失敗あれこれ!軽度知的障害のある人のお金管理支援
圧迫されたお財布やレシートの山から解放されたい!
そう思って始まった知的障害のある娘のお金管理支援。
この記事は、知的障害+ASDのある子とお金管理に取り組んだ失敗談をまとめました。皆さんのお役に立てれば幸いです。
ポピュラーな袋分けは予想外の展開に!
「袋分けとレシートを貼るだけの家計簿」は、一番ポピュラーな方法なので一緒にやってみました。
しかし、本人に任せてみると別の用途にも手をつけて使ってしまったという事態に!
(お金の)全体管理を任せてしまうことは 危険 だと感じた瞬間でした。
袋を分けたからって、その袋に手を付けない保証はないわけです。
袋分けされた袋(に入っているお金)が無くなったから、(お金の)入っている袋から補充した
娘の理屈はたぶんそう。
間違ってるけど間違ってない(笑)
消費者庁も、特別支援学校でも袋分けを推進しているお金管理なんですが、袋を分けたところで、管理到達までのゴールが見えないことが判明しました。
我が家の袋分けは失敗に終わりました。
「レシート貼るだけ家計簿」で親子関係悪化!
では、レシートを貼っていく「レシート貼るだけ家計簿」はどうか?
貼ることでレシートが可視化される → (視覚優位なので)娘にも簡単にできるかも?!
そう思い、期待しました。
ただ、娘のレシートが多いのです。
毎日、仕事帰りに必ずコンビニへ行き、飲み物、お菓子を買って帰る…。
もうルーティン化していました。
日々のレシートを一つ、一つ、目を通していると、私の方が可視化されたレシートに反応し、無駄な使い方が気になってきました。
そうなると私の小言も多くなります。
「なんでこれを買ったの~?」
「使い過ぎじゃない?」
そんなことを毎日、言ってしまう私。
言われてしまう娘。
その関係は日々を重ねるほどに険悪に…。
そして、関係悪化のトドメは、買った商品に 『×』をつけて「買わない」を意識させてしまったこと。
これ、 支援方法としてはNG です。
ASDっ子の心身に負荷がかかり、爆発すると最近知られてきた手法です。
我が家も例外なく、最悪な人間関係が出来上がってしまいました。
本人からすれば、これ地獄でしたよね?
はい、ものすごく反省です。
お金管理って誰のためのものなの?
試行錯誤はまだまだ続きました。
デジタル家計簿にしたり、おこずかい帳を書かせたり…娘のお金管理につながるものを思いつくままに試しましたが、どれも中途半端で続きません。
どうやったらお金を上手く使えるようになるのか…。
でね、思ったんです。
公表されている知的障害のある人へのお金管理術の情報って、親(や支援者)のためのものなんじゃ?って。
あくまで親や支援者側の不安を回避させるだけのものなのでは?と。
本気で知的障害のある人に管理術をクリアさせようと思うのなら、もっと方法を絞らなきゃいけないのでは?とも。
試して分かったのは、本人が管理をするには至っていないという事実です。
そもそも管理って、健常者でも苦手な人多いですもの。
知的障害のある人に、「それができるもの」として提供するには、不親切だと思うんですよね。
国も、もう少し本気になって、好事例をピックアップしてくれないかしら…。
知的障害のある人もお金のやりくりできますか?
なので、考えたのはお財布に絞った管理術です。
「100円単位のお金しか持たせない」のは、知的障害があるとはいえ、違うと思うんですよね。日々のお金くらいは上手く使ってほしいし。
我が家は、ひと月の管理と毎日のお財布管理は別物として扱ってみることから始めました。全体的な管理は、私と娘でやる。時間はかかっても一緒に。
*
*
*
気付けば、あれから7年経過しました。娘のお金管理どうなったと思います?
結論から言えば、知的障害があってもやりくりできるようになりました。
我が家のオリジナルでナンですが、あ、これならできるんだな、というのが私の感想でした。
圧迫された小銭、レシートは解消されましたね。
次回は成功体験を書かせて頂きます。