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”カード・カウンター”を観て

マーティン・スコセッシの代表作で知られる”タクシー・ドライバー”、”レイジング・ブル”を手がけたポール・シュナイダーが監督・脚本を手がけた作品。
マーティン・スコセッシが製作総指揮をしてるだけあって、画像と音楽にかなり魅せられる。
ウィリアム・テルを演じるオスカー・アイザックがニヒルな役どころを見事に演じきっていて、みるとコーエン兄弟の”インサイド・ルーウィン・デイヴィス名もなき男の歌”でゴールデングローブ賞の主演男優賞にノミネートされたそうで納得である。
ストーリーは意外にシンプルで、そのウィリアム・テルが米国軍刑務所で服役中に覚えた”カード・カウンティング”と呼ばれる裏技で、カードゲームで生業を立てることを覚えるが、とある賭け事で逢ったカークが服役中に辛酸を味わったジョン・ゴールドと共通の恨みをもつことを知り、女ブローカーのラ・リンダと三人で大金稼ぎに回る話である。
ストーリーよりも主人公のウィリアム・テルの狂気的なほどストイックなライフスタイルがゴルゴ13を彷彿させるニヒルなダーク・ヒーローの格好良さに尽きる。
賭け事が終わるとモーテルへ一人で帰って、ロックを口に入れながら、ひたすら自省録をとる様が潔癖主義でもあるが、アウト・ローの生き様を示しているようで好感が持てたのであった。

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