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いつになったらゲイって言うの?

「いつになったらゲイって言うの?」
「最近、太った?」

ここ2、3週間で会社の先輩Aに言われた言葉です。
自分的には、悩みも相談できて、頼れる先輩だと思っていました。
でも、たった2言で、その人への信頼は一気に失われました。

梅雨が過ぎたよく晴れた日。
私は、照りつける太陽に首の後ろを焼かれながら出社しました。
通勤している際は、いつも手持ちの扇風機を持ち、調光グラスをかけています。
オフィスに着いて、Aさんの近くの席につきました。
「おはようございます。」と挨拶をすると、Aさんは自分の格好と扇風機を見て一言。

「いつになったらゲイって言うの?」

一瞬、どう反応したらいいのかわかりませんでした。
周りには他の社員もいるし、でも自分を否定することへの拒絶感もありました。
私は、全く違う話に切り替えましたが、なんと言ったのかは全く思い出せません。

Aさんは本当に疑っていたのか。
それとも、「ゲイ」が冗談のつもりでからかっているだけだったのか。
どちらにしろ、Aさんへの信頼は崩れてしまいました。

自分がゲイでいることを、全員に隠しているわけではありません。
大切な友達や信頼できる会社の人には話しています。
でも、それは自分がこの人たちには、しっかりと自分を知って欲しいと思ったから。
楽しく恋バナをしたいと思ったからです。

ゲイであることは自然なことで、カミングアウトなんてヘテロが普通だと考えている恒常化した世界の忌々しい儀式としか思えません。

ただ、あの一言に対して、私は屈してしまった。
自分が会社の人にゲイであると知られるなんて、どうってことないと思っていました。
でも、あの一言を聞いた時の真っ白になった私の頭の中には、確かに恐怖という感情がありました。

少しでも同じようなことが、他の方には起きませんように。

おやすみなさい。

2023.08.14
台風が来ています。

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