第3回絵本ゼミ終了!

あっという間に6月、と思ったらもう下旬に入ります。
11日にミッキー絵本ゼミの3回目受講。
今回私に刻まれたのは、「考える」という事。「先生の仕事で大事なのは知識を教える事てはない。どうやって知識を増やしたり深めたり出来るか、そのやり方を示したり、考えさせたりする事。自らやる事でしか自らを豊かに出来ないのだから」と、そのまま言われた訳ではないのですが、受け取りました。
で、今は受講する側なので、先生から出される課題の意味を「考え」「自らの課題を見つける」という意識を持ちつつ臨まなければ、と思った次第。
1、ケイト・グリーナウェイ賞について
前年にイギリスで出版された本のうち、イラストレーションの点で最も秀れた子どものための作品の画家に贈られる賞。現在はカーネギー賞画家賞。
★コルデコット賞と比較して
違う点〉
・画家に贈られる賞で、絵本でなくてもよい
・外国の作品でもよい
・スポンサーがいる
・コルデコット賞の様に、「ずっと出   版され続ける」という保証は無い。
・コルデコット賞より地味で、賞をとったから売れるとは限らない。(と「賞を取った子どもの本」に書いてあった)
同じ、似ている点
・図書館員が選ぶ
・前年に出版された本に限定している

「賞をとった子どもの本」(ルース・アレン著 玉川大学出版部 2009年)によると、グリーナウェイ賞はコルデコット賞よりも17年遅く始まったが、その認知度は2000年ぐらいまでは低く、メディアに取り上げられる事も少なかったそう。
更に、ルース氏は、アメリカとイギリスの違いとして、例えばアメリカ人は酷評された演劇は見に行かないだろうが、イギリス人はその酷評を覆そうと見に行く人が増えるだろう、と言う。つまり、賞を取った本に対してイギリス人はアメリカ人ほどその価値を鵜呑みにしない伝統がある、と言うのだ。
イギリス人である著者の意見なので、そういう文化的違いはあるのだろう。
似ている点では、コルデコット賞も、グリーナウェイ賞も、前年に出版された本に贈られるので、同じ作者の別の年に出版された作品の方が人気があったり、私自身も好きなものが多い。例えば、ハッチンスは「ロージーのおさんぽ」が一番好きだ。その年の他の作品との兼ね合いも影響する、というのが、この2つの賞(他にもあるけれど)に共通する特徴。
対して、国際アンデルセン賞は、その人のそれまでの業績に贈られる賞。
賞によって選び方が違って、補完しあっている事を知った。
2、ジョン・バーニンガムについて
私は、今回のグリーナウェイ賞の1冊に「ガンピーさんのふなあそび」を選んだ。他のグループにも何人もこれを選んで来ている人がいて、「やっぱりなぁ」と思った。
1回目の受賞作「ボルガ」も手元にあったので比較すると、かなり絵に変化がある事が分かった。くっきりした縁取りが無くなっている。

1963年の「ポルカ」から1970年の「ガンピーさんのふなあそび」の7年の間だけでも、テキストは少なくなる傾向が見られ、絵が軽やかになっている。
その後内容も、子どもの立場からその想いを表現するような「シャーリー」「アルド」「くものこどもたち」や大人がやり込められる「いつもちこくのおとこのこ」、死を扱う「おじいちゃん」参加型の「ねえ、どれがいい?」と、意欲的に創作が続いた。
死後に出版された最後の作品「パイロットマイルズ」は妻、親友の力で完成。空に向かうマイルズはバーニンガムと重なって、悲しくもあり、でも、幸せな終わりでもあるように感じられた。

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