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7月18日 100日で完成する本 16日目

・利他と自己変革

『ナチュラル・リーダーシップの教科書』と言う本を読みました。この本は、組織論・経営論の本で「牧場研修」といって、牧場で馬と関わることで、自分を見つめ直すという非常にユニークな研修を扱っています。

実は馬の群れにおいて、ヒエラルキーは固定化していません。その時々の状況や環境において必要な情報を多く持っている馬が、リーダーシップを発揮すると言われています。

『ナチュラル・リーダーシップの教科書』より

上記の引用のように、牧場で馬の群れの様子を見ると、明確なリーダーはいないそうです。一般的なリーダー像を思い浮かべてみてください。やはり、特定の人が集団をまとめたり引っ張ったりしていく姿が思い浮かぶのではないでしょうか。

本書では、今までの固定化されたリーダーシップではなく、流動的でその場に応じてリーダーとなる人が変化していくものがこれからは大切であると述べています。

それが自然な姿であると。組織論で有名な本「ティール組織」のことも言及しています。

ティール組織とは、社員それぞれ(細胞ひとつひとつ)が、自分たち(仲間全体)の使命を感じながら、それぞれの意思決定によって、ありのままに動き、自由に変化し続けるという、次世代型組織の在り方です。

『ナチュラル・リーダーシップの教科書』より

よく言われる自律分散型組織というやつですね。これが、一番理想的な組織の在り方だなあとは思います。ただ、それをどう実現するのかが非常に難しいですよね。本書では、ナチュラルリーダーシップを実現するための行動様式をスモールステップで紹介しています。

その中で、著者が大切にしていることは、「感覚」です。論理や思考ではなく感覚。「センスオブワンダー」の「知ることは感じることの半分も重要ではない」という言葉が思い出されます。

むしろ、これからの時代に求められているのは、状況の変化に臨機応変に対応すること、そして、自らの「埋もれている力」に光を当てて、引き出すことでしょう。「埋もれている力」はどこにあるのか?私は、「感覚」の中にあると考えています。

『ナチュラル・リーダーシップの教科書』より

何となく「感覚」の大切ははわかります。自分が普段過ごしている中で感じること、それはちょっとした違和感としていろんな形で現れてきます。感覚が鈍っているとそれをキャッチできないだろうと思います。

だからこそ、日々感覚を大切にして過ごしていくことが大切だと思います。少し前にも書きましたが、自然に中に身を置いて道端に咲いている花や草木にも興味を持って観察すること。

そうすることで、感覚がだんだんと開いてきて、埋もれている力が引き出されていくのです。普通に生活していると、好奇心に蓋をしてなかなか感じるということができない人もいるのではないでしょうか。是非感じていきましょう!

ナチュラルリーダーシップの仕上げとも言うべき最後の行動様式は、「英雄的な感覚を持つ」です。(中略)ここでいう「英雄的な感覚」とは、他者の命が困難な状態にあるとき、自分の命のことなど考える間もなく、衝動的に手を差し伸べてしまう感覚のことです。

『ナチュラル・リーダーシップの教科書』より

ナチュラルリーダーシップを実現するための行動様式のゴールが「英雄的な感覚を持つ」だそうです。確かにこれは理想ですね。先ほど述べた「利他」にもつながる要素かと思います。

誰かの大切なもののために、自分の大切なものを手放すこと。それは、自分が変わることだから、自己犠牲ではないと。前回の本との繋がりを感じますね。だから、英雄的な感覚を持つためには、利他の視点が必要なのではないかと考えています。

ナチュラルリーダーシップのための学びのサイクルも以下の引用示しておきます。

「リーダーシップサイクル」は、「内省」「観察・理解」「行動変容」「フィードバック」の4つで構成されており、これらを順番に回していくことで、継続的な内省と、内省に基づく成長を促すものです。

『ナチュラル・リーダーシップの教科書』より

これは、自己変革のサイクルだと思います。自己を振り返り、他者のフィードバックをもらいながら新しい自分へと成長していく。これからのリーダー像が見えてきましたね。


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