世界初⁈「車にひかれて、逃げた話」この謎が解けるかな?の巻
私が大学3年の時の話。
柔道部だった私は、大学の体育寮に住んでいた。
寮での厳しいルールの1つに「練習を終わり次第、すぐ寮に帰り、その後は外出禁止」
これは白金に住んでる社長令嬢もビックリな厳しいルールだ。
大事にされ過ぎな「やんごとなき柔道部」である。
もちろん大事にされているのではなく、外に出ても「ロクなことしないだろう」ということだ。
外出がバレたら、もちろん怒られるし、頭がツルツルにもなって、連帯責任で他の部員にも迷惑がかかる。
「ルールは守ってこそルールである」
しかし、しかし…
私の心は大きく揺らいでいた。
「クリスマスくらい良いだろう…」
なぜ?
自分でもわからない。
聖夜だなんだと繰り返す歌とわざとらしくきらめく街のせいかな♪
数年後、back numberの「クリスマスソング」を聴いてなんか納得した。
とにかくリア充が羨ましかった。
人並みの自由、暗い生活の中で少しでも輝きが欲しかったのだろう。
私は寮を抜け出していた。
東京に来て、初めて自由を感じた瞬間だった。
東京の夜はなんて明るいんだ。
いつも朝練で走ってる公園も違う顔をしていた。
朝練の最後のメニューの坂道ダッシュの時に、私達がジャージを置いてるベンチにはオシャレなカップルが肩を寄せ合って座っていた。
この街は今、目を覚ましたかのように、イキイキと動いていた。
私は「カボチャの馬車」も「ガラスの靴」も履いてないが、シンデレラもこんな気持ちでパーティに向かったのだろうか?
私の足は丸の内線「茗荷谷駅」に向かっていた。
電車に乗り「池袋」に行く為だ!
やはり池袋だ!
池袋に行けば何かある。
ヨシノリ青年の頭の中は「池袋に行けば、きっと何かエロい事件に巻き込まれるゾ♡」の期待でいっぱいだった。
その時だった。
私は白い軽トラに引かれた!
後ろから、突き飛ばされブロック塀にぶつかった。
「ヤバい!!!」
スグに起き上がり、走って逃げた!
「ひかれ逃げ」である
何故、私は逃げたのでしょう?
もちろん、わかりますよね?
外出がバレたら怒られるからである。
警察官を呼ばれたり、病院に連れて行かれたらヤバい。
悠長に痛がってなんかいられない。
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