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Wes Montgomery ウェス・モンゴメリー A Day In The Life
時を経て輝く
![](https://assets.st-note.com/img/1707640769775-ql4Mgovx16.jpg)
時を経て、作品そのものは、変わらないが、
時を経て、それを聴く私は、変わっている。
当たり前の話だが、昔よく聴いた音源を久しぶりに聴くと、
私の前に立ち現れてくる音像によって、
心が高ぶり、強い幸福感を感じる場合もあれば、
その反対でなんの感慨も起こらない場合もある。
このアルバムを、数十年ぶりに聴いた。正直驚いてしまった。
昔、本当によく聴いたアルバムであることは確かなのだが、
当時、それほど思い入れがあったわけではなかったと思う。
だから、自分にとってそんなに重要な作品だとは全く思っていなかった。
しかし、数十年ぶりに聴き始めたら、
今まで感じたことのない高揚感と幸福感に満たされた。
ノスタルジーと言ってしまえば、話は簡単なのだが、
思うに、若い時に繰り返し聴いたこの音源が、
いかに私の脳裏の奥深いところに強い痕跡を
残していたのかに改めて気づくとともに、
刺激的で魅力ある音像として、装いを新たにして、
私の前に立ち現れてきたのである。
例えば、4曲目の「カリフォルニア・ナイツ」という、
マーヴィン・ハムリッシュ作曲の少し、
憂いを秘めた曲調に乗って爪弾かれる
ウェスのソロのなんと素晴らしいこと。思わず涙してしまいました。
艶っぽくて、わかりやすくて、可愛らしくて、
なんて素晴らしいのでしょう!
イージー・リスニングジャズと片付けてしまうには、
惜しい気がするのです。
むしろ、ウェスの魅力を、ある意味、
最大限引き出しているのではないかと。
ウェスの画期的な奏法を、分かりやすくそれも高度なアレンジで
纏め上げた、クロスオーバジャズの稀有な成功例と言えないでしょうか。
全ての曲が素晴らしいが、特に好きなのは、
「カリフォルニア・ナイツ」、「トラスト・イン・ミー」の後半部分、
そして、ご機嫌な「ザ・ジョーカー」。
ぜひ多くの人に聴いてほしい、最高のアルバムです。
Wes Montgomery /A Day In The Life
Wes Montgomery – guitar
Herbie Hancock – piano
Ron Carter – bass
Grady Tate – drums
Ray Barretto – percussion
1. A Day in the Life
2. Watch What Happens
3. When a Man Loves a Woman
4. California Nights
5. Angel
6. Eleanor Rigby
7. Willow Weep for Me
8. Windy
9. Trust in Me
10. The Joker
Recorded June 6, 7, 8 and 26, 1967
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