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微生物の同定方法〜グラム染色〜

菌を同定する方法として、色素で染めてみて、その色と様子で判断して、ざっくり菌の分類を2つ(グラム陰性菌かグラム陽性菌)に判断するグラム染色という方法があります。

グラム陽性菌と陰性菌は、細胞壁のペプチドグリカン層の厚さの違いで分類されます。
グラム陽性菌は、細胞壁が、厚いペプチドグリカン層でできており、クリスタルバイオレット色素に染まると、エタノールで落としても落ちませんが、グラム陰性菌は薄いペプチドグリカン層でできており、エタノールで容易に落ちます。これにより区別する方法をグラム染色といいます。ハンス・クリスチャン・グラムという生物学者が開発したので、グラム染色法といいま
す。

グラム染色法とは別に、劉の法則という簡易な鑑別法がありますが、これはアルカリ溶液と反応させると、グラム陽性菌は細胞壁が厚いため反応しませんが、グラム陰性菌は細胞壁が薄いため、破壊され、中の細胞の中のリボ核酸が出てくるため、粘性を示します。この粘性のあるなしでグラム陽性菌か陰性菌かを判別する方法が劉の法則です。


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