アダルト版ハルサメとナッツ9

ハルサメとナッツ9 あの陽に還える
2023/08/30校正追記

毎回とは限りませんが今作はエログロ描写や官能描写を多大に含みますので20才未満の閲覧はご遠慮してくださいね♪
なお現実と烈しく乖離している部分が多いですよ。

まずは1番最初に、咲ちゃん、こと岡浜咲ちゃん、彼女のスペックは見た目身長160cmくらい体重不明なものの、やや細めな割に胸の発育は良くGカップ以上ウエストのくびれやマンゴーの完熟度もナッツに引けを取らず男を狂わせるタイプと言えよう。
肩にかかるくらいのきつめにウェイブがかかった茶髪が特徴で大きな目の大部分を占めてる眼球は純白な中に緑色の瞳が美しい。
地球を出発した時は当たり前だけど中学1年生の1学期初め頃で12才だったが既に地球時間で6ヶ月は過ぎているがので7月始め頃生まれの彼女はもう13才のはずだ。
それよりも問題なのは彼女が育った家庭環境。
母親は火星からやってきた女性クローンであるのだが表向きは崖理事長の養子と発表されていたが事実上の愛人関係だったりする。
それを誤魔化すために一社員に過ぎなかった浜岡を彼女の結婚相手に選び、薬物を使い彼女を犯させて後に咲となる女児を孕ませた。
その後理事長や母親達の策略もあり5才の時点で表向きは実父だった浜岡に強姦されてその後も7才と9才の時に母親の再婚相手である暴力を伴う強姦を受け人格を歪めれれる。
その後妖魔に騙されて契約を結び教師や男子生徒を手球に取り操るがその際にクラスメイトの女子生徒を巻き込んだと思われる。ちなみにその妖魔は私が始末したよ。
ごつん![ウソをつくな、実際に処分したのはこの執行官星紫亜]
はい、後がつっかえているので後でね。

はい、次は私の悪友、じゃない親友のナッツこと夏野明美、彼女も咲ちゃんと同じく中学1年生だが誕生日が確か3月だった気がするので既に地球を旅立った時は12才だった気がする。
彼女に関してはスペック詐欺と言っても過言じゃないと思う。
黒髪のロングストレートヘアには違いがないのだがその長さは胸元あたりから腰まで自由自在に変えられる。
顔はどこかおっとりとした母性を感じさせる某エリカ似だが身長はデフォルトで165cmであるものの実際には145〜175cmまで自在に変えられるらしい。戸籍上は12才の現時点では中学1年生ということになっているが脱ぐとやばいタイプで私はてっきりDカップ程度と予想していたが実際にはHカップ以上はあるらしくて、くびれたウエスト以上にピンク色に完熟したとても柔らかいマンゴーと12才とは思えない大人の色香ははそれを見た男どもを性欲のアリ地獄に引きずり込むだろう。
彼女のニックネーム、ナッツは彼女の口がナッツ類しか受け付けられないことにある、ピーナッツ、マカデミアナッツ、ジャイアントコーンなど、とにかくその手の食い物しか受け付けない。
彼女は7大欲求に関する悪魔らしいが私なんかよりもはるかに長いキャリアを持つ高等悪魔であるらしい。少なくとも一つの恒星系文明が生まれてから滅亡するまでを見とってきたらしい。

最後は私、私の属性は人類、いわば人間などではなく淫魔と呼ばれる、まあ最下層のエロスに特化した悪魔である。
世の中の人間たち男女のエッチな行為やすけべな夢想などから快楽や愛液、精液などの甘い果実を横取り、いや、少しずつ分けてもらいながら棲息しているというとても強欲な、じゃないつましい悪魔だ。
ちなみに私の人間形態での見た目は一応戸籍上は中学1年生12才でありながら身長140cm未満Bカップというお子ちゃま体質である。ちなみに誕生日はナッツよりも2ヶ月早い1月の29日ということになっている、私の母親である詩織と幸恵さんふたり共に高校3年生だった頃に期間をずらして付き合っていた男性が唯ひとり、聡さんとゴムなしピルなしエッチをしたのが年末の慌ただしい時と3月半ばごろに母が日本を旅立つ時にラブホで年を誤魔化してオールナイトで5〜6発はやったらしい。それで問題は誕生日から逆算すると実際に着床した可能性が高いのはラブホでのオールナイトであるらしいと言うことだったが、母である詩織がかなり未開の国に帰化していたのとちょっと怖いことに自力分娩をしたので誕生日に関してはかなり怪しい部分がある。
と先回までは思っていたがそれは私自身の勘違いで実は前年の秋に私自身が木星の衛星であるレダで私自身が詩織の産道を通って自主分娩?をしたらしい。
しかも実は私は実父であるはずの聡さんとはDNA検定の結果血縁関係が全くないことが証明されてしまっている。
そりゃあそうだ、染色体上の本当の父親はあの〇〇電気グループの崖理事長だったわけだ。
ちなみに幸恵さんと聡さんの間には1学年年下の義弟である健太くんがいる。
当然、彼と私の間には本来なら年齢差は2ヶ月彼の方が年上なのだがチョチョイと記憶改ざんををさせてもらい私は母、詩織が高2の時に海外で産み落としてあちらの国の面倒見のいい人に育ててもらっていたことになっている。
名前は波瑠沙芽と書いてはるさとみと読む。
肩にかかる程度の春雨のような透き通った白髪が特徴でこれも私のニックネーム春雨の由来になっている。
だが私自身自慢すべきものがひとつだけある、桃色に輝き、男たちの松茸にとってはとろけ落ちるように柔らかな黄金のマンゴーだ。

おっといけない、またしてもスター、じゃなかった、星紫亜さんの存在を忘れていたよ水星生まれの水星育ち、半導体生物が進化し過ぎちゃった末に中二病をこじらせてA級淫魔処刑執行人になったと言う実体を持たない化け物だ。
見た目は15〜16才くらいの発育の良い娘、結構な美少女と言いたいが赤い癖毛のたぬき顔、あう!

[こら、お主あたしをまるで〇〇の魔女のヒロインみたいな容姿みたいな言い方をしたであろう。]

お話、はっじまるよー

私の全身が突然に激しい痙攣を始めて周囲に凄まじいまでの木製からのプラズマ放電が私たちの身体を射抜いていた。
そう、あの日、母がいた役場を自動小銃を持ち込んで襲撃して母親の詩織を惨殺したテロリスト武装集団、総人数で35人いたけど私がたったひとり取り逃した犯人がいた。それはあの女、遺伝子上は私の母親であり咲ちゃんの母親でもあるあの火星からやって来た女性クローンだった。彼女が真っ先に私の母、詩織に数えきれないほどの弾丸を撃ち込んだ張本人だった。
それは私の母である詩織に対する嫉妬からか?
それとも別の理由があったのか彼女だけは詩織に向けて全弾を撃ち込むと脇目も振らずに一目散に去って行った。
要はしおりの息の根を止めれば満足だったのだろう。
そしてその射線上に確実に私はいた。私自身も血まみれになって一度はその場に倒れ、死んでいた筈だった。
それを生き返らせやがったお節介が目の前にいやがる。
『ナッツ!なぜ私を母と一緒に死なせてくれなかった⁈私はこの世界がどうなろうが知った事じゃない、詩織のいない世界なんて無意味なんだよ!』
木星の成層圏が放った放電が一瞬だけそこから地表付近まで数十本の糸状に核融合を起こしたがやがてすぐに収まっていった。

[その場に夏野明美、貴様がいたとは意外だったな]
意識の遠くで星紫亜の声が聴こえた気がした。
『別に見殺しにしたわけじゃないんだ、ただ、の時のあたしにはあれが精一杯だったし、春雨の救出を優先させたのは彼女、詩織さんの強い意志からだったからよ』
私はその時彼女の頭の中に浮かんでいた漢字が『波瑠沙芽』ではなかったことに気が付かなかった。
もしもその時に気がついていたら私自身の身体の秘密にもっと早く気がついていたかも知れなかったがそれはいずれにせよもっと先の話だ。

私に落ちた落雷をまともに受けてしまった咲ちゃんは全身に大火傷を負い意識不明の重体になっていた。
私が無意識に引き寄せてしまったこととはいえすぐそばにナッツがいなかったら即死していたかもしれない。
それでも私はナッツに対して恨み節をぶっつけずにはいられなかった。
あの人、詩織さんは私が受精卵となって細胞分裂を繰り返している間も、胎芽に育ち羊水の中で浮かび始めていた時も胎児となって大きなお腹にしてしまって苦しい思いをしている間も私には温かで優しい環境を与えてくれた。
これは紛れもない事実だ。しかも私はそれほど広くない胎嚢(たいのう)の中だったが私はいつもひとりではなかった。
私の目の前にはいつも優しそうなお姉さんがいた。それが彼女、詩織さんの分身である事に気がついたのは海の中でサメに襲われた時だった。リアルタイムで彼女の右腕の肘から先が食いちぎられて、すぐに左足根本から食いちぎられたのがリアルタイムで理解できたのはそのためだ。
だからこそ私は彼女に対して反撃のアドバイスをする事ができたのかもしれない。
サメに逆襲をして逆に相手を食べ尽くして得たエネルギーで右足首の輪っかを外してなんとか浮上して浜辺に辿り着いたものの詩織さんの死はほぼ確定していたようなものだった。
右手と左脚太ももの太い血管から噴き出している出血の量があまりにも多くてあと数十秒で脳死、それから数分で彼女の生体反応は停止するはずだった。

私は臍(へそ)の緒(お)から流れてくる液体を逆流させて酸素と栄養素を含んだ血液に変換して彼女の心肺機能を再稼働(さいかどう)させた。
細胞分裂を活性化させて詩織さんの身体の復元させる事を急ぐと同時に私は彼女をライフルのターゲットスコープで覗いている男の存在を感じていた。理事長に雇われたプロのスナイパーだろうけど面倒なことは極力避け(さけ)たかったので取り敢えず地球というこの惑星から逃げることにした。東の方向にセーブしながら飛んだつもりだったが地球の周りを2周した時点で地球の重力圏から離脱して月の裏側を通りさらに太陽系の外周に向かって飛んでいた。
その頃には詩織さんの身体はほとんど完治していたと思う。
『それにしても何故私は彼女に執着しているのだろうか?』
少し不思議な気がしていた。
『彼女が私に何かしてくれただろうか?』
否、彼女は多少の特殊能力は持っていたが理事長ほどの権力や生殖能力を持っていたわけじゃないし、かと言ってあの自分の胎の中にできてしまった受精卵を他人の胎に怪しげな能力を使い植え付けてしまえるような能力は持っていなかった。
出来るのは物体や人体を構成する層の薄い領域までの透視能力と壁抜けなどのあまり役に立ちそうもない能力ばかりだった。

詩織さんがあのクソ親父の種を植え付けられてからひと月近く過ぎた頃、私に彼女は問いかけて来た。

『君の希望はなんだい』

それは彼女が自分自身に問いかけた言葉だったのかもしれない。
でもそれに対して私は反応してしまっていた。
『時間を6ヶ月も過去に戻す、しかも私がお腹の中に居る状態のままで』
それが私の希望だった。
自分には会いたい友人がいると彼女には伝えたがそれは漠然としたハッキリとしない理由だった。

彼女氏はとても温かな家族がいた。彼女自身は気がついてはいなかったようだったが彼らは特に姉の観萌は大震災の津波でさらわれた本当の詩織さんが彼女じゃないことに割と早く気がついていた。
本当の詩織さんは通っていた中学の寮に入って生活していた。
だから当時本当の詩織さんがどんな服を着てどんな姿をしていたか知る者もほとんど波にさらわれてほとんど居なかった。
大津波から1週間が過ぎても本当の詩織さんは戻って来なかった。
それが13日過ぎたある日、海辺をフラフラと歩いている少女の目撃情報が彼らの耳に届いた。
初めは半信半疑だったが3日ほどしても彼女に引き取り手はいなかった。
ただ記憶を失い、虚な目をして救護班の介護を受けている彼女の姿を見ているうちに本当の自分の娘である気がして来たということらしい。それほど彼女は本当の娘に似ていたという事か?
ただし決定的な違いは性格だという。
いつもは控えめな娘で他人同士の争いに決して口を出さなかったという。
ある日、被災者同士が言い争いをしていたらしい。
ひとりはたったひとりの娘さんを波に攫われて運良く漂流していたところを漁船に拾われて軽傷で、とはいえ右腕を骨折して左肩も脱臼していたのだが。
もうひとりの娘さんはもっと悲惨だった。発見救助も早かったが腹にがれきとなった木材が突き刺さっていて子宮などの内臓が細菌によって腐敗が進んでいたという。重傷と言うべきかもしれない。
懸命の救命治療は続けられたが派遣医師団が最終的に下した判断は肝臓の半分と子宮と右腎臓及び膀胱と小腸の一部の摘出だった。
その子の命が助かることを思えば安い代償かもしれないがその娘にとってはこの先とても辛い人生を歩ませることになる。
ある日骨折と脱臼で済んだ子の父親がその娘の前で迂闊なことを言ってしまった。
「傷が治ったらパーティしような、付き合っていた彼氏と結婚をして子供を産んで幸せな人生を築こうな」
その言葉を聞いてしまったその娘は両手で顔を覆い隠して泣き出したと言う。
重傷を負った娘の父親は一瞬怒りの表情をあらわにしたが握りしめた拳をもう片方の手で必死になって押さえて悔しがっていたと言う。しかしそれは本当は別の理由からだった。その少女は養子縁組で引き取った娘で、とある宗教団体の教祖が厄介払いに引き取らせた娘だった。
もしも彼女が男子だったら教祖の世継ぎのひとりとして大事に育てられたかもしれない。少女は教祖様にとって使い捨てのコマにしか過ぎなかった。
今思えばその少女は私の母である詩織よりもより多くの、しかも強力な異能の力を持っていたのかもしれない。しかし彼女はそれに気づかず、ただ教祖様に捨てられたという絶望の淵に立たされていたようだった。
しおりはそれを直感で感じ取っていたのかもしれない。
少女の義母も恨めしげな目をしてその軽傷で済んだ娘と父親を睨みつけていたと聞く。
本来の詩織さんならその親子らに対して憐れみの表情を浮かべるのが限度だと思っていたようだ。本当の詩織の友人だったその少女も、詩織自身の家族も。その無神経な一言を言った男の頬(ほお)に平手打ちをして『ここ娘はもう子供を産めないだけじゃなくって一生袋をぶら下げて生きていかなきゃならないんだよよくそんなこと言えるね』と言えるとは想定外だったらしい。
しかしその詩織は実際にその親娘に対して言ってしまった。多重人格、いやそんな生やさしいものではない、多重意識体という言葉はこの惑星の住人であるそのしょうじょや、観萌を除く本当の詩織の家族は知らなかったし、詩織自身も忘れていたという。
後々両家族たちは謝罪し合う事になったらしい。
それから2年後、偽詩織は家族の前で『そんなことしたっけ?』ととぼけたとの事だ。
それよりも大胆だったのはその後の偽詩織さんの言動だったと聞かされた。
仮ベッドで横になって泣いているその娘のかたわらに寄り添うとそっと耳打ちをしたという。
『大丈夫、人生が終わったわけじゃないし赤ちゃんのお部屋も半分以上なくなるけどまだ卵を作る部屋は残っているから』
そう言ってその子の下腹部に軽く触れると一瞬その娘は痛みで顔をしかめたけどすぐに安らかな表情になって眠り始めたという。
『もしも心に決めた好きな相手が出来たら私に君の卵をちょうだい、私が人工授精して私のお腹の中で育てて産んであげるから、この星の住人じゃない私ならそれが出来る、それから君の下の世話は私がやるよ、もう君と私は大親友なんだから・・・」
そこから先は詩織さんの両親も相手の両親も聞き逃していたという。あまりにも浮世絵離れなことを言っていたらしい。それに夢見がちな中学生の少女が言うような、いわば中二病的な発想だと思っていたらしい。
『でもその時の娘さんが今の詩織の親友の幸恵さんだったのはびっくりだったけどね』
朝の食卓で言うようなセリフじゃないけどそれを両親に聞かされた詩織さんはただ笑っていた。実は詩織の家族もほとんど血縁のない仮初(かりそめ)の家族だった、観萌も、母親も、父親までもが、本来なら、本当の詩織とは血縁のない、いやそれどころか全員がそれぞれ全く血縁のない、いわゆる本当の詩織を除くそれぞれが異なる星からやって来た異星人の集合体だった。
そこに津波に流されて死んだはずの本当の詩織と入れ替わって家族に潜り込んで来た私の母である詩織がたまたま偶然にも観萌の本当の妹だった、と云う事だったらしい。

私の母である詩織の本当の姉である観萌、そしてのちになってその人たちの正体を知ることになったのだが、ゴキブリ系の星?からやって来た義母、某スマホの会社の喋る犬によく似た種族の星系の星からやって来たと思われる義父、割とまともな拾い子の本当の地球人だった詩織と入れ替わってこの家に侵入することになった私の産みの母親である詩織、その4人の会話は楽しかったし、私、波瑠沙芽のお腹に伝わって来た感情はみんなとても優しくて、とても温かく感じた。

こうして卵を作る機能を持たない少女と赤ちゃんを産む部屋を持たない少女の奇妙な友情が始まったらしい。
しかし実際には本当の詩織と幸恵さんの関係は震災前から始まっていた。
ただ詩織はその時の詩織とは別人だったし、幸恵さんもその直前直後の出来事から詩織が生きているはずがないと確信していた。
だからこそ幸恵さんは詩織が偽詩織だと見破って破っていたのだがそんな事はふたりにとってはどうでも良い事だったらしい。
それは後々、幸恵さんに語ってもらう事として話を進めよう。

詩織は観萌の監修をしてもらい親友である幸恵に1通のメッセージを送った。
『一応、君は聡くんと生でもエッチはできるから安心して、内膜症とか心配しなくてもいいから毎日体温測って排卵期が近づいたら私が今住んでいるこの国に来て、卵子を採取するから。
それと君の穴は先が袋状に閉じていてほぼ密閉状態になっているから聡くんとエッチして出してもらった精液はもれなく膣(ちつ)ちゃんの入口から溢れ出すからこれから送る道具で採取して試験管に入れて冷凍便で送ってね、コンドームなどの避妊具などには色々ゴムの中の薬品とかが塗られていて不純物としての悪影響が気になるから必ずナマで出すように言ってやってね、や・く・そ・く・したからね!』
『いつのドラマのパクリやねん』と母である詩織は自分で自分にツッコミを入れながら文章を書いたらしい。

そうしたらしばらくして詩織のPCに返事のメッセージが届いていた。
『本当にいいの?あなたも聡くんを好きだったんじゃ?とりあえず心配なのでコンドームをつけてもらいました。排卵期が近そうなので会いに行きます、残念ですが聡くんは学業ので単位がアレなのでついて来れないそうです』
「あれほど念をおしたのに」と詩織はボソリとつぶやいていた。それはなぜか私、ハルサメの記憶の中にあった。

そして幸恵さんは某国の施設で働いていた詩織の元に来ていた。
そして彼女のお腹を切開して左右の卵巣で熟成しかけていた卵子数個を取り出すと数機ある人工卵巣機に移した。
『約束していた聡くんの冷凍性液は?』
と言うと幸恵さんは申し訳なさそうに「コンドームを使ってしまった」と言ったけど心配だから後で必ずナマで出した精液を今度は冷蔵便と冷凍便の2種類に分けて送ってもらうことにした。
『ねえ、詩織ちゃん、私、本当に聡くんと幸せになっていいの?私、詩織も聡のことを愛しているのは知っているよ?自分の好きな男の人子供を自分のお腹の中で痛くて大変な思いをしてまで産んで他人の取られるのは悔しくない?』
幸恵があまりにも真面目に聞いてくるのでつい詩織は思わず吹き出してしまっていた。
『まさか君はあの日、私と交わした約束を忘れちゃいないよね?』
幸恵は両目からたくさんの涙を流しながら頷(うなず)いた。
「私と詩織は親友以上の関係だよ?恋人同士と言っても良いくらいのね、だから余計な事は考えないで今夜は私を愛してくれる?」
側でかくれて聴いていた私、ハルサメの方がドキドキして来るようなセリフだった。

詩織と幸恵はその夜、ベッドを共にした。本当はふたりとも裸でといきたかったがほぼ年中寒いこの国では日本人である彼女にはキツイかもしれないという配慮からだったが。
『ねえ、本当は詩織は何者なの?、あの日から違和感を感じていたんだけど』
やっぱりバレていたか?と言うことに今更ながらにぶい詩織も気がついらしい。しかもどうやら幸恵さんはあの話をマジで信じていたようだった。
『高校を勝手に中退して行方不明になったり不思議な人、本当は宇宙人でしょ』
突然彼女は確信したかのように言い出した。
『近からず遠からずだね』
詩織がそう言うと幸恵は勝手に自分のパジャマを脱ぎ出して裸になった。そして詩織のパジャマズボンも引きずり下ろした。
「寒くないの?」詩織は幸恵に聞いた。
「ううん、むしろしおりんから熱いエネルギーを感じるの、私、そんなしおりんの出す熱いエネルギーを素肌で受け止めたいの」と幸恵さんは言った。
詩織もあきらめて裸になるとふたりで抱きあってお互いに相手が感じそうな場所を舐め合っていた。
「い、い、いやぁ〜もっともっと私を激しく貫いて!」
女の子同士なのに妙な会話を幸恵さんが挟み出した。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、私があいつに汚された、私の汚れたこの身体をそのサラサラな液体で浄化してちょうだい」
今考えると常軌を逸したヤバいセリフを幸恵さんは口にしていた。
「いや、いやぁ!いやぁぁ〜‼︎ゆきりんの穴の中にあたしの泡立つひんやりととした液体がわたしの大きくなってゆきりんの膣ちゃんの中に潜り込んでいるたけのこが勢いよく出しているサラサラの液体と混じってゆきりんの風船を膨らませ始めている」
「ぁ、あ、熱いあ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!尊師様に抱かれてたくさん入れられた時さえ感じなかったこの熱くてひんやりとした感触は何?私、逝ってしまいそう!」
尊師様というのが誰のことかはその当時の私にはわからなかったが幸恵さんはそう叫びながら詩織の体に強くしがみついた。
「いや、いやぁぁ〜‼︎私がゆきりんの中に出したサラサラの熱い液体と泡だったひんやりした液体が逆流して来て私の膣ちゃんの中にも、あ、あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!あ“〜!」
今度は叫びながら詩織母は幸恵さんにしがみついていた。
ふくよかな乳房同士がこすれ合い互いの固く勃起した乳首が互いの乳房の柔らかな面を刺激していた。
お腹の柔らかな肌同士が吸い付くように互いの薄い内脂肪を刺激しあって股間のワレメちゃんの盛り上がった丘同士、太もも同士が互いに刺激しあっていた。
「あ、熱い、しおりんワレメちゃんのの中の芽がこんなにも大きくなって、はぁ、はぁ、はぁ、私のワレメちゃんの中の膣ちゃんを刺激しながら、いやぁ!いやぁぁ〜‼︎熱いサラサラの液体をまた私の中に、でもどうして?私の削られて痛め続けられて汚され続けた私の膣ちゃんの内面が癒されて浄化されてゆく、あ、あ、あ〜!あ〜!あ〜!あ〜!あ〜!こんなにも気持ちが安らぐエクスタシーなんて始めてよ、やっぱり私、しおりん大好き、愛している、でもごめんなさい、私の閉じた胎はパンパンに膨らみきって限界なの、またしおりんの膣ちゃんの中に逆流させちゃうかも、いや、いやぁ!いやぁぁ〜‼︎もっともっと私の胎の中に入れときたいのに・・・」
その時詩織母のくちびるが幸恵さんの口を塞いだ。
そしてすぼめた柔らかな舌を幸恵さんの口の中に侵入させると『とろけるような甘い液体を流し込んでいた。
「い、い、いやぁ〜いやぁぁ〜‼︎卑怯よしおりん、今ので私今までせっかく溜め込んでいた私の胎の中にあなたが出してくれた愛を全部あなたの中に出しちゃったじゃない!」
強い口調で幸恵さんは言ったけどその目は穏やかに微笑んでいた。次に詩織母が言うセリフを予想していたからかもしれない。
「大丈夫、私はまだゆきりんの中に出しきれていないし、それに気になることも」
「あ、あ〜!あ〜!熱い、しおりんの熱い潮が私の中に押し寄せる」
結合さえしていない押し付けあっていたふたりのワレメちゃん同士の隙間から勢いよくひんやりととしたラテ状の液体が噴き出し
てベッドのみならず部屋全体を濡らしていた。
それでも2人とも気持ちよさそうに眠りに堕ちていたのは何故だろうか?

夢の中で2人は何もない空間で裸のまま横になって向かい合わせに抱き合って話しをしていた。詩織母の背中には何故か裸体の私。

『ごめんね、私はゆきりんがあいつにあんなに酷い目に遭わされていたなんて知らなかったから』
『ううん、謝るのは私の方だよ、親友を教祖様、いいえあんな奴に売り渡しちゃうなんて最低な女だよ私』
『確かにアイツはとんでもないサディストだったね』
詩織母は笑いながら言ったがそれを聞いた幸恵さんは大声で泣き始めていた。
『本当にごめん、私、アイツに抱かれて命を落とした女性を何人も知っている、私が知っているだけでも片手じゃ数えきれないくらい、アイツに抱かれて』
『ストップ!』
詩織母は幸恵さんの口を両掌で塞いだ。
『本当のことを打ち明けようか?私はあの女の胎の中に出来た受精卵を自分の子宮に移植されて着床させられたんだ』
そう言ってから詩織母は自分の両手をゆきえさんの口から離した。
『うんそれも知っていた、だから今隣のベッドで小さな寝息を立てて眠っているさとみちゃんが聡の子供じゃないことも、そしてあなたの娘でもないことも、本当にごめんなさい、わたしはしおりんに売春行為どころか性奴隷に値する行為を強要したばかりかあの女に操られるがままにしおりんを借り腹として利用されてしまうなんていくらなんでもそんな酷いことをするなんて、想定外もいいところだったよ』
すると今度は急に詩織母が悲しげな表情になった。
「ごめん、わたしこそ悪い女だよ?私はゆきりんから尊師様いいえ、崖信介、ごめんなさいコレは彼が政治家としての顔をしている時の名前ね、そう彼の宗教家としての名前は崖浸水、だったかしら、私は奴に最初の夜にみんなの見ている前で犯された時に既に孕まされていたむしろ私の方がゆきりんから尊師を奪った悪い女だよ?』
『ちょっと待ってよ、しおりんは確か無排卵で子供を作りたくても作れないって』
『だから本当にごめんね、前から言っていたけどゆきりんが知っていた本当の詩織という名の少女はあの大震災のあった夕方に瓦礫になった尖った木材の断片に心臓をつらぬかれたまま沖に流されて帰らない人になったの』
そう言われて『うん、はいそうですか』と素直に信じるような幸恵さんではなかった。
『でもしおりんは私の細かな癖や家族環境まで知っていた、しおりん以外に考えられないよ』
『うーん、ゆきりん、それは心臓の記憶だよ』
『心臓の記憶パクリネタ禁止』
思わず私は大声で怒鳴ってしまっていた。
『あ、オムツ替えの時間かな?それともミルクの時間かな?』
詩織母は私のセリフを無視して振り返ると私を抱き上げて再び幸恵さんと向かい合わせになって自分の下側の乳首右乳首を咥えさせた。
『まだお腹はいっぱいだよ』
私は抗議の声を上げたがあっさりと無視されていた。しかも私が詩織母の右乳首を咥えさせられたまま口を動かしただけでその乳首は甘い匂いのする液体を『ピューピュー』と吹き出して私はそれをうっかりと飲み込んでしまっていた。
実際にそれは舌がとろけそうな甘い味がしていた。
『確かにゆきりんが知っていた本当のしおりんはふたつある両方の卵巣が一部分欠損していて女性ホルモンは作れないと聞いています』
詩織母は自信たっぷりに言ったがその自信はどこから来るのだろうか?まさかやはり晋三の記憶?
『そこはワザと間違えない!』
速攻で詩織母に突っ込まれてしまっていた。しかし彼女は少し困った顔をして私だけに伝えて来た。
『まさか【意識複合体】と言ったら余計混乱しちゃうからね』
まあ確かにそうだろうそんな与太話なんて誰も信じるはずがない。まだ心臓の記憶の方が信憑性があるだろう。
『私は一応地球人で言う卵子に近いものは28日周期で排卵させるんだけど』
『じゃあどうして妊娠しないの?』
幸恵さんは私越しに詩織母に顔を近づけて来て聞いて来た。
『コレが鋼鉄の処女ならぬ鋼鉄の卵子でね膜がやたら強固で超男の精子でさえつら抜けない硬い膜の持ち主なんだ、その代わり20日は卵管の中で生き続けられるし、子宮内膜が分厚くなる事はなくて、だから生理なんてものもないんだけどある条件が揃えばほぼ無条件で妊娠させられちゃうのよ』と詩織母。
『その条件ってまさか』と幸恵さんは聞いて来た。
まさかと私、沙芽にも心当たりはあった。
『そう、あのミルクラテのシャワー、まあ行為が激し過ぎたり、私がのめり込み過ぎた時にブレーキ的作用で体をクールダウンさせる為に膣ちゃんの奥から500ミリリットル以上噴き出すんだけどたまたま卵管内とか子宮の中にその鋼鉄の卵子が存在してそのミルクラテ状の液体に一定期間と言っても4〜5時間浸されている間にその鋼鉄の卵膜も柔らかくなって薄くなり、通常の人間の生死でも突入が可能になってしまうのよ』
詩織母はあっさりと言ったがその直後に衝撃のひと言が私を襲った。
『あの時、いきなり理事長を紹介されてすぐに行為を始めたからさすがに驚いたのと心の準備ができていなかったために発動しちゃったのよ、アレが』
詩織母は言ったがそれにはさすがの奴もドン引きしたかと思いきや逆に燃え上がってしまったらしくて1こ6回連続で合計200ミリリットル撃ち込んでくれたらしい。
『そりゃあ妊娠しちゃうでしょうよって、そのあとで私の元になった受精卵が着床させられたわけでしょ?どっちかが消えちゃったわけ?』
『うん今思い起こせばだけど後から着床された娘は先に受精した娘に吸収されたったみたい』
意外な事実を聞かされた気がするがもしそれが正しかったとするならあの佐原家で聡さんと激しく交わって起こしたミルクラテ事件、あの時に出来ちゃった娘はどうなっていたんだろうか?
私たちは幸か不幸か三人とも目を覚ました時は夢の中の内容をきれいさっぱり忘れてしまっていた。

朝目を覚ますと詩織の隣には既に幸恵ちゃんの姿はなくキッチンから美味しそうな香りが漂って来た。
目玉焼きと焼きベーコン、ボイルしたウインナーそしてコールスローを用意してトーストにバターを塗っている裸エプロンの幸恵がいた。
「そんな姿で寒くないの?」
詩織はきいたが幸恵さんは真顔で答えた。
「平気よ、だって昨夜からひと晩中、詩織にもらったエネルギーが蓄積されているから」
詩織の問いに幸恵さんは嬉しそうに答えた。
『ありがとう』
詩織は涙ぐみながら裸のまま抱きついてしまった。
「またたくさんエネルギーをもらっちゃった」
幸恵さんも涙ぐみながら嬉しそうにつぶやいた。

そしてその日のうちに幸恵は帰国して行った。
『どう?別に男女のエッチじゃなくても美味しいでしょ』
詩織の言葉には確かな確信が込められたいた。
そして彼女は聡の精子を幸恵さんの卵子に人工授精させて細胞分裂が始まったことを確認すると彼女が所属している研究スタッフに着床をさせる処置をお願いして手術用のベッドに寝かされたまま手術室に入って行った。

着床は上手くいきエコー検査でもその小さな存在は確認できるようになっていた。
『私がこれよりも少し大きくなった頃にタイムリープして5ヶ月も逆上がりしたんだよね』
私、波瑠沙芽が言うと鏡に写っている詩織は少し微笑んでいった。
『さとみちゃん、ほんとは私と学生生活を暮らしたくてあんなことをしたんでしょ』
ーいや、そんなことないしー
と私、一応否定はするが鏡に写る詩織のニヤニヤ笑いが止まらない。
「なーに、にやついているの?気味が悪い」
背後から幸恵に声をかけられていた夢をみていた。
『私、はたちになるまでにふたり子供を産む夢をみたんだ』
『それでは恋をする暇がないじゃないか、詩織は人生を子育てに捧げる気かい?』
『あの日交わした約束、覚えている?』
女の子同士で子供が作れるわけがないじゃないか、そんなことくらい生まれてさえいない淫魔の私でも知っている。しかしそれ地球人類に限定した話に過ぎなかった。
こんな馬鹿なことを言っているようだからあんなエロ理事長や火星から来たインベーダーに騙されて私を腹まされる羽目になったんじゃないか?いい加減に気がつけよ。と私は思っていたが私も女の子同士で子作りも可能なことを後々思い知らされることとなった。私たち一部の恒星系人類に限定した話だったが。
鏡に写っている私に悪態をついたが詩織の耳には届いていないようだった。
『あんな約束を本気にしていたの?あたしは高校に入ってからこの世から詩織が突然いなくなる夢を何度もみた、あなたはあたしの特別な存在よ』
それを聞いた詩織が他の生徒や教員達の他人目を気にしないで急に幸恵に抱きついた詩織をみてさすがに淫魔である私でさえドキドキしてしまった。
ここまで女の子同士の恋愛が刺激的だとは想像さえしていなかったせいもある。
私は産まれてさえいない胎芽に毛が生えたような幼い淫魔だったが以前に棲んでいた世界での出来事で過去に何度も男女の営みが生み出す甘い精液とほろ苦い愛液の味をまだ覚えている。他にもさまざまな分泌類や感情などが入り混じって複雑かつ濃厚な味を醸し出して私を満ぞ来させてくれたものだったが今、目の前で抽出されている純粋な愛液の味に私は酔いしれていた。
『大丈夫だって、私はどこにも行かないよ?この地球から離れる気はないからね』
意味深な言葉を残して私は夢から覚めた。
この国に来てからの詩織はいつも夜は何も身につけずに産まれたままの姿で北欧調のベッドの上で眠りについている、敷いてあるクッションはあるもののそのしなやかな、しかしお腹のふくらみが目立ち始めたその身体の上には何もかぶせてはいなかった。
透明な姿になっている私はいつも彼女に正面から抱きつくようにしていつの眠りについていた。
詩織の中にいる小さな命の心音と私の心音がシンクロして心地よかった。
部屋の中が暖房がよく効いていて暖かいという訳ではない、むしろこの北極圏に近いこの国では暖房は必須で、しかもこの部屋の気温ときたら暖かい日の日中でも-18°Cより上に上がったことはない、まるで冷凍庫のようだ。そんな中でも詩織の周りは常に暖かいし、気持ちがいい。
『おはよう、波瑠沙芽ちゃん、今日も元気かなぁ?』
彼女は何故か私の事を自分の姓名ではなく、彼女の親友である幸恵さんが今付き合っている聡さんの姓名である『波瑠』で呼ぶ。
『何か意味があるのか?』とたずねたことがあるがなぜかいつも笑って誤魔化されてしまう。

それから何ヶ月が過ぎて詩織はひとりの男児を出産した。そしてコレは内緒だったが同時に数人の女子を産んんでいたことを私はすっかり忘れていた。
彼女はすぐに幸恵にメールを送ると彼女の所属する研究所のリーダーに相談していた。
生まれたての赤ちゃんを飛行機に乗せて運ぶのは不可能、しかも今度こそは軍事上の機密とやらで某国の政府ににらまれている。
だから詩織は代案としてその某国にて幸恵さんの卵子に聡さんの精子を人工授精させて詩織の胎の中で育てて出産したことにしてある。
最初は許可などの申請が面倒だと思っていたがこの国の厚生省とやらと一悶着している時にたまたま権威のある女医さんが訪れていてそれがたまたまあの津波災害の時に被災地に救援診断に訪れていて、緊急処置で幸恵さんの子宮などを削除した本人であり『そういった理由があるのなら今回だけは』ということになって諸々の人工授精と代理母による借り腹の詳細なデーターと共に生後6ヶ月を条件に日本への入国が認められた。
もちろんその時は私と母である詩織の存在は隠されていた。私の存在そのものが某国にとって国家機密であり、母である詩織に関してはまだ例の理事長に生存を知られるのは再び命を狙われる可能性があったからという理由もある。

しばらくして詩織が代理母となって産んだ男の子の父親である聡さんと幸恵さんから1通のメールがPCに届いた。
どうやらその子は『健太』という名前がつけられて今ではつかまり立ち歩きができるようになって来ているという。
『もうそろそろ〇〇電気グループの理事長も詩織の死亡を確信しただろうから会いに来ないか?』
といった内容だったけど詩織は仕事が多忙である事を理由に帰国を拒んだ。
しかし彼女は両目からたくさんの涙を流しながら喜んでいた姿を私は今でも覚えている。

あの役場での銃撃戦で母である詩織だけでなく私自身も命を落とし、なおかつ私と母の体に銃弾の嵐を降り注がせたのがあの火星人の女だったというショックと私だけを生き返らせたナッツに対する怒りの暴走が咲ちゃんをこんな目に合わせてしまった。
『もしも咲ちゃんがこのまま死んでしまったら私は永久にこの星にいようかな』
私は自分がしでかした彼女に対する電撃行為が不可抗力であり尚且つ自分が持っている能力ではないことくらい分かってはいたが。
『ごめんね、私が取り乱したばかりに』
私はつぶやきながら彼女の動かなくなった焼きただれた体を抱きしめている間に自分自身もうとうととし始めていた。

それは私の母、詩織が東北沖大震災で発生した大津波に巻き込まれて、夢の中を漂流していた時の誰かの別の視線から見た記憶だった。

私は自分が何者かわからないまま海の中を漂っていた。
すると突然に海の中が大きく荒れて一方に圧倒的な圧力で押し流されたかと思ったらしばらくして今度は逆方向に一方的にものすごい速さで流され始めていた。
目の前をいろいろなものが私よりも早く流されてゆくのを感じていた。その中のひとつ、金属の棒が2本、私の胸と腹を貫いていた。
まさかこの星について着水して宇宙船の外に出た早々こんな目に会うとは想定さえしていなかった。
理由はこの星の地殻変動による地震で起きた津波だったと何故かすぐに理解できたが。
目の前を同様にほぼ命の炎が消えていた少女が流れてゆくのが見えた。
彼女も私と同様にがれきに胸を貫かれていた。
しかし私と大きく異なったのはその瓦礫が木材で分解しやすかったことくらいだろう。
それに彼女の中にはこのへっぽこ火星人である私とは違い『まだ生きたい』という思いがく強く感じられていた。
『君の願いはなんだい』
私は強く彼女に問いかけてみた。
『まだ生きたい、まだ父にも母にも恩返しができていない、このまま死ぬのは嫌だ』
それを彼女が言った時に私はひとつ提案をした。
『幸いあなたは第二次性徴を迎えて生理もあるようね、私と取引をしないかしら?私と契約をしましょう』
私はそういうと彼女は頷いてむしろ私を受け入れてくれた。
『その代償としてあなたはとても辛い人生を歩んでゆくことになる、それでもいいかしら?』
その娘の意志に迷いは感じられなかった。

それから彼女たちはひとつに融合しようとした。
しかしそれは思うようにはうまくいかなかった。
その理由は彼女たちをくっつける接着剤のような存在が存在しなかったから。
そこで私の母は見るに見かねて名乗りをあげた。ひとつの条件を提示していた。
『今の私はトリチウムのようなもの、私も中にエネルギーがあるうちは2人を繋ぎ止めることができるけどそれが切れたら存在そのものの保証は出来ないけれど構わないかしら?』
それでも彼女たちの意思に変化はなかった。

そして記憶は某国の役場で銃撃テロを受けて母である詩織があいつに蜂の巣にされた時に戻る。

その契約を結んだ時点であの場所で私は銃殺される運命になっていたのは確定していた。
相手は私と同じ火星からやってきた妖魔と契約済みの女性クローン、しかし私の親友でもあり娘でもある波瑠沙芽も巻き添いとなり蜂の巣にされ殺されてしまうのは想定外だった。
『おばちゃま、あなたの望みは何?』
消えゆく意識の中で私はとんでもない存在の声を聞いた気がした。
『まさか、あなた』
私が問いかけると見た目の年齢は波瑠沙芽とほぼ変わらない幼女が言った。
しかし自分如き妖魔が叶うような相手ではなかった。
もしも彼女がこのテロの主犯だとしたら。
それでもなんとしても波瑠沙芽にだけは生き延びてほしかった。
とはいえ私は絶望を感じざるを得なかった。彼女のような大物の古参悪魔が駆け出しも良いところの妖魔の願いなど聞きとどけてくれるはずもなかった。
しかし彼女はこう返してきた。
『契約成立ね、あなたの魂は常に私の親友ハルサメと共にあり』
彼女がそう言ったと同時に私の精神は波瑠沙芽の中に溶け込んでテロリスト武装集団の一掃を開始していた。

『というわけだからあなたを無理矢理にでも意識のない状態でハルサメちゃんの中に封じておくしかなかったんだけど、今、目の前に二次性徴を迎えてからかなり過ぎる女の子が目の前に黒焦げになって死にかけているんだけど、どうしますか?もと詩織さんと契約を結んでいた妖魔さん、いえ、いまだに未練たらしく詩織さんの記憶と意識を抱きかかえたダメダメ妖魔さんというべきかしらね』
ナッツにそう言われた私の中の詩織さんが反応したせいか私の目から大量の涙が溢れ出して頭上に引き込まれていった。
『木星に誓う、君はこれからどう生きたい?』
『普通の女の子として、いいえあいつらのせいで人生を狂わされた人たちに真っ当な人生を送ってほしいです』
咲ちゃんはボソボソっと言ったが私の耳にははっきりと届いた。
『私と契約を結んだからといってそれが必ず実現するとは限りませんよ、それでもいいですか?』
私、いや私の中の詩織さんは念を押すように言った。
『実績のない妖魔じゃないのは私もさとみさんがみていた夢でちゃんと確認しました、私は妖魔、詩織さんと契約します』
私は咲ちゃんの言葉を聞いてうなづいた。
『では私、元、詩織はこれにて岡浜咲と契約を結びます、ってあの妖魔が言う契約って私たちと親友になることだからね、これからは呼び捨てだよ、咲』
『もちろんだよ、春雨とナッツ、そんでもりゆき?』
最後にとんでもないボケをかましてくれたがそれでも咲の声がだんだん力強くなってゆくのが感じられた。
『咲の火傷が完治するのがここに居るみんなの力を合わせても1週間以上、地球に帰るのはそれからね』
ナッツは言うと私と咲に軽く抱きついてきた。すでに治療は始まっているようだ。
『しかしそれにしても幸恵さんも聡さんも私に大ウソついていたな、3月末のオールナイトでバッコンバッコンなんて大ボラ良く言えたものだ』
私がグチるとふたりとも大声で笑い出した。
『実際には女同士でシコシコでしたからね』
まだ身体は自由に動かせないはずの咲が笑いながら言った。

ハルサメとナッツ9 あの陽に還える
終わり 10に続く

咲「それにしてもあの放電現象は完全に御〇〇琴の丸パクリでしたね」

加世「こまけーことはいいんだよ、それより愛のやつが思いつきで話を進めたもんだから私たちがどんだけ迷惑を被ったか」

詩織「特に私なんて言動が不一致しまくりでキャラ崩壊でしたからね」

沙芽「全くメーワクな作者だよ」

以降どうやったらこんな矛盾だらけの作品になるの?的な旧作です。
だからというわけじゃないですがあまり見られたくないので有料設定です。

旧ハルサメとナッツ9 あの陽に還える

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12,044字
まだまだ更新中ですが頑張ってみます。

新米淫魔ハルサメと熟練悪なナッツの愛とえろすの物語 20才以上推奨ですが、、特に、、、、過剰な期待はしないでください(笑)

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