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令和5年7月豪雨 秋田市での水害被害報告(豪雨の状況)

2023年7月19日から20日にかけ現地にてお聞きした豪雨の状況について報告します。

今回の豪雨の状況

・2023年7月14日(金)から雨が降り始め、15日(土)昼頃から線状降水帯の影響により猛烈な豪雨となり市内各地で内水氾濫による浸水が発生、さらに太平川や猿田川の氾濫の影響をうけ広範囲で甚大な被害が発生
・浸水は16日(日)にかけて続き、雨は17日午後に一旦止んだものの梅雨前線が停滞した影響もあり19日現在も大雨洪水警報が継続(大雨警報は秋田市など、洪水警報は太平川)
・24時間雨量は秋田市で287mm(7月15日15時まで)で観測史上最大。14日(金)から降り始めからの雨量は400mm
・冠水のあった地域は秋田駅東部、南部(太平川近隣地区、猿田川と雄物川の間にある地区)、秋田市中通り地区
・主に内水氾濫をきっかけに冠水が始まり、一部地域では河川の氾濫を伴った大規模な冠水となった。民家やくるまなどが水流で流された様子は見られない。
✳︎今回調べによる

太平川(2023年7月19日15時ころ)

地域の特徴

秋田市が位置する秋田平野は東北の日本海側に位置し、雄物川(一級河川)以北に広がる三角州低地になっている。市東部には手形山台地、太平山が広がっている。また日本海沿岸部は秋田砂丘が広がっている。季節風の影響による降雪は内陸地域に入り太平山地に近づくにつれ多くなるため、市内中心部の積雪は深くなく、台風の影響も極めて少ない(昭和44年)比較的気候の安定した住みやすい気候。
・市内中心部からくるまを避難させることができる高台は秋田市一つ森公園かイオンなど近隣の大型スーパー・小売店の立体駐車場となるが、全く想定されていない線状降水帯による豪雨は数時間で内水氾濫を引き起こしたため、発災が起きてからの避難は困難だったと思われる。

秋田市内で発生した過去の豪雨災害

・昭和30年6月豪雨で総雨量300m超旭川と太平川が氾濫
・平成29年の大雨では24時間降雨量が348mm(雄和地区、観測史上最大)、約四万人に避難勧告
・平成30年の大雨では総雨量168mm(下新城、大住、牛島地区)、約3万人に避難勧告

上記昭和30年豪雨以降、総雨量が100-200mの大雨による避難勧告が発令されたケースへあったものの今回ほど大規模な豪雨は過去に発生していない。また過去の水害のケースは局地的であったことから、秋田市での雨水の排水や地盤強化などインフラ整備は想定外であったと考えられる。なお猿田川と雄物川に囲まれた地区は冠水しやすい地域であるため治水対策が行われていた矢先の豪雨だった。

雄物川(2023年7月19日17時ごろ)

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