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「豪雨の予感」第14話(内水氾濫の発生とくるまの水没対策)

警報から1時間半ほど経ったころに健斗が帰ってきた。大雨洪水警報が発令されたため学校は休校である、時刻は10時をまわったころだ、少し豪雨がおさまった隙に急いで走ってきたという。

「ただいま!」
「健斗おかえり、帰り道雨大丈夫やった?」
「朝に比べると少し弱まってるけどまだ結構降ってる。通学路はこれくらい水に浸かってた。」

健斗は自分の脛あたりを指差してみおの顔を見た。みおがそれを認めたと分かると健斗は履いているずぶ濡れのシューズと靴下とズボンを脱ぎ始めた。健斗によると滝のような雨が四方から川になって通学路に流れ込み、さらにその水は西門から校庭に入り、通学路からフェンスを挟んだ小学校の運動場と池のある中庭に入り込んでいるようだ。冠水した池からはコイが泳ぎ出てしまい、ニワトリとうさぎの飼育小屋も冠水し始めたので飼育当番の健斗のクラスが、鶏とうさぎを救出して校舎2階の空いてる教室に簡易的な飼育小屋を作って移し終えたとこだという。

濡れた膝から下をタオルで拭き、靴下とズボンを履き替えた健斗と一緒にみおは避難準備を再開した。避難用リュックと備蓄品の確認はできたので、次に自宅の駐車場でくるまの水没防止専用カバーを装着する。自宅の駐車場は地面と同じ高さにあり、ハザードマップではみおの自宅は浸水深1-3mのエリアになっている。しかも自宅横の電柱には“このエリアは冠水時浸水深が2メートルになります”という表示がある。健斗によるとすでに小学校への通学路は冠水し始めているため、このまま豪雨が続けば自宅は冠水しみおのお気に入りの電気自動車も水没してしまうだろう。

みおはこんな状況に備えて「くるまの水没防止カバー」を備蓄していた。くるまをカバーしておくことで、水没するかどうかの分水嶺となる浸水深50cm以上になったケースでも、マフラーや床下の電気系統、車内への浸水によるダメージを防ぐことができる。カバーをした状態だと浸水深が50cmを超えると浮力によりくるまは浮いてしまうが、今回のような水流がそんなに強くない内水氾濫のケースでは二輪車用の盗難防止チェーンなどで係留しておけばいい。みおはくるまをカバーした後くるまの四隅とカーポートとをチェーンでくくりつけた。

第15話に続く
(このストーリーはフィクションです。一部実在する名称を使用しています)

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