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風よあらしよ〜吉高由里子は、吉高由里子だった

昨日観た、劇場版「風よあらしよ」

女性解放活動家 伊藤野枝の、上京から亡くなるまでを描く。
昨年、NHKのドラマを見逃し、シアターキノでの劇場版。

これまで、昨年の「福田村事件」(映画、原作)、吉村昭著「関東大震災」をとおして、ようやくスタート台に立ったような知識ではあったが、今回の映画を観て、全体を見通せた気がする。

この映画では、平塚らいてうの「元始、女性は実に太陽であった」が、伊藤野枝が、青鞜社に入るきっかけとなる、これは、何と懐かしい響きの言葉か!

そして、たまたま、中島岳志著「自分ごとの政治学」も読むことで、これまでの普通の人々の活動の積み重ねが、現在の平和な日本を築いて来たことも。

ただ、政府の横暴、この当時でいえば、無政府主義者の弾圧、朝鮮人差別、今も、程度の差こそあれ、信頼が地に墜ちた政治、多くの差別など、私たちが守るべき人々、事柄等、あるいは闘わなければならないこと等が、依然として、やるべきことが、数多く残されている感じがする。

とても、感動の一方、悲しい気持ちがないまぜになった映画だった。

それにしても、主役の伊藤野枝を演じた吉高由里子は、やはり、吉高由里子だった。
デビュー当時あまり感じなかった魅力が、どの役を演じても、気持ちが滲み出るというか、私にとって、とても素敵な俳優と感じる数少ない一人だと思う。「最愛」、「光る君へ」、今回の映画と、ますます、その魅力が増して来ている。

大杉栄役の永山瑛太は、福田村事件に続く熱演、辻潤役の稲垣吾郎、平塚らいてう役の松下奈緒など、多くの共演陣も素晴らしい。
私が知らない共演の多くの俳優さんも、それぞれ良かった。

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