戸田真琴『そっちにいかないで』 感想
戸田真琴さん著 『そっちにいかないで』を拝読しました。
1人のAV女優による、幼少の記憶からAVデビュー、引退に至るまでを主観で綴った私小説。
機能不全家庭で過ごす中でいつの間にか植え付けられた自罰的意識、その解放までのプロセスが主人公モモの視点を通して丁寧に語られます。
以下、本作の大筋を振り返りながらの自己解釈です。
※内容に深く触れますので、未読の方はご注意ください。
■第一章
母が作った、家庭内のキャラクター設定を根深く植え付けられた姉妹。主人公のモモは「わがま