級友。ときどき、病み友
読みやすい文章を書けるようになりたいものです。
この級友が教室で死にたいって言っていました。
なんだか共感できました。
だからその子の声に耳を傾けてみたんです。
でも、全然話が前進しなかった。
だから、
「だよね〜。」
そう、相槌を打ってみました。
そうしたら驚いた顔でこちらを見てきました。
突然話しかけてしまったからでしょう。
どうしようもなくなって、私は歌を歌いました。
ただのボカロです。
シニタイ。
ネットを見てると流れてくる。
シニタイ。
私はそんなこと思わない、って言い聞かせる。
シニタイ。
歌うのに飽きた私はお散歩に出かけました。
宛もなく歩くのも良いものです。
この日は天気が良くて気持ちが良かった。
「雲が無いなぁ」なんて考えていると、チャイムが鳴りました。
教室に戻るのも次の授業出るのも億劫だったので、
誰も来ない廊下にいることにしました。
窓から中庭が見えて、椅子に座ったぬいぐるみがいる、サボるのには絶好の場所。お気に入りです。
ぬいぐるみを膝に乗せて撫でながら歌を歌いました。
もしかしたら誰かが来るのを期待していたのかもしれません。
時間だけが経っていきました。
授業が後半戦に入ったところで先生に見つかりました。副担任です。
先生は顔だけ激怒していました。
隠しきれなかった鬼の顔で先生は
「今後、学校にいる時に隣で死にたい言うてる人がおったら絶対に教えてね。」
と、言いました。
先生は怒りと悲しみに震えていました。
詳しく話を聞くと、あの死にたがりの級友はどうしようもなくなってリスカをしたとのことでした。
しばらく沈黙が続いた。
リスカ。
よく聞く。
リスカ。
生きる為の行動。
リスカ。
その苦しみに共感なんか誰にもできない
「リスカしたことある?」
と先生が聞いてきました。
驚くほど軽いノリでした。
私は「ない」と手首を見せながら言いました。
「だよね〜。あ、そういえば級友の手当てしながら同じこと聞いたら何回もあるって言ってたんだよね〜。あと、それを知ってるのはあなただけって言ってたからさ、話、聞きに来たんだよ。」
と言われました。
「他言しない約束だから何も言わない」
そう、私は答えました。
先生は明らかに不機嫌になりました。
多くの情報が欲しかったのでしょう。
でも約束なのでしょうがないです。
怒りを我慢できなかった先生は授業に出ていないことを怒ってきました。
言い返せずに黙りました。
すると級友がやって来ました。
ベストタイミング。
級友は
「約束守ってくれてありがとう。でも、先生に話して欲しかった。言いづらいから。」
と、半泣きで言ってきました。
「自分で話しな。そっちの方が伝わるから。」
と言うと泣きながら去って行ってしまいました。
先生も慌てて追いかけて行きます。
それ以来級友とは会っていません。
学校にも来ていません。
級友とはもう会えないかもしれません。
後悔だけが残っています。
なんで、あの時寄り添わなかったのだろう。
ぬいぐるみに会うたびに思います。
どうしたら良かったのだろう。
終わり
最後に1言。
取り返しのつかないことをしてしまいました。