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あらいぐま

我が家は引っ越して来た時から来てくれている地域猫さん達へカリカリの餌をお出ししている。
ある時、出したカリカリ餌がすごいスピードで、
すっからかんに無くなる事があった。
何かがおかしい。
これは猫だろうか?
しばらく様子を見ていると、また、カリカリ餌がすっからかんになった。
これは、猫ではないと思った。
観察を続けると、何と犯人はあらいぐまだった。
あらいぐまは凶暴で、狂犬病を持っている事があるので、役所へ連絡をした方がよいそうだ。
しばらく様子をみたのちに、役所へ電話を掛けた。
すると、捕獲器を無料で貸し出しをしてくれて、捕獲出来た際には、捕獲器に入ったあらいぐまごとお持ち帰りいただけるとの事だった。
細長い頑丈そうな捕獲器を持ってきていただき、庭へ設置した。
役所の方に仕掛けておく餌は何が良いか聞いた。
すると、ビックリ!!
好物はあんドーナツとの事。
油っこくて甘いあんドーナツが大好物だと言う。
早速、買ってきて、針金の先へ刺して仕掛けた。
捕獲器のしくみは餌を食べると、入ってきた入口がガタンと下がり閉まるというしくみになっている。
午後に仕掛けた。
朝になったら入っているだろうか?
次の日の朝、早速、捕獲器を見てみた。
まん丸黒目の動物は見事に一回で入っていた。
役所の方の言う通り、あんドーナツに目がくらみ、入り込んだ様子だった。
意外と落ち着きがなく、時に、捕獲器を持ってガタガタと揺らしている。なかなか、凶暴。
しかも、なかなか大きい。
すぐに、役所へ電話を掛けた。
すると、数時間後、車で来て下さり、あらいぐまと捕獲器はドナドナで子牛が連れて行かれるように、役所の車に乗せられて連れて行かれた。
ネットで検索をすると、その後は殺処分されるらしかった。
猫の平穏な生活を守ってあげたいと思い、捕獲器を仕掛けた。
けれど、連れて行かれたあらいぐまはこのあと、殺されてしまう。とても、悲しくなった。ものすごい罪悪感。
この連れて行かれたあらいぐまには可哀想な事をしてしまったと思った。
また出たとしても、もう二回目は出来ないなと思った。生きている動物の命を奪ってしまうことなど、もう出来ない。少し考えさせられた。
もう、うちの庭には現れないでね。
心の中で願った。

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