耳元で囁かれた途端」
はいはい、敢えてその苗字はききませんが要は顔に騙されたわけですね。
「それで、今はそのお方の事実上の付き人だとか、椅子を引いてやったりする侍女的な役割をさせられているんじゃないだろうな」
少し機嫌悪そうに凛は言ってそっぽを向いた。凛は秋子お姉さんに少なからず気があるのかも知れないな。
「それが最初のうちは数回それをやらされていたんだけど、そのうちにお声がかからなくなって・・・」

秋子お姉さんそれってまさかボディタッチしちゃったんじゃないでしょうね?
「まあちょっと太ももに触っただけだなんだけど急に抱きついてきたかと思ったら急にズボンのチャックを下ろし始めちゃって」
「アウトでしょ、それ、よく捕まらなかったね、その人」
あいおねえちゃんが思いっきり眉をひそめて言った。
意外に思われることが多いらしいが実はものすごい潔癖症なんです。
「まあ下ろしきる前に正気に返ったらしくてしばらく落ち込んでいる様子でしたけどね」
秋子お姉さんは騒ぐほどのことはなかったよと言いたげに少々困ったような笑みを浮かべつつ言う。
「ならいいけど、今度会ったらとっちめてくれる」
「まあそれはそれとして思いっきり話が逸れているから」
私はそう釘を刺してから話を続けた。
「いちばんの問題は臆面も無く堂々と改憲を主張するばかりか『先制攻撃は防衛上重要』だとか『人権よりももっと大きな大事なものを守れ』とか挙げ句の果てには『日本も弾道ミサイルが必要』などと言い出す阿呆がいることなんだけど、ってコラ!ちゃんと人の話を聞け!」
私は話しているうちにだんだんイライラしてきた。
あいお姉ちゃんは手鏡でまつ毛をいじりながら聞いているし!秋子お姉さんは爪にマニキュアを塗りながら聞いている!
しかも金色って一体なんなんですか!
まあ凛は多少は真面目に・・・
「鼻くそほじくるなぁ!」
「悪い悪い、話があまり堅苦しくてつい」
堅苦しいとはなんだ!
お姉さんたちの将来、未来が地獄になるかもって話だよ。
「それよりも問題なんはそれとおんなじことと同意し、絶賛する人気タレントやテレビ解説者が増えてきたってことだろ」
なんや凛はわかっているじゃないか。
二人のバカウヨJK衆議院議員どもとは流石に違う。
「へ、そうなん、あたしはつたの元怪人も千田コント作家も好きだけどなぁ」
あいおねえさま、二人は元怪人でもコント作家でもないですが、どこ情報ですか?仮に百田返信ものヒーローと小説作家を捕まえて。
「いやエゴイズムしてよかと宣言だっけ?あの漫画ただって結構面白いですけど、あと『大阪にはセルライトが眠っていて、将来肥満爆発をがさくしている」している発言をした人、なんて名前でしたっけ?そう『杉田流派及ばさる子』、あの人もなかなか美人ですよね、どっかの宇宙人みたいで」
秋子お姉さん、ボケをかますことをどこで覚えましたか?
ことごとくお姉様たちは悪い意味で裏切るという言葉を知らない。全然違うし、しかも失礼だろ、ダダ星人とか。
「えー?あたしたちそんなこと言っていないもん、リナちゃんったら数百年生きているからって失礼だゾォ!」
なんか意地が悪いなぁ、今日のあいおねえちゃんは。
それにダダ星人だなんて一言も言っていないし、思ってもいないし。
「思っていました、しかもしっかり!」
秋子お姉さんがしっかり指摘して来た。
やはりダダ漏れだったようだ。
考えていたイメージがダダ星人なだけに・・・

「くだらないダジャレはいらないんだけど、それよりもなんでなんとか会議の連中は戦前の思想と政治に引き戻そうとしているんだ?連中にそのメリットはあるのか?」
私に問いかけるというよりは自分自身に自問するように凛は言った。
「どうなんだろうなぁ、『日本が中国や朝鮮をヨーロッパや北米などに横取りされないように侵略してました』ってことにした方がダークでカッコいいじゃん、って冗談で先輩議員に言ったことがあるんだけどさ」
あいおねえさま、いくらなんでも冗談が過ぎます。
ただでさえ彼らはアジアを植民地から解放するための戦いだって言い張っているんだから喧嘩を売っているのに等しいです。
「でもそんなのは侵略を正当化するための口実ですよね?」
秋子姉さんがストレートに突っ込む、おやアジア進行を侵略と認める気になったのか?
「そうじゃない、そうじゃないけど海外から見た目にはそういうことになっているんでしょ?」
秋子お姉さんは確認のつもりだろうか?
一応日本の保守派、いや右翼の言っている言い分が海外では通用しないという認識はあるようだ。
「まあ間違っているのは(ピーー)どもだけどね!」
あいおねえさま、相変わらずど勘違い、そんな日本語ありません。それに残念ですが間違っているのはあなたが崇拝していらっしゃるなんとか会議でございます。
「だけどな、面白いことに連中は自分たちの主張がハナから間違っているということに気がついているみてーなんだ」
凛が口を挟む、私はもちろんのことあいおねえさまも秋子姉さんも一様に驚いた顔で凛を見つめる。
というより睨み(にらみ)つけた、といったほうが正しいか?
「俺おかしなこと言ったか?」
平然と何事もなさげに、というのも変か?
ごく当たり前のことを言っただけだろ?と言いたげな表情をしている。
「まず誰もが聞いたことのある『神の国』だの『みんな神の子』ってやつだけどブッチャケそんなの信じているやつは一部のお年寄りくらいのもんだよ」
そりゃあそうだよな、そんなこと言うのはあの女性蔑視をしたセクハラJOCくらいのものでしょうよ、ってか誰に聞いたの?
それ確かなのか?若い連中も結構マジな顔をして言っていますよ?
そんなような疑問を凛にぶつけてみた。
わたし自身かなり動揺していて自分でも何いっているのかわからなくなっていたような状態だからだ。
「俺ってさ、主に芸能人のスキャンダルとか中心に追っかけているやん、妻子持ちのイケメン俳優と某アイドル少女の不倫とかさ」
「ありますね、でもそれって神の国、みんな神の子説と何か関係あります?」
秋子姉さんが口を挟む。
確かに1ミリもかぶっていない気もする。
「ところが裏を取っているうちに実は不倫でもなんでないことがわかってくる」
「はぁ?妻子持ちの男とホテルで密会したら不倫そのものでしょうが」
怪訝そうにあいおねえさま、そりゃそうでしょうよ。
「まあ確かに公にできない関係だわな、だが二人の関係が腹違いの兄妹だったり、表向きは義理の親娘だったりしたら?」
「まさにこれぞ本当のドメスティックな彼女!あかんでしょ!近親相関でしょ?」

思わず脳内かな漢字変換を誤るほど私は動揺していた。
「ってまさか凛、あんた先代のJOC会長と後継のJOC会長が本当に親娘だなんて言い出す気じゃないでしょうね?」
あいおねえさまが流石に堪えきれなくなったのか吹き出し笑いをしながら言った。
「ああ、そっちはまだ調べてはいないがそっちもその可能性は大だな」
依然真面目に話す凛にもう笑いが止まらなくなったのかあいおねえさまはダッシュボードをドンドン叩いて興奮している。
「凛、それ面白すぎ、まさかと思うけどその神様とやらがすべての国民と不倫しているわけ?エッチしてんの⁈すごい精力だね!もう秋子も真っ青なくらい、種馬ならぬタネ神?」
(そうなのだ、この時の私は〇〇信長とか崖信介みたいな奴がいるとはおもいもしなかった。)
「あたしをダシにしないで下さい、それよりDNA検査でもしたんですか?」
おや、秋子姉さんはあくまでも真面目ですね、そしてその問いに対する答えは?
「いや、誰もしないよ?そんな事実はどこにもないからね?」
「ふざけているの!凛!」
私は思わず大声を出して怒鳴ってしまった。
「ふざけてなんかいないよ秋子、住民票も本籍も全くの他人ということになっている、あるデーターバンクを除いてね」
やはり凛は真面目に返して来た。
一体どういうことだ、訳がわからない。
「あんたらはあれを個人情報を一括管理するだけの代物だと思ってやしないか?」
凛は続けた、しかしあれって一体なんなのだ?とはいえ個人情報を一括管理するようなものと言ったら確かにあれしか思いつかないのだが他に目的があるとでもいうのか?
「でもあれは住民基本台帳カードが元になっていると聞いたけど」
と秋子姉さん、確かに私もそれは聞いた。
個人情報を集結させたものだと、そして個人が持っている資産、つまり通帳や株、固定資産などを収録しているって聞いている。
しかも個人が所有している通帳を全て紐付けしたり少額から最終学歴までの成績や出席状況、犯罪履歴や病院などの通院履歴なども紐付けしようとしているから人権蹂躙だのプライバシー侵害だのと野党やパヨクから猛烈に反対されているって聞いた。
「まともな愛国者なら反対しっこない、反対しているのは在日か反日勢力だけだって言われているね」
あいおねえさまが笑いながら解説を加えてくれた。なんか違うような気がするけどありがとうね、あいおねえちゃん。
「ところがそれも少し違って、というかそれに加えてとんでもないものが紐付けされていたんだ」
凛はあくまでも真面目な表情を崩さずにいう。
そのとんでもないものとは一体なんなのだ?
「DNAの、ゲノム、そしてすべての臓器、筋肉、骨などのRNA情報が紐付けられているらしい」
はあ?またしても三人とも揃って凛を睨みつけてしまった。

「俺も詳しいことはよくわからないんだけど例えば倶名尚愛という人間が派兵された戦場でナパーム弾に焼き尽くされて死体を回収できない状態になったとしてもマイナ〇〇ーカード情報をもとに肉体だけは復元が可能だということらしい」
「な、なんだってー!」
三人とも思わず叫んでしまった。
それってまさかクローンとして再生産が可能だと言いたいのか?
「まあ物質的には同一ではあるけど記憶および精神までは再現はできないだろうからよく似た別人、いや同一個体の別人というべきかな?」
「ははは、リンったら冗談はよしこさんだよ、それってまさか梅井よしこさんから聞き出したマル秘情報だなんて言い出す気じゃないでしょうね?」
「そのまさかだよ」
そう言った途端凛はものすごく落ち込んだ表情になった。
「どうやって?」
秋子姉様がきく。
さらに凛が落ち込んだ表情になる。
「すごい不本意だが・・・ベッドで」
「はぁ女どおしだよ?あいつら_LGBTは全力否定じゃなかったのかよ?それともあのばあさん、あんたか女と知っていて抱かれたわけか?」
大笑いしながらあいおねえちゃん、それを聞いてさらに落ち込む凛。
「いや、そのあんたんとこのジェンダー問題で騒がれているほとんどの女性議員と・・・」
寝ちゃったのお?流石に私も信じられない、と同時に吹き出してしまった、もうだめ、限界、なので。
「ちゅぢゅく!」
言ってしまった。

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お代は読んでからの(以下略

女子高校生国会議員と合法ロリみならい刑事のエロエロドタバタSFです。

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