見出し画像

さよなら深蒸し茶

長年愛飲してきた深蒸し茶の最後の1袋を飲みきってしまいました。冒頭の写真はその最後の1杯です。濃くて鮮やかな緑色が伝わるといいのですが。

母に「おいしいんだよ」と勧めてもらい、かれこれ20年ほど飲んできたお茶です。栽培されていたお茶農家・富香里園さんは、母の同僚のご実家。母は定年退職してからもおつきあいを続け、年に何度かまとめ買いして冷蔵庫に保管していました(茶葉を冷蔵庫に入れておくと、淹れたときに色が褪せないのです)。私はそれをときどき分けてもらっていていました。富香里園さんのお茶を切らし、自分で別の商品を買うときもありましたが、私が手を出せる価格帯の茶葉は富香里園さんの味とはほど遠く、「やっぱりこれでないと」と富香里園さんのお茶に戻っていました。

富香里園さんは諸般の事情で茶畑の維持・管理が難しくなり、お茶の栽培規模をだいぶ縮小することに決められたそうです。この味がもう飲めないと思うととても残念です。

透き通った煎茶とは違い、濁った状態で注がれる濃厚な深蒸し茶。煎茶に劣るという見方もあるそうですが、香りも味もガツンと力があり、「緑茶飲んでるな〜」と実感できます。そんな深蒸し茶が母も私も好きで、富香里園さんのお茶は特に飲みごたえがあって常備してきました。帰省すると、母が茶葉をたっぷり使って淹れてくれる富香里園さんのお茶は、私にとっては実家の味でもありました。

静岡生まれ・静岡育ちの母のお茶っ葉レーダーは健在で、富香里園さんを惜しみつつ、お眼鏡にかなう別の茶農家さんを新たに見つけたそうです。今度の帰省でそのお茶を飲めるのが楽しみです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?