私は誰?5

私は誰5

本回は暴力的な性行為描写を含みます。

正直、私は自分が誰で何者かさえわかっちゃいない。
ただわかっているのは私の目の前で若くて可愛い少女が拳銃で背中から撃ち抜かれて盛大に胸から真っ赤な血を吹き出しながら倒れるのをただ呆然と見守るところから始まっているということ、ただそれだけだ。
そんな彼女の元に駆けつけて両腕で抱き上げ悲しみむ父親らしき中年男性の両肩を犯人の凶弾が撃ち抜いた。
もうその男の命は風前の灯かと思った瞬間、私の気配に気がついた犯人は照準をこちらに向けて発砲してきた。
しゃがんで弾を避けると同時に右手で小石を拾い、そのままその手で投げてやつの右目に命中させた。
続いて私はそれよりも大きめの石を右手で拾い左手にトスすると全力で投げた。
直後に犯人が撃った弾丸が私の右肩を撃ち抜き次の弾丸で絶体絶命かと思った瞬間、犯人は額から盛大に血を吹き出して仰向けになって倒れていた。
犯人の撃った弾は私のはるか頭上を通過して数秒たらずのふたりの戦闘は終結した。
今から半年前の出来事だ。
犯人と少女は共に即死、両肩を大型拳銃で射抜かれた中年男性の身元はこの町の警察署に勤める風間刑事と判明、胸を射抜かれた少女は彼の一人娘、風間志乃さんであることが判った。
ーそして二人と私を撃った犯人の身元は?当初は全くわからなかった、警察庁本庁のデータバンクはおろか、ありとあらゆる犯罪者ファイルなどとの照会が行われたが該当する、いや該当しそうな人物さえ見つからなかったらしい。
しかしそれがごく最近になって突然に見つかった。
しかも灯台下暗しで自分ところの逮捕者リストにあったというお粗末さ。
しかもそれは二十年以上も前から存在して銀行強盗と商業施設での爆破予告犯だという。
しかしあれほどの人数をかき集めて探し回ったのに見つからず、最近になって『ポーン』と出てくるなんて本当におかしな話である。

そして一番謎だったのが私自身、それ以前の記憶がない上に目撃者も街の中じゅうに設置された防犯カメラにもそれらしき人物が映っていなかった。
聞き取り調査とかして心当たりのある人がいないかも調べてくれたらしいが今だにわからないという。
なので私は今暫定的に葉類知恵警部の養子の葉類亜希としてこの署で働いているのだけど資格もないのにこんなことをしていて良いのだろうか?
「電子書類や個人情報はすべて改ざんしたから安心しろ!」と警部は胸を張っていうがもしかしたら今時の警察って犯罪者の集まりかもしれない。
「それは政治関係も全く同じだから大丈夫!」と愛は胸を張って言って親指を立てた左手拳を突き出し、大声で笑ったけど何がどう大丈夫なのかわけがわからなかった。

ーーーーーーーーーー

ちなみに私と愛が言葉を交わすことなく意思の疎通をはかれるのはリナを通じて思念の共有をしているかららしい。
テレパシーによる意識の共有みたいなものらしいけど私に詳しく説明しろと言われてもそれは無理な話。
なんでそんなことをするのかとリナに聞いてみたが返事はなかった。
ただリナはここにいる全員の司令塔であり、私はといえば軍事レーダーのようなものらしい。
なぜに?と言われてもわからない。
レーダーとレーザーの違いもわからないくらいだから。
多分どちらかがお笑いタレントでもう片方が幽霊の存在を察知する機械?程度の違いくらいの認識しかない。
私たちはこの街で一番大きな民間病院の4階にある二人部屋の病室に陣取っていた。
私と愛、そして背中のリナは部屋の中央、ベッドとベッドの間に立って見えない敵を警戒していた。
秋子と凛は部屋の入り口付近で廊下からの侵入者を警戒していた。風間刑事と葉類警部は窓側の両端に立って窓の外を監視していた。
「まあ、わかりきった事なんだけど亜希さえいなければ事は万事順調に彼らの思惑通りに行ったはずなんです」
とリナ。
まあ私がいなければ風間先輩はあの時点で頭か胸を撃ち抜かれて即死していただろう。
犯人だって私に命を奪われずに済んだ筈。
犯行現場には他に目撃者がいなかったことからわざわざ犯人が特定資料を隠蔽する工作をする必要さえなかったわけで。
「そして犯人の遺体をその場に残したことも計算外ですね、私たち4人を拉致した集団があの事件後白骨化したのに対してその誘拐犯は人間のまま息を引き取ったと葉類警部から聞きました」
「リナさんそれは違う、息を引き取ったなんて生易しいものじゃなく即死だった」
と葉類警部。
「失礼しましたではほぼ即死ということで」
とリナ。負けていない。
「いいや完全に即死」
と警部が曲げずに主張した。
なんでそんなところで拘り合うんだろうか?
「じゃあ限りなく即死に近い死亡ということで」
となぜか張り合うリナ。
「命中した石が頭蓋骨を砕いて、脳の中に侵入してなんどもなんども頭の中で頭蓋骨内で跳ね返って、脳髄全体をグシャグシャに破壊した、だから即死以外に有り得んだろう」
と警部。流石にリナが反論できないと見ると全身でガッツポーズを決めていた。
あなたたちは何を張り合っているんですか?
この病室の窓の外すぐは4車線の広い通り、しかも道を挟んで向かい側には4階建て以上の大きな建物はなく、狙撃される可能性は低かった。
「角刈りで三白眼のおじさんが大型ヘリの中央乗降口扉を全開にしてM16ライフルであたしたちを狙っていないかどうかちゃんと見張っていたくださいよ」
と愛。
どんなシチュエーションかどうか知らないけどそんな奴に襲撃を食らったら幾ら何でも皆殺しだろう。
何を考えてるのか?と問い詰めたいところだけどそれくらいの最悪な状況は想定内に組み込んでおかないといけないらしい。
「俺はここ十年ばかり実体験で銃を撃ったことがないからな」と風間先輩。
「いやあたいはうちの署じゃただの一度も、風間は勿論のこと他の誰も銃の特訓とかしているって話聞かないよな?」
と警部。
「いや、そんなことするわけないじゃないですか、訓練用の模擬弾だって値段、バカにならないですよ、ちょっと撃ちに行っただけで経理に睨まれる」
と先輩。
「そうだな、あたいなんかも病院患者への注射なら金になるからいくらでも打ち放題なんだが、拳銃となるとM60とかSAKURAさえ撃ったことがない有様なんだよ」
と警部
「確かにそう、院長なら患者への注射なら打てば打つほど儲かるかもだけど、拳銃の弾丸は撃てば撃つ程赤字になるからできれば撃ちたくないよな」
と先輩。
あの、先輩たち、本気で私を守ってくれる気ありますか?
「ないね!」
と2人同時に。
「だいたい何でマグナム44よりも破壊力のある鉄球や石を投げられる奴を、あたいたちが命を張って守らなけれがならないんだろうな、不条理すぎるよ」
と警部。
「あー、俺も出来たらダーティハリーみたいにマグナムをバンバンぶっ放したいよな、でも反動で親指と人差し指の股が裂けて吹っ飛ぶって怖い話聞くし、無反動の奴出ないかね?」
と先輩。
多分そんなことを言う人達ならそれが開発されても標的に当たらないと思います。
日本警察の、いや愛知だけかもしれないけど警察の腐敗と劣化これに極まりですね。
あなたたちが実際に現場で撃ちまくれば大勢の市民が流れ弾に当たり命を落とすでしょうね。
「それ逆によくねえか、全部犯人が撃った弾丸の流れ弾に当たったことにして、緊急手術でぼろ儲けできるぜ」
と警部、いや院長か。
あなたたちは一体何をお考えなのでしょうか?
悪の組織の一味でしょうか?
それに比べたら東京から来た四人組は・・・
「私が今晩彼女を守り切ったら今夜のパートナーはあたしだからね、聖水を吹きまくるようにイカせまくるんだから」
と秋子・・・・・
あのぉ・・・
「いや、彼女はもう俺のものに決まっているよ、彼女のクリとリスがピンクに染まって熱いジュースをたくさん吹き出すまで愛撫しまくるんだから」
と凛。・・・
はぁ・・・
私の不安はだんだん絶頂に達して思わず愛を見てしまう。
すると彼女はやはり、というか当たり前のように親指だけを立てた左手の拳を私の胸に突き当てて言った。
「大丈夫!私と亜希の夜は必ず守る!」
もう意味不明だ、なんで意識を共有する意味があるのだろうか?
これではただプライバシーがダダ漏れになっている状態にすぎないではないのか?
私は意識的にリナに問いかけた。
すると返ってきた答えは「その方が面白いじゃない」という呆れたものだった。
「それで何が聞きたいの?」
唐突に愛がたずねて来た。
いやそんなつもりはなかった。
けれど彼女はもしかしたら私とエッチをしている最中に私の記憶から抜け落ちているカケラを受け取っているような気がなんとなくしてきただけのことなんだ。
「それか」と彼女は呟いて右腕をブンブン振り回した。
「まああんたには色々されちゃったけど、大怪我もして治してくれたし、そのお礼はちゃんと伝えなくっちゃね」
本心からではないかもしれなかったけど少し嬉しかったりした。
「それとあたしたち政治組を巻き込んでしまったなんて考えているのかもしれないけどそれは大きな間違いだからね、君達警察を巻き込んでしまったのはむしろあたしたち政治家の方」
そういうと愛は向かい合わせに近づいてきて私のおでこに自分のおでこをぴったりと当てた。
『私たちは愛理さん、いいえ、愛莉もどきに車に乗り込まれた時、そしてリナが紅い左ハンドル仕様のLF–Aの助手席に拘束されてから身動き一つ取れなくなってしまった。理由は簡単、それぞれの車内の時間をコントロールされてしまったから。』
少し意味がわからなかった、時間をコントロールって一体?
『あたしたちにとっては拉致されてから君に救出されるまで1時間もすぎてはいなかった、だけどあいつらにとっては数日は過ぎていたんじゃないのか?というのがうちのリナの見解みたい』
みたい、というのは思いっきり不安要素なんだけど要するにあの幼女様の理論を愛自身も理解できていない。
ということでFAなんだろうか?
まあ私よりもバカそうだし。
『あたしたちの仲間の中でただ1人時間をコントロール出来る能力を持つリナが観ていたところ、彼女の能力を持ってしても、あたし達にとっての1時間に圧縮された奴らの数日をリナが感じ取れる2-3時間にまでに引き延ばすのが精一杯だったらしい』
それはリナという幼女がその時の現場にいた彼らを、すごい早送りの画像で彼らを見続けることが可能だったということかな?いや観続けさせられていたが正しいのか?
わたしたちの能力からすれば奴らの動き自体が早すぎて姿を見ることさえ叶わないという。
『まあそれであってはいると思う、それによると奴らは人目のつかないところに車を止めて何度も何度も出入りをしていたという、そしてその間に同一人物と途中交代したLFーAの運転手は目に見えて歳を取っていたと』
それでは二台の車に乗っていたあの人たちが白骨化したのはなぜ?私が強引に異空間から引き戻したからとでも?
『心配しないで、その白骨はダミー、忍者モノの映画でいう変わり身の術的なもの、それに対してあなたは三人のうち1人を完全に止めてしまった。死んでしまったらもうそいつは過去に遡れない』
逆にいうなら死ぬ前なら、例えば意識を失ったり、あるいは頭蓋骨陥没とかで重体でも手術とか治療を施されて全快すればまた再び過去に戻れるようになるということか?
『そう、そして主に動いていたのは2人、紅いLF–Aの運転席にいた、前田愛理とあたしのマネージャー、前田新作の偽物と白いレクサスを運転していた前田愛理の偽物、そしてもう1人はほぼ見張り役だったんだけど』
要するにあの時点では私達は3人を取り逃がしてしまったということになるらしい、だとしたら何処に逃げたんだろうか?過去?それも失敗をやり直すために。
『リナによると極めて断片的に連中の思念が読み取れたらしい、その中にこんなのがあってね、それをリナに直接転送してもらうことにするよ』
そういうと愛は私から離れて、右ほっぺにそっと口をつけた。その直後、リナのおでこが私の後頭部に押し付けられたのがわかった。

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ここからは私、葉類亜希が前田リナから受け取ったイメージなので私=前田リナとなります。

秋子が長い議会が終わって国会議事堂を出ようとした時、謎のマスコミ集団に囲まれます。彼らはカメラの代わりに拳銃やナイフを所持していました。

その中で一番なんとかなりそうな老人を倒して逃げ出そうと試みましたが、逆に投げ飛ばされてしまいます。

その場は私と愛が合流してなんとか脱出できましたが。魔改造レクサスでなんとか逃げ通したと思って安心して入ったファミレスの駐車場で待ち伏せをされていて私、リナはLF-Aの助手席に、愛、秋子、楓凛の3人は私の母、前田愛理によく似た女に魔改造レクサスごと奪われて身動きが取れなくされていました。

私がLF–Aの助手席、左ハンドル仕様だから右側の席に座る男の腹上に一緒にシートベルトでくくりつけられていた。
それを確認すると新作パパによく似た男は車をひと気のない森の中に移動させて駐車させるとエンジン切った。
そこにはあいおねえちゃんや秋子お姉さんが乗せられていたレクサスが先に駐車していた。
中の三人は眠っているかのように反応がなかった。薬物か何かで眠らされていたのかそれとも別の方法で拘束されているのかは不明だった。
さて、私が助手席で男の膝の上に座らされた状態でシートベルトにより拘束されてしまっている紅色のLF-Aで私はちょっとしたセクハラをされていた。
「おじさん、ちょっとあなた大事なものが私の股間を刺激して痛いのですが」
もしも、もしもだけどこのすけべそうな親父が幼女である私に不埒な行為を働こうとするなら自分のズボンのチャックを降ろすためにあえてシートベルトを外さなければならなくなる。
その時に生じる隙を狙っていたのだがその挑発には乗ってはこなかった。
「なるほど見た目は幼女だが中身は熟女ってやつか、だが俺はお前よりも早く動けるからどのみち逃げられんのだが、そうだな子宮破裂という悲惨な結果が欲しければ何発でもやってやるぞ」
なにかとてもヤバそうなオヤジだ。逆らったら処女喪失程度じゃ済まないだろうし過去にその手の犯罪も犯していそうだ。
命さえ危なくなるかも。
不敵な笑いが背後から聞こえて私の股間に手が伸びた時、運転席側のドアが開いた。
ドアの外に立っていた男は驚いたことに運転席に座っているやつと同じ顔だった。
ただ少し違っていたのは少し年齢を重ねたように見える。
おまけに頭に包帯をぐるぐる巻きにしていたことくらいだろうか。

ーあれ?この人って確か卑怯にもナイフで女子中学生を人質にとって私が投げた硬式野球ボールを額にモロに受けて頭蓋骨陥没で入院した男じゃ?ー
これは私、亜希の感想。

「なるほどね、少し事情はわかったけど問題はこの続き」、こっちはリナ、ややこしい。
その男はドアを開けて運転席の男、偽新作パパと交代すると運転席に座りシートベルトを締めてドアを閉めた。
さっきまで運転席に座っていた男の姿はLF-Aから少し離れるといつの間にか消えていなくなっていた。
「俺の運命は変えられんのか?」
背後から声がした。心なしか震えているようにも感じられる。一体どうしたという事だ。
「ああ、お前をこの先に殺した女はとても残虐なやつだった、まさか石ころであんなことを成し遂げる奴がいようとは」
「だがその事件が起きる前に、その女を殺害して仕舞えば良いではないのか?そうすれば俺は死なずに済む事になる」
と背後の男が怯えた声で運転席の男に質問した。
私の股間に当たっていたかたい逸物がどんどん柔らかくなってゆく感覚が伝わってくる。
背後の男の質問に対して運転席の包帯男は首を横に振った。
「やつの姿は事件前にはどこにもいなかった、市役所を始め、警察署や保健所、ありとあらゆるところを当たってみたがどこにも存在しない娘だった、これから先のお前が風間志乃という小娘を銃殺する直前まで存在しなかったんだよ、事件直前になってあの公園の一角に突然出現した、まるで時間を遡った時の俺たちのようにな」
その事件ならよく覚えている、ただ風間志乃という名前の女性が通り魔の凶弾で胸を撃ち抜かれて即死ということしかニュースにならなかった筈だ。犯人がその後どうなったのかなんて全く報じられていないはず。
「そんなのってありえないだろ俺たちの他にもそんなことを出来る奴がいるのか?」
背後の男が号泣しだした。人1人殺しておいてよくやるよ。
と言いたい。
だがこのとき奴はまだ志乃さんを殺してはいないか。
「ではなぜそのとき俺が殺される前にやつを止めてくれなかった、その時に貴様がやつを銃殺していれば、俺も死なずに済むはずだ」
無茶を言い出すやつだと思ったが半分包帯男の返事はさら意味不明だった。
「悪いがやつを目の前にすると身が竦んで動けなくなる、まるでこちらの存在を察知しているかのように背中で睨みつけてきやがるんだ」
「勝負は1分もかからなかった、俺はその間恐怖で身動きひとつ取れなかったよ」と包帯男。
「ではなぜ真っ先に俺に知らせにこなかった」
私を縛り付けている男が運転席の男を詰問する。
「お前が二重にミスを犯したからだ、お前は事件前、いや今から2、3年前に我々会議の会則を破って12歳の少女に淫行を働いてだろう、これは今のお前にとっても過去形だ、身に覚えがないとは言わさないぞ、そして俺にその証拠隠滅を図るように上層部から指令が降りたのだ、ついさっきまで時間を何度も往復させられて証拠隠滅処理をやらされて、それが終わってやっと戻ってこれたんだ」
そうだね、この男は『キモ』って言いたくなくらいに私に対してとんでも無いことをしてくれようとしていたよね。
「共用トイレの中に誘い込んだ小学生女子を相手に大型拳銃を突きつけて強制性交を迫るなんてまた恥ずかしい真似をしてくれたものだ、しかもご丁寧に現場の床に実弾を落としてくるとは」
これは新聞記事にもならなかった出来事だ、しかもその後真相はうやむやになり犯人は捕まらなかったと聞く。一部の与党国会議員しか知らない事件だ。
「その弾丸はさらに10年前に発生した銀行強盗事件の際に犯人が発砲したものと同一のものであったことが発覚した、それが次に風間志乃を殺害するのに使われた拳銃の弾丸と完全に一致してしまうのだが、面が割れているから我が会議の人間だともバレてしまう」
運転席の男はポケットからスマホを取り出して画像を呼び出して見せた。

ーどこからどう見ても私(葉類亜希)じゃん。ー
と私。

そうだな、今思えば亜希だ
「我が組織にそんなクズは要らないし、迷惑だから任務はそのまま続行してもらうことにしたらしい、せいぜい剛速球いや剛速石に殺されなさいということだ、まあ万が一事件当日前にこいつを見つけ出し、こいつを殺害できればお前が生き残れるかもだがな、ちなみにお前がよだれを垂らしながらこの幼女を抱っこしている間に俺は幾つとしをとったとおもう?」
私の背中の男は返事をしなかった、それは聞くまでもなくただ男の姿を見れば大方想像がつく事なのだけど。
「二十才だ、二十、その間俺はサーバールームに忍び込んだり、その女がいたはずの豪邸を誤って無意味に襲撃して家政婦を惨殺してしまってその証拠隠滅に時間を戻させられたり、そのお前を殺した女によく似た女を殺したら、全くの別人でなぜか目撃者がいてスマホで写真を撮られていて、その数年後に風間刑事に見つかり、なぜか知らんがその女とその刑事が組んでいて額に野球ボールをぶっつけられて頭蓋骨陥没で入院させられたり、電磁振動機で風間刑事の家を破壊して事故死させようとしたり、それでもなぜか助かってしまった奴を自動小銃で惨殺しようとしたり、順序がめちゃくちゃだがとにかく疲れた」
そういうとミイラ男は仮眠を取り始めた。よほど疲れ切っているらしい。

ーなるほど私が逆Vの字に跳ね返ってくる変化球で睾丸を仕留めたあの男は女子中学生を人質にした頭蓋骨陥没男だったわけだ道理でフルフェイスヘルメットをかぶっていた筈だよな、ー
と私は妙に納得した、頭蓋骨陥没から学ぶくらいの学習能力はあるみたい。

そして奴らにとって明けない夜が続いた。
もちろん実際にはその間、車の外は一時間ほども時は流れてはいなかったのだが・・・・
いつの間にか眠りに落ちていて気がつくと突然ヒステリックな女の声で私たち三人は叩き起こされることになった。
『愛理ママ?』そう思えるほど彼女の声はよく似ていたが全く別人のそれだった。
その女はフロントガラスをバンバン叩いて何事か叫んでいた。
運転席の男が助手席側パワーウインドウの窓を下ろす操作をすると私に顔を近づけてくる。
「私たちの隠蔽改ざん工作が破られわ、今すぐに東京に戻って工作をし直さなけりゃいけなくなちゃったじゃない!」
その女は慌てふためいて叫んでいた。
「どこでもいいからテレビをつけてちょうだい!とんでもないニュースをやっているから」
そう言われて運転席の男が操作したカーナビゲーションの画面にはテレビニュースらしき画面が表示されていた。
いかにも防犯カメラ的なやや不鮮明な動画にチャラい男。
そして新作パパによく似た男が少女を背後から右手で押さえつけていた。
そして左手で大口径の大型拳銃を少女の頭に突きつけている様子が映し出されていた。
その隣でグラマスな美女、愛理ママがクスクス笑いながら少女の右太ももにナイフを深く突き刺し血のような赤い液体が流れ出すのを映していた。
苦痛に歪む少女の表情。
そのこちら側にはスーツ姿の男性が背を向けて立っていて2人と身振り手振りで何やら交渉しているかのようにも見える。
一瞬の隙をついたのか少女は新作パパに左肘鉄を食らわして締め上げた手が緩むと一目散に中年男の方に向かって走り出して、新作パパが非情にも少女の背中を左手の拳銃で打ち抜き彼女の胸から大量の赤い血が勢いよく吹き出すところで映像は終了した。
局のアナウンサーらしき女性のバストアップ画面が映り手にした原稿を読み上げ始める。
「半年前に愛知県で発生した風間志乃さん銃殺事件の事件当時の動画が先日遅く、警視庁によって公開されました、事件当初は犯人の男女2人が、我が国における最大保守系政党の衆議院議員、である前田愛理さんとその秘書である前田晋作さんに酷似していた、ことから警視庁としては慎重に極秘捜査をしていた、のですがつい先ほど2人が謎の失踪をしたとの党からの報告を受けて、警視庁はこの事件に2人が大きく関わっていたと判断をして、この映像の公開に踏み切ったということです・・・・・」
「おい、話が違うじゃないか、これはどういうことだよ」と背中の男。
確かに、亜希の存在は?それに新作パパと愛理ママはそのまま逃亡?

ーあ、これうちの警部が流したデマゴーグニュースなんだわー
これが三つ目の葉類警部から聞かされた情報だったけれどさっきはリナの状態が状態だったから言いそびれていた。

やっと納得、最初から連中を釣りための餌だったんですね。とリナ、
レクサスが後輪を思いっきりホイルスピンさせて発信し、私たちのLF-Aもそのレクサスに続いた。

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背中のリナが私から額を離して彼女の回想は終わった。
再び周囲の音が聞こえ始める。
「先輩!すぐ後ろ!」
私が叫んだ時はすでに時遅しだった、風間先輩は両手で腹を押さえてうずくまっていた、ぽんぽん痛いとかじゃなかった。
床に流れる大量の血が風間先輩が腹部を銃で撃ち抜かれていたことを証明していた。
そして警部もまた胸を撃ち抜かれていた。
言っておくが2人とも防弾ジャケットを着用していたはずだ。
想定を越える威力の銃弾で撃ち抜かれたことになる。
「凛と秋子は!」
愛が叫ぶ、もうすでに2人とも床に倒れていた。
秋子はスーツをみるみる脱がされあっという間に全裸に、キュンと張った乳房が激しく揺れ出す、そして両脚を大きく広げられたと思うと彼女の身体が激しく上下左右に揺さぶられ始めていた。
『集中して』
私の右手を握った愛の手から熱い感触が伝わってくる。
秋子の開かれた股間の割れ目から白い濁液が真っ赤な血と一緒に溢れ出している。
「愛!背中!」
私が叫ぶよりも早く重低音がこの部屋を揺さぶっていた。黄金色の弾丸がスローモーションで愛の背中を襲った。
『このままでは愛が危ない』
そう感じた私は思わず左手で小物入れの中から特殊ボールを取り出してその弾丸をめがけて全力で投げた。ボールは弾丸の少し手前で見えない何かにぶつかったかのようにスピードを緩めて後から来た弾丸の先端に触れたかと思うと砕け散って四散した。
本当に偶然としか言いようがなかった。
私の探知能力が奴らの動きに追いついていないようだ。
凛は上を向いたまま何者かに両手を引っ張り上げらられたかのように状態を起こされるとデニムのホットパンツが一瞬で引き摺り下ろされて見えない何かに開かれた股間の割れ目が押し広げられて穴の内面が見えると彼女の全身が激しく揺さぶられた。
「そこ!」

私は叫ぶと同時にもどかしい左手の動きに不満を感じながらも小物入れの特殊ボールをつまみさして秋子の遥か上をめがけて投げつけた。
全力で投げたにも関わらずボールはゆっくりと空間を進んで行き途中で小さく向きを右に変えてみるみるコースを大きく反らせていくと何かに当たったかのように大きく跳ね返ってきた。
ほんの一瞬こちらを振り返る男の姿が見えてすぐに消えたがその表情は驚きに支配されていた。
続いて私は凛の上を目指して投げる。
わけもなく、私の投げた特殊ボールはあろうことか凛の股間をめがけて突進してゆき彼女の少し手前で停止した。
「はぁ、このおっさんもう二度とエッチできないね」
突然出現して凛の上に覆いかぶさるようにして倒れた男を見て愛は呟いた。一つ間違えば愛も私も着ているもの全部ひん剥かれて精液を下腹にたっぷりとぶち込まれた挙句殺されていただろうから笑えないジョークだ。
「悪く思わないでね」
愛は男の頭部に拳銃の弾丸を撃ち込み絶命させた。
どうやらあらかじめ警部から手渡されていたらしい。
愛と風間刑事の間よりも愛よりの位置にその女は倒れていた。
腹部にいくつもの穴が開きおびただしい出血をしている。
しかしこちらも念のために愛が弾丸を頭部に打ち込んで絶命させる。
「バッチリだね」
警部の声がした。まだ息はあったらしい。
「ほとんど敵の姿は見えなかったが智恵のいうとおりの方向とタイミングで撃って正解だったな」と風間先輩。
「いやリナが送ってきた位置情報にこの部屋のレイアウト、そして我々の立ち位置を組み込んで予測演算した結果だ、大したことじゃない、それよりも」
そういうと警部は右手で先輩の頭を『コツン!』と小突くと言った。
「もう夫婦じゃないんだから名前で呼び捨てにするな」
その一言で少し和んだ気がした。
しかしそれはまだ少々早すぎたようだった。
『その姿の記憶は秋子の頭の中にあった、国会議事堂で彼女を襲った老人よ』
『老人とはいえ侮れない、彼は3人を束ねてきたリーダー』
秋子の思念を拾ったリナが伝えてきた。
秋子は上半身を起こしたがこちらを見てはおらず意識も朦朧としているようだ。
股間から大量出血をしている。
仰向けに倒れている凛とて同じ状態だ赤く腫れ上がったひだから白い濁液の混じったピンク色の出血が認められた。
私も愛も指一本動かせる状態じゃなかった。
いわゆる金縛りにあったような状態で近づいてくる老人をただ見ているしかなかった。
老人は右脇に前田愛理もどきの女を左脇に前田新作もどきの男を抱えて立ち去ろうとした。
『待って!あなた達は何者なの?』
私の声にならない声が老人を呼び止めた。
『それはワシらに対する問いかけかな?それとも自分自身に対する問いかけかな?』
老人は振り返ることなく言った。
もちろん私だって自分が何者か知らない。
でも確かにここにいる。
『本当にここにいると言えるのかな?ワシはこの世界の時空を何十回と見続けてきたがお前はこの一年くらい前は存在しない、いわば幻のようなものではないのかな』
そう言われると自分の左腕が透き通ってくるかのように見えた、半年も経つというのに私は自分の過去を取り戻せていない。
そう思った瞬間。
『惑わされないで!』
右手を通じて熱い想いが伝わってきた。

ーあたしは車の中で風間しのさんが銃殺される画像をみたときに思わず『生きて欲しい』と強く念じてしまった、するとそれが彼女自身の願いに、時と場所を超えてシンクロしてあなたを過去の現実世界に生み出してしまったー
愛の思念だろうか?それが私の心を激しく動かした。

老人は振り返るとニヤリと笑った。
『なるほど、ならば我々にとっては脅威ではないですな、やはりあなたは幻想のようなもの、いずれは消えて無くなるでしょう』
不安が私をさらに掻き立てる、左腕どころか両足、胴体まで透けて見えるようになってきた。

『だから惑わされないで』

さらに強く握られた右手に熱い感触が伝わってくる。
そして私は今やらなければいけないことを思い出した。

『おじいさん、ここで私たちを見逃して助けてくれるフリをしているけど私たちを生かして残そうなんて1nmも考えていないでしょ?』と私。
じいさんの笑みが一瞬こわばった、図星なようだ。
『各フロアの消化器付近に一つづつとナースセンターにもどっかから届いたダンボールの山、この病院ごと吹っ飛ばす気かなぁ?』
『も、目的達成能力、まさかそれがきさまのような化け物を生み出したという気か?』
『化け物とは失礼な、私はお父さんを助けるために必要な能力を求めただけよ』

おぼろげながら思い出し始めていた。
私はあの時男に羽交い締めにされながらお父さんが反撃に出られるようなチャンスを伺っていた。
公園の小鳥が一斉に飛び立ち私を締め付ける腕が緩んだ瞬間に私の右手が後ろの男に肘鉄を食らわせ、男を突き放すと私は全力で前に駆け出していた、つもりだった。私の足は思うようには運ばず父親といえば男の拳銃を撃ち落とすこともなく。
ただ私に駆け寄ってきた。その時弾丸は私の背中から侵入して私の胸部を破壊して前に飛び出していった。私は真っ暗になった視界と消えゆく意識の中で願うしかなかった。
『父を守りたいです』と
その時はるかかなたから強く『生きて!』という願いが私の右腕を掴み涅槃から引き上げた。
一瞬眩しいばかりの光に包まれたかと思うと私は見慣れた公園に立っていて私は自分自身が撃たれた現場をみながら自分自身の記憶にリセットをかけた。
つまり記憶を喪失していたわけじゃなくてただ封印していただけのことだった。

腰にぶら下げている小物入れに入っている特殊ボールは後一個のみ、無駄にはできなかった。
『おじいさん、遊びはこれまでよ』
老人めがけて私はそれを全力で投げると特殊ボールはまっすぐに進み当たると思われた直前に老人は姿を消した。
『背後!』、と誰かが叫んだがそんなのはもう計算済みだ。
特殊ボールは老人の後を追うようにして消える。
そして・・・・
私の背中で鈍い音がして何かが倒れる音がした。
そこには大型拳銃で頭部を破壊されたかのように見える老人の死体が転がっていた。
時間の流れが再び取り戻され窓の外から車が走る音などが聞こえてきた。
「まずは爆弾の処理をしなくちゃ」
私は署に電話をかけて爆弾処理班を手配してもらうようにお願いをした。
この老人は私たちを時間の檻に閉じ込めて逃げられないようにして全員爆死させる気だったらしい。
まだ時間的にはかなり余裕があった。
「結局、人工地震と今回の一件がどう関わりあうのか聞き忘れちゃたわぁ」
そう言った愛の表情は全然残念そうじゃなかった。
「お父さんは守れたしもうお別れかしら」とつぶやいた私の唇に熱く柔らかい唇が重ねられてきた。そして私は強く抱きしめられて・・・
『もう離さないっていったでしょ』と彼女の心の声を聞いたような気がした。
が・・・・・
『おーい股が裂けそうで痛いんだがなんとかしてくれ』と凛。
『あたしもぶちこまれすぎで子宮が破裂したみたいに痛いんですけど助けて』と秋子。
『あたいなんか肺に穴開けられてもう大変、死にそうなんですけど』と葉類警部兼院長。
それでよく生きていられるなぁと思うが?
『俺は~俺は~傷口から腸が飛び出して大変なんだが、なんとかしてくれ~』
と風間先輩、じゃなくてお父さん。
「ま、まさか四人とも私に夜の相手をしてくれという気じゃないでしょうね?」
私はビクつきながら聞き返した、抱きついている愛ももちろんおねだり組だ。
『だって亜希とエッチをしたら死んでいる患者でも生き返るって病院中でも評判だぜ』
と葉類警部、いや院長。いやいやそんなことないでしょ!私はなんかのオカルト教祖様ですか!
『いやお前、俺を助けるために帰ってきたんだよな、なら俺と最初にエッチしよう、今まで何度もヤってきたじゃないか』と風間刑事、本当に最低な父親だ。
「その時は知らなかっただけで今はもう無理!近親相姦!」
私は全力で拒否した。しかしなんでお父さんは私が娘の志乃だって知っているんだろうか?
頭の中でリナが両手を合わせて必死になって『ごめんなさい』をしている。
『極秘情報漏らしたのお前かーい!』
私は心の中で叫んだ。

ーーーーーーーーーーーー

終章
結局私は4人プラス2人の相手をさせられて疲れ果てて公園の芝で横たわって空を見上げていた。
白いブラウスに青系チェックのスカート、倶名尚愛だった。『パンティ見えちゃうぞ』って考えていると彼女は私のすぐ隣に横にる。
「東京に帰るの?」と私。
「国会に穴開けるわけにいかないしね、学校もあるし」と愛。
それからしばらく二人とも黙り込んだ。
先に口を開いたのは私の方。
「うちのお父さんもお母さんも私を養子として引き取った時に再婚する気だったんだって」
返事はなかった。だから続けた。
「でも本当の親娘であんなことしちゃうなんて私って、悪い娘よね」
自分でも少し涙声になっているのはわかってはいた、けれど。
「亜希ってさっき二人をヒーリングした時にそんな行為はしなかったよね?なぜ?」
愛が問いかけてきた、そう言われれば私たち3人は私を中心として一つのベッドによこたわり傷口に手を当てたりキスをしたりする程度だった・・・気がする。
「亜希はもう少し自信持ちなよ、あんたはその時は自分が何者かわからなかったけど、だからこそ強く惹かれあったんだとおもうよ」
と言ってから一言付け加えた。
「あたしとあんたのようにね」
それから私と愛は両手を取り合い短いキスを交わして別れた。
また近いうちに必ず会う、と約束し合ったがその時はそれがすぐ先でもありはるか先だったとは二人とも知る由もなかった。

終わり

あとがき

愛「あのさ、あの事件以来ずっとあの日が来ないんだけど」

亜希「体温測っている」

愛「うん、今のとこは変化ないけど、ほら、あんたって人間離れしているじゃない、あんな二股ぺ〇〇の人造精子生成機能とかなくっても女の子を妊娠させちゃうのもわけなさそうだしさ、ちょっと覗いてくれる?」

愛は服を捲り上げて亜希におへそを見せてそれだけで足りないのかスカートを下ろしてパンツも脱ぎだした。

女同士だ、これくらい、たいした問題じゃない。

問題はここが名古屋駅コンコース金時計前だということを除けばだったが。

亜希「ちょ、あんたもしかして『願望実現達成能力』暴走していない?」

あからさまな異常行動にドキマキしているのはむしろ亜希の方だった。

愛「ねぇ、出来ていないんならもう一度ここでやっちゃいましょう?人に恥ずかしい思いをさせておいて焦らさないで」

愛は亜希のスカートとパンツを一緒に引き下ろした。

『落ち着いて、亜希!こんな時こそ時間操作があるじゃないか?』
亜希は自分を落ち着かせて時間をコントロールして二股ぺ〇〇を使ったふたりだけのエッチに没頭した。


愛知県のJR名古屋駅にはとある都市伝説がある。

金時計前で人目も憚らず16時間耐久ユリエッチを敢行した強者カップルがいたという。

ひとりはJK国会議員ともうひとりは刑事みならいという大スキャンダルを逃すマスコミは存在しなかった。

どうやら亜希は時間操作の方向を誤って使ってしまったらしい。

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お代は読んでからの(以下略

女子高校生国会議員と合法ロリみならい刑事のエロエロドタバタSFです。

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