2024 6/28 エビカツバーガーは不気味

日記です。掃除機をかけた。良かった。掃除機なんてしょっちゅうかけてるはずなのに、なんだか今日はかなり良い気持ちになった。
雨が降っていたからだろうか。雨の日と掃除機って親和性がある気がする。どうせ外にも出れないし今日はゆっくり家事でもしちゃおうかしら、的な。いつもはうるさいだけの吸い込み音が今日は雨音と入り混じってなんだか素敵に聞こえるわね、的な。そういう気分は確実にある。
家事やるなら雨の日だな。雨の土曜日の午前中だ。早起きして、一通り家事やったあとシャワー浴びて、そんで流れでパニーニ焼いちゃったりしてさぁ。うわーっ!良すぎる。良すぎて身震いしてしまった。そんな良い日を過ごせるなら死んでもいい。

掃除機かけてるときって、なんだか自分をやたら俯瞰してしまうな。掃除機をかける自分の無表情を脳内で想像して、その通りの顔ができてるか時折確かめながら黙々と進めているかんじ。
掃除機をかけてるときって人間が一番無表情な瞬間の一つだと思う。無感情系クールキャラに憧れている人は掃除機をかけてる自分を参考にしてみてください。常にその顔をしていればあなたは綾波レイになれます。


エビカツバーガーって美味いよなぁ。
と、近所のロッテリアの看板を見るたび思う。そして同時にこうも思う。
エビカツバーガーって不気味だ。

エビのカツレツを具に挟んだバーガーなんて聞くと、なんだか実にモダンな食べ物に感じる。文明開花の時代に考案されたと言われてもなんとなく信じてしまいそうだ。
実際、エビカツ自体は大正期に生まれたものらしい。そこから60年以上経ち、ロッテリアが1977年に「えびバーガー」を考案してようやく、エビカツが具のハンバーガーがこの世界に誕生した。

にしちゃあ、じゃないか?
なんというか、エビカツの発展形としてエビカツバーガーができたわりには、エビカツってあまりにもバーガーありきじゃないか?
エビカツを単体で食べたことって一度もないかもしれない。無意識に食べてることはあるかもしれないけど、食べたいと思って食べたことは無い。だってエビフライでいいもん。

あんな小ちゃいエビをたくさん集めてケチャケチャにしたものを、むき身でもすり身でもない状態にしたものを、捏ねて揚げて、え?どうしたいのさ。
逆なら分かるよ。エビを使ったハンバーガーが作りたいからそれに適した形にエビを形成したっていうなら分かるけどさ。でも違うんでしょ?えびバーガーを作ろうと思った頃にはもうエビカツはあったんでしょ?
じゃあなんなんだよエビカツって。意図が分かんないよ意図が。エビカツの活用先としてバーガーが発見されるまでの60年間、なんとなく活用しきれないままエビカツは存在し続けたの?やっべ。スパゲッティがないのにミートソースが60年存在し続けたようなもんじゃないか。ふざけんなよ。

エビカツバーガーって不気味だ。あんなに美味いのに、出来た経緯の意味が分からない。もしロッテリアがえびバーガーを作らなかったらエビカツの空白の時代は今でも続いていたのかもしれないと思うと、偶然というもののどうしようもなさを感じて怖くなる。
もしエビカツにとってのバーガーのような存在が自分にいて、それに気づくのが死ぬ間際だとしたら。自分を自分にしてくれる不可欠なものを知らないまま生き続けなければならないとしたら。
恐ろしい想像だ。バーガーに出会って、そのとき自分はどう思うのだろう。これまでの不在を嘆くのだろうか、それとも出会えた奇跡に咽ぶのだろうか。

教えておくれ、エビカツよ。君はそのときどう思ったんだ?

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