イヤホン
溜めていた分・その1
12月のこと。
ノイズキャンセリングイヤホンが壊れた。
この世の終わりだ。
原因は体育の見学中にバスケットボールが飛んできたから。
体育中はいつも耳栓で参加しているが、見学だからという浅はかな考えでイヤホンを着けたままにしていたところ、ボールが耳にピンポイントで当たったのだ。
イヤホンは当たった瞬間仕事をしなくなった。
ドリブルの音や足音、笛の音が飛び交う体育館。
頭痛と絶望を感じつつ、ボールの持ち主に教室に戻ることを担当教員に伝えてもらい、教室に帰った。
教室に戻り、イヤーマフを着用。
しばらくはイヤーマフ生活が確定する。イヤホンに比べて目立つし、圧迫感がすごい。イヤホンの凄さを思い知る。
授業はまだ半分も終わっていない。
うるさい体育館に戻る気もせず、授業を放棄して教室で1人自習をする。
チャートの青色が空の色と一緒だった。
すると、5分も経たない内に巡回中の教員が私を見つけた。
先生は怒り狂った状態で私を保健室に連行。
養護の先生はひきつった笑顔で出迎えてくれた。
数学の問題を解きつつ、先生とイヤホンが壊れた話をする。
不運だったねと笑う先生。
きっとイヤホンの重要性がわかっていないのだろう。
聴覚過敏の私はイヤホンが無ければ授業が受けれないし、電車や車に乗れない。苦手な音が聞こえようものなら、パニックになって解離して終了。記憶が飛ぶ。つまり、イヤホンは生活必需品だ。
今すぐにでも買いに行かなくてはならない。
しかし、ここで1つ問題がある。イヤホンの3年保証は切れてるから買い直しである。
先生は軽々しく買おうと言ってくるが、そうはいかない。
イヤホンは3万円する。片耳1.5万円。
バイトをしていない高校生がさらっと出せる金額ではない。
というわけで親にお願いして払ってもらうしかない。憂鬱だ。
〜後日書いた分〜
結局、次の日にイヤホンがない生活が耐えられなくなり、親に謝罪して買ってもらった。