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医薬品の安全性の保証〜無菌性〜

医薬品の品質には、安全、有効性、安定性が重要項目として挙げられますが、一番重要なのは、安全性です。
特に無菌性を証明することは重要な品質因子となります。医薬品は病人が服用するので、健常者には問題ない菌の量でも感染します。これを日和見感染といいます。

一般的に最終滅菌無菌製品の無菌性の保証レベル(SAL:Sterility Assurance Level)は10-6以下とされています。特定の菌を一定の温度で滅菌するとき、その菌数が1/10に減少するのに要する時間をD値といいます。
よく滅菌で用いられる121℃で、90%菌数が減少する時間がD121です。
このD値(90%菌数が減少する時間)を10倍、又は1/10だけ変化させる温度の幅をz値といいます。

微生物は加熱時間により対数減少しますが、
高圧蒸気滅菌(湿式滅菌)では通常、z=10です。すなわち10℃上がれば、D値(90%菌数が減少する時間)は1/10となります。
乾熱滅菌では通常、z=20です。すなわち20℃上がれば、D値(90%菌数が減少する時間)は1/10となります。
オートクレーブなどの高圧蒸気滅菌(湿式滅菌)はより効果の高い滅菌方法となります。

z値とD値の関係です
log対数をとった変形式です。








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