どうしようもなく

ホームセンターに冬物寝具を見に行ったら
ふと目に止まった
ペットコーナーのケージの中に
他の子達より、ちょっと大きな
グレーの猫が丸まっていた。
他の子達は元気に遊び回ったり
ウィンドウを引っ掻いたり
忙しない中、寝ているわけでもなく
丸まっていた。
私はずっと犬を飼っていて
猫アレルギーだったため
猫が苦手だったが
なぜか目が離せなくて見ていると
普段滅多に店員に声をかけたりしない
夫が
「この子を抱っこできますか」
と尋ねた。
抱っこをすると急に夫のパーカーで
遊び始めた。
丸まっていたときは
とても大きく見えたが
実際触るととても軽く細かった。
一番売れる時期である
生後2ヶ月のときに、
ストレスで剥げてしまったようで
その時を逃してしまったようだった。
どうしようもなく離れがたく
その気の弱いところが愛しく感じ
寝具を買いに来ただけだったのに
連れて帰る話をつけてしまった。

家族全員が感じた離れがたさ
他のどの子でもなく
この子がうちの子だと感じた。

それが買ったわけ。
それが飼ったわけ。

今ではストレスを感じることもなく
ひっくり返っている。

#買ったわけ
#猫