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ピアノトリオを聴きに行きました。

オヤジブログ怪気炎 vol.139

川崎のミューザにピアノトリオを聴きに行きました。プログラム前半は独奏、後半はアンサンブルという構成で組まれていて、圧巻は最後のブラームスの三重奏曲。ブラームスならではの重厚なハーモニーが、まるでオーケストラを聴いているかのように響きます。しかも、指揮者が旗振り役をしているオーケストラとは違い、奏者一人ひとりの運動性が発揮できるピアノトリオならではの自由度の高い音楽が展開されていました。
ベートーヴェン、メンデルスゾーン、ブラームスと続けて聴いて、それぞれの楽想がどこから湧き上がってきたのか? 勝手に想像していました。ボク自身も思いついたメロディーの断片をメモに書き残しているのですが、詩とか旋律とか抽象性の高い表現は、無意識の淵から湧き出てくるような気がします。形のない得体の知れないものが、やがて文字や音へと形を変えていく過程が詩作であり作曲の正体ではないでしょうか?
それが即明確な破綻のない形に結晶したのがモーツァルトであり、時間をかけて熟成したのがベートーヴェンやブラームスな気がします。ブラームスは生存していた頃から、古臭いなどと陰口を叩かれていましたが、頑なまでに自分の信じる音楽を守り抜いたからこそ、普遍性のある作品として万人に愛され続け、今日まで残っているのでしょう。

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