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仲間って大事だったんだと気づいたとき

 通信制の最大のデメリットは、隣に仲間がいないことだと思う。

 一人黙々と学習を進め、自分なりの見解を得てリポート課題を仕上げる。

 ━━━━自分なりの

 つまりこれは、とても、「ひとりよがり」なのである。

 提出したリポートには、先生のご意見をいただけるのだが、喜ばしく合格してしまえば、ここで終了となり、これ以上のやりとりの場はなくなる。
 自分が得た見解が間違いという事はないと思うが、「必ずしもそうとは言えない」とか、「こんな見解もある」とか、違った角度、違った視点からの意見がほしいと思った。

 あの頃の仲間って大事だったんだな。

 若さゆえに何か言われたら腹が立ったりもした。でも、そんな中で自分の考えは確実に広がり深まっていっていたに違いない。

 そして、もう一つ。
 何事も楽しいばかりではない。どうしようもなく、しんどくなることもある。そんな時は、ホントにキツイ。一度沈んだ地の底から自力で浮き上がるにはこんなにもエネルギーが必要だったことを知る。

 若かりし学生時代は、仲間がいることが当たり前で、おそらく何とも思っていなかった。でも、よく思い出す。若い娘たちはよく笑いもしたがよく泣いたものだ。励ましあったなどという意識はないけれど、きっと、一緒にいたから全て乗り越えられたのだろう。

 あの頃の仲間って、かけがえのない存在だったんだな。

 ひとの集団の面倒くささを充分に知った50代が、
 ひとの存在の大切さをあらためて知った時だった。


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