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「出た〜!」の巻

ほら、ボクって虫が苦手じゃないですか?
(知らねえよ!)
じゃ、ボクが虫苦手って知らないじゃないですか?
しかも、元々は苦手ってわけじゃなく、割と虫取りとかしてたのに、急に苦手になったタイプじゃないですか?
(だから知らないのよ!)
ウザ絡み風に、虫が苦手なことを紹介しました。
私は海と山に囲まれる田舎で育った。
1990年代後半の渋谷でガングロギャルに遭遇する確率ぐらい田舎では虫と遭遇する。
元々、虫がダメだったわけではなく、むしろ子どもの頃は得意な方だった。
服にカメムシが付いていても、無言で「ポンっ」とデコピン飛ばしが出来たし、街灯に群がっている小さい虫が自転車に乗ってる時に口に入っても、「プッウァーペッ」と吐き出して終わりだ。
基本的に田舎育ちの人は、可愛い子だろうが、野菜泥棒だろうが口に虫が入れば「プッウァーペッ」だ。
虫が苦手では、田舎で生きていけないのだ。
実家の庭(畑もあった)にはアリ、バッタ、てんとう虫、カナブン、ミノムシ、蜂、蝶々、山に行けばカブトムシ、クワガタ、カミキリムシ、など取り放題だった。
私見だが、人は異性を意識し始める頃に、虫が苦手になる。
ような気がする。多分。
好きな子が出来ると虫取りをしなくなるのだ。
なので、久しぶりに家の中で虫を見ると「ウワァ〜」と恐怖を感じる
一旦、「ウワァ〜」となると、もう止まらなくなる。
絶対みんなそうだ。
ポイントは「家の中」ということだ。
ゴキさんも外を歩いている時であれば、まだ大丈夫だが、家で見てしまった日には、もうダメだ。
一人暮らしだった頃は、家を出ていた。
それでは解決にならないので、家に戻り掃除機、殺虫剤、少年ジャンプで戦う。
倒すまで寝れない。
引越しも考えるほどだ。
「柔道千葉県チャンピオン」の名が廃るが、柔道の大会にゴキさんは出てないからしょうがない。

ところが、結婚してから安心の日々に変わった。
ウチの奥さんは蛍光灯も替えられないのに、虫には強いのだ!
虫に「無双」を決めてくれる。
「虎は何故強いのか?」と質問すれば「元々、強いからよ」ときっと言うだろう。
前田慶次もビックリだ。
奥さんが風邪で寝込んでいる時でも、奴らが出ればポカリを持ってお願いにいく。ただ夫婦ゲンカしている時には出ないでほしい。
厄介なのは、子どもが生まれてからである。
以前と違い虫が出ても「ウワァ~」とビビった声を出すのをグッとこらえる。(威厳だ)
そして「大丈夫だよ、こんなもん」と言いながら子どもと部屋を出て、奥さんを呼びにいき、お願いする。(もしくはLINE)
子どもは5歳になったので、そろそろバレそうだ。
いかに虫が苦手かわかってもらえただろうか?

自宅をリフォームしたことがあった。奥さんと子どもは実家に帰り、私は、2ヶ月アパートを借り1人暮らしをした。
家の荷物を全部入れるとなると、それなりに広い部屋が必要になる。リフォーム後に、また引っ越すので近場で借りようとしたが、2ヶ月で引っ越すとなると快く貸してくれる不動産屋さんは中々なかった。
やっと見つけた部屋はかなりボロかったが、値段も安いし寝るだけだから、良しとした。
窓を開けたら墓地だった。
ま〜寝るだけだし。
お隣さんは表札がいっぱい貼ってあるけど、1人で住んでいたお爺さんだった。一応、2ヶ月でも挨拶をしておこうとお菓子を持って行ったら、本来のゴミ捨て場でない1つ先のゴミ捨て場を教えてくれた。
もう片方のお隣さんは、ピンポンを鳴らしても出て来てくれなかった。
夜中でもテレビの音がデカかった。
ま~寝るだけだし。
寝れねえわ!
間取りは一応2LDK。2部屋のうち1部屋は荷物置き場にした。
それでも入りきらない物はリビングやキッチンに置いた。
引っ越しは友達が引っ越し会社に勤めていたので安く済んだが、お礼に晩ごはんをご馳走したらメチャクチャ高くついた。
その日はお酒も入り、引っ越しの疲れもあってか直ぐに寝てしまった。
夜中に目が覚め、キッチンに飲み物を取りに向かうとダンボールの上に「クモ」がいる。
「で、出た〜〜〜!いきなりかい!」
黒くてデカい。
虫退治スプレーを2本持ち、撃ちまくる。
怪獣8号の保科副隊長のスプレー版だ!
(なんだスプレー版て!)
ところが、びくともしない。
効いてない?
まさか「フォルティチュード8.0」以上か?
そっ〜と近づきダンボールを見てみると

黒いマジックで「米」と書かれていた‥

ほら、漢字の「米」とクモの形って似てるじゃないですか?
ね?ね?ね?ね?

なんだかな〜

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