カレンダーガール15 亜希は偽善者

カレンダーガール15 亜希は偽善者

毎回とは限りませんが今作はエログロ描写や官能描写を多大に含みますので20才未満の閲覧はご遠慮してくださいね♪
なお現実と烈しく乖離した描写がめちゃくちゃ多数ありますことをお断りしておきます。

       あなたは誰?

店じまいが済んだ頃にはもう既に午前3時を過ぎていた。
どうもここはファミレスバミッテを名乗ってはいるものの本店とはフライチャイズ契約にしてもメニューが他のバミッテとは大きく異なっていた。
まずはほとんどのバミッテでは24時間経営を基本としているのだけど、ここの店はAM6:00〜AM2:00までとなっている。
「何でここは肉を使ったメニューがないの?」
葉類亜希がさとみに尋ねた。
「私は生肉の扱いが苦手なの、生魚の扱いも苦手、野菜を切ったり、そもそも私はここの店主じゃない」
さとみはそういうと「ニヤリ」と笑った。
他の12人はさとみの用意した地下室の16床あるベッドで眠っていた。
もちろん愛人1号に関しては二重、三重の拘束付きだったけれど。

「あなた達のおめでたさには反吐が出るんですけど」
いきなり失礼なことをさとみは言ってきた。
だが不思議なことにそれを亜希は微笑みながら受け止めている。
むしろハラハラしているのは彼女の胎の中にいるボクたち、由紀と有希の方だ。
「あなたと『G』と『B』は頼まれもしないのに死人の魂を胎の中に収めている、救ってやったという善人気取りかしら?」
亜希は微笑みながら黙っていた。
反論する気はないようにも感じられる。
「現実ではない羊水という名の仮想空間、あの人たちはそこで終わらない夢を続けるのよ、昨日と同じ、一昨日と同じ、そして、明日も、明後日も、明明後日も終わらない夢を見続ける、正直言ってそのまま成仏させた方が良かったんじゃない?」
その時のさとみはミミズメカの中でボクたちをサポーしてくれたさとみとは同一人物とは思えないほどきつい表情をしていた。
「そんないい人ぶって何千万人を救った気でいるかもしれないけどこれから先、ヒトはどんどん死んでゆくんだよ?何億人?何十億人?あんた達の胎の中に収まりきると思っているの?とんだお笑いだわ、滑稽すぎて涙が出ちゃうわよ」
そこまで言われてもなお亜希は微笑んでいた。
「中の16人フルに使ってもせいぜいが数億人が限度、そうなったらもうあんたは戦闘力ゼロ、この地球を彼奴らからどう守る気?既に放射性物質まみれのこの国でさえどうにもならないのに」
それでも亜希は微笑むのをやめなかった。
「彼奴らの最終目的は人類の癌化計画!、狂った人類はいずれは自分達で勝手に殺し合う、モンスター秋子が世界中の核兵器を喰いまくったところで何の解決にもならないわよ?なぜなら第二、第三の秋子が次々と誕生するから、今度こそ奴らは人類を絶滅させる」
そこまで言われて亜希は少し悲しげな表情になった。
「あのミミズメカの考察に大きな間違いがあったんだね」
そう返された途端さとみは急に黙り込んだ。
「あのミミズメカの中には原子炉なんてなかった、ましてやポンポン核エンジンも、すべての原動力はあのひと組みの男女ペアだったと、それでその子達は今どうしている?」
亜希は急に真剣な表情になり逆にさとみを問い詰めた。
「眠らせてある、ほかっておくと地上の人間を大量殺戮し始めそうなカップルが多かったから」
重苦しい空気になり始めていた。
「そっかぁ、あのモンスター秋子を見て気がついちゃったわけだ、もう彼等彼女達は放射性物質なしでは生きていけない体になってしまっていることに」
亜希はベッドから立ち上がるとさとみのベッドに歩み寄り彼女の頭を軽く撫でた。
「それで見ちゃったんだ、数年後の、地球を」
そして亜希はさとみの身体を強く抱きしめた。
「祖母なのに何もしてやれなくてごめんね」
そういうと亜希はさとみの唇に自分の唇を重ねて狼狽えた彼女の身体を押し倒してひとつになっていた。
「亜希ママ、いえ、『G』はどこまで気がついていたの」
喘ぎ声の合間にさとみは亜希、いや『G』に対してだったかもしれない。
問いかけていた。
「まずひとつ、あの12体の先住民達、悪魔と言って良いかどうか微妙なんだけどそいつらが『G』と配合して産み落とした12人のうちの1人、秋子にあの愛人トリオが手を出して、その秋子を暴走させることにやっと成功した、つまりその実験は数年前から実行されていたって気づくよね?」
亜希とさとみは互いの太ももと股間の割れ目を強く押し当てて擦りあい、刺激しあっていた。
亜希の吐息も少々荒くなり始めててはいたがさとみほどではなかった。
「そして冴子ちゃんに対しても同様なことを繰り返していた、だけど実験はことごとく失敗していた」
再び亜希は自分の唇をさとみの唇に強く押しつけると柔らかな舌を彼女の中に押し込んだ。
舌を通して甘い唾液がさとみの口の中に流れ込む。
「実は秋子とほぼ同じ時期に愛も、楓凛も実験対象となり彼女達寄生体のコントロールを受けた少年と性関係を結んでいた、そして最近になってまた少女達の不審死が目立つようになった」
荒々しい息遣いをしながら亜希はさとみの髪を撫でがら言った。
「以前の時は単に同一人物が老化して死んでいた遺体が発見された、でも今度は違う、彼女達は下腹部の特に子宮を破裂させて、そこから有機溶剤のような何かで胎内の組織をほとんど溶かされていた」
亜希はさとみの首筋に熱い息を吹きかけるようにして言った。
「12人から愛、秋子、楓凛、敦子の4人を引くとさとみちゃんを入れて残りは8人、だけどその4人には微妙な違いはあるものの共通点はある」
亜希はさとみの首筋からゆっくり緩徐の胸の谷間にかけて左手の人差し指でなぞるとさとみは首を激しく左右に振って大きな叫び声を出した。
『やっぱり夕べのあれは現実に起こったことだったのね」
亜希はそういうと胸からさらに人差し指を下に這わせて股間の割れ目のそっと潜らせた
「やめてぇー!」
大きな声が地下室全体に響き渡る。
しかし誰も起きる様子もなかった。
亜希はそこで指を止めて自分の唇をさとみの割れ目にそうように平行に当てると舌を忍ばせて穴の中に自分の唾液を大量に流し込んだ。
そして唇をそこから離すと何か呪文のような言葉を呟きながらその割れ目の両側の柔らかな肉の膨らみを撫で続けた。

しばらくその行為を続けただろうか、さとみが疲れ果てて眠りについたのを確認するとベッドから離れてそばにあったウエットティッシュを3、4枚引き抜くと戻ってきてそれで軽く割れ目付近とその中の穴を拭いた。
自分の荷物から天花粉、ベビーパウダーを取り出すとコレでもかと言わんばかりにぽんぽんとつけまくった。
「全く頑張りすぎる孫を持つと気苦労が絶えないわ」
彼女はそう言うと『G』や『B』にもちらりと視線を向けた。
「子供に関しても同じなんだけどね」
ボクはその言葉を聞いた時、つい「あなたは誰ですか?」
と彼女、亜希に向かって問いかけてしまっていた。

    歴史は繰り返し改竄される

「私は私よ、亜希、忘れちゃった?」
彼女はすかさずこう返してきたがさっきまでの彼女他はまるで別人格のようにしか見えなかった。

ボクと有希は今までさとみと亜希の間に交わされた会話を包み隠さず話した。
もちろん彼女がさとみに対して行ったエッチな行為に関してだけは伏せて喋ったつもりだったけど。
「今のくだり、あんた達顔を真っ赤にして喋っていたでしょ?」
速攻で見抜かれていた。
図星だった。
「まあいいけど、私がそこまでしたってことはかなり彼女はヤバい状態だったと思うよ」
亜希はそう言うとさとみと『G』の顔を見比べて続けた。
「私たちは休息するためにこの近くに降りてこのバミッテでパンケーキをたらふく食べた、そして支払いに困り、私達は食器洗いからホールの仕事まで手伝わされた、それ、もちろん違うよね?」
確信はなさげだったが彼女はあきらかに自分の記憶を疑っているように感じた。
「まあ私よりも二世代も後の子だから出来て当然か?」
と言って深いため息をついた。
「どうせ彼女に『オフレコですよ』とか言って口止めされているだろうけど多分あなた達の見ていた出来事は今回起きた事の全てじゃないから、あなた達が見ていたのは最後の方のかなり逆転したのみだね」
亜希は自分のバッグからB5サイズくらいのメモ帳と鉛筆を問い出すと何やら書き込み出した。
「私は『B』さんとか楓凛みたいに図に書いた説明は上手くないからがまんしてね」
そうして書いた図は以下の通りだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

着地した
  ↓
2005年
  ↓
バミッテに入店
  ↓
1号暴れ出す
  ↓
さとみ強姦される
  ↓
破裂して死亡に見えた
  ↓
生き返る
  ↓
現代に戻る

ーーーーーーーー

「まあこんな感じかな?」
亜希はそう言うと別のメモ帳ページにも書き出した。

ーーーーーーーーーーー

     ⓪① ②③④⑤ーーーーーーーーーーn回目
        着地したーーーーーーーーー着地した
         ↓
        現時間ーーーーーーーーーー2005年
         ↓
       バミッテに入店ーーーーーーバミッテに入店
         ↓
       1号暴れ出すーーーーーーーー1号暴れ出す
         ↓
       全員強姦されるーーーーーーさとみ強姦される
         ↓
モンスター爆誕←全員破裂して死亡ーーーーー破裂して死死亡
 ↓ ↓
世界中で   あらかじめ仕込んでーーーーーー生き返る
暴れ回り   おいたタイマーが起動
人類滅亡     ↓
  タイマーで①②③④⑤ーーーーn回目に飛ぶ

ーーーーーーーーーー

「まあ私の中の始祖がそこまでしたってことはさとみはタイマーを使ってもなお命を落とす寸前まで身体と能力を駆使したってことだし・・・」
亜希はそこでしゃべるのをやめてしばらく考え込んだ。
「もしかして悪魔もどきと天使もどきが結託したのかも?」
ボクもそこは嫌な予感を感じていた。
夕べの『B』さんと食器を洗っている間に出てきた話題だったけれどその二大勢力が手を結んだら人類の生き残る確率はほぼゼロに近いかもしれない。

さとみの能力は『G』の娘達の中でも突出して時間操作が得意だったと聞いた事がある、それがことごとく先回りされたとなると・・・」
普段はのんびりしているようにしか見えない彼女の表情が焦りで覆い隠されていた。
「ここにモンスター化する対象はさとみと楓凛と冴子しかいないはず、そうなると一番先に刺され破裂させらたのはさとみ、そして次に楓凛、この予想、当たっている?」
亜希は胎の中のボクたちに直接問いかけてきた。
もちろんその予想はドンピシャだった。
冴子ちゃんは凶暴化したとしても大した実害はないかもしれない。
楓凛さんはその腕力、瞬発力はちょっとしたアクション映画のヒーローくらいに脅威かもしれない。
問題はさとみだ。
彼女の能力が卓越した時間操作能力だと言うことを考えると彼女が暴走してモンスター化した場合、ありとあらゆるタイムパラドックスが次々と発生しまくって第二次世界大戦でICBMが飛び交ったり、数十年は来るはずがなかった巨大小惑星が地球に今すぐ、もしくは過去に衝突していたりするかもしれない。
もしも時間の巻き戻しがさとみ自身が危機管理のために自身に課したものではなく愛人1号改がさとみのモンスター化を隠蔽するためのものだったとしたら?
ボクたちの背筋に冷たい汗がつたった。

      逆トレース

気がつくとボクと有希がいる羊水の中にそいつはいた。
僕たちが知っているさとみともバミッテでパンケーキを焼いてくれたさとみとも違う、恐ろしい形相のその女は何やら巨大な魚雷に似た何かの上に乗っていた。
『ヤバい!』
宿主の亜希が叫んだ時は既に時遅しだった。
ボクと有希は宇宙空間を漂っていた。
亜希が最後の力を振り絞って月の周回軌道に乗せてくれたのか日本はおろか地球自体が火の塊になっていた。
どうやら亜希はもちろんのこと風間刑事、リナ、楓凛、『A』〜『L』、誰に対する呼びかけにも返事はなかった。
幸いなことにボクたちは宇宙空間でも呼吸ができるようだった。
一体何が起こったのか自分でもわからない。
本来ならこの時代にあるはずのない最終兵器を遥か先の未来から持ち込んだのかもしれない。
しかしこんなことをして何の意味があるのだろうか?
「由紀!後ろ!」
叫んだ有希の声で振り返るとさっきの恐ろしい形相の女がこっちを睨みつけて浮いていた
『みーつけた』
それはそう言うとロケットランチャーのようなものを肩に乗せて矢継ぎ早に9発のロケット弾をすべて撃ち放ってきた。
視界が真っ白になるほどの強い光に後ろから吹っ飛ばされ、その光が消えた後に振り返るとボクたちの後ろにあったはずの大きな月が完全に消失していた。
ボクたち、正確にはボク、由紀と有希は気がつくべきだった。
彼女は時間の流れの速度を変える能力は持っていた。
だが巻き戻す能力は少なくともボクたちの前では使ったことはなかった。
あのファミレスで彼女が逆回転したかのように再生した時、気がつくべきだった。
「もう逃しませんよ」
奴の目はそう言っていた。
普通ならロケットランチャーの弾はもう全弾打ち尽くしたはず。
しかし奴の能力は局部的に時間の巻き戻しができるために弾はまだ全弾残っていると見るべきだ。
「さっきの超未来兵器はどこで入手したのかな?」
ひとつカマをかけてみることにした。
もしもそんなすごい兵器が存在するとしたら、遠い未来、いや、それどころか目の前にある火球になって人類が滅びてしまう、それとは全く別の人類が滅亡しない歴史を持つ未来が存在することになる。
『そんなこと知ってどうする気かしら?もうこの星には互いに憎しみあって殺し合う、そんな未来しか残ってないの、素晴らしいじゃない?もうお腹に大勢の魂を抱えてそんな彼らに虚しい夢を与える偽善者もいない、私が木っ端微塵に吹っ飛ばしたたから』
言ってろ、と言うのが正直な感想だった。
しかし悲しいかな、誰1人として生き残っていないのは事実だろう。
ボクは有希を背中に感じながらさとみの動きを警戒していた。
「今度のはさっきのようには行かないよ、1発ずつあなたたちの体のどこかに突き刺さるように自動追尾をかけておいた」
さとみはそう言いながらランチャーのトリガーを引いた。
撃ち出されたロケット弾はボクの方には真っ直ぐ飛んでは来ず、回り込むようにして有希の背中を狙っていた。
まるで獲物を狙う蛇のように。
あきらかにさっきとは別の兵器だ。
その瞬間、有希の感触がボクの背中から消えた。
「生意気な、時間の巻き戻しをして逃げられるとでも思ったのか?そいつは空間座標だけじゃなくって時間座標でさえ追尾出来る優れものだよ、今頃は今頃彼女は未来か過去のどこかで背中にドリルのように身体をえぐられながら血と肉を撒き散らしながら木っ端微塵に吹っ飛ばされているさね」
やはり奴はあきらかにさとみの口調とは違う喋り方をしている。
「次はあんたの番だよ、情けだ、正面から心臓を抉り取ってやるよ」
さとみ、いや、さとみもどきがそう言った時、ボクは何かを言わされていたような気がした。
目の前のさとみもどきの顔が青ざめていくと同時に何かを叫んでいるのが感じ取れた。
そして奴はトリガーを引いた。そのランチャーから打ち出されたロケット弾ははドリルの刃のように回転しながらボクの心臓をめがけて真っ直ぐに飛んでくるのが見えた。
ーおしまいだー
そう覚悟を決めた時ボクの左手は何かに強く引かれた。
周りの星が流れ星のように勢いよく流れ出す。
「逃げても無駄さね」
どこからともなく奴のそんな声が聞こえた。
『リバース!』
誰かの叫び声。
気がつくとボクは有希の背中に密着するようにして奴の、さとみもどきのすぐ背後に浮いていた。
背中からさっきのドリルの刃のようなロケット弾が迫ってきて来ているのを感じながら「もうだめだ」と言う諦めの心境と同時にボクは信じられないものを見ていた。さとみもどきの背中に深々とサバイバルナイフを両手で突き刺している有希、驚愕の表情で振り返ったさとみもどきの背中をそのサバイバルナイフごとドリル状のロケット弾が回転しながら切り彫り進むようにして血と肉を宇宙空間にばら撒きそれは瞬間的に蒸発した。
有希は振り返るとボクに抱きついて来て囁いた。
『ただいま、ゆきりん』と。
しかし有希はどうやってあの自動追尾ロケットドリル弾をかわしたのだろうか?
確かにボクの胎内には『ユーキ』と『あつこ』が胎内に潜んでいたのかもしれない、しかし有希の中には『かなえ』しかいなかったはずだった。
とてもじゃないが・・・『あ“!』
ボクは思わず叫んでしまう。
有希の中にはもうひとり、『G』がいた、いやこれはもう『敬意を表して『ゴキ様』と言うべきか?
『全然敬っていないじゃん』
有希の中で『G』が手足をジタバタさせて猛烈に抗議していた。
こんな絶望的な状態にも関わらずボクと有希は星ひとつ存在しない異空間で大笑いをしていた。
やっぱりボクも有希も『ゴキちゃん』を嫌いにはなれない。
ボクは有希のお腹に手を当てて「いつから勇気の中に入っていたの?」と訊いてみた。
すると速攻で「亜希とあれが話をしてからヒーリングをして寝かしつけるまで」と返して来た。
「それはなぜ?」
「あの店のさとみの周りに妙な気配がまとわりついていたのを感じたの、その時は違和感しか感じていなかったけれどさとみと亜希の会話でさらにその不安が増してこっそり実体化を解除して有希の胎内に潜り込んでそのあとあなたたちふたりと亜希の会話を聞いていて合点がいったわ」
「じゃあボクたちを月の周回軌道まで飛ばしたのは?」
「それはわからない」
「秋も楓凛たちも死んだのかな?」
「さあ、私もあの場所から逃げるのが精一杯だったから、ただ」
ボクの問いに『G』は少し言葉を濁らせた」
「時間が巻き戻された時には微妙な歪みが生じるの、それを逆に追っていけば改竄される前の本当の時間線を探り当てられる、それをこれから見せるね」

『G』がそう言ったとたん、ボクたちは『G』の視線でサバイバルナイフを深々と突き刺されて愛人1号が股間に突き刺した太いものから大量に注入された液体で下腹部を破裂させられているさとみを見ていた。
逆回転でさとみの股間からその太いものが抜かれてサバイバルナイフも抜かれ、彼女の華奢な手首も解放された。
彼女はテーブルに置かれた水の入ったコップをひとつひとつトレーに回収していくと途中でこっちを睨みつけて来た。
そこからも現実に起きて来たことの逆再生と言えた。
そして2台の車に戻りバックで走り横殴りの吹雪の中で亜希が地図を広げているところまで戻ると風景は再びバミッテの店内に戻っていた。
さとみがサバイバルナイフで胸を突き刺されて、手首を握りつぶされているところまでは同じだったが彼女の下腹部は破裂させられていない状態でその場でうずくまっていたのが違うといえば違っていた。
それよりも圧倒的な違いは自分の視界が真っ赤に染まりそこに居た全員が愛人1号による惨殺されていたところか。
視界がクリアーになったかと思うと大量に血を流していたなかまに次々とジャックナイフが突き刺されて、それが回復術か何かのように生き返らせていく様をみるのは滑稽でもあった。
そして最後にさとみの胸からサバイバルナイフが抜かれるとあとはさっきと同じであるように見えた。
しかし今回はボクたち13人がバミッテに入店するところで再びバミッテ店内に入るところで逆再生は終わっていた。
ボクたちは再び店内のテーブルに席を着いて流ところから始まるとばかり思っていたが今回は違った。
店内の入り口で僕たちは立ち尽くしていた。
店内のテーブルとテーブルの間が不自然に広くなっていて上に乗っていたであろうコップや皿が床に落ちていて砕け散っていた。
そしてそのすぐそばには下腹部どころか体全体を破裂させられていたさとみの亡骸が、
そんな彼女を見下して笑っている愛人1号はその亡骸に覆いかぶさると激しく腰を振り出して、彼女の飛び散った血と内臓が膨らみ尽くしたお腹に戻っていくのが見えたそしてそのお腹の膨らみが収まっていくと愛人1号はさとみから離れて彼女の胸に突き刺さっていたフォークとナイフを引き抜くとかき消すようにして消えた。
それからボクたちは逆再生でそれぞれの車に戻りその途中で愛人1号が助手席に拘束されているのを確認していた。
そこから再びさっきの店内でさとみが身体を破裂させられて死んでいるのを目撃するところから始まるかと思ったら意外にも彼女の体は膨らんでいたものの破裂はさせられてはいなかった。
ただ額からおびただしい出血がありそれが額に開いた大きな穴に吸い込まれていくのを見るのはシュールとしか言いようがなかった。
彼女はことが終わったあとなのかジャックナイフで頭蓋骨を深々と刺されれて抜き取られるとさっきと同様に愛人1号に覆い被されていた。
彼女はやはり愛人1号に犯されていてその時の彼女の表情はあの宇宙空間や最初に亜希の胎の中でみた奴そのものだった。
そこから僕たちは車に戻るのだがその時もボクたちは拘束されているのを確認していた。
そして再びボクたちはバミッテ店内でさっきのさとみが死んでいるところから始まるとおもっていた。
しかし今度は床に大量の血がひろがってうつ伏せに倒れて顔を上げてたださとみが愛人1号に、いや、4人以上はいる愛人1号に輪姦されているところから始まっていたボクたちは店に入るなり10人を超える愛人1号に惨殺されたのだ。
しかしその中に愛人1号とは異なる別の存在にボクは気がついた。
「さすがゆきりんだね、いいところに気がついたよ」
「正確に言うとこの時の愛人1号は今、さとみの上に乗っかっているただひとりだね」
「他は・・・・」
有希の胎の中で『G』は唇をかみしめて恨みを込めて言った。
「アレは私の、いいえ、私たちの父親たちだよ。

      『原因要素を削除』

「最初から説明するね」
彼女『G』は実体化を解いて有希とボク、由紀の頭に直接語りかけて来た。要約するとこうだ。

『G』の父親たちは私たちがバミッテ知床店に入店する前に12体全てで待ち伏せをして全員を惨殺させた。
サニークーペ助手席に拘束されていた愛人1号を解放した。
もうすでに全員で陵辱を始めていたさとみの子宮内に寄生体の種付けを愛人1号にさせた。
寄生体に支配される意識の中、抵抗するも彼らの意図通り時間を戻させられる(『G』たちの父親ら悪魔のような姿をした連中が元々持っていた能力らしい)
そして2回目の交配で最終的な寄生体が完了さとみを完全に乗っ取る。
三回目の交配で愛人1号は暴走したさとみを寄生体として自身にとりこむ。
用無しとなったさとみの母体は愛人1号に破裂させて終わりにしようと思っていた。
しかしわずかに残っていたさとみの意識が瞬間的に自分の能力を意識的に暴走させて時間を2005年まで巻き戻しみんなに異常を知らせようとした。
だけど寄生体となったモンスターさとみはさとみの胎の中に転移して彼女を操りわざと愛人1号に襲わせて、時間の巻き戻しをつかいボクたちに自分がいつも通りだとアピールした。
(それが逆に怪しまれる結果になったがそこはうまく誤魔化せた)
「それでもさとみは何度か私、『G』に対して思わせぶりなメッセージを送って来たと言うわけね」
ボクが有希のお腹に触れている手を通して『G』が伝えて来た。
『そう?そこまでバレてたんじゃここでふたりとも死んでもらうしかないわね』
ボクは自分の胎の中で奴の声を聞いたような気がした。
死ぬ直前に自分の意識とかを過去に飛ばしたのかも。
またあの超未来兵器を持っているのだろうか?
ボクは自分のお腹を見ながらそこをさすり、それは少し厄介だと思った。
「どこみているのよ、私はここよ」
ボクたちの目の前には身長が500メートル程もある巨大なさとみがさらに大きな全長が3000メートルはありそうな爆弾の上に乗っていた。
「これなら全時空において過去から未来まで太陽系ごと吹っ飛ばせるわよ」
もう正気とは思えなくなったモンスターさとみがそう言って高々に勝利宣言をした。
その瞬間に巨大な手が伸びて来てモンスターさとみを爆弾と一緒に挟み込むようにして2本の指でひょい、とつまみ上げると『パクッ』と口のなかに放り込んでしまった奴がいた。
『あ“!』
とボクたちは思わず叫んでしまった。
それはすっかり存在を忘れられていた『モンスター秋子』だった。
断末魔の叫びと共にモンスター秋子のお腹が強く光ると彼女は何事も無かったかのように燃え盛る地球目指して飛んでいった。
そして静寂が訪れた。
「多分モンスターさとみの戦略ミスだよね」
とボクは言った。
「うん、あたし達のお腹の中とかせめて等身大だったらね、目をつけられることもなかったのに」
と有希。
「あんなにデカくなったら『食べてください』って言っているようなものだよね」
2人同時に言って深いため息をついた。

「終わった?」
呑気な声がボクたちの頭の中に響いた。
「さとみちゃんにパンケーキ200枚ほど焼いてもらうつもりだから帰っておいで」
どう聞いても、どう考えてもあの葉類亜希の声だ。
「まさか今回も仮想世界の出来事だってオチじゃないでしょうね?」
ボクは完全に落胆を隠せないまま確認した。
これではこんな話を読まされている読者があまりにも申し訳なさすぎるじゃないか?
「何のこと言っているかイミフでみんなとバカ受けしているんだけど、そこちゃんとした現実世界だよ?ただし西暦2832年だけど」
聞いているこっちの方がイミフだと言いたくなった。
「あの時『ヤバい!』と言ったのはアレをもっと未来に飛ばすつもりだったのが意外と人類がまだ生き残っていそうな年代に飛ばしちゃったのと」

飛ばしちゃったのと、他に何?
「メンゴメンゴ、まさかあんた達まで月の周回軌道に飛ばしちゃったのは正直ミスったわ、空気のない宇宙空間でも死ななくってよかったね」
「よかったじゃないよ、こっちはあいつに何度も何度も殺されかけたんだから、『G』さんがいなかったらマジで死んでいたよ」
ボクはそう言ってから亜希にもう一言付け加えるのを忘れなかった。
「いや、マジであのモンスター秋子があいつを喰ってくれなかったらどうなっていたやら」
「聞いた?あのモンスター秋子、2832年もまだ元気にとびまわっていたってさ」
亜希がそう言った途端爆笑の渦が伝わって来た時にマジで秋子さんが気の毒に思えて来た。

カレンダーガール15 終わり

16に続く。


おまけ

遠い遠い未来、巨大化した太陽にモンスター秋子は引き込まれるように吸い込まれていった。

その直後、巨大化していた太陽は元の大きさに戻り、地球も冷えて太古の姿を見せていた。

子供たち「本当〜!」

じいさん「さあてね、ひっひっひっひ」

海苔は〇〇女

亜希「いや、海苔はごはんですよ」

さとみ「えっ?海苔って、見せちゃダメな物を隠すためにあるんでしょ」

全員「バカなのか?天才なのか?」


さとみ「さーてね、ひっひっひひい」

ここから先は

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有料部分を時々追加、更新します、円盤特典みたいなものと思ってください。

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